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ポケモン不思議のダンジョン 時の探検隊・闇の探検隊・空の探検隊 - (2015/09/27 (日) 17:43:08) の編集履歴(バックアップ)


ポケモン不思議のダンジョン 時の探検隊・闇の探検隊・空の探検隊

【ぽけもんふしぎのだんじょん ときのたんけんたい・やみの~・そらの~】

ジャンル ローグライクゲーム


対応機種 ニンテンドーDS
メディア 時/闇:512MbitDSカード、空:1024MbitDSカード
発売元 ポケモン
販売元 任天堂
開発元 チュンソフト、ポケモン
発売日 時/闇:2007年9月30日、空:2009年4月18日
定価 4,800円
プレイ人数 1人
通信機能 ニンテンドーWi-Fiコネクション対応
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 良作
ポケットモンスターシリーズ関連リンク
不思議のダンジョンシリーズリンク


概要

ポケモン不思議のダンジョン 青の救助隊・赤の救助隊』の続編。
ストーリーは前作と繋がっていないが、主人公が前作同様に元人間であったり、似た性格の同じポケモンが出るなど前作ファンも意識した作りになっている。
今作も個性豊かな性格をしているポケモンが多く登場し、プクリンやジュプトルなど、この作品で株をあげたポケモンも多い。

『時』『闇』発売から約1年半後に、同作に追加エピソード等を新たに加えたマイナーチェンジ版の『空の探検隊』も発売。
本項ではこれについても合わせて述べる。


前作との変更点

今作は探検隊のグループ集団と同居して活動する「ギルド」を拠点に探検活動を行う。
ギルドでは掲示板に掲載された依頼を引き受け、その依頼を達成すれば報酬(お金、アイテム等)を貰うことが出来る。
掲示板の依頼は毎日変わり、好きな依頼を最大8通までストック出来るので、前作の難点だったポストに依頼が圧迫する心配が減った。
前作の技・道具のバランス調整。主に弱体化が目立つ。具体的に言うと…

  • 全体的なダメージ低下。
    • 前作では能力がカンストしてなくても通常攻撃で100以上のダメージを与えられたが、本作ではカンストしても100前後のダメージしか与えられなくなった。
      • 最初のダンジョンの雑魚でもクリア後ダンジョンの雑魚でも100前後。何かしらの補正がかかっている模様。
    • 固定ダメージを与えるソニックブームやりゅうのいかりの威力がほぼ半減。
      • 前作では両者とも約60程度と高ダメージだった。
  • メロメロ:前作ではどんなポケモン相手でも行動不能にする*1→本作より性別が導入されたことにより、対象が異性相手に限定され、命中率が100%から75%に引き下げられた。
  • セカイイチ:食べると満腹になり、満腹ゲージの限界が10増える→実質廃止、代替アイテムもレア化。
    • 「おうごんのリンゴ」というさらに強化版にあたるアイテム(満腹+最大値50アップ)はあるのだが、入手方法は特定の依頼で探すか特定の依頼で行く「おうごんのま」の宝箱の中身のみと、割とレアな貴重アイテムになっている。
      • 前作のセカイイチと同性能である「とくだいリンゴ」(満腹+最大値10アップ)もあるが、入手方法は一部のクリア後ダンジョンの店かクジびきのみと、上記のおうごんのリンゴよりさらにレア。
    • 一応、セカイイチ自体は本作にも設定上存在はしているのだが、ギルドの親方の大好物という設定で独占されているためアイテムとしては入手できない。ダンジョンでも拾えない、店でも買えない。
      • もっとも、前作のセカイイチはその性能の割に100ポケと安く、手軽に何個も手に入ってしまったため廃止は已む無いとも言える。
  • どこでもいける:壁を破壊して道を作るかしこさ→廃止、代替能力もレア化。
    • 同じ効果の「あくういどう」を持つパルキア専用の能力となった。いわくだきはPP99とはいえ所詮有限なので使い物にならないし、いちいち出すのも面倒。
  • 連続技:高火力の連続攻撃。本家と違って威力も命中率も高い→1発毎の命中率が大幅ダウン(それでもスキルリンク*2パルシェンは猛威を奮ったが。) 。
  • 技習得:レベルが低下するアイテムを使用し、再度技を習得するレベルになることで同じ技を覚えさせることができる。→本家と同様、2つ以上同じ技を覚えなくなった。余談だが技の強化アイテムの入手法も激減した。
    ちなみに前作では、装備品のみとおしメガネ+特技(かしこさ)の壁壊し (水上・空中・マグマ移動も兼ねる) +道具のセカイイチのコンボで階段までの最短ルートまで移動する荒業が可能で、難易度がとても高いダンジョンの救助も容易に攻略出来た。
  • 仲間を増やすには「必要なともだちエリアの用意」「チームの人数・大きさ制限」「倒れることなくダンジョン突破」といった条件をクリアしなければならない*3→そういった制限は全て廃止。ともだちエリアはなくなっており、チームが満員でも仲間にすることが可能*4。そして仲間にすればダンジョンを突破する必要もない。
    • さらに一度ダンジョンをクリアするとチームは強制的に解散し、また編成し直す必要があったのだが、本作では解散せずそのまま。
  • 時・闇の探検隊での主人公候補はカントー・ジョウト・ホウエン・シンオウ御三家+ピカチュウ・ニャース・エネコ・ゴンベの16匹。パートナーに選べるのはそのうち御三家+ピカチュウ。

