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このページでは、DS『ぼくとシムのまち リゾートに元気をとりもどそう!』と、その続編であるDS『ぼくとシムのまち キングダム』を取り扱う。
ぼくとシムのまち リゾートに元気をとりもどそう!
【ぼくとしむのまち りぞーとにげんきをとりもどそう】
ジャンル
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生活シミュレーション
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対応機種
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ニンテンドーDS
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発売・開発元
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EA Redwood Shores(エレクトロニック・アーツ)
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発売日
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2007年12月6日
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定価
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4,742円(税別)
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セーブデータ
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2個
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レーティング
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CERO:A (全年齢対象)
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判定
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なし
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ポイント
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Wii版とは内容が違うんです!
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シムシリーズリンク
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概要
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2007年9月に欧米で発売されたDS版『MySims』の日本語版。
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同日に発売されたWii版『ぼくとシムのまち』はメーカーの主張通り一般的な「生活シミュレーション」であるのに対し、キャラクターデザインは似ているものの、本作の内容はADVもしくは、リゾート地を再生するというはっきりとした目標のあるシミュレーションである。
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海外でもDS版とWii版は同日に発売されている。しかもDS版には副題がない。
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DS版とWii版との間に連動要素はない。DS版の町長の話によるとWii版の町長とは従姉妹らしい。
システム
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3Dキャラクターを移動させるAADVタイプのADV。移動自体にアクション性はないが、ミニゲームにはアクションゲームもある。
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ほぼどこでもセーブが出来る。ただしロードは用意されていない。
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ゲーム内時間が進行する。
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主人公に疲労に関するパラメーターはなく、ゲーム内時間に関わらずフル稼働できる。
なお、警察官も家に帰っていないと思われる日がある。
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時間帯によってできないことがある。例えば夜には壁打ちテニスのニミゲームは出来ない、カジノやディスコは夜にしか営業していない等。
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スターレベル
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町の人の要求に応えると、主人公の経験値がたまり、既定値まで溜まるとスターレベルがレベルアップする。
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レベルアップがいくつかのイベント発生のトリガーとなっている。レベルアップするとその時点でその日は強制終了となり次の日に進む。
スターレベルは最大5までしかない。
評価点
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グラフィックは日本に寄せている
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Wikipedia英語版の「Mysims」の項目によると『シムシリーズ』の日本での売上が芳しくないことから本作のデザインは主に日本市場に合わせ、デフォルメが強く、背が低くてずんぐりとしたキャラクターデザインにしたとされている。
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ストーリーを進めるためにはミニゲームで高得点を出す必要は特に無く、ミニゲームのプレイ回数によって話が進行する。
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ただし、この点についてはゲーム内では言及されていない。
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「やさしい」レベルで低得点しか挙げられないのに「むずかしい」が解禁されるのは奇妙ではあるが、アクションゲームの成績で詰まることがないため、アクションゲームが苦手な人の救済となっている。
問題点
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移動がだるい
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各キャラクターのサイズが大きく、そのため画面に表示される範囲は『天誅DS』よりも更に狭く、周囲が見渡せないため目的地が分かりづらい。
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普段の主人公の仕事は観光客の不満を聞くことで、その観光客をヒント無しで探す必要があり、視野が狭いことが難易度を上げている。
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各建造物もキャラクターのサイズに合わせて大きめで、一軒家でもDSの下画面の大半を占める程度に大きく、街中の移動でもそれなりの距離を走る必要がある。
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なお、マップはそこまで広大ではないため、移動に費やす時間は『花と太陽と雨と』よりはマシではあるものの、バスの走っていない「さんがく」や自宅へ行くのは正直だるい。
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ミニゲーム
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釣りゲームはこの手のシミュレーションではありえないぐらいに魚の食いつきが悪く、やっとかかったと思ったら「せん」などの外道もある。レア物を釣るには『moon』内の釣りゲームレベルの忍耐が必要である。
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説得ミニゲームが単調
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和製ADVであれば主人公が話す内容をコマンドで選択するものが一般的だが、本作では「なだめる」「話を聞く」「はげます」という抽象的なコマンドから選ぶ。
和製ADVにおいて会話場面で抽象的なコマンドしか提示されない作品はDSでも『落シ刑事』などがあるが、コマンド選択後は詳細な会話内容が示されるのが一般的であるのに対し、本作はキャラの表情や動きが変わるだけで、会話内容は全く示されず、このためキャラにもストーリーにも感情移入し難い。
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ごくまれに説得ミニゲーム中に前触れもなくタイマーが止まって「Yes」「No」だけで答える選択肢が出ることがあり、これに正答すると一発形勢逆転、逆に選択を間違えると説得失敗でミニゲーム終了となることがある。この際もそれまでの会話の成り行きがわからないため唐突に「あなたの話を信じていいの?」と聞かれた場合は返答に困る。
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ただし、観光客のクレームはバリエーションが少ないわりには毎日対応せねばならず、会話が単調になったかもしれないことから、観光客とのやりとりにおいてはこれでよかったのかもしれない。
なお、観光客のクレームには「何も無いところで転んだ」「サングラスを自分で踏んで壊した」などの理不尽なものもあるため、これらのモンスターなクレーマーの話は聞くに耐えない内容となったかもしれない。
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ディスコは地獄
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繁華街にディスコがあり、$500を払うと入場できるのだが...
