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ゲックス - (2017/04/26 (水) 22:16:20) の編集履歴(バックアップ)
GEX
【げっくす】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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3DO プレイステーション セガサターン Windows
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メディア
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CD-ROM 1枚
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発売元
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BMGビクター
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開発元
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Crystal Dynamics
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発売日
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1994年4月21日
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定価
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6,800円(税別)
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プレイ人数
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1人
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判定
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良作
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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概要
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3DOの隠れた名作。
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「トゥームレイダー」、「Legacy Of Kain」シリーズなどで有名なCrystal Dynamicsが手がける、『スーパーマリオブラザーズ』、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』などの流れを組む2Dアクションゲーム。
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テレビの世界に吸い込まれた主人公、ヤモリのGexがヤモリらしい長所を生かして,メディアワールドの世界の支配者であるRezを倒すために、冒険するゲームである。
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海外では人気のシリーズとなり、続編が発売されている。日本でもPSで(キャラは差し替えられてはいるが)その続編はプレイ可能。
ストーリー
宇宙飛行士だったゲックス(Gex)の父親が、突然事故死する。悲嘆に暮れていた家族に更なる悲報が舞い込む。叔父さんまで亡くなってしまった。ところが、叔父さんには莫大な遺産があった。おかげでゲックス一家は一気に大金持ち。だが悲しみから抜けられないゲックス。一生分の食べ物を買い込むと、家に籠った。テレビを見続けて一生過ごすために。しかしそれをテレビの裏側から見ている存在がいた。メディア空間の支配者、レズー(Rez)。彼はゲックスをメディア空間のマスコットにしようと、彼をテレビの中に取り込んだ。ゲックスはテレビの中から脱出するため、テレビ世界での冒険に向かったのだった。
システム
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サイドビューのアクションゲーム。
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ダメージ制と残機制の併用。ただし、毒沼やステージ外へ落下など、一発死するものも用意されている。
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アクションは多彩。移動だけでも。通常の移動の他、ジャンプ、ダッシュ、壁移動がある。(詳細は「評価点」にて)
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攻撃はアイテムを使った飛び道具と、尻尾を使った各種アタック。
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ステージには各種アイテムがちりばめられている。
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虫の形をした飴がアチコチにあり、これを100個集めると残機が増える。『スーパーマリオブラザーズ』系統の伝統。
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アイテムは特殊な仕様となっており、舌を伸ばして食べるか、攻撃して破壊するかのどちらかを行うことができる。前者はアイテムごとの効果が表れるが、後者は効果に関係なく、ライフが回復する。
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アイテムは1UP、体力回復、体力上限上昇、飛び道具を撃てるようになる、スピードアップ、無敵などがある。
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テレビ世界は四つのワールドと、レズーのいるラストワールドがある。さらにそれぞれのワールドには4つ程度のステージがある。
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各ステージ内にリモコンが隠されており、クリア後にそれを使うことによって次のステージへ進める。
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オープニングムービーは日本語であるがゲーム本編は全て英語であり、ゲーム中何かしらのアクションで度々ゲックスが喋る。
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データの保存方法は機種によって異なる。3DOはセーブ、PSとSSはパスワード方式となっている。
評価点。
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多彩なアクション。『スーパーマリオブラザーズ』、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』系統のサイドビューアクションではあるのだが、それらよりずっと多くのアクションができる。操作するボタンも多い。
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本作の最大の特徴は壁に張り付くアクション。ステージ中にあるほとんどの壁は張り付いて上ることが可能。垂直な壁面はもちろん、天井なども。
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さらにサイドビューのゲームなら、普通は背景となる画面奥の壁にも貼り付ける。この時は、画面を文字通り縦横無尽に動ける。
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これらにより、敵の多い場所を天井に張り付くことで避けたり、壁から壁へと飛び移る高度なアクションが要求されたり、上下方向の分かれ道へと進んでみたり…と自由度がかなり高い。
