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SIREN2 - (2019/07/31 (水) 21:03:02) の編集履歴(バックアップ)


SIREN2

【さいれんつー】

ジャンル ホラーアドベンチャー
対応機種 プレイステーション2
発売・開発元 ソニー・コンピュータエンタテインメント
発売日 2006年2月9日
定価 7,140円
レーティング CERO:15才以上対象
廉価版 PlayStation2 the Best:2007年4月26日/2,666円
判定 良作
SIRENシリーズSIREN - SIREN2 - SIREN:NT


ストーリー

日本近海に位置する離島、夜見島は、独自の因習を守る閉鎖的な島だったが、時代の趨勢に伴い建造物、移住者の増加など、急速な発展を遂げていった。
1976年8月3日。午前0時、原因不明の海底ケーブル切断による大停電、全島民失踪事件が発生する。それによって島は一夜にして無人島となった。
事件から29年後の2005年。島に伝わる因習を調べに来た雑誌編集者や輸送ヘリコプターのエンジントラブルで島に不時着した自衛官達、
さらにはある“少女”への想いから島に足を踏み入れた作家などが島を訪れる。
8月3日午前0時、突如不気味なサイレンが島に響き渡った。消えた人々が未知の存在・屍人、そして闇人へとすり替わる。
生き残りを賭けた絶望的な戦いが始まる


特徴

  • 前作の世界観を一部受け継いだストーリー。
    • 本作のストーリーは、前作であるSIRENの一部を引き継いだものとなっている。
      • 現世から引き離された異界を舞台に、巻き込まれた人々の生き残りを賭けた群像劇。という点は前作と同じ。しかし今回の異界は起源が違う為、法則も異なり、舞台も山奥の寒村から離島に、更に巻き込まれる人々も大きく様変わりしている為、新鮮味は強い。
    • 引き続き出ている「屍人」も設定が大幅に違うため、似て非なる存在となっている。(変異屍人も今回は出現しない。)
  • 恐怖感はそのままに、よりリアルに。
    • 前作でも人気であった3Dポリゴンの質がさらに上がっている。
      • 懐中電灯の光の質も上昇。LED型電球とハロゲン型電球で照らし方が違うのもまたリアル。
    • 敵である屍人・闇人も生前の記憶を喋り続けるため、不気味な雰囲気が漂っている。
      • 屍人の台詞はうわ言のように辿々しいが、闇人は屍人に比べてかなり流暢に喋る為、怪物的な恐ろしさとはまた違った不気味さを醸し出している。

