「ソロモンの鍵2 クールミン島救出作戦」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
ソロモンの鍵2 クールミン島救出作戦 - (2023/01/30 (月) 03:43:34) の編集履歴(バックアップ)
ソロモンの鍵2 クールミン島救出作戦
【そろもんのかぎつー くーるみんとうきゅうしゅつさくせん】
ジャンル
|
パズル
|
|
対応機種
|
ファミリーコンピュータ
|
メディア
|
2MbitROMカートリッジ
|
発売・開発元
|
テクモ
|
発売日
|
1992年1月24日
|
定価
|
6,200円(税別)
|
判定
|
良作
|
ソロモンの鍵シリーズ ソロモンの鍵 / 王女リヒタの涙 / ソロモンズ倶楽部 / ソロモンの鍵2
|
概要
ソロモンの鍵の続編。
アクション要素が高かった前作とは大きく異なり、ほぼ純粋なパズルゲームとなっている。
ストーリー
雪の降る夜、暖炉のそばで、おばあちゃんが子供たちに語る昔話。
はるか北にあるという、冬の妖精たちが平和に暮らす氷の島「クールミン島」。
ところがある日、邪悪な魔法使いドルイドルが島に現れ、
炎の魔物を放ってしまいました。
さあ大変。このままでは島が溶けてしまいます。
妖精の女王は、当時まだ新米魔法使いだったダーナを呼び出し、
邪悪な炎を打ち消す氷の魔法を授けたのでした。
ダーナの知恵と勇気が平和を取り戻してくれることを願って…。
特徴
-
一画面固定型・サイドビュー方式のパズルゲーム。
-
一部ボス面に多少のアクション要素はあるものの、それ以外は詰将棋のような沈思黙考型の純粋なパズル面。
-
主人公ダーナが使えるのは氷の魔法だけ。
-
自らの立っている足場につながる形で斜め前方に氷を出現させる。同じ手順で消すこともできる。
-
それ以外にできることは、左右へ歩くくらい。上方向への移動はステージ上のギミックである土管を使うか、階段状の地形を1段ずつ登るだけ。ジャンプさえできない。
-
ステージ上にいる炎の魔物に、何らかの方法で氷か石をぶつけると倒すことができる。
-
1ブロック分の氷を横から押すことで、障害物にぶつかるか足場の切れ目から落ちるまで滑るように移動させられる。
-
足場につながっている長い氷の根元を切るように消せば、残った氷は下に落ちていく。
-
いくつかの面で配置されている石は通常1マスしか進まないが、氷の上で押すと氷でない足場まで滑って行く。
-
こうした方法で炎の魔物を消して行き、画面上の炎の魔物をすべて退治できればステージクリア。
-
ステージは全部で100面。10のワールドに分かれ、各ワールドはそれぞれ10のラウンドを内包する。
-
各ワールドの10ラウンド目にはボス面が待ち受ける。
-
ボス面は少しずつ上にスクロールしていく(取り残されるとミス扱いになる)面と、炎の魔物が周期的な動きを見せる(それ以外の面では炎の魔物は一切動かない)面の2種類あり、交互に出現する。
-
ほとんどの面には順不同で自由に挑戦できるが、ボス面はそのワールドの1~9ラウンドと、それまでのワールドのボス面すべてをクリアしなければ挑めない。またワールド10のみ、ワールド9のボス面をクリアしないと入れない。
評価点
-
骨太のステージの数々
-
全100ステージという、前作の2倍に増えた良質なパズルが待ち受ける。
-
すべてクリアすれば、エンディングでさらに50ステージの裏面を遊ぶ方法を教えてもらえる。
-
方法さえ知っていればクリアしていなくても裏面へ行くことはできる。
-
難易度も序盤は簡単なステージから始まり、徐々に新たなギミックを増やしつつ難しくなっていく。終盤や裏面には一筋縄ではいかないステージも多い。
-
パズルに特化した多数の親切設計
-
残機制度無し、制限時間も無し、無制限にコンティニュー可能、アンドゥ・リドゥ機能付き。
-
これらの仕様上、じっくりと腰を据えて試行錯誤を繰り返しつつ考えることができる。
-
ボス面のみ若干のアクション性が混じる都合上、アンドゥ・リドゥは不可。
-
タイマー機能もついているが、ポーズをかけている間は画面を見ながら考え放題なので、実質無意味。
-
進化した演出面
-
ファミコン末期の作品だけあって、グラフィックも美しく仕上がっている。
-
個性的なBGMも秀逸、かつ思考の邪魔にならない。
-
おまけ程度ではあるが、ストーリーも日本語(ひらがな)で表示されるためわかりやすい。
-
エディット機能搭載
-
オリジナルの面を自由に作ることができ、最大22個までセーブしておける。
-
本編・裏面あわせて150ステージを遊び尽くした後も、これにより更なる難問を追求できる。
-
バグの少なさ
-
目立つバグは特に無く、安心して遊ぶことができる。エディット機能で変な面を作ると挙動がおかしくなることはあるが、そこまでいくとさすがに自己責任の範疇だろう。
問題点
-
前作ソロモンの鍵との関連性が薄い
-
共通点は「一画面固定型のサイドビュー形式」「主人公がダーナである」「足元に石(氷)を出す様子が似ている」程度。
-
雰囲気も一新されている。前作のストイックさと比べ、ファンシー性が大幅に増した。
-
ここまで差異が大きいと、もはやタイトルが似ているだけの別物と言っても過言ではあるまい。
-
これらのせいか、北米NES版では『Fire'n Ice』というソロモンシリーズとは別扱いのタイトルで発売された。
-
海外NES版は当初欧米版どちらも『Solomon's Key 2』でローカライズしていたが、最終的に発売時には上記のように北米版ではタイトル名が変更されて欧州版のみ日本版タイトルを英訳したものになっている。
-
中途半端なラスボス戦
-
攻撃を当てる手順がわかればあとはほぼ作業。
-
パズルとアクション、どちらの要素もあるラスボス戦だがなんとも中途半端な出来。
総評
前作からゲーム性・イメージは様変わりしたものの、パズルゲームとしての完成度は高い。
機能面は親切で、ステージごとに難易度も幅広く、パズル初心者から上級者まで楽しめる事請け合い。
高難易度のパズルゲームに慣れたプレイヤーなら終盤のステージもそれほど苦戦しないだろうが、それでもエディット機能があるため、とことんまで道を究めることが可能。
余談
-
株式会社ハムスターがYouTubeにて配信している「アーケードアーカイバー」の第387回において、コーエーテクモゲームスの原尾宏次氏によって当時の企画書の一部が公開された。(ソース)
-
当初のタイトルは『ICE KID』。前作のデザイナーの鶴田道孝氏がテクモ退社後に持ちこんだ企画である。
-
タイトルが『ソロモンの鍵2』になった理由は当時のテクモのコンシューマ販売部門の要望によるもので、オリジナルタイトルで売るよりも『ソロモンの鍵』の知名度を利用することが得策と考えたようである。