マイナーチェンジ版(空の探検隊)での変更点

  • 新しいダンジョンの追加。「ゼロのしま」よりもさらに難しいダンジョンが登場した。
    • 時・闇との互換性のためか、追加されたダンジョンでは全て救助依頼を頼めない。
  • 不満要素の改善(砂嵐・霰のダメージでおこるアニメーションの省略、よびみず・ひらいしんの有効範囲縮小)やスペシャルエピソード*5の追加が行われている。
    • 追加されたエピソードはいずれも好評価。親方が探検隊になった理由など、本編では語られていない補完をしてくれている。
  • ぷっかつのタネやオレソのみといったそっくりどうぐも登場。説明文をよく読めばニセモノかどうか判別出来る。また必ずしもハズレアイテムではなく、一部はより便利なアイテムがあったりする。
    • アイテムをソート(種別順に並べ替える)すると「オレンのみ、オレソのみ、オレンのみ」といった感じでランダムに差し込まれる点に注意。
    • 役に立つかどうかはともかく、使った時に無駄に凝った演出が始まる物も。
  • プレイヤー&パートナー候補として新たにリオル、イーブイ、ロコン、コリンク、ゴマゾウが追加。エネコも主人公だけでなくパートナー候補として選択可能に。
    • 代わりにニャース、ゴンベが主人公候補専用から降格し、逆にパートナー専用になった。ノーマルタイプが多くなりすぎる事に対する配慮と思われる。
    • また、新主人公候補(あるいはその進化系)であり一部ボスキャラは、別の物に変更されてしまった。
+ 主人公・パートナー候補(時闇空両対応)

候補のポケモンはカントー・ジョウト・ホウエン・シンオウ御三家+ピカチュウ+α。
主人公のみ男女の選択がある。時闇ではどちらの性別でも主人公候補は同じだが、空のみ前作同様性別限定ポケモンが居る。
パートナーの性別は前作同様、各ポケモンによって♂(一人称「ボク」と「オイラ」の2種)か♀(一人称「ワタシ」)で固定されている。
前作同様、主人公と同タイプのポケモンはパートナーに選べない。

