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ダウンタウン熱血行進曲 それゆけ大運動会 - (2023/09/02 (土) 22:28:26) のソース

本項ではファミリーコンピュータ用ソフト『ダウンタウン熱血行進曲 それゆけ大運動会』と、ゲームボーイ移植版の『ダウンタウン熱血行進曲 どこでも運動会』について記述する。判定は前者が「良作」後者は「劣化ゲー」。
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*ダウンタウン熱血行進曲 それゆけ大運動会
【だうんたうんねっけつこうしんきょく それゆけだいうんどうかい】
|ジャンル|アクションゲーム|#amazon(B000068HKC)|
|対応機種|ファミリーコンピュータ|~|
|メディア|2MbitROMカートリッジ|~|
|発売・開発元|テクノスジャパン|~|
|発売日|1990年10月12日|~|
|定価|6,200円(税抜)|~|
|プレイ人数|1~4人|~|
|配信|バーチャルコンソール&br()【Wii】2007年12月4日/500Wiiポイント&br()【WiiU】2013年4月27日&br()【3DS】2013年6月12日/上記共に500円|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|ポイント|エキサイティングな乱闘運動会&br;エキサイトしすぎてゲームの外でリアルな乱闘が始まることも…|~|
|>|>|CENTER:''[[くにおくんシリーズ]]''|
#contents(fromhere)
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**概要
くにおくんシリーズの一つであり、ダウンタウンシリーズの2作目。おなじみ熱血高校のくにおくん達が、高校ごとに4つのチームを組み4つの特殊な競技を戦う。

ストーリーは『[[ダウンタウン熱血物語]]』からしばらく経った後の話。~
新しく冷峰学園の生徒会長となった「とうどう」が、「やまだ」の起こした不祥事のお詫びとして親睦を深めるための大運動会を開催するが、~
それは「くにお」達に赤っ恥をかかせる為に仕組まれたものだった、というもの。

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**参加高校
-熱血高校
--主人公「くにお」が所属する高校。チームカラーは白。メンバーは他にすがた・ななせ・もりもと・たかみね・いちじょう。
---この高校で一人プレイをクリアした場合のみ、エンディングを見ることができる。
---くにお以外は全員が初登場の後輩メンバー(すがた・ななせは2年、他3人は1年)で、[[サッカーの大会>熱血高校ドッジボール部 サッカー編]]前では運動会を見据えていたはずのドッジボール部員は%%左記の大会後サッカー部マネージャーのみさこに約束の○○○○をブッチされたことでヘソを曲げてボイコットしたのか%%未登場。
--くにおのワンマンチームと言われがちだが、足が速く必殺技「爆弾パンチ」が強力な「すがた」、体力以外の基本ステータスが低めとはいえ地味ながら使える必殺技「ダブルチョップ」を持つ「ななせ」、必殺技はないものの地力が強く格闘戦に強い「たかみね((副将の「すがた」を上回る地力の高さなど後述の花園高校「まえだ」と似た特徴だが、独特な顔やCPUロジックで強烈なインパクトを残した彼と違って地味な存在。))」、素早さと武器殴りが強い((あまり知られていないが、武器殴りはなんと「ごだい」に次ぐ全選手2位の数値。))以外は低能力で特に体力が最低の「いちじょう」など、強みを的確に活かして運用すればそこそこ戦えるようになっている。
---本作でデビューした「すがた」は後に『[[ダウンタウン熱血べーすぼーる物語]]』で主役を務めることとなる(他のメンバーも全員登場)。それ以外のシリーズでも何度か登場しており、本作初出の熱血高校メンバーでは最も出世したキャラと言える。
---ちなみに「もりもと」は、ステータス面では武器投げ以外に何の取りえもないが、とある裏技を使うことで武器投げが異様に強くなる。俗に「武器投げ覚醒((もりもとの覚醒が有名だが、冷峰の「こばやし」でも確実に発生させられる。))」と呼ばれ、覚醒もりもとが武器を投げるだけで、キャプテンクラスのキャラだろうが吹き飛ばすほどの強キャラになる((なお本作では裏技(バグ)だが、DSの『くにおくんの超熱血!大運動会』、PS4/Win/Switchの『ダウンタウン乱闘行進曲マッハ』では必殺技として正式に採用された。))。

-花園高校
--くにおのライバル「りき」が率いる高校。チームカラーは青。メンバーは他にさおとめ・わしお・よしの・まえだ・しみず。
---熱血高校と同じくドッジボール部員は未登場。
--総じて体力と防御が高く格闘戦に強い。そしてなぜか、まえだ以外は水中移動が有利(立ち泳ぎが速く、水中の息継ぎ間隔が長い)。しかし足の速いメンバーが少ないため、玉割り競争と勝ち抜き格闘には強いが序盤2種目が辛い。貴重な俊足要員の「よしの」をいかに活用するかが重要となる。
--「まえだ」が地味にクセのあるキャラである。格闘面は副キャプテンの「さおとめ」以上に強いが鈍足・カナヅチ・必殺技なしでプレイヤー側としては使いづらいのだが、CPU側の場合勝ち抜き格闘時にジャンプキックで頻繁にハメてくる。このため「CPUに使われるとウザイキャラ」として地位を築いた((それが評価されてか、後発のシリーズ作品『ダウンタウン熱血物語ex』ではそのジャンプキックが「まえだのとびげり」というそのまんまな名前で正式に必殺技となり、『ダウンタウン乱闘行進曲マッハ』ではハイパーアーマー付きの「ジャンプキック」が必殺技として採用された。))。