評価点

前作から大きく改善された親切設計

  • 前作で「初心者に不親切」という意見が多かったのか、多くの新仕様が追加された。
    • 「1」ではキャラ毎に武器は固定で、倒した屍人の武器を拾うという事はできなかったが、今作では武器の取捨が可能となり、倒した敵の武器も奪えるようになった。
      • 逆に敵も武器を拾う為、うっかり銃器を拾われてしまうと思わぬ強敵を生む事に。
    • アラート機能を導入した事により、敵が近付いてきたり、狙撃銃で狙われているのを確認出来るようになった。
    • 地図で自分の現在地や、目的地が表示されるようになったり、攻撃のレスポンス等が改善された。
    • チェックポイントを導入し、死亡した場合にはチェックポイントからやり直す事が出来る。(例外はある)
    • クリアしなくてもアーカイブや終了条件2の為の必要行動を達成出来るようになった。(ただし死んだらやり直し)
    • 前作では終了条件2はガイドから外れて僅かなヒントだけを頼りに独自に行動しないと達成出来なかったが、今回はシナリオ開始前にどちらの終了条件に挑むか選択可能になり、終了条件1と同じようにしっかりガイドが表示されるようになった。その為、今回は選んだ終了条件によってシナリオの結末だけではなく途中の展開自体も変化する。
      • 前作の一部のステージのような「敵に一度も見つからずに脱出」「一定時間以内にクリア」と言った終了条件は無くなり、そちらはタイムアタックの方で楽しめるようになった。
    • 難易度選択が出来るようになり、やたらと親切なチュートリアルが出来たりヒントが充実したりする。ステージごとに難易度を変える事も出来る。
      • デフォルトの難易度であるノーマルでも前作より大分簡単になっており、初心者でも安心してプレイできる。
      • 難易度ハードは通常は一度ゲームをクリアしないと解禁されないが、前作のセーブデータがあれば最初から選択する事が出来る。
    • ヒントや地図の現在地表示、アラートはオフにする事も可能。前作のようなストイックな条件でプレイしたい人も安心。
    • しゃがみ走りの導入や、前作ではリストメニューからしていた操作が○ボタンのみでできるようになるなど、より快適なプレイのための工夫がなされている。
      • 前作ではしゃがんだ状態では非常にゆっくりしか動けなかったが、今回は姿勢を低くしたまま走れる為、ステルス移動のシーンは非常に快適になった。
    • 武器を持っていない状態では素手攻撃が可能。また、銃も撃つ以外に殴りつけて攻撃もできる。
      • 但し、素手攻撃でダメージを与えられるのは一部のキャラのみで、他は突き飛ばして仰け反らせる事しか出来ない。
  • このように難易度はかなり下がっているが、難易度ハードは前作にも劣らない歯応えのあるステージも多い。
    • 銃を持った敵がこちらの位置を補足して常に追い掛けて来る、結構な数の闇人と戦わなければならないのに懐中電灯が無い、などの凶悪なシチュエーションも。
    • 難易度ハードではヒントも前作の説明書に載っていたような、極めて断片的で抽象的なものに差し代わる。
    • オプションで新機能を切って難易度ハードを選択すれば、前作と同等かそれ以上の高難易度が味わえるのも前作ファンには嬉しい所。
  • 動画や音声アーカイブが追加され、よりSIREN2の世界へのめり込めるようになった。スタッフの遊び心等も反映されている。
    • アーカイブにはスタッフの取材時の写真やスタッフの結婚式の写真などが使用されていたり、中川翔子が雑誌の表紙を飾っている物もある(本人が描いた絵も登場している)。
    • 前作に触れたネタもあり、前作で美浜奈保子を演じた小代恵子はこの為だけに(しかも実写で)出演している。
    • 説明文も思わず笑ってしまうようなユーモラスなものもある。しかしそれらにはいずれも大なり小なりの「絶望」が含まれている*1*2
  • SIRENシリーズの肝とも言える視界ジャックは、一部のキャラに限り「視点の固定」「過去視」「感応視」と言ったバリエーションが用意された。
    • 盲目の作家・三上脩のシナリオでは主観視点となるが、重度の弱視の為にぼやけてはっきりとは見えない。その為、三上のみ視界を固定する事で視界ジャック中でも行動が可能であり、主に盲導犬のツカサの視点を借りて行動する事になる。
    • 「過去視」は占い師の喜代田章子が使用可能。特定の場所に近付くとノイズが走り、そこで視界ジャックを行うとその場の過去の光景を見て、先に進むヒントを得る事が出来る。所謂サイコメトリーに近い。
    • 「感応視」は特殊能力を持つ木船郁子が使用可能。無警戒状態に限り、ジャックした屍人や闇人の身体を乗っ取って操る事が出来る。但し、郁子自身に負担が掛かる為、長時間の使用はできない。また、当然ながら感応視中は無防備になる。
  • 一部のステージでは軽トラックを運転する事が出来る。移動は勿論、敵を撥ねて倒したり、ライトを当てたり、クラクションで敵を誘導したり、高所に昇る踏み台にしたりと、用途は幅広い。
    • 但し、ただの軽トラなので外からの銃撃は防げないし、ドアロックが掛からないのか敵に接近されると引き摺り出されてしまう。
    • あるステージでは敵の運転する軽トラに撥ねられないように進むシーンもある。

