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鳥人戦隊ジェットマン - (2018/11/22 (木) 01:13:25) の編集履歴(バックアップ)


鳥人戦隊ジェットマン

【ちょうじんせんたいじぇっとまん】

ジャンル アクション
対応機種 ファミリーコンピュータ
発売元 エンジェル
開発元 ナツメ
発売日 1991年12月21日
定価 6,000円
判定 なし
ポイント ボリューム不足、若干単調な展開が問題
スーパー戦隊ゲームリンク


概要

  • 同名の特撮番組『鳥人戦隊ジェットマン』のゲーム化にあたる。当時ブームであったトレンディドラマを意識した色恋沙汰の強い内容の作品で*1、高年齢層のファンの間で話題となった。
    • そのため、ノベライズ(ベッドシーンありの大人向け)や、後日談マンガ、新撮シーンありの総集編ビデオと、様々な展開が行われた。そしてスーパー戦隊シリーズ初の単独ゲーム化も成し遂げたが…。
  • 1人プレイ専用、全6ステージ構成。イージー、ノーマル、ハード、ベリーハードの四段階の難易度調整が可能(前者2つは初めから選択可能、後者2つは裏技扱い)。

主なルール

  • このゲームは道中戦とボス戦によってルールに相違があるので個別に示す。
    • メインモードとは別に、ボス戦部分のみで遊べるバトルモードが存在する。それも下記に示す。

道中戦

  • まずステージが始まる前に5人のジェットマンから1人を選ぶ事となる。どのキャラを選んだかによって通常攻撃と最大ライフ数値に差があるが、ステージ構造などに変化がある訳ではない。また、各ステージ毎にキャラセレクトが可能。以下キャラの詳細。
    • 「レッドホーク」(赤) - 使用武器はブリンガーソード(剣)。初期/最大ライフは8。
    • 「ホワイトスワン」(白) - 使用武器はバードブラスター(銃)。初期/最大ライフは6。
    • 「イエローオウル」(黄*2) - 使用武器はウイングガントレット(拳)。初期/最大ライフは7。
    • 「ブルースワロー」(青) - 使用武器はバードブラスター(銃)。初期/最大ライフは6。
    • 「ブラックコンドル」(黒) - 使用武器はブリンガーソード(剣)。初期/最大ライフは8。
  • キャラを選択した後は、5つあるステージから1つを選び、そこからスタートとなる。ステージをクリアすれば残りのステージも再度選ぶ事となる(クリアしたステージは再挑戦不可能)。
    • 5ステージ全てをクリアすれば、最終であるステージ6が出現する。なお、どの順序でステージを選ぼうが難易度やエンディングが変化するという事は無い。
  • 十字キーにてプレイヤーであるジェットマンの移動、Aボタンで攻撃、Bボタンでジャンプ、STARTボタンでスカイアタックを行う。
    • Aボタンで通常攻撃。しゃがみ中、ジャンプ中でも攻撃可能。使用キャラによって性能に相違がある。
    • 十字キー上+Aボタンで蹴り上げ攻撃(上方向に強い攻撃)。ジャンプ中でも攻撃可能。全キャラ共に性能は全く同じ。
    • Bボタンでジャンプ。ボタンの押す長さによってジャンプ力が違う他、ジャンプ中の移動制御や向き調整も可能。
    • 画面下のスカイアタックストックがある状態にてSTARTボタンを押すと、画面内の敵を一掃できるスカイアタックが発動。ストックが無い状態では一切の使用はできない。
      • STARTボタンがスカイアタック効果という関係上、通常のポーズはSELECTボタン押しとなっている(下記のボス戦も同様)。
      • また、スカイアタックはストック1しか所持できない。消費後に再ストックするには、下記アイテムを取るか、使用キャラがミスして次キャラへ切り替わるか、ステージクリアするか、のいずれかの方法がある。
  • ときおり敵を倒すと2タイプのアイテムを落とす。効果は各自、ライフゲージが回復する「ライフ回復」(小と大の2種類あり)と、スカイアタックストックが増える「スカイアタック」が存在する。
  • 各ステージにおいて特定場所まで進めば道中戦は終了となり、巨大ロボ等身である下記のボス戦に移行する。このゲームにおけるボス戦は必ず巨大ロボ戦であり、人型時におけるボス戦は一切存在しない。
  • ライフ制で、使用しているキャラのライフが0になるとそのキャラはミスとなる。ダメージにおけるライフゲージ消費数はどの敵接触や敵攻撃をもらおうが、必ず1で固定となっている。また、即ミスするような要因は一切存在しない。
    • 使用キャラがミスすると再度キャラセレクトに移行し、ミスしたキャラを除く選ばなかった残りキャラの誰かを選択して、そのステージの再チャレンジが可能となっている。
      • 5人のキャラが1つのステージで全員ミスすればゲームオーバー。ステージをクリアすれば、次ステージにてミスしたキャラは全員復帰する。

ボス戦

そのステージの道中戦にて特定場所まで進めば、原作お馴染みの巨大ロボ「グレートイカロス」を操作し、巨大敵との1vs1の対戦格闘方式でバトルを行う。これに勝てばそのステージはクリアとなる。

