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ファイヤー・ファイティング - (2019/04/02 (火) 08:11:53) の編集履歴(バックアップ)


ファイヤー・ファイティング

【ふぁいやーふぁいてぃんぐ】

ジャンル アクション
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対応機種 スーパーファミコン
発売・開発元 ジャレコ
発売日 1994年11月11日
定価 9,890円
プレイ人数 1人
レーティング 【VC】CERO:B(12才以上対象)
配信 バーチャルコンソール
【Wii】2011年3月1日/800ポイント
【WiiU】2017年3月29日/823円
判定 なし
ポイント 消防士を操作して人命救助
ステージ構造を把握するのが攻略の鍵
ボリュームがやや少ないの難点


概要

  • 1994年にジャレコから発売されたアクションゲーム。消防士の主人公を操作して火災現場や炭鉱に突入し、制限時間内に被災者を救出するゲームである。

特徴・システム

  • 本作はステージを選択した後、まずミーティングを受ける所から始まる。ミーティングではキャプテンからの状況説明を受け、ステージの目的の確認、現場のマップの把握、消防車の配置、持っていくアイテムの選択などを行う。
  • ステージ内では持ってきたアイテムなどで消火活動や障害物除去を行いながら、被災者や仲間の位置が分かるレーダーを頼りに被災者を助けていく事になる(ミーティング時のような細かいマップは表示されない)。一定時間内に被災者を規定数以上救出して、ステージ出口にいるキャプテンに話しければステージクリアとなる。
  • 炎に触れるなどして体力が無くなる、または制限時間内にステージを脱出できなかった場合はゲームオーバー。CHANCE(コンティニューできる回数)が1つ減る。CHANCEが全て無くなると完全にゲームオーバーとなる。また、被災者を規定数以上救出せずにステージを脱出すると、CHANCEは減らないがステージクリアとはならない。
  • ステージ内の炎は時間と共にどんどん延焼していく。制限時間や後述のスコアの事もあるため、迅速に作業をこなしていく必要がある。また、ステージ内には仲間の消防士をおり、アイテムの補給や取り換えを行ってくれる。
  • スコアの概念があり、残った制限時間、被災者の救出、得点アイテムを拾う、ステージ内で起こる突発イベントをクリアするなどで加算される。このスコアに応じて、主人公がレベルアップしたり、CHANCEが増えたりする*1
  • 全3章構成・8ステージ、パスワード制。成績が良ければ全ステージクリア後、エキストラステージに挑戦できる*2

評価点

  • 変化するステージと、素早い対応を求められるゲーム性。
    • ステージ内の炎は時間と共にどんどん延焼していく。もたもたしていると移動や作業が困難になる上、被災者の所まで炎が迫ってくるようになる(被災者はダメージを受け続けると死んでしまう)。このため、ミーティング時のマップやステージ内のレーダーを頼りに、迅速かつ的確なプレイが求められる。
    • 場合によっては来た道を戻ったり、場所を往復する事もあるため、延焼する炎をそのまま放置して素通りすると、戻ってきた時に大火事になっている事も。しかし、制限時間の都合上、全ての炎を消火する時間もない。その場その場で柔軟に対応する必要があり、戦略的なプレイングを楽しめる。
  • トライ&エラーを繰り返す事で、「最善」が分かってくるゲーム内容。
    • 最初はてこずっていても、ステージの構造、被災者の配置、よく燃えている箇所などが分かってくると、おのずとどう立ち回れば効率よく被災者を救出できるかが分かってくる。例えば、広範囲の炎を消すのには通常の消火剤では時間が掛かるが、消火弾というアイテムなら一瞬で消す事ができる。ただしこのアイテムは補給を受けないと回復しないため、補給してくれる仲間の消防士の位置の把握と使うべき場所の判断が必須となる。最初は大きな炎にまごついたり、消火弾を出し惜しみしたり必要のない所で使っても、プレイしていく内にどこで使うべきか、いつ補給しにいけばいいのか分かってくるようになるだろう。
    • 被災者の中には、特定の人物を助けていないとついて来てくれない、特定のアイテムがないと救助できない、仕掛けを解かないと中に入る事ができない部屋にいる、炭鉱ステージでは酸素を求めてくるなど、特殊な者もおり、マップの構造がやや入り組んでいる事も相まって、一筆書きではなかなか救出できないようになっている。この点も、ゲームに慣れてくる事でだんだんステージ攻略が上手くなっていく要因の一つとなっている。
    • ミーティング時に消防車を配置する事になるが、これはプレイヤーのいる一画面を消火してくれ、なおかつ配置した場所により大きく効果が変わってくるという特徴を持っている。この事も、何回か プレイする事によりプレイングが有利になっていくという要因の一つである。
    • 先にも述べた通り、本作はスコアの概念があり、そしてステージを早くクリアする事によりスコアも増え、持てるアイテムも多くなる。慣れれば慣れる程、よりハイスコアを目指せるようになるし、ゲームを有利に進めていく事も可能。
  • ステージ内で起こるイベントや仕掛けの豊富さ。例を挙げると、時間経過で有毒ガスが発生したり特定の部屋に入る事ができなくなる、とあるアイテムを探索するよう指令が出される、化石を運び出す作業員たちを手助けする、爆弾を探し出し爆弾解体をする、ボイラー室のボイラーの温度を下げる、特定の床を崩す事によってはじめて入れるようになる部屋、など。
    • イベントの中には、細かな条件を満たす事でよってはじめて起こるものもある。(特定の被災者を一定時間までに救出しない*3、一定数の被災者を救出する、特定のイベントを一定時間までに終わらせる、など。)よく作り込んである事が分かる事に加え、イベントクリアでもスコアが入るため、ハイスコアを目指す時やどういったイベントが起こるか調べる時は、何回もプレイする原動力となる。
    • 通常の火災現場だけではなく、炭鉱ステージも登場。炎は発生していないが、有毒ガスが発生しているので酸素ボンベを着けて作業する事になる。酸素はダッシュなど激しい運動をすると消費が激しくなるため、慌てずかつ素早く作業する必要が求められ、火災現場とは一味違ったプレイを楽しめる。
  • 成績が良いとプレイできるエキストラステージの存在。1993年に発売された『ラッシング・ビート修羅』に登場するダグラスモーター社が舞台で、人体実験の危機にある人々の救出、重要文書の奪取、出現する怪物との戦闘など、消防士の仕事としてはかなり異質かつぶっ飛んだものになっている。

