「流行り神3 警視庁怪異事件ファイル」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

流行り神3 警視庁怪異事件ファイル - (2015/06/24 (水) 13:33:02) の編集履歴(バックアップ)


流行り神3 警視庁怪異事件ファイル

【はやりがみすりー けいしちょうかいいじけんふぁいる】

ジャンル 都市伝説推理アドベンチャー
対応機種 プレイステーション・ポータブル
発売・開発元 日本一ソフトウェア
発売日 2009年8月6日
価格 4,980円(税込)
レーティング CERO:C(15歳以上対象)
判定 なし
ポイント 三部作最終作
絵柄の変化は賛否あり

概要

PS2でリリースされ、PSPへと移植されてきた『流行り神』シリーズの第三弾。据え置き機を経ず携帯機のみでのリリースとなったのは本作が初。
当初から三部作構想であったらしくシナリオ上は続編だが、本作だけでも物語を楽しむことは可能。
また、アドホックモードを使用したミニゲームも収録されている。

システムの特徴

  • シリーズ共通部分であり、特に断らない場合は過去作も共通となっている。
  • カリッジ・ポイント
    • 目上の人に意見したり、話を流れを大きく変えるような行動をとる際に消費するポイント。シナリオ中の回復はない。カリッジとは「覚悟」の意。
    • どうでもいいところで覚悟を決めて話し続けていると肝心なときに行動出来なくなったり、逆に慎重になりすぎて重要なフラグを立て損ねたりすることもある。
    • ただ選択肢総当りではクリア出来ない、というシリーズの方向性を形作る重要な要素の一つ。
  • セルフクエスチョン
    • 自分の頭の中で「○○とは何だ?」「この事件は、どういう方向になっている?」ということを問いかけて答えを導き出す。
    • シナリオの重要な分岐となることもあり、セルフクエスチョンの結果で科学ルートかオカルトルートかが分かれることもある。
  • 推理ロジック
    • これまでに起きた事件や出会った人物を相関図に当てはめ、物事を整理していく主人公独特の思考法。
    • シナリオ終盤では必ず完成させる必要があるが、それ以外の場所でも自由に弄れる。むしろ、新しい情報を得たらロジックを組んでみるくらいでいく気構えが求められる。
  • 分岐ツリー/バックログからのジャンプ機能
    • 本作からの追加機能で、ダイレクトにシナリオ内の移動が可能に。
    • 分岐埋めやデータベース収集が格段にやりやすくなり、携帯機らしい利便性の高いプレイが可能に。

主要登場人物

  • 風海純也(主人公、名前変更可)
    • 警察史編纂室所属、階級は警部補。キャリア組エリートとして警視庁捜査一課に配属されていたが、閑職の編纂室へと左遷されてしまう。
    • 一応はエリートだが抜けている部分も多い。しかしやる時はやる男で、作中で見る限りかなりの健脚。
    • 警察官として模範的であろうとするあまり、非常識な言動に走ってしまうことも。色々な意味でまだ未熟な青年である。
  • 小暮宗一郎
    • 「いかにも」な大柄な体育会系警察官。口癖は「~であります!」。主人公より年は上だが、階級が下のため「先輩」と呼んで慕っている。
    • ゴツイ外見に似合わず極度のオカルト嫌いで気も小さく、事件の際に目を回してしまうことも。ただし武術の達人なので掴める相手には無類の強さを誇る。
    • 実家はかなり田舎らしく、本人も子供時代の自分を「山ザル」と言っていた。モデルを志す妹がいる。
  • 賀茂泉かごめ
    • オカルトを完全否定する女警部補。刑事というよりは弁護士のように論理で相手を打ち負かすのが得意。
    • 基本的に自己中心的な上に高飛車で、昨日と今日で言っていることが違っていたり初対面の人間に高圧的に接したりと人付き合いは決定的に下手。
    • しかしそれを補って余りある明晰な頭脳により、誰にも非難することを許さない女王様キャラでもある。
  • 犬童蘭子
    • 謎だらけの編纂室室長。階級は警部。仕事をしている姿を見たものは誰もおらず、ギャンブルで出かけているかオフィスでゴロゴロしているか二種類の行動しか目撃されていない。
    • インチキ丸出しの似非関西弁やチャランポランな行動が目立つものの、実はかなりの切れ者…らしい。
  • 羽黒薫
    • 愛想のいいメガネ男子で、所属は刑事課。根っからのオカルトオタクで、オカルト事件を扱うと噂されている編纂室に興味を抱いている。
    • 世渡り上手で口上手、朗らかな青年だがどこか掴みどころのない謎の多い男。

評価点

  • システムが改善され、快適性が向上した
    • 特に上記の分岐ツリー/バックログからのジャンプ機能は、ADVに付き物の「穴埋めの為に何度も同じ箇所をやり直す」という作業の手間を軽減してくれる。
  • 話数は少なめだが、実はボリュームのあるシナリオ
    • これまでと同じくオカルト/科学両方の分岐があるシナリオで、更に複数の都市伝説を絡めているため携帯機になってもボリュームは落ちていない。
    • ただ、後述する「都市伝説作品特有の気になる点」もあるが…。
    • これまで昼行灯ということ以外不明だった犬童警部の過去やシリーズ通して「軽薄そうな謎の男」として描かれていた道明寺が奇妙な所で主人公と繋がりがあったり、各人物への掘り下げも行われている。

賛否両論/問題点

  • 音楽やビジュアルの刷新
    • やはり旧作からのファンには「違和感がある」と受け取られることが多く、mk2などのレビューサイトでも問題点として扱われることが多い。
    • ただ評価するユーザーの声もあるので、一概に問題とも言い切れないのだが…。
  • 都市伝説作品らし過ぎる
    • 一部の伏線は未回収のままだし、非常に後味が悪い終わり方をするシナリオもある。
    • 例えば第零話のラストでは「絆を取り戻した母娘の姿」を描いた後で「最悪の結末で互いに罵り合う母娘の姿」を入れている。都市伝説作品として「すっきりしない終わり方」「不安を暗示する展開」は常套なのだが、一方でミステリーアドベンチャーとしてはどうなのか…?
    • 最後のシナリオの結末も、そのシナリオの主人公が編纂室に電話をかけ「死なない死刑囚が街をうろついている」と告げる所で終わっている。一応完結編としてアナウンスされていたのに…。
    • そういう部分が良いという人もいるしこればかりは好みの問題か。

総評

流行り神シリーズとして正当進化した作品であり、そういう意味ではファンの期待に応えた作品である。
が、「結末がぼやけている」「伏線が唐突」など、一般のADVの基準でいくとどうしても小さな不満点が気になってしまう惜しい作品。
その後流行り神シリーズは一旦終了するが、数年後『真 流行り神』として帰ってくることになる。