ポケモン名 タイプ 主人公 パートナー
時闇 時闇
フシギダネ くさ・どく 両方 ♂(ボク)
ヒトカゲ ほのお 両方 ♂(ボク)
ゼニガメ みず 両方 ♂(オイラ)
チコリータ くさ 両方 ♀(ワタシ)
ヒノアラシ ほのお 両方 ♂(ボク)
ワニノコ みず 両方 ♂(オイラ)
キモリ くさ 両方 ♂(ボク)
アチャモ ほのお 両方 ♀(ワタシ)
ミズゴロウ みず 両方 ♂(ボク)
ナエトル くさ 両方 ♂(ボク)
ヒコザル ほのお 両方 ♂(オイラ)
ポッチャマ みず 両方 ♂(ボク)
ピカチュウ でんき 両方 ♂(ボク)
ニャース ノーマル 両方 不可 不可 ♂(オイラ)
ゴンベ ノーマル 両方 不可 不可 ♂(オイラ)
エネコ ノーマル 両方 ♀限定 不可 ♀(ワタシ)
イーブイ ノーマル 不可 ♀限定 不可 ♀(ワタシ)
ロコン ほのお 不可 ♀限定 不可 ♀(ワタシ)
ゴマゾウ じめん 不可 ♂限定 不可 ♂(ボク)
コリンク でんき 不可 ♂限定 不可 ♂(ボク)
リオル かくとう 不可 ♂限定 不可 ♂(ボク)
  • レベルアップで覚える技が『プラチナ』準拠に変更。
    • その所為であるボスキャラが大幅に強化されていたりする。
    • ただしレベル1ダンジョンのスカタンクが「どくどく」習得レベルに届かなくなっているなど、弱体化したケースもごくわずかに存在する。
  • パッチールのカフェとたんけんリサイクルコーナーが登場。
    • 前者は食材をドリンクにすることができ、後者はいらない道具を物々交換ができる施設。ゲームを進めると売るか捨てるかの目的が無くなるアイテムも有効的に処理が出来るため大好評。
  • 専用道具がほぼ全種類のポケモンに追加された。
  • セーブが寝床だけでなく、交差点の水飲み場でもできるようになった。セーブポイントの寝床は距離が遠いが、交差点の水飲み場はすぐダンジョンへ行ける場所にあるための配慮だと思われる。
    • また、セーブ時間も前作より短縮されている。
  • サウンドテストモード「そらのジュークボックス」が追加。評価点の項目で言ってるように良曲は多いが聞ける機会が限られているため、プレイヤーには嬉しい配慮。

評価点

  • 単なる勧善懲悪では無い本作のシナリオは非常に評価が高い。
    • DS全体で見てもその質はトップクラスと言っても過言では無い。
    • ストーリーの展開の仕方も実によくできており、『絶対にプレイヤーを飽きさせない』というシナリオライターの意気込みが伝わってくる。
    • それを象徴しているのが中盤における「とあるイベント」であり、あらゆる意味で裏と表が入れ替わったような展開に驚愕するプレイヤーが続出した。しかもきっちり伏線は張ってあったのだから恐れ入る。
    • 特にChapter-19~エンディングのストーリー展開は絶賛されており、ファンの間では語り草となっている。
    • 空で語られるプクリンの、「本当に悪いポケモンは居ない」という考えは本作のテーマの一つとなっている。
      • 特に顕著なのが終盤で戦う事となる、とあるポケモン達であり「彼らに共感した」という声も非常に多い。
  • ストーリーを盛り上げるキャラクターの評価も非常に高い。
    • 特にプクリンとペラップ、ジュプトル、ヨノワール、セレビィと言ったポケモン達は本作で大きく株を上げたと言っても良い。
    • ジュプトルに至っては現在では進化系のジュカインを喰う程の人気の高さを誇る。
    • 本作のセレビィはファンからは専ら「デレビィ」と言われている。ニコニコ大百科に個別記事まで立てられる程。
    • ヨノワールやペラップ、そしてパートナーのポケモンは非常に人間味溢れるキャラ付けがされており、共感しやすい。
    • その他のポケモンもギルドメンバーを筆頭にかなり濃いキャラ付けがされており、印象に残りやすい。
  • ニンテンドーDSのスペックを最大限に引き出したドット絵は芸術の域に達しており、それを活かした演出が更にストーリーを盛り上げている。
    • ドット絵への力の入れようそれだけでなく、ポケットモンスターダイヤモンド・パールに登場するポケモンがほぼ全部登場し、歩行グラフィックだけでなく今作では顔グラフィックも全て用意されている*6。ドッター御苦労さまと言いたくなるボリューム。
  • 仲間ポケモンの台詞はポケモン別ではなく老若男女、固有というようにグループ分けされた。
    • 今作ではグループ分けで纏められたことにより各ポケモンならではの台詞はほとんど無くなったものの、同じシチュエーションでも台詞のバリエーションが数種類に増加し、何度も話しかけると違う台詞が聞けるようになった。さらに、前作と違いダンジョン以外でも仲間が喋るようになっている。
    • また、ギルドのビッパやペラップ等ストーリー上の重要人物には固有の台詞パターンがしっかりと用意されている。もちろん残体力での台詞変化も健在。空で追加されたスペシャルエピソードの登場人物にも勿論固有台詞がある。
    • 一方特定の依頼でついてくるコイル、ジバコイル以外のポケモンはどんなに凶悪なポケモンでもどんなに可愛いポケモンでも同じ台詞。バンギラス「よろしくね!」
  • 前作同様、本家ポケモンとは違う色合いのBGMも評価が高い。
    • 特に終盤~エンディングで流れる、笛やオルゴールなどを中心とした感動的・悲壮的な曲は特に評価が高い。
    • その中でもラスボス戦のBGMは、そこに至るまでの展開も含めてポケモン史上屈指の名曲として高く評価されている。
      • ポケモンシリーズのみならず、DS全体で見ても現在最も人気が高い曲と言っても差し支え無い。事実、毎年行われている大規模なゲームBGMランキングでは、同シリーズ内でも突出した順位を保っている。
    • その他のBGMも良作揃いであり『捨てる曲がない』とまで言われるほど。
  • エンディング後の主人公とパートナーの扱いも前作から改善。
    • 前作では主人公とパートナーがED後にモブ同然の扱いになってしまうことが欠点として挙げられたが、今作では扱いが大きく改善されている。