-冷峰学園
--ダブルドラゴン兄弟の兄「りゅういち」が率いる学園。チームカラーは赤。メンバーは他にりゅうじ・こばやし・はやさか・おとなし・もちづき。
---はやさか・おとなしといった新メンバーが加入した一方で「きのした」「たいら」「おにづか」は未登場。彼らの登場は後発のシリーズまでお預けとなった((「きのした」「たいら」はともかく「おにづか」に関しては冷峰四天王を束ねる存在であり「こばやし」以上の実力者という設定なので、仮に参戦していたらゲームバランスがさらに悪化していただろうが…))
--今大会の主催校。前作でラスボスを務めた「やまだ」も元はここの生徒であった。
---ちなみに最初はやまだがリーダーとして出る予定だったが変えられたらしく、内部データにその痕跡が残っている((「りゅうじ」でクロスカントリーで息継ぎをすると、「りゅういち」と同じ顔ではなく「やまだ」の顔になるという現象が発生する。))。
--後述するが、とにかくこの学園の強さが問題。実質キャプテンが3人もいる上、全種目に得意とするキャラがおり、それを知っていなくても勝ち抜き格闘でほぼ全員が挽回可能な能力がある。いわゆる初心者向けチーム。
//((ただしもちづきは武器投げが強く、勝ち抜き格闘でも運用次第で何とかなる。))後述と被るため非表示

-各校連合
--名前通り、前述の3つの高校以外の複数の高校の代表が集まりチームを組んでいる。チームカラーは黄緑。「ごうだ(宝陵高校所属)」がキャプテンを務めており、他のメンバーはごだい(谷花高校所属)・にしむら・さわぐち(共に白鷹工業高校所属)・はやみ(隼商業高校所属)・くまだ(虎島実業第四高校所属)。
---同じく別の高校(影村学園)に所属していた「かみじょう」「やまもと」は未登場。後発の作品でも未登場にされやすい二人組ではあるが…。
--前作と同様の固有必殺技を持ち共にキャプテン並の能力を持つ「ごうだ」「ごだい」の二人が強力だが、残りのメンバーは体力こそ全選手でトップだが鈍足&カナヅチ&守備力最低の「にしむら」、俊足だがそれ以外の能力が劣悪で揉み合いに弱い「さわぐち」など癖の強い選手が多い。しかしそれぞれの得意競技ははっきりしており、各校の大将クラスが揃っているだけあって、慣れると冷峰に次いで使いやすい。
---CPUが使った場合の意外な特徴として、「ごうだ」は走る競技では大人しく、滅多に攻撃を仕掛けてこない。

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**競技とルール
-クロスカントリー
--夢見町を一周する長距離走。もちろん普通のクロスカントリーではない。''相手を殴ったり物をぶつけて妨害してもいい''のは当たり前で、冷峰学園校舎前をスタートし''民家に侵入→庭から塀を上り屋根の上を駆け巡る→ビルをよじ登って屋上から公園へ飛び下り、下水道を泳いで''校舎前へ戻るという破茶目茶なもの。
---当然道中には大量の武器アイテムが配置されており、無防備な登り動作を挟んだり進行ルートが狭くなる場所もあるため、対人戦ではレースそっちのけで勝ち抜き格闘化することもザラ。
---そもそも''スタートする前から動ける''ので、''3回フライング(失格)するまでの間にスタートライン前でスタンバイしている他のプレイヤーに肘打ちやジャンプキックをかます''といった攻防が繰り広げられる。((CPUにはかなり有効だが、プレイヤー同士の場合、肘打ちを読まれると張り手で吹っ飛ばされてフライングになるので簡単にはいかない))
--コースはエリア毎に区切られていて、各エリア通過時に順位に応じて点が入り、最後のエリアを1位で通過したものが勝利となり高得点。1つのエリアを全員が通過したところで次のエリアが始まるため、リタイアでもしない限り途中で趨勢が決まってしまうことはない。
--この競技と後述の「しょうがいべや」に関しては操作方法が『[[熱血硬派くにおくん]]』のように、向いている方向に応じてABボタンのアクションが変わるようになっている。

-しょうがいべや
--基本のルールはクロスカントリーと同じだが、この競技では1エリアが狭くスクロールしない。また競技名どおり、各エリアには障害となる仕掛けが設置されている。
---奥から迫り出してくる壁やベルトコンベアなど、『ダブルドラゴン』を彷彿とさせる仕掛けも用意されている。
--クロスカントリー以上に進行ルートが固定化されており、道中での妨害はさらに熾烈になりがちなため、足は速いが打たれ弱いキャラは途中脱落の危険性が高い。特にハシゴの前での攻防は日常茶飯事。
---またジャンプ力の重要度もクロスカントリーよりも高い。そのため初心者には人選が難しい。

-たまわりきょうそう
--この競技のみ2チーム対2チームで行う。2本のポールの上にあるくす玉を''殴って''割った組の勝ち。前述の競技と同様、もちろん相手を殴って妨害してもいい。玉割りにしろ妨害にしろ攻撃力のステータスが重要になる。
--もちろん、''味方と言えど当たり判定はある''。勝ち組に入れれば平等に勝ち点が貰えるので仲良く協力するのもよし、あるいは自分以外の全てのチームを失格させて競技中ポイントを荒稼ぎする事も可能。時には裏切る事も選択肢の一つ。
---この競技のみ、終了時に持っているアイテムが持ち越されない。

-かちぬきかくとう
--冷峰学園の壁面に設置された特設ステージで行うバトルロイヤル。3人が力尽きるかリングアウトするまで戦うガチンコ勝負。選手によってはここで必殺技が使える。
--アクションは『[[ダウンタウン熱血物語]]』に近い。他の競技と違ってタイムアップにならない限り1位以外が総脱落するため体力の消耗が激しく、最終競技に相応しい死力を尽くした総力戦となる。
---リングアウトした場合は即座に失格となり、その時点で残っていた体力の半分が残る。

