天誅 DARK SHADOW
【てんちゅう だーく しゃどぅ】
| ジャンル | 忍者トラップアクション |  
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| 対応機種 | ニンテンドーDS | 
| 発売元 | フロム・ソフトウェア | 
| 開発元 | ポリゴンマジック | 
| 発売日 | 2006年4月6日 | 
| 定価 | 4,800円(税別) | 
| セーブデータ | 3個 | 
| レーティング | CERO:15才以上対象 | 
| 判定 | なし | 
| ポイント | 『影牢』になった『天誅』 | 
| 天誅シリーズ 天誅 (忍凱旋) / 忍百選 / 弐 / 参 (回帰ノ章) / 紅 (Portable)
 忍大全 / 千乱 / 4 (PLUS) / DARK SHADOW / Shadow Assault
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概要
新システムを採用した『天誅』シリーズの新作。
ストーリーは『弐』の続きとなっている。
タイトルの「DARK SHADOW」は略すとDSとなる。
数カ月後に発売された海外版のタイトルは『Tenchu: Dark Secret』となっており、こちらも略すとDSとなるようになっている。
特徴
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システムは「忍者トラップアクション」(詳細は後述)となり、『天誅』シリーズの過去作とは楽しみ方が異なっている。
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ステルスゲームであることは変わりないが、本作では過去作のように1撃必殺を目指すゲームではなく、ゲーム序盤から1撃では倒せない敵が出てくる。
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このような敵に対して、トラップを組み合わせてコンボ殺を目指すのが本作の目的である。
 
 
システム
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トラップアクション
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忍具(トラップ)はインターミッションで商店から購入するか、素材を消費して作成する。
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任務を進めることで、忍具を作成できる村人を仲間に出来、インターミッションにて作成できる忍具の種類が増える。
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忍具を作成するための素材は任務内で収集する必要がある。
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忍具を購入するための金は任務内で敵をコンボ殺することで敵が落とすことがある。それ以外の金の入手方法としては、作成した忍具を商店で売却することも可能。
 任務達成による報奨金的なものがないため、初心者はまずお金を入手することすら難しく、しかも商店の商品は高価であるため、お金のやりくりは初心者には過酷である。
 
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任務中に敵に見つからないようにトラップを設置し、巡回する敵を殺す。
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トラップ設置後は敵がトラップの上を通過すれば自動でトラップが発動する(一部の改良トラップのみ遠隔操作可能)。
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敵を殺す時に「竹串の罠」で殺すと「貫殺」、普通に背後から斬りつけると「斬殺」というような表現で示される。
 「竹串の罠」で飛ばした先に「まきびし」を置いておくことで「貫刺殺」というコンボ殺ができる。
 コンボ殺の場合、コンボの数だけ敵がアイテムを落とすため、後の戦いが有利となる。
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設置型の罠(「竹串の罠」など)は回収して再利用できる。地雷は設置型のため同一任務内で再利用できる。
 一方「まきびし」は「放置武器」に分類されているため撒いた後は基本的に回収できない。
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設置型の罠は同じ地点に複数置けないが、「まきびし」は放置型なので同じ地点に置ける。
 同じ地点に大量に「まきびし」を撒くと、敵がアイテムを大量に撒き散らしながら死ぬ。
 
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敵を殺害すると「忍殺絵」が得られる。
 コンボ殺の場合、例えば「貫刺殺」なら、「貫殺」と「刺殺」の2枚が得られる。
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この「忍殺絵」を商店で売却することが出来る。
 価格は殺害方法に応じて異なる。例えば、「貫殺」は「斬殺」の2.5倍の価格で売れる。
 価格は敵のランクに応じて異なる。例えば熊の「貫殺」は野武士の「貫殺」の12倍の価格で売れる。
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なぜ任務終了時に自動で精算するシステムにしなかったのだろうか。
 
 
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巻物
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特定のステージの特定の敵を4コンボ以上で倒すと、巻物が得られる。
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巻物には大きく分けて3種類ある
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新しいアイテムの作り方を記した巻物
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ストーリーを補間する巻物(日記、手紙など)
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隠し任務を出現させる「試練の書」
 
 
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村の再建度
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任務に成功すると「再建度」が上昇する。逆に任務に失敗すると「再建度」が減少する。
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再建度が規定値を越えると商店の品揃えが多くなる。規定値を下回ると元の品揃えに戻る。
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再建度に応じてインターミッションでの村のCGが変化する。
 
評価点
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殺し方の種類が豊富
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「竹串の罠」等の設置型の罠で池に落とすと敵が溺れて「溺殺」となる。
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敵が溺れている時に更に「まきびし」を投げると「溺刺溺殺」などとなる。
 
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「笑殺」「驚殺」というふざけた殺し方もある。
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「まきびし」は刺殺力が低いため「刺刺刺刺刺殺」などの長いコンボになりがち。
 
問題点
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視界が切り替えられない
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視界の方角は常に一定で、プレーヤーが向きを変えることは出来ない。
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視界がほぼ見下ろしになっている時間が長く、プレーヤーの視界が極端に狭い。このため、敵を発見しにくい。
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橋の下などに入ると、横からの視点に切り替わり、これはこれで手前方向を確認する手段がなくなる。
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視野が狭いことから敵が罠にかかったところが見れない。『影牢シリーズ』のようにトラップにかかった敵のリプレイが見れればよかったのだが。
 
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ステージの種類が少ない
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ステージの種類は「村」「岩場」「竹林」「山林」「水辺」「敵倉庫」などがあるもののそれらの使い回しであり、任務を進めることで新しいギミックが登場することもなく、やや単調である。
 
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ルールの練り込み不足
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例えば『メタルギアシリーズ』なら地雷類を使うと爆発音で敵が集まってくるが、本作で地雷を用いても特にデメリットはない。
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未発覚のはずなのに何の前フリもなく敵が巡回経路を変えることがある。
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本作では敵の気配は複数の敵の合算値となっているため、プレーヤー付近の敵の数がわかりにくい。
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コンボ殺をしても「忍殺絵」にはコンボとしては記録されず、達成したコンボはその場限りのものとなってしまう。
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多くのボス戦はステルス性無視のステージ設計となっている。
 
総評
本作はシステムが過去作とはかなり異なる。
『影牢』と異なる点は本作はステルス性が重視されているため、プレーヤーが囮となってトラップにおびき寄せるという戦術ではないこと、プレイヤーが斬りつけることも出来るところ、基本的にトラップが自動で発動するところである。
本作は、過去作と異なるゲーム性を受け入れた上でコンボ殺に楽しみを見い出せればスルメ評価もありうるため、人によって評価が大きく異る作品となっている。
システムやルールの作り込みが雑で、かつその根拠となる理由付けや説明が薄く、結果として突っ込みどころが多過ぎて、いまいちプレイにのめり込めない残念な作品である。
その後の展開
本作のシステムをさらに突き詰めて、武器を使えない形となった『Shadow Assault ~TENCHU~』が360向けに配信されている。
最終更新:2023年08月23日 13:30