賛否両論点

  • ストーリーはご都合主義的な部分が強い。
    • 空の探検隊の追加エピソードでは特に露骨。ただ、その追加エピソードは本編で報われなかったキャラ達にスポットが当たるので救済処置とも言える。
    • エンディングでのスタッフロール直後の展開は典型的なご都合主義であり、「無かった方が良かった」と言われやすい。
      • ただし、そのご都合主義な展開が無かったら後日談が進まない為、かなり難しい点ではある。
    • エンディングを迎えた後も一部の謎が未解決のまま。クリア後のイベントを最後まで進めるとストーリー全体の真相がわかるのだが、しばらく平和な時代が続くためにゲームが終わったと勘違いしやすい。

問題点

  • 前作よりマシになった部分もあるものの、一部のポケモンや技は突出して強い/弱い。本家ポケモンの技、特性をポケダン用にアレンジされたものがあるが、それによるポケモンの強弱が激しい。
    +
    • フワライド
      • 今作最強最有力候補。道具を所持していなければ通常攻撃は一度に2発、技は消費PP1で2回発動できる特性「かるわざ」を持つ。
      • そのかるわざ状態で回避率の上がる「ちいさくなる」を最大まで積むことで、敵の攻撃がほとんど当たらなくなる。
      • さらに部屋全体攻撃+敵味方識別+1体命中する毎に低確率だが全能力が1段階上昇する「あやしいかぜ」と「ぎんいろのかぜ」を覚える。全能力は素早さも含むため、そのうち一度でも能力があがれば二回以上の行動も可能になり、モンスターハウスでも技を連発するだけで容易に攻略が出来る。
      • これだけでも強すぎるのに、更に賢さグループの「てがはやい」で通常攻撃回数が2回になるので、道具を持たずに通常攻撃を使うと1ターンで4回攻撃が可能。
      • そして「スカイジェム」という道具で天気が「はれ*7」なら常に倍速移動。
      • 戦闘面のみならず、わなふまず、しりょくじまんでフィールド上の罠が無効に。くうかんはあくとカンがいいの相乗効果で最初からマップと階段がある方角がわかるため探索も容易。更にタイプ特性により壁の中以外ならどこにでも移動出来る。
      • 敵として登場した場合も上記の性能もあってただでさえ強いのに、倒したら特性「ゆうばく」により、フワライド付近にいるポケモンにダメージを与える(同時に範囲内に落ちているアイテムを全て消滅させる)ため、多くのプレイヤーにトラウマを植え付けた。しかも、ゆうばくは本家と違って攻撃方法に関係なくランダムで発動する。
      • 進化前のフワンテも、出現場所の少なさなどからこちらに比べてマイナーではあるものの、ほぼ遜色ない能力を持つ。
      • なお、出現率が低いものの、同じゴーストタイプでは弱点がないミカルゲ、壁透過が可能のロトムも同様に強力。
    • ドーミラー&ドータクン
      • ポケダンにおいて、特性を二つ持つポケモンはその両方の特性が発現している。つまり、"たいねつ"*8と"ふゆう"*9が同時に発現しているせいで「半減8タイプ・無効2タイプ・弱点なし」というとんでもない性能になっている。ポケダンでは相性効果が本編より緩くなっているものの、それでも十二分に優秀。
      • 更に本編でおなじみの多彩な補助技ももちろん完備しており、倒すのに手間取っているうちに「さいみんじゅつ」や「ふういん」で足止めされ、他の強敵がやってきて全滅するのが日常茶飯事である。
      • しかもこいつが出現するダンジョンには、ポリゴン、スカンプー、スリーパーなど対処を誤ると簡単に死ねるポケモンが大量に生息しているという念の入れようである。
    • すばやさ変化系の技(特に「こうそくいどう」)
      • 本編ですばやさを変化させる技は、そのまま「行動回数の変化」扱いとなっているため、非常に強力。特に「こうそくいどう」は自身と仲間全ての行動回数を増加させる超強力な技となっている。