***共通ルール
-どの競技においても床には「木刀」「メリケンサック」「タイヤ」「爆弾」など様々な特徴を持つ武器が落ちている。これを使って殴ってもいいし、投げてぶつけてもいい。''倒れた選手を拾って武器にすることも可能。''
--特殊な武器として、飲むと体力が一定量増える((体力が128もしくは255まで回復。減ることはない。))「びたみんどりんく」や、振ると(1回のみ)能力が上昇することがある「まじっくすてっき」が存在。これらの武器は常に激しい争奪戦となる。
---どりんく、すてっき、メリケン、まいぼうるは当たりハズレがあるが見分けがつかず、使用することで効果がわかる((上記のようにどりんくは当たりは255まで回復する。すてっきは振った際に光らないハズレがある。メリケンとまいぼうるは使用キャラが武器投げが強くなくても投げた際に当たった相手が吹っ飛ぶものがある。これで殴ると一撃でダウンが可能で『まっはたたき』も大幅に強化される。))
--クロスカントリーおよびしょうがいべやでは、足を止めることにはなるがアイテムを拾うだけで得点がもらえる。また、かちぬきかくとうでは特定の武器を持たないと使えない必殺技もある。
---特にクロスカントリーでは後半の水泳エリアにて「武器を持っているかどうか」で機動力が大きく変化するため、有利に進めたいのならどこかで武器を拾っておく必要がある。

-各々の競技には順位ごとの得点が設定されており、この合計を競うことになる。体力切れでの中途リタイアは減点。
--順位のみならず競技中の行動によっても得点が加減されるため、中間発表を見ると意外な差が付いていることも。
//玉割り、格闘も競技中の行動によっても得点は変動する

-競技に参加して選手の体力が減った場合、その体力は持ち越しになる。「びたみんどりんく」で体力が上限を超えて回復した場合も同様。
--競技に参加しなければ体力が一試合に付き32回復する。
---競技で体力切れになった場合、競技後に体力16で復活する。

-マルチプレイ時のみ、競技のいくつかを省いたり順番を変更できる。
--1人プレイ時では競技省略や順番変更ができず、各競技終了時点で2位以下の場合ゲームオーバーになる。
---そのため優勝発表でプレイヤーのチームキャプテンがぶっ飛ばされて負けるパターンは格闘で逆転された場合に限られるのでちょっとしたレアケース。

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**評価点
-なんといっても、マルチプレイ時の盛り上がり。これに尽きる。
--ゲームに熱中しすぎてリアルファイト等の場外乱闘に発展するなんてことも。←ここまでがテンプレ
--別売りのマルチタップを使えば4人までの同時プレイが可能。友達と一緒に、ワイワイしながらこのゲームを楽しんだ人も多いことだろう。
--操作も比較的単純で、とっつきやすい。何回かプレイすれば簡単に慣れる。
---チーム間の格差及び稼ぎ行為の存在など、対戦バランスはお世辞にも良いとは言えないが、それをローカルルールで補う事が多い。また、ローカルルールを設定することで、独自の面白さを追求していた。
--各競技はそれぞれ0~9回の回数を設定できる。故に不人気競技を飛ばしてもよし、やりたい競技だけを多数やってもよし、総力戦にしてもよし、と自由度と柔軟性が高い。

-一方で、本気で勝とうとすると戦略的にも奥深く、様々な細かいテクニックが存在する。それらを踏まえた上で状況を考えた取捨選択、格闘時のコンボなど、考える要素は数多い。
--例えばごだいの必殺技「棒術スペシャル」による無双(後述)にしても「爆魔龍神脚」「爆弾パンチ」「龍尾嵐風脚」といった技には通用せず逆に吹っ飛ばされてしまうなどまんざらいいことずくめではない。
--更に「棒術スペシャル」は動きながら繰り出すと滑りやすいというクセの強さもあり、うまく誘い出せば落下による自滅も狙える。「爆魔龍神脚」「爆弾パンチ」も上手く誘い出せば勢い余っての自滅を狙える。%%特にCPUのすがたがそれを積極的に見せてくれる。%%
---これらをそうならないように使いこなせるようになるのもやり込み要素となっている。

-競技の合間にある中間発表では、順位に応じて各高校のチアリーダー達が様々なリアクションを見せてくれる。
--熱血高校のチアリーダー「ももぞの」は、以降のシリーズでもレギュラーとなった。『熱血!ビーチバレーだよくにおくん』ではくにおに次ぐ準主役級キャラになる。

-BGMの出来は総じて良い。
--ゲーム性ばかりでなくこれも上記の対戦プレイでの盛り上がりにもしっかり貢献している。
--ゲームオーバー(おわり)のBGMは、大抵はすぐ飛ばしてしまうが実は意外と長曲でよく聴いてみると非常に心に染み入るような哀愁漂う良曲である。

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**問題点
***ゲームバランスの悪さ
強弱の調整が大味で甘く、ガチ対戦ではローカルルールで制限する必要がある。