  • 十字キーにてグレートイカロスの移動、Aボタンで攻撃、Bボタンでジャンプ、STARTボタンで必殺技を行う。
    • Aボタンで通常攻撃。ジャンプ中の攻撃が可能だが、ボス戦ではしゃがみそのものができない。
      • Aボタンをタイミング良く連続で3回押せば連続攻撃が可能。但し、敵に近づいても必ずしも全攻撃がヒットするとは限らない。
    • Bボタンでジャンプ。道中戦同様にボタンの押す長さでジャンプ力が反映され、ジャンプ中の制御が可能。但し、対戦格闘形式なので振り向き動作の変更は一切できない(グレートイカロスが必ず右側を向いた状態でのバトルとなる)。
    • 十字キー下で敵の攻撃をガードする。但し通常攻撃・飛び道具とも、ダメージを半分にするだけで、ノーダメージにはできない。
    • 画面下にパワーゲージが表示されており、これが溜まっている最中にSTARTボタンを押せば必殺技が出せる。ゲージは時間経過で上昇し、溜まり方によっては必殺技の効果が変わる(多く溜まっている程高性能な技が出る)。
  • グレートイカロス側、敵側共に画面下にてライフゲージも表示されており、こちらが敵ライフを0にすれば自動的にとどめの必殺技演出が発動して勝利(ステージクリア)となる。逆にこちらのライフが0になるとゲームオーバー。
    • 道中戦とは異なりボス戦には残機が存在しない。道中戦を何人生存させたままクリアしてもボス戦で1回敗北するとゲームオーバーとなる。
  • 道中、ボス戦共に、ゲームオーバー後は無限コンティニューが可能だが、必ずそのステージの最初からのやり直しとなる(ボス戦も例外ではなく道中戦からの再スタート)。
  • タイトル画面で数字4文字のパスワードを入力する事により、途中ステージからの再開が可能。パスワードはステージクリア後かゲームオーバー後に毎回表示される。

バトルモード

メインモードのボス戦のみを行えるモード。操作方法やルールなどはボス戦と全く同じ。

  • 戦いたいボスを5体から選びバトルスタート。ちなみに選べるボスは最終ステージ以外のステージボスと全く同じで、このモード専用のボスは特に存在しない(ラスボスはこのモードでは選べない)。
    • バトルに勝っても負けても、専用の一枚絵が表示され、その後は再び好きなボス戦を選んでの再トライとなる(倒したボスとの再戦も可能)。すなわち、飽きるまで好きなボスと戦い続けるエンドレスゲームである。