SFとオカルト要素の多いシナリオ、そして絶望

  • 前作は和風テイストの強い作品だったが今作はSF作品を思わせる設定やストーリーとなっている。
    • 主要登場人物の「一樹守」がミステリー科学雑誌の編集者*3、「喜代田明子」の職業は占い師、という設定もSFタッチな作風を引き立てる要素となっている。
  • もちろん、「どうあがいても絶望」と呼ばれた前作にも引けを取らないショッキングな展開もある。
+ ネタバレ
  • 今作の異界を作り出した異形「母胎」は、現世に自身の下僕である「分裂体」を飛ばして”ある事”をさせ、「特異点から現世に帰る」という望みを果たそうとしている。
    • 分裂体は「鳩」とも呼ばれ、大きく分けると母胎が自らの一部から作った「覚醒鳩」と、鳩の因子が妊婦の胎内に宿る事で生まれる「未覚醒鳩」の二つに分かれている。未覚醒鳩は当初は普通の人間として生まれるが、成長するにつれて徐々に鳩へと覚醒していく。
  • 作中で明らかになっている覚醒鳩は「岸田百合」と「加奈江」と公式サイトで発表されている外伝の中に登場する二人の計四人。未覚醒鳩は「木船郁子」、「喜代田章子」、「多河柳子」、主人公の自殺未遂をしたガールフレンドの「池田麻衣」の四人。
    • 覚醒鳩の顔は全て同じであり、未覚醒鳩も覚醒した場合顔が覚醒鳩と同じになる。これは母胎がある人物の水死体から現世の存在を知り、その外見をベースに現在の姿を形作った為。その分裂体である鳩達も皆、母胎=水死体の人物と同じ顔な訳である。
  • 岸田百合と出会い利用されていく一樹守、幼い頃に加奈江と親しくしていた三上脩、多河柳子殺害容疑をかけられ喜代田章子と共に島へ向かう阿部倉司。このように母胎を中心としてストーリーが展開される。
    • また、今作では登場するほとんどの女性キャラクターが覚醒鳩か未覚醒鳩である。唯一女性メインキャラクターの中で鳩ではない「矢倉市子」も、模倣体と呼ばれる者であり、人間ではない。
      • 唯一普通の人間である「太田ともえ」もストーリー序盤で死亡し、屍人化。さらに、闇人乙式化する。まとも女性(?)キャラクターなのは盲導犬であるツカサ・オブ・ジルドール(メス)のみ。唯一のまともなヒロイン(?)である。
  • 鳩も全員が全員母胎の忠実な訳ではなく、中には人間への愛に目覚めたり、母胎に反抗する者もいる。そのドラマも見所である。
  • エンディングの1つで、唯一未覚醒鳩の中で覚醒しなかった木船が日光を眩しがるシーンが存在する(覚醒した鳩は日光の中で長く活動できない)ため、物語は完全に終わったわけではないことを感じさせる。
  • それとは別に模倣体を作りだした「堕慧児(おとしご)」という母胎とは違うが行動原理を模倣する敵が登場。母胎のように現世の奪還には興味は無いが、母胎への愛憎入り混じった感情から事態を混迷させる存在である。
    • この堕慧児を倒すのが、新米自衛隊員の永井頼人。彼は決死の特攻をかけて生き残ろうとするが、戦いの果てに永井が目覚めると、見渡す限りの闇人がうごめく光景が広がるというもはや生きて無事に帰れるのすら絶望的になるというエンディング。
      本当の意味で「どうあがいても絶望」を体現してしまったキャラである。
  • 堕慧児が生み出した「模倣体」こと矢倉市子も多くのプレイヤーに強烈な印象を与えた。
    • 模倣体とは上記の分裂体を模して作られた堕慧児の分身であり、海で死亡した矢倉市子の姿を忠実に再現している(つまり本物の市子ではなくクローンのようなもの)。しかし当人にその自覚は無く、記憶もオリジナルを受け継いでいる為、当初は自分を本物の矢倉市子だと思っていた。
    • 公式サイトでは「目を覚ますと異界にいた中学生」程度の紹介しかされていなかった為、前作の前田知子のような役回りかと想像しそうだが、確かに当初の行動はそれに近いものの、後半に模倣体として覚醒して以降は機関銃で闇人を狩り回るという凶暴な怪物へと変貌。セーラー服にツインテールというある種狙ったようにも思える外見も然る事ながら、血に染まったセーラー服、狂気的な台詞、笑い声と共に闇人逹を蜂の巣にしていく姿は多くのプレイヤーに絶大なインパクトを残した。『セーラー服と機関銃』とも
    • 敵としても、耐久力が異常に高く、正面から撃ち合っても確実に負ける、仮に倒しても即座に復活する、と、正に無敵の存在であり、基本的に逃げるしかない。終盤には日本刀まで装備して更に戦闘力が上昇。ある時点以降なら倒す事も可能になるが、難易度イージー以外ではかなり厳しい相手である。
      • 倒せばムービーの演出付きで隠し武器が手に入る。また、やり込んだプレイヤーには難易度ハードで鉈のみで倒したり、(完全には倒せないシナリオでだが)大量に嗾けた闇人の一斉掃射で倒すなどの猛者も存在する。
  • また、本作は「パラレルワールド」の設定を取り入れており、夜見島は現実の世界とは違う世界にコピーされて存在している。
    • 終了条件1と2で展開が違うのも、それぞれがパラレルワールドだからとされる(前作では「時間のループ」が取り入れられており、ループを繰り返すうちに人々の行動が変化していくという形だった)。
    • 同様にして、各主人公達が最終的にたどり着いたのも、それぞれ別の世界であるとされており、永井が落ちた世界も「闇人が地上を支配した平行世界」という解釈がなされている。