-まず根本的な問題として点数のカウントシステムの仕様が甘い点が挙げられる。
--チェックポイント通過時や1試合ごとの順位はいいのだが、''落ちている武器を拾うと加算される''のが致命的。
---このためクロスカントリー・しょうがいべやでは他の選手が既に通過するなどで自分1人になった後、「武器を拾う→捨てる」を繰り返すだけで大量の点数を稼げてしまう。点数も1回で5点=40回拾い直すだけで競技1位と同じ点数であり、武器2つを交互に行えば1分で300点以上も余裕という異常な数値。
---当然ながら一人プレイではもはや難易度もへったくれもなく、''対人戦では禁止しなければゲームが成立しない''。
--難易度の低いハメ技がそこかしこに存在し、''ハメられる側はダウンする度に減点されていく''。
---ダウンから起き上がる際に無敵がなく、さらに移動しながら起き上がることもできないため、拾い投げやダウンを奪う必殺技のハメループが容易にできてしまう。~
特に壁際付近で延々と投げ続けるハメはあまりにも有名。どのキャラでもできる上、武器や複数のダウンキャラを絡める等の条件を重ねれば僅かな隙もない完封が成立。加えてハメ側は拾得ボーナスで加点、ハメられ側はダウンペナルティで減点。こちらもやはり禁止しなければ対人戦が成立しない。
---「マッハキック」「マッハチョップ」など、ほとんどのマッハ系の必殺技(パンチや武器振りを高速連打する)は攻撃判定の持続が長めで、起き上がりに重ねられると回避できない。狙って被せれば敵が何をしても潰せる上に、当たればダウンを取れる。なお特定武器限定も含めればこれを持っているキャラは多数。~
木刀がないと使えないのが欠点だが、ごだいの「ぼうじゅつスペシャル」などは広範囲攻撃判定&長い時間出っぱなし&連射可能で隙なし&遅いが移動可能という異常な性能で、かなり適当なタイミングで起き上がりに重ねてもハメられる。上手くハマれば対戦相手3人をまとめてハメ殺せることも。~
上述の通り「爆魔龍神脚」「爆弾パンチ」「龍尾嵐風脚」「人間魚雷アタック」とカチ合えば打ち負けて吹っ飛ばされるとはいえ裏を返せばそれさえ避ければ無敵同然でしかも点数までモリモリ稼げるオマケがついてくる。
---なお、各選手のステータスとして「起き上がり速度」があるのだが、プレイヤー操作ならダウン中のボタン連打で復帰時間を短縮できる。が、起き上がり速度が最速に設定されているキャラ((熱血の「くにお」、花園の「りき」という各チームのエース、冷峰の「おとなし」がこれに該当する。))は、逆に起き上がりタイミングが常に一定となってしまい、かえってハメから逃げられない欠点を負っている。~
逆に復帰が遅いキャラは起き上がるタイミングを任意にズラせる長所を持っていると言える。とはいえ有効なのは必殺技ハメに対してで、逆に壁際投げハメには弱い。
---上記のようなハメは使用禁止が常識だが、それでもまだ問題は残る。

-「冷峰学園チーム」が突出して強すぎる
--能力値の面では、他チームでは1名だけ居る全能力値が最高クラスのキャラが冷峰チームのみ「りゅういち」「りゅうじ」「こばやし」と3名も居る。ではこの3名以外でバランスを取っているかというとそんなことはなく、チーム内最弱クラスのキャラ「おとなし」ですら他チームなら中堅級。戦えるキャラの層も他のチームより厚いため、ダメージの回復でも有利に働く。短期決戦でも連戦でも有利。
--競技別では、「クロスカントリー」や「しょうがいべや」でまず勝てる最速+層の厚さがある。特に「もちづき」はゲーム中で並ぶものが居ない俊足のため、普通にやれば先行逃げ切りで1位を取れる。もちづきが疲弊したとしても、キャプテン級のりゅういち・りゅうじ・こばやしで回すことができるため競技と相性の悪いキャラで持ちこたえるというシチュエーションが起こりにくい。
---他チームなら副将クラスの強さを持つ「はやさか」の影が薄い、と言えばその異常性が分かりやすいだろう。
--「かちぬきかくとう」ではりゅういち・りゅうじ・こばやしの基本性能がくにおやりきに劣らない最強級な上、弱点も殆どなく((りゅういちの「爆魔龍神脚」のみ考えなしで使っていると自滅リングアウトの危険がある))相手の技にほぼ一方的に打ち勝てて囲まれた状態を含めた反撃が難しく簡単にハメれる強力な技に恵まれている。
---彼らで手加減や縛り無しで全力で勝ちに行こうものなら、負けたら恥ずかしい言ってもよいレベルで強すぎる。本気で勝ちに来た彼らに勝つには、自滅を誘うか少ないチャンスを延々狙いリングアウトさせるなどかなり辛い戦いを強いられる。
---そこまででなくても、技を適当に振って暴れているだけでも返される心配が殆どない始末である。
---ほかの3名も中堅クラス以上の強さを持っており、上述のキャプテンクラス3名を禁止する縛りを設けたとしても、不利に振れにくい。
--以上より初心者以外は冷峰チーム使用禁止というのがこのゲームをやりこんだ人たちの暗黙の了解であり、大方の常識。初心者でないプレイヤーが冷峰を使用した場合に、残り3人が結託して冷峰潰しにかかる光景も見られる。むしろそうでもしないと勝負にならない可能性があるほど、冷峰チームの強さは群を抜いている。
//---「分かっている人のみ」の対戦では、みんなで冷峰を潰すというのが共通認識になってしまっているため、マークされにくい熱血や花園の方が勝率的には高いという逆転現象が起こることも。

-反面、熱血高校は「くにお」一人のワンマンチームだというのに、くにおのアドバンテージが今一つ地味で特に対戦プレイではそこまで絶対的な優位にならず、他が弱いハンデの方が大きい。
--地力が強く立ち上がりが最も早い強みはあるが、必殺技が「マッハキック」のみというのは地味でいささか心許ない。&s(){無敵を誇った「すくりゅう」は忘れたか?}
--足の速さは「よしの(花園)」「ごうだ・はやみ(連合)」などの俊足キャラと並びトップクラスだが、最速の「もちづき(冷峰)」には大きく劣るため、積極的に格闘戦を仕掛けないとトップを取るのは難しい(必然的に殴り合いに持ち込ませたい意図とも考えられるが)。
--くにお本人には関係ないが、走る競技はくにお以外の代替の選手が心許ない。そこそこ足の速い選手は他に「すがた」「いちじょう」がいるとはいえ「いちじょう」は打たれ弱く体力も最低で、もみ合いになるとまず負けるため途中脱落の危険が常に付き纏う。「すがた」は強力な技を持つ熱血高校の数少ない格闘要員のため、走る競技では温存したくなる。また技の強力なイメージに反して地力はあまり強くないため格闘で使えなくなるリスクを冒してまで出すほどでもない。
---結局、くにお自身が走るのが一番効率がよく、後の格闘に温存したい気持ちを抑えて起用することになる。くにお以外のキャラを使うとしても、大抵は「くにお」と「すがた」の二人でローテーションを組む羽目になりがち。他メンバーは玉割り競走で「たかみね」が起用される程度。
--バグ技の使用を気にしないなら武器投げ覚醒を使った「もりもと」で無双するという手もなくはない。