問題点

  • 道中戦にてジェットマンを5人から選べるといえば聞こえはいいが、そのバリエーションはかなり少なく、同性能のキャラが被りまくりである。
    • レッドホークは剣による接近メイン。イエローオウルはライフがレッドより低く、レッド同様接近戦専属。ホワイトスワンは銃による射撃が可能で攻撃力、ライフ値共に最弱。
    • そして、上記のルールに述べたキャラ詳細を見ればわかると思うが、ブラックコンドルはレッドと、ブルースワローはホワイトとそれぞれ完全に同性能。ぶっちゃけ単なる色分け同キャラでしかない。
    • イエローはレッド、ブラックのそれに比べると微妙にライフ値と攻撃リーチが違う事を除けば、はっきりいって性能差は感じられないので、これもほぼ同性能と思ってもらっていい。すなわち、このゲームにおけるジェットマンの性能差は、「レッド、イエロー、ブラックの接近型」と「ブルーとホワイトの射撃型」の2タイプしか存在しないのである。
    • 説明書には「ステージに合わせたキャラを選べ」とあるが、このキャラバリエーションの少なさでどう使い分けろというのだろうか? むしろ、ジェットマンが5人いるのは、ただの残機数でしかないと考えるべきであろう。
  • 道中、ボス戦共にステージバリエーションが少ない上にかなり短く、どれも似たような構造に遭遇しがちで、短時間でクリアできてしまう。
    • 道中戦は一部ステージにて、動きが遅くなる「水溜り」がある以外は、トラップ、落とし穴といったものが無い上に、複数の地形を移動させるような自由度も皆無なので、ただひたすら一本道を進んでいくだけという面白みの薄いものとなってしまっている有様である。
      • 全体的に出現する敵種類、及び数が少ない上にどれも即効で倒せる程弱いので、スカイアタックを使う機会すらも薄い。仮にスカイアタックが幼児プレイヤー向けの為にごり押しクリアができる存在として見ても、ストックできる数が少ないので大して救済処置になっていない。
    • ボス戦におけるボス全般はどれも見た目が違うだけで、主な攻撃パターンが素手の突きと飛び道具の2種類しか攻撃方法がない。グレートイカロス側もできる行動が少ないので、どうあがいても単調な操作しかできない。
      • しかも、どのボスにおいても「ひたすらガードしてパワーゲージが最大まで溜まり次第必殺技を出す」というチキンな方法で勝てる。というか後半のボスは動きが激しいのでそうしなきゃまともに勝てない。
  • 難易度はどれも雑魚敵の数と耐久度がアップする程度の違いで、あまりゲーム性の豊富さには繋がっていない。隠しであるハードとベリーハードも、その実態は単にキャラのライフが1のままでプレイさせられるだけと、明らかにやっつけ臭い水増し具合となっている。
  • FCのハードスペックの関係上もあるだろうが、ステージ中のキャラの描き込みに乏しく、なんか小ぢんまりとしたキャラが動いているようにしか見えない。初見でこれをジェットマンのゲームと判別するのは厳しいと思われる。
    • 原作では様々な個性付けがなされたジェットマンの面々だが、本作では本当に色が違うだけで、凄まじくコンパチ具合が激しいものとなっている。原作において下半身がスカート型になっている女性であるホワイトとブルー、肥満体で他メンバーより一回り胴回りが大きいイエローといった面子も、このゲームではみんな同じグラフィックとなってしまっている。
    • グラフィックそのものの出来は悪くないのだが、一見してジェットマンとわからないまでに原作らしさが再現できていないのである。
    • ボス戦においては、グレートイカロスや敵の書き込み自体は素晴らしいのだが、どのステージも背景が黒一色で異様に外観が寂しいバトルとなっている。これもFC性能の影響でそうなってしまったのだろうが、もうちょっと街中で戦っている感を出せなかったのだろうか?
  • 原作番組は歴代のスーパー戦隊の中でも「飛行しながら戦う」事を主体としたバトルが好評を得たのだが、本作はどのステージも地上戦オンリーで原作における空中戦再現もできておらず、ますますジェットマンらしさが感じられない。ちなみに、唯一ゲーム内にてジェットマンが「飛行」できる機会があるのは、ボム扱いであるスカイアタック*3のみとなっている。
  • ゲーム中に原作のドラマシーンや会話は一切無い。更に原作の悪の華であった幹部キャラは一切出てこない(ラスボスは「セミマル」という中盤の強敵キャラ。なお、なぜかそこまでの中ボスにセミマルの後に戦ったライトアルマジロとジクウマンモスという敵がいる。)為、キャラゲーとしての魅力ははっきりいって悪い部類に入ってしまう。
    • この手のゲームは発売時期の関係上、原作が序盤~中盤付近までしか出来上がっておらずTV版のラスボスは出せないのが普通だが、原作と違う展開でも幹部陣と対決させること自体はできたはずである。
      (特にジェットマンは敵首領の女帝ジューザと第2クール最初で対決→撃破するので、彼女をラスボスに使う手もあった。)
      • また、ドラマ部分がほとんどない弊害でラストステージの流れが謎になっており。
        「都市を襲う敵の要塞に乗り込んでセミマルと対決」のあと、「セミマルを撃破したグレートイカロスが脱出後そこに必殺技を当てて吹っ飛ばす」という展開でエンディングなのだが、 外部からの攻撃で敵の本拠地を壊せるなら乗り込む必要性はないのでは
  • ボス戦で使用でる機体はグレートイカロスのみ。グレートイカロスの合体前にあたるジェットイカロスとジェットガルーダは使用できない。各機体共にOPデモやボス戦前のイベントシーンで姿を見せるのみ。
    • また、第3のロボであるテトラボーイは一切登場しない。このゲームがリリースされた時期的に考えると、未登場なのも仕方ないのではあるが*4

評価点

  • ナツメ製だけあって、アクションとしての土台はしっかりと作られている。操作性も良質で、無駄なストレスに遭遇する事はまずあり得ない。
  • OPデモ、ボス戦前のイベントシーンにおける、ジェットイカロスとジェットガルーダが合体してグレードイカロスになるイベントシーンはやけにクオリティが高く、一見の価値はある。ぱっと見はFCのゲームとは思えない程の職人的書き込みとなっている。
  • BGMはFCの性能を超えているといっても過言ではないレベルの音源で、極めて高クオリティである。また、OPデモシーンのテーマソングもインストバージョンとしてTV版を上手く再現している。しかし、残念ながらサウンドテストは不可。
  • ゲームそのものに特に致命的な不備は無い。そういう意味ですんなりと入り込めるお手軽さはある。よくいえば初心者に優しいアクションゲームといえる存在であろう。
    • また、キャラゲーにありがちな、テンポを阻害するような過剰な演出が無いので、好意的に解釈すればテンポよくさっくりクリアできるともとれる。

総評

『ジェットマン』のゲームとしても、ナツメ製のゲームとしても今一歩作りが足らなかった惜しい1作。


その後の展開

  • 翌年、後番組『恐竜戦隊ジュウレンジャー』もゲーム化されたが、あちらは原作でキャラが立っていた敵首領のバンドーラが目立っているうえ、番組の内容に合わせたミニゲームを盛り込むなど、キャラゲーとしては少しはマシな出来になっていた。ゲーム性そのものは本作よりも明らかに劣化しているという問題点が発生したが。
  • このほか、アジト3でもジェットマンの5人が使用可能。流石に声は本人ではないが、檜山修之氏や玄田哲章氏等豪華な声優陣が代役を務めている。