    • 「まもる」・「カウンター」系の技
      • 本編ではこれらの技は、攻撃を放棄して守りを固める技となっているが、ポケダンではその効果が数ターン継続するため、守りながら攻撃する事が可能。特に強力なのは「オウムがえし」で、本編では「相手の使った技(自分の受けた技)をやり返す」と言う技なのだが、ポケダンではなんと「受けた技を無効にして、丸ごと相手に跳ね返す」と言う超強力な技となっている。ラスボスの大技もそのまま跳ね返すため楽勝。
      • 状態変化系の技も強力であるが、これはボスクラスの敵には無効化されたり、眠り系は「とくせい:ふみん」「かしこさ:ふみんふきゅう」で無効化されたりするので隙がある。一方、自分にかけるタイプの技は敵の強さに影響されない。
    • 「あしらいスカーフ」「ワープスカーフ」「みとおしメガネ」
      • 三種の神器とも言われる超強力アイテム(ただし前二者はソロダンジョンのみ)。あしらいスカーフは、直接攻撃を受けた時に、満腹度を消費する代わり隣接する敵に対象を変更してしまう。ゼロのしまなんぶ(いわゆる「もっと不思議なダンジョン」)では、拾えばクリア確定とさえ言われる程に強い。ワープスカーフは数ターンごとにワープ。ノーコストで飛べるために逃げるのに最適。みとおしメガネは、敵とアイテムの位置がマップに表示される。本作では、敵一体一体が強力な代わりに数は少ない、というバランスなので敵の位置がわかるのは他の不思議のダンジョンよりもさらに強力。
    • 「うらみ」・「おんねん」(敵のみ)
      • 両者とも、プレイヤーがそのフロアで最後に使った技のPPを0にするという非常に厄介な技。前者は正面攻撃技、後者は使用時におんねん状態(永続)となり、その状態のポケモンを倒した時に効果が発揮される。4つしかない技のうち1つをPP0にされると言うのは恐ろしく、ピーピーマックス等が無いと早々に技が使えなくなる。
      • 技ではないが、空では追い討ちをかけるかのように「おんねんスイッチ」という罠が登場している。それを踏むと敵ポケモンが1~4体出現し、フロアにいる敵が全員おんねん状態になるという本作中でも最凶クラスの罠である。
  • 逆に弱いポケモンや特性はとことん弱いのも多くいる。代表としては
    • メタモン
      • 「へんしん」が見た目を変えるだけの技になり、不思議のダンジョンシリーズで言うマネマネ・カラス天狗系のポジションに。そのため、味方として使う分にはすさまじく弱い。一応、ごくごく一部の技マシンで技を取得する事も出来るが、弱い。
      • しかし、敵として出た際には「はかいこうせん」と同等の威力を持つ自爆技「わるあがき」で手痛い一撃をお見舞いしてくる。
    • ナマケロ&ケッキング
      • 特性の「なまけ」によって実質2ターンに1度しか行動出来ない。複数相手する状況のポケダンでは非常に扱いにくく、能力も普通なため進化前のヤルキモノの完全劣化と言われる始末。
      • 本編でも「なまけ」はそんなものではあるが、進化前のナマケロはともかく最終進化のケッキングは本編では伝説のポケモンに匹敵する能力の持ち主として知られているため、余計に違和感がある*10
    • とくせい:にげあし
      • 本編では「野生ポケモンから必ず逃げられる」と言う、比較的陰の薄いものの有利な特性。しかしポケダンでは「HPが減ると、おびえて逃げ出してしまう」というデメリットになってしまっている。リーダーならば踏み留まれるし、HPを回復すれば良いだけなのでストーリー中ではまださほど困らないが、難易度の高い隠しダンジョン(特に持ち込み不可のダンジョン)では仲間としては使い難い。
      • 一応、「かげふみじょうたい(その場から一定ターン離れなれなくなる)」にならないというメリットは存在する。そっちだけで良かったのではないだろうか。
    • とくせい:はっこう