-必殺技の強弱が激しく、中でも「人間魚雷アタック」が強すぎる。
--各競技中落ちているアイテム「かくとうのゆびわ」を所持している時のみ使用できる技で、条件さえ満たせば「かちぬきかくとう」で「わしお」「はやさか」以外のキャラで使える。
---上記二人の場合は必殺技の「まっはたたき」(武器を持つと高速連打する)が優先されてしまうため、プレイヤー側では使えない。
--技自体は「地を這う回転体当たり攻撃」だが、技中の判定が強くたいていの攻撃に打ち勝つことができ、高速移動しながら突撃できるため軸を上下にずらさないと回避しにくい。加えて画面上部にある金網を利用し往復を繰り返すと、反転する際のジャンプ中、再びこの技に入るまでの一瞬しか隙がない(具体的にはA+Bでジャンプし再度A+Bを入力するまでの間のみ)。そして下手に触れたらふっとばされる。
--「かくとうのゆびわ」が無かったとしても、ごだいが木刀などを持つと無双できたりなど、武器とキャラによっては極悪。しかもアイテムは持ち越し可なので、あえてクロスカントリーなどを1回捨ててアイテム回収に当てる手も有る。
---先述の「こばやし」の「まっはちょっぷ」も非常に強力。マッハ系の技の中でも特に連射力・リーチの長さに優れ、隙がとても少ない。ハメられると脱出は極めて困難。
---「くまだ」の「人間魚雷」もステージ下部で発動すればリングアウト確定という壊れ技。
--逆に、「にしむら」の「ためパンチ((威力だけなら作中最強ではある。また同じ溜めを必要とする「さおとめ」の「オーラパンチ」(直接当てなくてもパンチの延長上にいれば有効)に比べ短い溜めで発動できる。))」、「おとなし」の「のーてんちょっぷ」などは、当てることすら難しい。
---他にも「しみず」「はやみ」の「ハリケンクラッシュ」は木刀でないと発動しない上、低威力で当てても怯む程度しかなく、同じ木刀の専用必殺技を持つごだいとは雲泥の差であり実用性はない。そもそも2人とも地力が低すぎる。

-上述したキャラクターの強弱に加え、''体力以外の能力はゲーム中で一切提示されていない''ため、シリーズファンでないと誰がどの競技に強いのかがわからない。
--「もちづき」や「こばやし」といった過去作からの続投組はともかく、「すがた」や「さおとめ」など本作初出のキャラはシリーズファンでも予想がつかない。
---説明書である程度の必殺技はわかるのでパンチ系の必殺技所持のキャラは玉割りに向いているだろうというのは予想が付く。
---何度もプレイすることがこのゲームの醍醐味でもあるので、マルチプレイでプレイヤー同士情報共有をして各キャラの持ち味を理解していくというのも当時の楽しみの一つではあった。
--走る早さは勿論、格闘や武器攻撃力、ダウン復帰速度、キャラ固有の必殺技(アイテム含む)まで差異が激しいだけに、各自使用して研究しなければ分からない要素が多い。体力ですら防御力の差で例外がある。

--解析が進んだ現在はともかく、特定の条件下でステータスに変化が起きてしまうバグもあいまって戸惑うプレイヤーも多かった。
---なお当時発行された攻略本にはキャラの特徴や技は記載されていたが、詳細なステータスの数値までは網羅されていない。

-3人以上で対戦時のプレイ環境の悪さ
--最大4人プレイが売りなのだが4人戦に必須となるファミコン用マルチタップは流通量が少なく、入手が困難であったため3人対戦までしか実現しなかったプレイヤーは多い。
--3人目のプレイヤーからは市販のパッドを使用することになるのだが、純正コントローラーより操作のレスポンスが悪い。
---特にレース種目ではジャンプ操作が難しい。誤って武器を投げてしまい奪われたり水中に落としてしまうことも多々ある。
---市販のパッドも寸法が統一されておらず、ハード的な面でも操作性は変わってきてしまう。


***対戦以外の問題点
-COMの思考が固定しており、選手によってはしょうがいべやの一部のエリアにおいて、悪い方向にタイミングが合ってたりして障害に引っ掛かり続けることがある。自キャラがすでにいない場合は延々とタイムアップまで待たされてしまうことがあり、制限時間を長く設定していると地獄。

