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ギャラクシアン3 - (2017/04/17 (月) 07:51:29) の編集履歴(バックアップ)


ギャラクシアン3

【ぎゃらくしあんすりー】

ジャンル 擬似3Dシューティング
対応機種 アーケード(大型施設)
プレイステーション
発売・開発元 ナムコ
稼働開始日 1990年
判定 なし
ポイント ナムコの技術の粋を結集した超巨大アーケードゲーム
UGSFシリーズリンク

概要

  • かねてからアミューズメント施設と言う物に興味を抱いていたナムコが企画・製造した、空前絶後の超大型ゲーム。
    • 1990年4月に大阪府大阪市および守口市で開催された「国際花と緑の博覧会(花博)」にあわせて制作された。企画名は「プロジェクトドラグーン(PROJECT DRAGOON)」。これはこのゲームのシナリオの名称でもある。
    • 当初ギャラクシアンでも何でもなかったが、社長の「なんだか良くわからないからダメ。ギャラクシアンなら良いよ」という発言によってギャラクシアンの3作目*1になった。
    • タイトルの「3」は正しくは、べき乗表記のように右上に小さく書かれる(上に載せたPS版パッケージのタイトルロゴを参照)。

特徴

  • それまでも大画面による映像アトラクションは世に多かったが、インタラクティブなゲームと呼べる物は存在しなかった。そこで「30人くらいが同時にプレイできるゲームを作ろう」という発想から作られたのが本作である。
    • ムービーにポリゴンを重ねて表示し、プレイヤーの操作によってそれをリアルタイムで処理して破壊する表示をしている。
    • 最大プレイヤー人数28人。16基の三管式プロジェクターを用いて360度全周モニタースクリーンを実現。スクリーン32枚、構成基板数100枚程度。油圧機構により床全体が揺動する。
  • プレイヤーたちは重戦闘艇「ドラグーン」のガンナーとなり、眼前に据え付けられた機関銃型のコントローラーを操作して敵を攻撃する。機体の移動には干渉できす射撃のみを担当するため、実質的にはガンシューティングゲームの一種(レールシューター)であると言える。
    • コントローラーには両手の指で押す2つ(GT-6は4つ)のトリガーボタンがあるが機能はすべて同じ。ひたすら撃ちまくるだけであり特殊武装などはない。押しっぱなしでも連射されるが手で連射したほうが速い。
    • 最後のターゲットを時間内に破壊できないとバッドエンドとなる。得点は表示されないが計測されており、ゲーム終了後にプレイヤーの成績ランクや得点順位が表彰される。
      • GT-6はシールド耐久度が設定されており、尽きると途中でもゲームオーバーとなってしまう。また得点が表示される。

機種

本作は28人版・16人版・6人版・PS移植版が存在するが、移植版を除く全てが巨大である。

  • 28人版「GH-28」
    • 最大28人のプレイヤーが外向きに円形に並べられたシートに着席して、360度全周スクリーンに向かってプレイする。施設の床全体が油圧により激しく駆動する。揺動の最大上下幅は2メートル以上。
    • 1号機は1990年に「国際花と緑の博覧会」で展示され、1992年にナムコが経営していた東京都世田谷区の大型アミューズメント施設「ワンダーエッグ」に移設された(2000年に閉園のため廃棄)。また2号機が1993年に横浜市の大型ゲームセンター「プラボ鶴見店」に設置された(1997年に改装のため廃棄)。
  • 16人版「GM-16」
    • シートが2席単位で電動駆動する。1991年より国内4カ所のアミューズメント施設やショッピングセンターなどに設置され、さらに台北(中華民国)でも確認されている*2。2003年に国内の全機が稼働終了。
  • 6人版「GT-6」
    • 後述の『スターブレード』リリース後に、『ギャラクシアン3 シアター6』としてゲームセンター向けに作り直したバージョン。通称「GT-6」「シアター6版」。1993年3月発売。
    • 2つの出入口を備えた小部屋の壁一面がスクリーンとなっており、2基のプロジェクターで映像を投影。6人のプレイヤーが横一列に並んで座りプレイする。シートは駆動しない。
      • ゲームセンターに設置可能な単一のゲーム筐体としては史上最大のアーケードゲーム。一応は一般のゲームセンターにも設置可能なサイズであり、最盛期には国内各地にとどまらず海外にも設置された。しかし約1,200万円という価格と極端なまでの重量のため、やはり導入できる店舗は限られていた。
      • プレイ料金は店が独自に設定できたが1プレイ500円もしくは300円の場合が多かった(アトラクション扱いのマニュアルモードも可能)。2010年に国内の全機が営業稼働を終了。
    • 後に映像とゲーム内容を別物に入れ替えた別バージョンも登場した。(後述)
  • PS移植版
    • GT-6をもとに、家庭用ゲーム機に移植したもの。GT-6の移植である「PROJECT DRAGOON」と、新作シナリオ「THE RISING OF GOURB」の2つからゲーム内容を選択できる。
    • 射撃性能を「NORMAL」「WIDE」「POWER」「RAPID」の4タイプから選ぶことができる。マルチタップ対応で最大4人同時プレイが可能(マルチタップなしでも2人同時プレイ可)。1996年4月26日発売。2014年2月12日よりゲームアーカイブで配信。