そこには「この地区の不満を持った観光客が集まっています」...
ということで、ディスコ内にいるすべての観光客のご不満を解消するべく説得ミニゲームを連続でこなさないといけない...
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一部ミニゲームの報酬が妙に高い
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花屋で花輪を作るミニゲームでは、作った花輪のうち1つと、さらにミニゲームの成績に応じたお金をくれる。
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パラグライダーの利用には$50掛かるが報酬が高く、どんなに下手でも$200程度、少し慣れた程度で$2,000以上の報酬が見込める。
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動機付けが薄い
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ある日ふらっと来た主人公が寂れたリゾート地を立て直すという内容なのだが、他所者の主人公がそのリゾート地を立て直す動機が語られず、それどころかオープニングにて島へ案内してくれる船長に変わり者呼ばわりされる。
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町の人物の悩みの解決法がちょっとおかしい
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お店をやっている登場人物がお店の売上が伸びずに悩んでいる場合、プレーヤーが店を手伝う、もしくは宣伝するのかと思いきや、プレーヤーが自腹でその店の商品を購入するというサクラまがいの方法で解決したことになる。
総評
本作はADVとしてはストーリーに魅力がなく、一応遊べるという程度の今ひとつな作品であり、ミニゲームにハマれば高評価、そうでなければ低評価となるだろう。
中盤は自由度が高いように見えるが、最終的にスターレベルを最高にするには用意されたイベントを全て完遂させる必要があるため、結局のところ自由ではない。
町に活気が戻るにしたがって不満を持った観光客が町中に増え、ゲームが進むにつれてクレーム対応にうんざりさせられるという欠点がある。
ぼくとシムのまち キングダム (DS)
【ぼくとしむのまち きんぐだむ】
ジャンル
|
冒険シミュレーション
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対応機種
|
ニンテンドーDS
|
発売・開発元
|
EA Redwood Shores(エレクトロニック・アーツ)
|
発売日
|
2008年12月4日
|
定価
|
4,742円(税別)
|
セーブデータ
|
2個
|
レーティング
|
CERO:A (全年齢対象)
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判定
|
なし
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ポイント
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Wii版とは内容が違うんです! 町を思い通りにカスタマイズ!
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ストーリー(キングダム)
リゾート地から帰ってきた主人公は久しぶりの我が家での一夜を過ごした翌日、何者かにめちゃめちゃにされた町を目の当たりにする。
主人公はDr.Fの発明品で町を復興させることを王様と約束する。
概要(キングダム)
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前作『ぼくとシムのまち リゾートに元気をとりもどそう!』の続編となっている。
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前作の登場人物のうち、犬の被り物のトムとマーチンの2人が本作に引き続き登場している。
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トムと本作で初めて会った時、まるで初対面のような対応をされ、その後も他人行儀な態度である。
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今回の舞台は王国ということで、前作とは国も違い、本作をプレイする上で前作のプレイ経験はあまり重要ではない。
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同日発売のWii版とは内容が異なる。
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本作は『ぼくとシムのまち リゾートに元気をとりもどそう!』の続編であり、Wii版はWii『ぼくとシムのまち』の続編である。
このため、Wii版『キングダム』にはトムも登場していない。
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Wii版と本作と共通の登場人物は、ローランド(王様)、DJキャンディ、Dr.F、ジーノ(シェフ)、マクフリーリーだけである。
このうち、DJキャンディ、Dr.F、ジーノ、マクフリーリーはWii『ぼくとシムのまち』から登場している。
システム(キングダム)
変更点
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スターレベルが上がっても、その日は強制的に終了せず、そのままその日を続けられるようになった。
新システム
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アイテム合成
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Dr.Fが発明したチューチューマシンによって、エッセンスを集める。
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チューチューマシンはバッテリー駆動であり、1日にエッセンスを吸える回数には限りがある。
バッテリーパーツを入手した場合、Dr.Fに改造してもらってバッテリー容量を増やしてもらえる。
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同じくDr.Fが発明したごうせいマシンにエッセンスを入れて振ると、アイテムが入手できる。
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アイテムは基本的には花壇や電灯などの町の構造物である。
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合成で出来た構造物はプレイヤーが町に自由に設置できる。
評価点(キングダム)
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町の大部分をカスタマイズできるようになった
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アイテム合成などで入手した花壇などの構造物を自由に配置できる。
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前作ではしんりんなどのマップの決められた場所に、6種類程度のアイテムの中から選んで設置するということは出来たものの、自由度はこれほど高くなかった。
問題点(キングダム)
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移動は相変わらずトロい
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今作はさらにバスもないため、移動は前作よりもさらに大変である。
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DS『ザ・シムズ2 はちゃめちゃホテルライフ』ではもっとスタスタと歩けていたのだが。
総評(キングダム)
本作は「誰が街を荒らしたのか?」という謎のあるストーリーとなっており、よりADVらしくなった。
しかし、冒険はないため「冒険アドベンチャー」は看板に偽りありである。
前作で一番うんざりさせられた観光客のクレームもなくなり、精神的に快適になった。
逃げた動物探しクエストなどのちょっとひねったクエストもあり、前作に比べれば良くはなっているものの、ゲーム内で「王国」という世界観を徹底できていないため「王国」という設定にした意図が伝わらずモヤモヤした気分になる、中途半端な作品となっている。