-「かちぬきかくとう」において、プレイヤーではできない事をCOMがする事がある。
--先述でも触れたが「わしお」と「はやさか」は必殺技「まっはたたき」が優先発動するせいで、「かくとうのゆびわ」による「人間魚雷アタック」を出せなかったり「びたみんどりんく」を飲めなかったりする。しかしCOMは「まっはたたき」をすることなくそれらを普通に行ってくる。
--木刀技を持つ「ごだい」「しみず」「はやみ」は普通に木刀で叩くことができないが、COMは普通に使い分けてくる。
--「くにお」や「ごうだ」はBボタンで必殺技が出るので通常のジャンプキックを出せないが、COMは平然と出してくる。
--特にその不公平が如実に現れるのは「しゃがみ状態でAボタン(その状態はジャンプの着地時にしかならないので必然的にプレイヤーが出すにはジャンプが必要)」が発動条件となる必殺技「りゅういち」の「爆魔龍神脚」、「りゅうじ」の「天殺龍神拳」、「すがた」の「爆弾パンチ」で、&bold(){立ち状態からいきなり出してくる}など、使用条件を無視してくる。特に「爆魔龍神脚」「爆弾パンチ」はいきなり繰り出されて、その勢いで場外に叩き出されてしまうこともしばしば。
---加えて「すがた」は「爆弾パンチ」しか技がないのでガンガン連発してくる。%%そのまま勢い余って落っこちまくるのもお約束ではあるが…%%
---他に「りゅういち」「りゅうじ」の「龍尾嵐風脚」もCOMは立ち状態からいきなり繰り出してくる。これはプレイヤーが使う条件も「ジャンプ中にAorB」と簡単なのであまり大差ないが、やはり立った状態からいきなり繰り出される方がスキがないので不公平。

-バグもそれなりにある。
--水上でタイヤを使って殴っても当たり判定が無い。
--アイテムは画面内に4つまでしか存在できないのだが、「びたみんどりんく」を飲んで消費してもアイテム存在判定が消えない。クロスカントリー・しょうがいべやでは1回の競技中に飲んだ数だけアイテムが存在できる数が減ってしまう。その回が終われば次からはまた元に戻る。
--体力0になったキャラが倒れた瞬間に持ち上げられると、失格判定になると同時にキャラが復活してしまう。1回だけなら順位がおかしくなる程度ですむが、勝ち抜き格闘で2回以上やると順位決定時に''フリーズする''。
---前述の投げハメループをしていると、キャラの体力は徐々に減っていくが、何故か画面に表示されている体力は減らない。このため、いつ体力が0になるかがわかりにくく、バグが発生しやすい。
--全ての競技が終わると個人賞の発表があるのだが、その前の時点で最終順位が決定されてしまっているため個人賞の点数自体は加算されるものの順位に反映されない。
--他にも高校紹介の欄で述べた武器投げ覚醒、キャラや武器のすり抜けやハマり、など…。
---これらのバグは視覚的な面白さがあるため、ある意味では評価点かも知れない。

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**総評
単純な操作とルールで熱く盛り上がれる本作は、ファミコン時代のパーティーゲームの代表として今でも広く親しまれ、シリーズ最高傑作に挙げる人も多い。~
制限時間を弄ったり身内ルールを決めることでさらに多彩な遊び方ができる。~
今までは熱血高校側でのプレイが常識だったが、今作で『熱血物語』での敵キャラを使えるようになったことでシリーズのキャラクター性も大幅に増した。~
また盛り上がれるゲームとして人気を得たことから後のシリーズ作品でさらなる活躍の場を与えられたキャラも多く、シリーズそのものの隆盛にも大きく貢献している。

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**その後の展開
-この作品から、手を変え品を変えくにお達に勝負を挑むとうどうと、それを迎え撃つくにお達の対決はダウンタウンシリーズの基幹テーマとなった。
--とうどうの挑戦はGB版『[[熱血高校ドッジボール部 強敵!闘球戦士の巻]]』や後述の『熱血新記録』など、数え上げればキリがない。

-このゲームでの出世頭は熱血高校の後輩「すがた」だが、「ごだい」も強さと独特の顔と技、性格のおかげでシリーズ屈指の人気キャラとなった。[[人気投票>https://www.kuniokun.jp/special/special/rank.html]]では2位と準主役級の扱いである。
--%%同チームのキャプテン、「ごうだ」を差し置いて%%『[[ホッケー部>いけいけ! 熱血ホッケー部 すべってころんで大乱闘]]』や『[[すとりーとばすけっと>熱血! すとりーとバスケット がんばれ Dunk Heroes]]』にも登場している。もちろん看板技「棒術スペシャル」がしっかり採用されている。
---ごだい自身は『熱血物語』の時点で登場しており、必殺の棒術スペシャルもその頃から使っていたがCPUは本作でプレイヤーが使うようなハメ殺しできるほどの大乱射をしなかったので本作でプレイヤーが関与したことで、それが際立ったと言える。

-続編として『[[びっくり熱血新記録! はるかなる金メダル]]』が発売されたが、競技は2つが個人競技で3つが2人対戦競技となった上に連打がゲームの要となったため、対戦ツールとしての出来は悪かった。

-後にPCEとGBおよび携帯アプリに移植された。なお携帯アプリ版のタイトルは『ダウンタウン熱血行進曲DX』となっている。
--『行進曲DX』では歴代のくにおくんシリーズに登場したキャラクター達がそれぞれ格闘チーム(『[[格闘伝説>熱血格闘伝説]]』)、サッカーチーム([[サッカーリーグ>くにおくんの熱血サッカーリーグ]])、バスケットチーム(熱血すとりーとバスケット)、女の子チーム(FC版における各チームの応援ガール。このチームのみ、4人)、たっぐチーム(とうどう・やまだの敵役コンビ)として追加された。
--チームメンバーはそれぞれ格闘(やまいし、じんない、あんざわ、みどう、いしづき、らいどう)、サッカー(おにたけ、さじ、げんえい、うがじん、かいずき、かるろす)、バスケット(ジョニー、マイケル、ピエール、アッシュ、ミック、わいいき)、女の子(ももぞの、しまだ、あいはら、きりしま)となっている。
--PCE版には武器の種類が増えている等の追加要素がある。
--GB版については後述の通り。
--また、有志にPCゲームとしてリメイクもされている。本作以外のキャラも追加されチームアレンジも可能になっているが、ステージ構成が変化していたりAIの質が向上しているなど、バランスが大きく変化している。

