*エモやんの10倍プロ野球 セリーグ編 【えもやんのじゅうばいぷろやきゅう せりーぐへん】 |ジャンル|シミュレーション|&amazon(B000068HF2)| |対応機種|ファミリーコンピュータ|~| |発売元|ヘクト|~| |開発元|ヘクト&br;アクシズアートアミューズ|~| |発売日|1989年12月19日|~| |定価|9,700円(税別)|~| |判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~| |ポイント|対戦プレイなし&br;パリーグなし&br;あるのは強すぎるCPU戦のみ&br;慣れると一気に難度が下がる|~| **概要 エモやんこと江本孟紀(元プロ野球選手)が監修した野球ゲームソフト。~ しかしタイトルは意味不明。江本のベストセラーだった『プロ野球を10倍楽しく見る方法』からきているものと思われるが、それを差し引いてもゲーム内容が見えてこない。 **システム(および問題点) //(※他にも様々な要素が意欲的に取り入れられているようなので、詳しい方は説明の補完をお願いします。) -チームに関しては、発売年(1989年)のセ・リーグのペナントレースを(途中までだが)忠実に再現している。~ また、選んだ球団名や選手のデータを自由に変更することもできる。 --しかしタイトルの通り、収録されているのはセ・リーグのみ。パ・リーグ球団は全く出てこない。『[[ファミスタ>プロ野球ファミリースタジアム'88年度版]]』でも1988年から対応しているのに。 ---ゲーム誌「CONTINUE Vol.14」の制作者インタビューによると、ROM容量が足りなかった訳ではなく、パ・リーグのチームはテレビ中継が無かったため選手データを作れなかったらしい。 ---なお、本作のパ・リーグ編は出ていない。 -本作の打撃は『[[パワプロ>実況パワフルプロ野球シリーズ]]』に先んじてミートカーソルの概念を採用しているのが特徴。だが、その難度が高すぎる。 --プレイヤーは相手投手の球種(速球or変化球)だけでなく、どのコース(25マスに細分化されている)に来るか予測して、タイミング良くミートカーソル(大きさは当然選手によって違う)を合わせて打たなければならない。 ---相手の投球にはもちろんボール球もあるので、ヒットどころかバットに当てる事すら困難である。 ---こちらが三振ばかりにも関わらず、CPUは普通に打ちまくるため完封負けに終わることが多い。 --逆に慣れてくると完全試合が可能になるなど難度が急に下がり、バランスが悪すぎる。 -一人プレイ専用で''対戦プレイができない''。 --対戦プレイは、FC最初期の任天堂製ソフト『[[ベースボール]]』でも既に搭載されているというのに…。 --また、デモ対戦はおろかデモ画面すらない。 -打球が飛んだ時の視点は、一塁側からホーム全体を1画面におさめる構図になっており、非常に見づらい。 **評価点 -球団選択画面に表示されるのはペットマークと球団ロゴのパロディであり当時のセ・リーグの雰囲気を再現している。 --しかし現在でもペットマークが大きく変わっていないのは阪神タイガース(このゲームではTires)と広島東洋カープ(このゲームではCAPPOSES)のみであるため若いプロ野球ファンにはわかり辛いかもしれない。~ 特に、横浜大洋ホエールズ(このゲームではWAVES)は二度の身売りによって球団名自体が変わってしまっている。(横浜ベイスターズ→横浜DeNAベイスターズ) -セ・リーグに絞ったおかげなのか選手数は二軍の選手まで収録されているなど多い。 --また[[某野球ゲー>高校野球育成アクションゲーム めざせ!甲子園]]のように選んだチームの選手名を自由に変更可能。 -エンディングは優勝シーンの後に祝勝会が流れるものとなっており凝っている。 --しかし当時の弱小チームであるSmiles(ヤクルトスワローズ)・Tires(阪神タイガース)・WAVES(横浜大洋ホエールズ(現・横浜DeNAベイスターズ))でクリアすると江本孟紀から辛口を言われてしまう。 **総評 一部システムに意欲的な試みは見られるものの、プレイヤー側には厳しい精度の予想を課しながらCPU側が卑怯なほど上手いというバランスは、あまりにもハードルが高すぎた。~ 慣れると逆に簡単になりすぎるが、多くのプレイヤーはそこまで辿りつける前に挫折するだろう。~ 人間同士でならまだしもフェアな試合を楽しめたのかもしれないが、本作で対戦プレイはできない。~ タイトルからして意味不明であったためか注目される事も無く、少なくとも売り上げ10倍とはいかなかったようである。~ **余談 -GBで『20倍プロ野球』も発売予定だったが、このソフトがあまりの不評だったためか中止になった。