敵を掃討する事が可能なステージの登場

  • 自衛隊員が出るため、銃火器を使用した戦闘が増える。それによって「敵から逃げる」と「こちらから敵を倒しに行く」という複数のゲーム性を得ることになった。
  • 前作とは作風が異なる事や舞台となる夜見島は鉄筋やコンクリートの建造物が多いため戦闘を重視したゲーム性を持ち込む事に成功している。
  • 一方、新登場の闇人は屍人に比べると欠損部分なども補填されている為、動きが全体的に機敏。知能もそちらに比べると高く、戦闘の難易度自体も相応に上昇している。

隠し武器や隠しシナリオの追加

  • あるステージで特別な敵を倒して武器を奪ったり、条件を満たしてクリアすると、後のステージで使用可能な隠し武器が手に入る事もある。
    • 無くても攻略は十分可能だが、いずれも頼りになる為、是非手に入れておきたい。クリア後に入手しても、苦労したステージで暴れられる楽しみもある。
  • 前作ではアーカイブを全て集めると出現する隠しシナリオ(ムービー)があったが、今回はそれに加えて、特定難易度で全ステージクリア、全ステージのタイムアタックを更新、と言った条件により出現する複数の隠しシナリオが用意されている。
    • これにより、ストーリーの真相や、登場人物のその後を知れたりする。また、ムービーのみならず屍人を操作するシナリオ(しかも驚愕のラブロマンス)があったり、前作の主人公を動かして屍人や闇人を時間が来るまで殲滅し続けるミニゲーム的なシナリオもある。*4
      特に前者は、シナリオ解放条件がそれなりに厳しいこともあり、作中でも「最高難易度の世界」と称されるほどの難しさを誇る*5
  • タイムアタックに「称号」システムが追加された。
    • 単純な割に前作でも好評だったタイムアタックだが、今作では特殊な条件下でタイムアタックをクリアすることで称号を得られるようになった。
      • 中でも、敵に一切発見されることなくクリアすることで得ることができる称号"Stealth"は、ゲームのコンセプトに合った内容と、その難易度の高さから多くのコアユーザーを虜にした。
    • やりこむ価値はあるが、いずれもそう容易い事ではない。