賛否両論点

  • 炎が硬く、消火弾ではすぐに消せるが、通常の消火剤ではなかなか消えない。どこの炎を消しどこを無視するか、また消火弾のどう運用するかといった戦略的なプレイングに貢献しているが、まどろっこしさを感じたり、消火やアクションゲームとしての快感を削いでもいる。
    • 消火剤に残量の概念があり、やみくもに噴射しているとすぐガス欠を起こすのもこの事に影響を与えている*4。必然的に消す必要のない炎は無視するプレイングとなってくる。
  • 一部の難易度の高いイベント。
    • 例えば、2章テーマパークステージでは化石を運び出す作業員たちを手助けするイベントが発生する。四方から炎がランダム湧きする中、上下左右から作業員が出現し、床に敷いてある化石パネルを運び出すというものだが、パネルの枚数が多く時間が掛かる上、作業員が炎に触れるとまたパネルの運び直しとなる。炎がランダム湧きな事も相まって、慣れるまでなかなか手こずる事となる。
      • ただし、作業員の出現パターンと化石を運び出す順番は固定のため、慣れればそれほど難しいというものでは無い。また、救出ノルマを満たしていれば、このイベントを無視してステージをクリアする事も可能。
    • 2章工場ステージでは、ステージの最後にボイラー室でボイラーの温度を下げるイベントが発生する。ランダム湧きする炎と時折ボイラーから放たれる電撃を避けながら、ボイラーにあるポイントに向けて消火剤を当てて温度を下げる、というものだが、ランダム湧きする炎に動きを制限される中、そこに電撃や、ポイントに的確に消火剤を当てるテクニックも要求されるため、かなり難しい。
      • ただし、このイベントも救出ノルマの満たして出口にいるキャプテンに話しかければ、イベントを無視してステージクリアする事が可能。
  • ステージ中ではBGMらしきBGMは流れず、炎の燃え盛る音や電気がビリビリ流れる音といった環境音で構成されている。これはこれで雰囲気も出るし、緊張感を煽るが、やや寂しいと感じるのも確か。

問題点

  • ボリュームが全8ステージと、やや少ない。トライ&エラーを前提とし、繰り返し遊ぶタイプのゲームではあるが、それでもボリューム不足が目立つ。後半のステージの制限時間が、5分、4分といったかなり短い事もそれに拍車をかけている。
  • 得点アイテムの仕様。
    • ステージ内に落ちている得点アイテムは、被災者から貰えるもの、被災者がヒントをくれるものなど一部を除き、基本的にはある場所はノーヒント。画面上には一切表示されないため、怪しい場所をしらみつぶしに探すしか発見する方法はない。また、ダッシュしている場合は、アイテムの上に来ても発見する事ができない。
    • 得点アイテムを持ったままステージをクリアするとスコアが増える…という訳では必ず無く、アイテムが壊れているとスコアが加算されなかったり、最悪スコアが引かれてしまう。またスコアが入る場合も、たった10点だったり、逆に100点、300点入る場合もある。ちなみにスコアが引かれるかどうかや入るスコアの量はランダムである。
      • このため、ハイスコアやエキストラステージを目指す場合、リセットやパスワードの入力を繰り返す事になる。
  • ダッシュは十字キーを同じ方向に2度押しするというもので、ダッシュ中はボタンを離していても走り続けるというものだが、慣れないうちは暴発しやすく、自分から炎に突っ込んでダメージを受けるという事もままある。
  • 仲間の消防士はただその場に突っ立っているだけで、目の前に炎があろうが何もしてくれない。完全にアイテムの補給係と化している。
    • 仲間の消防士の中にはアイテムの補給は行ってくれず、アイテムの取り換えのみを行う者もいるが、アイテムはミーティング時に事前に持ってくればいいだけであり、初回プレイならともかく2回目以降のプレイでは全く役に立たない。

総評

変化し続ける災害現場を再現したゲーム内容、上達が実感できるゲームデザインなど、光る部分も多い本作。しかし、ボリューム面の問題や、その他細かい粗が存在するのも事実。名作と呼ぶには及ばないものの、人命救助や消防士を題材にしたゲームとしてはなかなかの佳作といえる。興味があるのなら手に取ってみるのもいいだろう。

余談

  • 本作と同じく消火活動を題材としたスーパーファミコンソフト『ザ・ファイヤーメン』(ヒューマン)は、本作の約2ヵ月前の1994年9月9日とかなり近い時期に発売されている。
  • 2章工場ステージの工場名であるジョウカルだが、これは同社『ラッシング・ビート』に登場する覚醒剤密売組織と同じである。