      • 「ダメージを受ける度に敵ポケモンが増える」という特性になっており、自身や仲間がこの特性持ちだとダンジョンの難易度が大幅に上がってしまう。なお、敵として出てきたこの特性持ちを攻撃しても、敵の敵=味方が増える訳ではなく、普通に敵が増える。
      • レベル上げや宝物集めなどのやりこみプレイでは役に立つが。
      • 本編でも「先頭にいると野生ポケモンの出現率アップ」という特性だが、あちらは他の特性との択一のため、はっこうを持たせない事もできる。こちらは前述のように全ての特性を持つので、該当のポケモンはかならずはっこうを持つ。
  • かしこさグループ間の格差が酷く、所属ポケモンが最も多い「グループC」が雑魚敵用の構成と思えるほど使い勝手が悪い。
    • その内容は罠対策なし、命中率上昇+回避率低下、稀にカウンター攻撃+防御力低下、攻撃力上昇+防御力低下、睡眠無効、通常攻撃を稀に2回行うなど。
    • ご覧のとおり攻撃偏重で守りはからっきしである。悪くはないのだが他のグループと比べると見劣りしてしまう。雑魚と違ってこちらは倒れたら終わりなので肉を切らせて骨を断つ戦法など使えない。よってカウンター効果を使う事は基本的にない。
    • ちなみにこのカウンター攻撃、なんと受けたダメージをそのまま返すのである。その為、高難度の通常ダンジョンでこのグループの敵を仕留め損ねれば三桁の大ダメージ、レベル1ダンジョンで仕留め損ねれば即死する事も。
    • 睡眠無効はこのかしこさグループの良心なのだが、代償としてダークホールやキノコのほうしがほぼ死に技になってしまった。
    • ピンチ時に回避率が2段階上昇するという物もあるが、体力の最大値が少ない場合あと2、3回攻撃されれば死、多い場合は自然回復速度が早くすぐにピンチ扱いされなくなるのであまり意味がない。そもそも前述の命中率上昇+回避率低下をオンにしていると実質1段階上昇になってしまう。
    • 一方、最も使い勝手がいいとされる「グループG」の内容は罠対策万全、稀にPP消費せず技使用、回避率上昇、体力回復速度上昇、最初から地形網羅、通常攻撃を確実に2回行うなど所謂優等生。
  • 前作よりテンポが悪くなりがち。
    • 前作でも全体技「ぎんいろのかぜ」や「こうそくいどう」などを連発されると敵を倒すのに時間がかかっていたのだが、今作では似た性能の技や覚えるポケモンが増えてしまった。
      • こうそくいどうに相当する「おいかぜ」、部屋全体攻撃である「だいちのちから」「りゅうせいぐん」、ぎんいろのかぜに相当する「あやしいかぜ」など。
      • 「だいちのちから」はとくぼうを下げる効果がある特殊攻撃であるため、イライラさせられた末に倒される事もある。また「じしん」と違い味方を巻き込むことがない。
      • 「あやしいかぜ」はあのフワライドも使えるので、かるわざで1ターンに2回使われる>能力上昇>ループに陥りやすい。
    • 前作から変わらず全体的に命中率が低めなので、連続で攻撃を外す事も少なくない。特性:よちむやかしこさ「すばやくかいひ」がそれに拍車を掛けている。
  • 前作と同様ダンジョンで倒したモンスターを仲間に出来るシステムだが、ストーリー中は強制的に主人公とパートナーだけで3人目の仲間を入れられないダンジョンが多い。
    • 前作の逃避行のように活動拠点から離れる事が二度あるため、主人公&パートナーとそれ以外の仲間とのレベル差が激しくなりやすい。
      • 主人公とパートナー以外がいるとストーリー的におかしくなるので仕方がないことではあるが。
  • レア道具の入手条件が厳しい。
    • 救助隊ではクリア後に現れる普通のダンジョンに落ちていた「きついハラマキ(おなかが減らない)」や「わなぬけスカーフ(罠無効)」などが、今作では「ゼロのしま なんぶ」というレベル1ダンジョンのB91F~B98Fの店でしか入手できなくなった。