バージョン・シナリオ

  • 『プロジェクトドラグーン(PROJECT DRAGOON)』(対応:全機種)
    • 基本的なシナリオ。ドラグーンで要塞兵器キャノンシードを破壊するというもの。
    • PS版にもこちらが移植されている。
  • 『アタック・オブ・ザ・ゾルギア(Attack of the ZOLGEAR)』(対応:GT-6)
    • GT-6の別バージョンに搭載されたシナリオ。ドラグーンJ2で巨大生物兵器ゾルギアを体内から破壊するというもの。
      • 途中二箇所でプレイヤー多数決によるルート分岐がある。
    • こちらはPS版には移植されていない。
  • 『ライジング・オブ・ガーブ(THE RISING OF GOURB)』(対応:PS移植版)
    • PS版で追加されたシナリオ。ドラグーンRで巨大移動要塞ガーブを破壊するというもの。

評価点

  • ビデオゲームの歴史上、おそらく最大の筐体とスクリーン
    • 28人版と16人版は、360度全周スクリーンにより視界の全てがゲーム画面となる。これによる臨場感と没入感は筆舌に尽くしがたい。
    • GT-6も、ゲームセンターに設置されるゲームとしては史上最大のスクリーンサイズであり圧倒的な臨場感を味わえる。小部屋タイプで音や光が外部と隔離されていることも臨場感を高めており、音響効果も抜群である。
  • 当時の水準をはるかに超える迫力の映像
    • 大型施設ゲームにふさわしく、ゲーム基板も当時の水準を超える性能であり、美麗で迫力あるゲーム映像を実現している。
    • 敵機や背景の緻密さ・美しさだけでなく、ストーリーの流れやカメラワークも秀逸である。
    • なお、花博で稼働した際はすべてのゲーム映像をリアルタイム表示していたが、ワンダーエッグに移設される際に、背景や大型敵はレーザーディスクにムービー収録、小型の敵機や敵弾などはリアルタイム表示で両者を重ねるという形に変更された。16人版やGT-6もこの形式である。
  • 係員による出撃前のブリーフィング
    • 花博やワンダーエッグでの稼働の際は、順番待ちで並んだり、施設内に入って着席するという流れを「戦闘準備」として演出しており、係員はUGSF軍の制服を着用、プレイヤーへの指示や安全注意も「出撃前の戦士に対する作戦説明」という体裁で行っていた。これによりゲームが始まる前から気分を十分に盛り上げてくれ、順番待ちもさほど苦にならなかった。

問題点

  • 座った席によりスコアの取りやすさが大幅に左右される(28人版・16人版)
    • 28人版と16人版は、重戦闘艇ドラグーンの全方位に円周状に配置された銃座の一つに座って射撃するというゲーム内容である。したがってプレイヤーが見る映像も担当する射撃エリアも席によって全く異なっている。座る席が違えば違う映像を味わえる点は長所と言えるのだが、スコアの取りやすさにも大きな差が生じており、平等なスコア争いが成立していない。
      • 大事な場面で高得点の敵が正面に位置するシート(28人版では26番前後のシート)が最も点を取りやすいとされ、この席を狙って入場並びを調節しようとする客も多かった。
        稼働後期は着席後にドラグーンの進行方向がランダム化されるようになり席順調整が無意味となったが、担当する射撃エリアを選べないことに不満もあがった。
  • ゲーム展開が毎回まったく同じ(GT-6)
    • GT-6版は、スクリーンに映し出される映像や出現する敵の配置は毎回同じであり、それを記憶して照準をすばやく正確に合わせることがプレイヤーに要求される技量となる。
      • 大掛かりなゲームの割に奥の深さはさほどでもない。映像や雰囲気は最高なのだが、繰り返し遊んでいるとシンプルすぎるゲーム内容に飽きや物足りなさを感じやすい。

総評

350度回転の大型筐体が存在した『ギャラクシーフォース』もビックリの超大型アーケード筐体。と言うかアミューズメント施設。もはや大型筐体という言葉では表現しきれないほどの威圧感である。
現在、28人版は解体廃棄されて現存しておらず、16人版については現存が噂されているが稼働可能な状態ではないと思われる。唯一稼働可能な6人版「GT-6」は有志団体の所有物となっており、特定の日に一般公開される時のみプレイ可能となっている。28人版・16人版をプレイできる機会はおそらくもう二度と無いだろう。
ゲームとして面白いかどうかについてはやや疑問が残る。と言うのも、その性質上繰り返しプレイを前提としておらず、擬似3Dシューティングとしてあまり完成度が高いステージ構成とは言えない。
28人版・16人版はアトラクションそのもの、GT-6もアトラクション的性質が強いゲームであり、誰もが初見でも十分に楽しめる造りとなっている。だが反復プレイで腕前を上達させていく楽しさはあまり意識されていないようにも思える。

余談

  • このゲームのコンセプトとアイデアを引き継いで、1人プレイ用のコクピット型ゲームとして新規に開発されたのが『スターブレード』である。
  • GT-6に匹敵する大型アーケードゲームとして、同じナムコによる『リッジレーサー フルスケール』がある。ゲーム内容は3画面版『リッジレーサー』とほぼ同じだが、大型プロジェクターを横に3画面分つないで視界ほぼ全てをカバー、さらに座席として実車のユーノス・ロードスターを1両まるごと使用した破格のゲームである。

参考動画

+ プレイ動画

28人版(ワンダーエッグ)

GT-6 プロジェクトドラグーン(英語音声)
GT-6 アタック・オブ・ザ・ゾルギア