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さらに泳ぐ事もできる。もっとも、水の中を飛び跳ねるといった感じで、自在に泳ぐという訳にはいかない。だがこの独特の浮遊感が、地上とはまた違ったゲーム性を出している。
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攻撃の基本は尻尾で叩くアクションだが、姿勢により様々に変わる。特にジャンプ中は下への攻撃となり、当たると跳ねる。ステージによっては、敵を踏みつけるアクションを駆使してジャンプし、敵から敵へと飛び移って即死の穴を超えるなど、シビアな操作が要求される場面もある。
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飛び道具を撃てるようになると、食べるアクションによって口から火や稲妻が出る様になる。中でも面白いのが相手を凍らせる液体。凍った敵を踏み場にして、さらに高い場所へと飛び移るというアクションができる。
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特色の良く出ている各ステージ。
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五つのワールドは、デザインはもちろん、攻略のテーマ性もよく特徴が出ている。
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さらに各ステージには隠しステージ、隠れ通路などがあり、これを探すのも面白い。
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当時次世代機と言われたゲーム機だけあり、グラフィックはなかなか綺麗。アニメーションもヌルヌル動く。
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各ワールドは箱庭のようなデザインになっている。これがまさしく箱庭らしい、細かな描写に溢れている。
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ゲックスのアクションは非常に豊富。攻撃や移動している時は当然として、待機状態、スタート時ですらいくつもアクションパターンがある。さらに壁端に立つと落ちそうになるのをなんとか耐える姿など、芸が細かい。
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アクションだけではなく、台詞も多い。とにかくよくしゃべる。アメリカのゲームらしく軽口がかなり多い。それが各アクションで複数。スパイダーマンのテーマを口ずさんだり、なんてものもある。
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難易度の高いゲームではあるが、それに合わせる様に回復アイテム、1UP、飴が豊富。そう簡単にはゲームオーバーにはならない。慣れて来ると、あっさりと残機が限界一杯になってしまうほど。
問題点
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セーブシステムがかなり悪い。
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まずセーブは自由にできない。特定のステージをクリア後に自動でセーブされる。さらにセーブするのにアイテムが必要。アイテムを見つけられないと、当然セーブできない。
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一応、クリアしたステージにはいつでも行けるが、プレイを中断するために対象ステージをクリアしないといけないのは手間がかかりすぎ。
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これだけ苦労してセーブしても残るデータは、「どこをクリアしたか」と「獲得したリモコン」だけ。溜めこんだ残機は初期状態に、飴もなくなる。それどころか点数すら0点になる。
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特にこれが響くのがラストワールド。ステージは少ないが難しく、残機をかなり消費するのでこれは辛い。
賛否両論点
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洋ゲーらしく難易度は高め。やりごたえ十分である。
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しかし、初見殺しの罠が多いのは、少々うんざり。突然落ちて来る落下物や、いきなり抜ける床、先の見えない場所へジャンプを強いられダメージ、乗り物に乗った先は急いで回避行動をしないといけない障害、いきなり強制スクロールが始まり壁に押しつぶされるなどなど、先へ進むほどこの手の経験してみないと分らないという障害が多数。一発死のものも少なくない。
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ボスの攻略法が分かりづらい。
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各ボスはそれぞれ特徴的で、攻略法がかなり違う。実はボスには攻撃が効かず踏み台に利用するだけで、攻略の肝は別の所にあるなんてものもいる。攻略法を見出すのに試行錯誤が必要。
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第四ワールドのカンフーワールドは、文字通り絵にかいたような西洋人の考えた間違った東洋。
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東洋をテーマとしたものだが、よくある中華と日本がゴチャゴチャになったもの。琴で中華風の曲を奏でるBGM。中華風の背景に現れるスモウレスラー。
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さらにこのワールドのボスは思いっきりガメラ。足から火を出して空を飛ぶ亀なのである。甲羅もガメラらしい、ギザギザした鱗のようなもの。こんな所まで東洋風。もはやバカゲーかというようなテイストになっている。
総評
いかにも洋ゲーらしさに溢れているアクションゲーム。だが、そのゲーム性は侮れない。『スーパーマリオブラザーズ』系にしてはアクションが多いが、この多彩なアクションを使いこなし数々の障害をクリアしてく面白さはなかなかのもの。また動きの滑らかさも、16ビット機とは一線を画す。
残念なのは、セーブシステムがかなり悪い点。プレイにすら響くのは頂けない。
3DOの中ではオススメなゲームだ。もっとも、本作はPSなどメジャー機種にも出てしまっているのだが。
余談
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海外ではそこそこの人気があったのか続編も作られている。
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1998年1月31日に2作目の「Gex: Enter the Gecko」がPS、N64、GBC、Windowsにて発売された。前作とは打って変わって、3Dフィールド探索系のアクションゲームとして作られている。一方、日本でもバンダイからPS版が「スピンテイル」のタイトルで同年の9月10日に発売されたが、「ヤモリだったゲックスがトカゲに変更された」、「主人公の名前が”レノ”になっている」などといったシリーズとは無関係な設定に改変されている。ちなみに主人公の吹替えをコメディアンのせんだみつおが担当している。
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1999年8月31日には3作目の「Gex 3: Deep Cover Gecko」がPlayStation、N64、GBCで発売された(こちらは日本未発売)。また、2作目の発売後にCrystal DynamicsがEidos Interactiveの傘下に入り、シリーズの版権も同社が獲得したことから、本作のパブリッシャーもEidosに変わっている。
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かつてはCrystal Dynamicsのマスコットキャラとして、メーカーロゴにも描かれるほど「会社の顔」としての役割も受け持っていた。