      • 店の出現自体ランダムな上、商品もランダム。「苦労して辿り着いたけど最後まで入手できなかった…」なんてことが多々ある。また、入手してもゴロゴロいる凶悪ポケモンにやられることも多々ある。
      • 一応、救済措置と思われる公式パスがある。
    • 「じくうのオーブ(技の威力1.5倍)」はレベル1からスタート、復活・救助不可、罠発見不可、かしこさ無効などの条件が課せられる面倒極まりないダンジョン「うんめいのとう」の最上階で入手する物であるが、効果のショボさ故にあまり気にしてもらえない。
      • こちらも救済措置と思われる公式パスがある。レベルそのまま、かしこさ有効で道具持込可能な「ゼロのしま ちゅうおうぶ」の49階が目的地なので割と楽である。
  • 一部ポケモンのストーリーにおける扱いが酷い。
    • とある伝説ポケモンは神に近い存在でありながら、聞く耳を持たずに力任せな単純な行動をとったことにより、ファンの間で馬鹿扱いされている。一人称が「オレ」なのも伝説系らしくないとネタにされている。
    • とあるキャラクターの日記にラグラージに関する出来事が書かれているが、本編中にラグラージは一切出てこない。
  • ダンジョン内に落ちているお金「ポケ」の存在意義
    • ほとんどのダンジョンにおいて100前後の金額で、酷い時には一桁額の場合さえもあり、買い物するには全く役に立たない。そのために『初代トルネコ』同様、床落ちアイテム枠を圧迫するだけの存在と化している。
      • またカクレオンにアイテムを売る際、前作では売値が買値の半額だったが、今作では大方原価の1割額でしか買い取ってくれないためロクにお金が溜まらず、高額なアイテムを買うには泥棒必須。もはやぼったくりレベルなため、泥棒に罪悪感も糞もない。
      • 前作では床落ちポケの金額は300前後はあったため、しっかり集めておけば中盤辺りに装備品を変える額が集まるようにはなっていたのだが…
  • その他細かい部分。
    • セーブポイントの選択肢に「セーブしないでトップメニューにもどる」がない。
      • 使いどころと言えば、ダンジョンで倒れて貴重品を失くした時やくじ引きで欲しい道具を手に入れる時くらいだが。
    • 依頼で目的のフロアに辿り着いた時の不具合。
      • プレイヤーキャラが壁に埋まっている、救助対象がいない等。
    • ダンジョンのひとつ「ばんにんのどうくつ」は運が悪いといつまでもクリアできない。
      • このダンジョンは石碑に描かれた文字と同じ形の石を集め、それを石碑にはめて次へ進むという仕様になっている。
      • この石はアンノーンを倒して集めるのだが、アンノーンが落とす石は自身と同じ形の物だけ。つまり、石碑に描かれている文字と同じ形のアンノーンが現れなければお目当ての物は手に入らないし先に進めない。そして目的のアンノーンがいても石を落とすのは確率。出現する敵はそこまで強くはないものの、これらの仕様のせいで探索が長引きジリ貧になることも少なくない。
    • 存在意義の分からないレイダース。
      • 一応伝説のチームという設定で、シナリオをクリアした後に現れるのだがダグトリオを囲んで突っ立っているだけ。その後のエピソードはない。
      • MADは「ゼロのしま」の情報を提供、チャームズはギルドのメンバーを「ばんにんのどうくつ」に誘うという活躍があったが*11レイダースはダグトリオを救助*12しただけ。
      • プクリンの台詞では世界を二度救えるほどの力を持っているようだが、オネェのロズレイド、名前に「レイド」が含まれないドサイドン、唯一の台詞が状況説明だったエルレイドで構成されているため、ネタキャラ感が否めない。
      • 一見マイナーチェンジ版への布石のようだが、『空』でも特に追加イベントはなし。スペシャルエピソードもなし。いったい何のために出てきたのか。