今作もこだわったリアリティ

  • 今回の舞台となる「夜見島」は長崎県にある「軍艦島」をモデルにしている。かつては鉱山の島として栄えた軍艦島と同じく夜見島も鉱山や作業員の住む団地や娯楽施設の遊園地などが存在する。
    • また離島という事もあり旧日本軍の砲台跡や漁村、さらには座礁したフェリーとステージバリエーションは多い。
  • 自衛隊員も出るため銃火器の検証もかなり細かく行われ、自衛隊の専門用語などが出る場面もある。ちなみに三沢武明を演じたピエール瀧はたまたま映画で軍人役を演じるためスキンヘッドだったので起用されたらしい。
    • 特異な設定を抱える三沢武明を演じる様は正に怪演といえる。

新しい恐怖

  • 前作で猛威を振るった「犬屍人」や「蜘蛛屍人」、「羽根屍人」等は登場しない。前作で登場した「屍人」も登場するが、中盤以降は新しく出現する闇人がメインの敵となる。「中盤以降屍人は一度も出なくなる」

屍霊

  • 赤黒い霧のような存在。よく見ると中央に顔が浮かんでいるのが視認出来る(モデルはシナリオライターの佐藤直子)。
  • この霊が死体に憑依する事で「屍人」が生まれる。
  • 光にとても弱く、懐中電灯で照らしたり、街灯の下に誘導するだけで死んでしまう。その代わり、暗闇がある限り無限に湧き出てくる。
  • 弱弱しいただの霧に見えるが、攻撃能力はきちんと有しており、油断していると囲まれてハメ殺しにされる。ハードモードではそれだけでゲームオーバーになることも。
  • また、実体を持たないため、間に遮蔽物があっても追いかけてくる。但し、こちらの攻撃は当たる。

屍人

  • 人間の死体に屍霊が憑依したものであり、前作の屍人とは全く別の存在。動きも緩慢で噛みつきで攻撃したりと、前作に比べてゾンビに近くなっている。
  • 本体は憑依した屍霊の方で、死体をシェルター代わりにしている為、光は効かない。しかし所詮は死体を動かしているだけなので再生能力は無く、倒すと憑依している屍霊が消滅してただの死体に戻る。別の屍霊が憑依すると再び動き出す。
  • 知能は低く、簡単な陽動にも騙されるが、武器を使用したり段差を登る、鍵を開けるなどの行動は可能。中には軽トラックを運転する個体もいる。

闇霊

  • 蛇のような生物。体色は白だが、ゲーム中では布を体に巻きつけているため黒に見える。
  • 「屍霊」のように人に乗り移るわけではないが、設定上こいつがいるステージでは闇人が再生する。
  • 本来は「屍霊」より光に弱いが、巻きつけた布の影響で光にある程度耐性がある。
    • 屍霊と同じく光に当たり続けるだけでも死ぬが、懐中電灯で照らすと光を避けようとして動く為、側面に回り込まれて攻撃される事もある。
  • 「屍霊」と異なり実体を持つため、遮蔽物で追跡を逃れることができるが、夜目が利くため暗所でも発見されてしまう。
  • ファンの間ではその外見から「タラコ」と呼ばれている。