-各バーチャルコンソールで配信されている。
--オムニバスとしては3DSにて『くにおくん熱血コンプリート ファミコン編』、およびPS4、Switch、XboxOneにて『くにおくんザ・ワールド』にて収録されている。
---『くにおくんザ・ワールド』では「クオリティアップ版」として、武器拾得時の加点廃止やバグの修正および、最終スコアが表示されるといった改善点があるが、武器投げ覚醒まで修正されてしまったため、ゲームバランスが大幅に変化し、賛否を呼ぶ部分もある。

-[[ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online]]のラインナップに、本作が2019年8月21日に追加された。

-版権がミリオンに移った後、DSで『[[くにおくんの超熱血!大運動会]]』のタイトルで3Dリメイクされた。
-2015年にアークシステムワークスよりPS3でリメイク作品『ダウンタウン熱血行進曲 それゆけ大運動会 ~オールスタースペシャル~』が発売された。~
オリジナルキャラを作成して本作のストーリーを掘り下げた「シングルモード」をプレイできるほか、通信プレイにも対応、~
加えてシリーズの枠組みを超えて「スポーツシリーズ」や「熱血硬派シリーズ((シリーズの中でも異色作として扱われる『初代熱血硬派くにおくん』や『くにおたちの挽歌』や、近年の『乱闘協奏曲』も含む))」に登場するキャラが多数参加、『熱血べーすぼーる物語』を抑えて''史上最多のキャラが登場する''作品となった。
--更に「かちぬきかくとう」に特化した『ダウンタウン乱闘行進曲 かちぬきかくとうSP』もPS4で配信された。こちらもシリーズの枠組みを超えた作品になっており、なんと『時代劇』で登場した「にざえもん」こと「まつど」、GBの『熱血硬派くにおくん 番外乱闘編』のラスボスだった「宗方裕二」が黒幕として再登場すると言うマニアックなキャスティングになっている。
--その後、Steamにも参戦し、アーケード版の製作が決定するなど、『[[ダウンタウン熱血物語]]』と並んで関連作品が多い作品となった。

-ゲーム以外では14年後の2004年に平和からパチンコ機「CR熱血硬派くにおくん」として登場する(残念ながら既にこの頃にはテクノスジャパンは倒産していた)。
--その中には当時のくにおくん系ゲームの要素がリーチアクションとして取り入れられており「運動会リーチ((他に喧嘩リーチ、暴走リーチ、ドッジボールリーチもある。))」というのもあるのだが、&bold(){ただの綱引きになってしまっている}。一応当時のパチンコ演出はゲーム以上にいろいろ公序良俗にうるさい((例えばクロスカントリーで人の家に入り込んだりとかが該当すると思われる。))ので多少仕方ない一面もあるのだがモロにコレジャナイ感しかない。
---上記機種が導入された頃は「確率変動割合50%撤廃」で有名な規則改正の直後だった中「確変割合50%」の旧規則で作られていたことも災いして人気は得られなかった。もっとも、あのような運動会では仮に新規則で作られていても人気機種になったとは思えないが…

-2013年の『[[熱血硬派くにおくんSP 乱闘協奏曲]]』発売後から放送された実写ドラマ版は熱血硬派シリーズベースの世界観となっているが、ダウンタウンシリーズ要素も僅かに取り入れられており、運動会のエピソードも前後編で二話分描かれた。
--こちらでは学園対抗ではなく、商店街再興を賭けた(という建前の)開催となっている。ちなみに主催者であり黒幕の名前は「''東郷''」。「とうどう(藤堂)」を意識したのだろうか。

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**余談

-徳間コミュニケーションズ発行の攻略本では障害部屋のタイムオーバーは-30点となっているが実際には1点も引かれない。
--これでは4番手通過もタイムオーバーも意味がないので本来はマイナスのつもりだったのが設定ミスでこうなったと思われる。

//-熱血高校のNo.2「すがた」のフルネームは「姿三十郎」で、この名前は1987年2月~1988年2月に放送していた東映系の[[スーパー戦隊シリーズ]]の「光戦隊マスクマン」の長官と全く同じ。
//--偶然か意図的かは定かではないが、まったく同じ名前なのにあまりそれが話題に上がらないのは、上記作品ではそのフルネームを呼ばれる機会が少なかったのと(一応オープニングでは表記されている)それを演じた谷隼人氏は、それよりもTBSで人気だった視聴者参加型番組「[[痛快なりゆき番組 風雲!たけし城>たけしの戦国風雲児]]」の攻撃軍隊長のイメージがあまりに強すぎて((たけし城はマスクマン終了後も1年以上放送が続いた。))1990年にもなればマスクマン自身がすっかり過去のものになったせいと思われる。
//審議中のため非表示 総合スレにて意見をお願いします

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*ダウンタウン熱血行進曲 どこでも大運動会
【だうんたうんねっけつこうしんきょく どこでもだいうんどうかい】
|ジャンル|アクションゲーム|&image(https://www.suruga-ya.jp/database/pics_light/game/165000317.jpg,height=200)|
|対応機種|ゲームボーイ|~|
|発売・開発元|テクノスジャパン|~|
|発売日|1992年7月24日|~|
|定価|3,800円(税抜)|~|
|プレイ人数|1~4人|~|
|判定|BGCOLOR(khaki):''劣化ゲー''|~|
|ポイント|FC版を引き継いだ発展形ながらゲームボーイとの相性が悪さが隠せず&br;一部仕様変更やBGMの違和感もあり白熱度はダウン|~|
|>|>|CENTER:''[[くにおくんシリーズ]]''|
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**概要(どこでも)

1990年にテクノスジャパンから発売された上記作品『ダウンタウン熱血行進曲 それゆけ大運動会』のゲームボーイへの移植版で1992年7月に発売された。~
全体的なゲーム性は上記作品から受け継がれているが、一部競技の変更などアレンジが加えられている。~
またバランスの上でも若干変わっている。~
もちろん通信ケーブルや、4人用アダプタを用いて4人までの対戦が可能。