総評

  • ゲーム性に関しての欠点は多いが、感動的なストーリーと演出とBGMの相乗効果はそれを補って余りある。ローグ系RPGの中では比較的取っ付きやすい部類に入るので、自分がポケモンになるというコンセプトに惹かれた場合は勿論、「泣けるゲーム」を探しているのならやってみてはいかがだろうか。
    • なお、今から本作を購入するのならば初期版の『時』『闇』ではなく、新たに追加エピソード等も加わった『空の探検隊』を選ぶべきである。『時』『闇』の要素は丸々ほぼ全て『空』に内包されている。
  • ポケモンのキャラゲーという部分で見てもかなり良い出来。喋るポケモンが許せない人はともかく、ポケモン自体に愛着がある人にはお勧め。
  • 他のローグ系のRPGに比べ、本編の難易度はローグ系特有の緊張感は維持しつつも万人向けな仕上り。高難易度のローグ系RPGに慣れている人が難易度を期待して遊ぶものではないのに注意。
  • 見た目で判断すると損する作品。子供向けに見えるが中身は奥深く、ストーリーでは本家を超える完成度の高さを持つ。
  • 本家ソフトと連動しないポケモン派生作品の中で99年発売の『ポケモンピンボール』以来のミリオンセラーを達成したシリーズであり、日本ゲーム大賞2008年度優秀賞を受賞している。
    • ポケモン派生作品での受賞は、第3回 日本ゲーム大賞で優秀賞に選ばれた『ピカチュウげんきでちゅう』以来の出来事である。

余談

  • キャンペーンアニメ
    • 『時・闇』の発売に先駆けて2007年9月9日に短編アニメが放映。前作同様にゲーム本編のプロローグを元にした内容だが、より原作に近いものになっている。
    • さらに、『空』発売前の2009年4月12日にも上記の続編として短編アニメが放映。こちらは原作におけるChapter-19「まぼろしのだいちへ」の部分をモデルとしたストーリーである。
      • いずれも一部の相違こそあれど原作をほぼ忠実に再現したクオリティの高いもの。上記2本とも現在ではニンテンドーeショップで視聴できる。
  • 漫画
    • 発売と同時期に別冊コロコロコミックで漫画版『炎の探検隊』が連載され、後に単行本(全1巻)も発売。作者は前作の漫画版と同じ溝渕誠。

その後の展開

  • 2009年8月4日にWiiウェアでもポケダンシリーズの3作目『すすめ!炎の冒険団』『いくぞ!嵐の冒険団』『めざせ!光の冒険団』が配信された。
    • だが過去の『救助隊』『探検隊』とは違いシリアスなストーリー性は皆無に等しく、平和な村での明るくおだやかな生活を描いたものになっている。シナリオ的にはこれまでのシリーズから離れた外伝的ゲームと考えてプレイした方がいい。
    • また、ポケモンのグラフィックがシリーズ初の3Dになったが、同作ではこれ以前に発売された『みんなのポケモン牧場』や『乱戦!ポケモンスクランブル』に近い丸っこく可愛らしいモデルになっており、これまでのシリーズと比較すると多少の違和感はある。
    • ただしストーリーが薄いからクソゲーと言う訳ではなく、ダンジョンのやり込み度は本作より増しているとも言えるほどなので、「ストーリーよりゲーム性が重要」という人におすすめ。登場ポケモンの種類も『探検隊』とほぼ同等。
    • Wiiウェアであるため価格も安め。3種全て購入することで連動して仲間に出来る総数と倉庫が拡張される特典もあるが、元々の価格が安いためまとめて買っても旧作1本の定価より安い。
    • ただし現在では旧Wiiでのネットワークサービスが一部終了していることもあり、配信限定ポケモンなど一部の要素は既に終了している。
  • そして2012年11月23日、ニンテンドー3DSにて4作目『ポケモン不思議のダンジョン マグナゲートと∞迷宮』が発売された。携帯ゲーム機向けとしてはDSシリーズ以来5年ぶりとなる。こちらもグラフィックは3Dだがポケモンは本家に近いモデルになっている。
    • こちらは「主人公が元人間」「シリアスなストーリー」などこれまでのシリーズの流れを汲んだシナリオになっているが、ポケモンの大幅削減や薄すぎる内容、システムの大幅変更、安易な有料DLC等が影響して微妙な評価を下されている。