闇人

  • 屍人より知能が優れているという設定を持ち、登場人物そっくりに声真似をしたり、話しかけて動揺させるといった特殊な行動を行う。
  • 闇霊・屍霊同様、光に弱いという弱点を持つ為、懐中電灯の光で怯ませて戦うといった戦法がメインになる。光でもダメージはある為、上手くハメれば懐中電灯だけでも倒せるが、かなりの時間がかかる。
  • 夜目が利くため、暗所でも遠距離から発見されてしまう。それを逆手に利用し、闇人を視界ジャックすれば暗所を観察することが可能。
  • 周囲の闇霊から生命力を供給できる為、前作の屍人のように自己再生する。但し、前作と違ってバラバラになると再生出来なくなるらしく、あるシナリオではそれを利用した撃破方法もある。
  • 今作にも、前作の変異屍人のように、犬の体と鳥の足に人の顔をつけたような「闇人乙式」と闇人の股間に顔をつけて指のような足を四本生やしてる「闇人甲式」が登場。
    • 闇人甲・乙式は発見時に正面からの攻撃を無効化するため、後ろから気付かれないように近づき仕留めるなど、よりゲーム的要素が増している。なお無効化するのは警戒してる時と興奮してる時であり、見つかってない状態だったら正面からでもダメージを与えられる。
    • 見た目もSIRENらしい「グロテスクではない不気味な恐怖」そのものであり、特に太田ともえ(乙式)がトラウマになっている人も多いだろう。
  • ファンの間では「ダークマン」や「やみんちゅ」と呼ばれている。
    • 長い間プレイしているうちに、闇人がかわいく見えてきたという猛者も多い。
+ 闇人の画像(ホラー苦手な方は注意!)

左から順に闇人・闇人甲式・闇人乙式


賛否両論点

武器持ち替えシステム

  • 島中にある日用品や、敵が持っていた武器を倒して奪えるシステムだが、これが大きくSIRENらしさを失う基となってしまっている。
    • どんな弱武器でもダメージを与えさえすれば敵は倒せ、武器も奪えるため、前作にあった「非力なキャラクターを操作し、隠れ、進む。」ことをしなくてもよくなってしまった。
    • 同行者も武器を拾う為、護衛対象が勇ましく敵に向かって行くなんて事も普通にある。無論、同行者が殺されればゲームオーバーなので守らなければならない事に変わりはないが。
      • また、同行者は敵同様に銃弾を無限に持っている為、銃火器を持たせれば非常に頼りになる相棒になる(なってしまう)。
  • 今作では、自衛隊が島に不時着したという設定の下、多くの銃器や自衛隊員(屍・闇人含む)が登場しているため、敵が多くの銃を持っている。
    • その敵を倒し銃を奪うことで、本職である自衛隊員はともかく雑誌記者からチンピラ、はたまた女子中学生や占い師の一般女性まで銃を使うことが出来てしまう。(ライフル銃は男性のみだが、拳銃・機関拳銃は全員装備可能)
  • また、前作ではメインだった近接武器も2では大きく進化してしまったことにより、さらに難易度が低下。
    • 靴べらから日本刀、トロフィーから釘バットまで様々な武器が使えるようになったのはいいが、近接武器が最大3回までコンボできるようになったため、非常に使い勝手がよくなった。
    • しかし、銃でも近接攻撃ができるようになったため、銃さえあれば他の武器は必要なくなってしまう。
    • が、リアリティを求めるとこうなってしまうのは自明の理なので、一概に否定は出来ない。前作では「農村ならもっと武器がある筈なのに何故拾わない。」という意見は出ていた。
    • また、あまりに攻撃力の低い武器では相手が怯まず、逆にコンボの隙に攻撃を喰らってしまうので、全ての近接武器の使い勝手が良い訳でない。

相変わらず複雑なストーリー

  • 「前作並」という意見もあれば、「前作より難解ではない」という意見もあるが、どちらにせよ複雑な事は変わりない。
    • 前作同様、公式サイトや考察サイト、掲示板で情報をやりとりして自分なりの回答を見つける楽しみを重視しているとも言える。

問題点

素手攻撃

  • 素手でも攻撃できるようになったとは言え、ほとんどのキャラは突き飛ばし程度しかできない為使いどころは非常に限られる。
    • 今回は敵味方問わず、段差付近で攻撃を受けると落下してダメージを受けるようになったが、突き落としで倒すのはほとんど無理。遊びには使えるが、攻略面の実用性は皆無である。
    • 攻撃力のある素手攻撃を持つキャラはほとんど武器を持ってスタートする為、使う必要が無い。

一部操作感・モーションの変更

  • 前作と比べ回頭速度が低下した。
    • 後述の闇霊によるハメ殺しの一因になりやすい。
  • ボタン入力式アクションの弊害。
    • 前作ではスティックを強く押し込むだけでスムーズに行なえた段差の昇り降りが、ボタン入力に変更され他の動作との選択形式となった事で意外と手間取ってしまう。
  • 難儀なポイント表示。
    • 何らかの動作を行なう為のポイントが画面に示されるのは分かり易くて良いが、指示内容の頭にあるポイントマークが黄色表示の時でなければ反応しないため、迅速な行動が必要とされる場面やタイムアタックなどでは大きな足枷になってしまう。
  • 階段昇降時に専用モーションが適用されたため、階段での移動速度が低下。
    • 非常事態にもかかわらず、律儀に一段一段歩を進める姿は少しシュール。前作のようにスイスイと上り下りするのもリアリティに欠けるが、これはこれで不自然さがある。
  • 全力疾走できる距離が前作より延びた反面、スタミナ回復に要する時間も増加。
  • モーションの一部に違和感がある。
    • 近接武器のモーションに使い回しが多い。
    • 機関拳銃を構えるモーションが拳銃の物と同じで「マガジンが手を貫通する」という妙な光景が見れる。
    • 自衛隊員は懐中電灯を胸ポケットに仕舞っているのだが首振りをしただけでそっちの方向に光が向くようになっている。
    • ただこれらは容量上の問題でありスタッフも妥協せざるを得なかったようである。

その他

  • タラコ(闇霊)の存在。無限に沸くため多数に囲まれてハメ殺されるという理不尽な死に方を度々見せられる。屍霊は許せてもタラコは許せないと言う意見は多い。

総評

前作に比べると難易度は大きく下がったことで賛否が分かれているが、その分初心者には幾分易しい作品となっている。
難易度の減少については前作の明らかに理不尽だった仕様を修正した結果といった側面も強いのでやむを得ないと言えるだろう。
新たな敵の恐怖、新システムなど前作以上に新たな試みを行っていながら、グラフィックや操作性などゲームとしての質は確実に向上している。
緻密なストーリーもまた健在であり、やりこみと情報収集によってさらに世界の奥深くへ引き込まれていくという前作同様の楽しみもまた健在である。
難易度に関しても、熟練者でも退屈しないハードモードや高難易度隠しステージ、各種称号と言ったシステムを用意してある点は忘れてはならない。
前作とは若干方向性が変わっているのは否めないが、本作もまた魅力的な作品であることに変わりはない。


余談

  • 2006年には堤幸彦監督により『サイレン ~FORBIDDEN SIREN~』として実写映画化された。
    • 設定は本作がベースなのだが、森本レオにココリコの田中直樹というホラーに相応しくない人選や、人魚伝説、屍人、視界ジャックの設定がすべて上辺だけの登場でありSIRENの良さが失われている上、SIRENが原作である必要性が無い結末*6のためファンからは黒歴史として認識されている。
    • ちなみにチョイ役程度だが岸田百合役の高橋真唯が出演している。
    • さらにEDテーマはピエール瀧の所属している「電気グルーヴ」の石野卓球が担当している。
  • メイン主人公の一樹守は物語前半の眼鏡を掛けた姿が、当時『冬のソナタ』などの韓流ドラマで人気だった韓国俳優のペ・ヨンジュンにどことなく似ている事から、「ホラー界のヨン様」と呼ばれる事がある。
    • ちなみに一樹役は現在、俳優や映画監督として活躍している斎藤工。当然ヨン様ではない。
  • 2019年3月に三沢武明役のピエール瀧が麻薬取締法違反(コカイン使用)の容疑で逮捕されたため、本作のアーカイブ配信*7などに影響が出ることが予想されている。
    • 作中では三沢が精神安定剤のような薬を服用する場面が見られる為、SNS上で本作が引き合いに出されてしまう羽目になった。
      公式のインタビューによると「三沢の薬は病院で処方される物ではないが麻薬ではない」と語っている。