本項目では上記作品からの変更点のみに焦点を絞るものとする。

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**オリジナル版との変更点(どこでも)

-1人用プレイに於ける「全種目必須」の縛りがなくなった。
--同時に「競技終了時で首位をキープしていないと打ち切りゲームオーバー」が廃止。
--エンディングを見たいなら全種目行わなければならない。
---オリジナル版では1人プレイ時は「クロスカントリー」「障害部屋」は2回、「玉割ゲーム」「勝ち抜き格闘」は3回以上必須だったが、いずれも1回でもできるようになった。

-BGMに7番が追加。
--オリジナル版からはすべて続投しているが1番と4番の中身が入れ替わっている。

-全般的にマイナス点が廃止。
--競技中、得点がマイナスになっても0点で下げ止まり。
--失格終了などでマイナスになることはあるが総合点では0点で下げ止まり。

-1人プレイでの優勝時、熱血高校だけでなく全校にエンディングが用意された。~
なお、「ねっけつチーム」のエンディング内容はオリジナルのものに変更されている。
--ただし全種目をプレイしなければ対象外。また、後述の隠しチームでは無効。
--熱血でエンディングを見た場合、次のプレイで「ねっけつチーム」が「てくのすチーム」になる。
---グラは違うものの中身は同じ。選手はテクノスのスタッフになっている。~
「たけうち」…「くにお」と同じ。~
「かしわばら」…「すがた」と同じ。~
「さかもと」…「ななせ」と同じ。~
「よしはら」…「たかみね」と同じ。~
「さくま」…「もりもと」と同じ。~
「わだ」…「いちじょう」と同じ。
--連合でエンディングを見た場合、次のプレイで「ねっけつチーム」が「ゆめみチーム」になる。
---こちらは「冷峰」と「連合」をまぜこぜにしたような特徴を持っている。~
「じじい」…「ごうだ」のステータスで「りゅういち」の技を使う。~
「ポール」…「ごだい」のステータスで「りゅうじ」の技を使う。~
「さんぺい」…「にしむら」のステータスで「はやさか」の技を使う。~
「なすお」…「さわぐち」のステータスで技はない(技は「もちづき」になるはずだが彼自身が元々技がない)。~
「かりや」…「くまだ」のステータスで「こばやし」の技を使う~
「ひらめ」…「はやみ」のステータスで「おとなし」の技を使う~

-一部技のバランスが変わっている。
--「りゅういち」の「爆魔龍神脚」、「りゅうじ」の「天殺龍神拳」、「すがた」の「爆弾パンチ」が壁にぶつかると反転するようになった。
--「ごうだ」の「頭突き」がスリップしなくなった。
--「ごだい」の「棒術スペシャル」も同様だが、動きながら出せなくなったことと棒の向きがタテよりになったためオリジナル版ほど有効範囲は広くなくマッハ系の技に負けるようになった。
--「さおとめ」の「オーラパンチ」、「にしむら」の「ためパンチ」は溜めながら振り向けなくなった。
--「おとなし」の「脳天チョップ」がダウンを奪えるようになった。
--「人間魚雷アタック」が一定の距離で止まるようになった。

-プレイヤーを中心にスクロールするため「クロスカントリー」の「コースアウト」がなくなった。

-アイテムを投げた場合の挙動が異なる。
--壁にぶつけての跳ね返りが大きくなった。
--本物の壁のような場所でしか跳ね返りは発生しなくなった。
---オリジナル版ではクロスカントリーのコースの継ぎ目(壁になっていなくても)でもアイテムを投げると跳ね返りが発生したが、ちゃんとした壁などでなければ発生しなくなった。~
そのため、上記のクロスカントリーに於ける同様のケースの場合、アイテムが画面外に飛んでいってしまい実質的に喪失となる。
--爆弾はぶつけると必ずすぐ爆発するようになった。

-体力がバー並びの表示ではなく数値に変更。
--これはゲームボーイというハードである以上、オリジナル版のようなバー表示では無理があるためと思われる。

-どの競技でも終了時に持っているアイテムが持ち越されなくなった。

-ジャンプキックやジャンプ突きの間合いが変わった。
--有効範囲が狭くなったことで後ろから追ってのジャンプ攻撃の有効性が大幅ダウン。

-個人賞の表彰でキャラがアクションをするようになった。
--また最終競技が終了し、個人賞の発表前にもそれまでの得点が表示される。
--個人賞の得点が反映されないオリジナル版のバグは解消。

-「障害部屋」がオリジナル版では1画面固定だったが2画面ほどの長部屋にリニューアル。
--ほとんどはオリジナル版からの雰囲気が持ち越されているが、一部全く新しい部屋がある。
--特徴的だった最後の停電で真っ暗になる部屋がなくなった。

-「玉割ゲーム」が廃止され「格闘パン食い」と「爆弾鬼ごっこ」が追加され、全5種目になった。

''格闘パン食い''

-4人で1つのパンを奪い合って、最後に食べきった者、食べきれなかった場合は多くかじった者が勝者となる。
--パンの他に棒が1本用意されている。
--パンを口に頬張っている者は、キックでしか攻撃ができない。パンチにあたるAボタンはパンをかじることになる。
---頬張っている状態で攻撃を喰らうと、そのパンを勢いよく吐き出してしまうので、またそれに向かって殺到することになる。%%普通なら他人が口に入れたパンなど食べるどころかさわりたくもないのだが…%%

''爆弾鬼ごっこ''

-最初にルーレットで爆弾の初期所持者が決まる。
--爆弾は長く持っていると、やがて爆発してしまうので殴ったり蹴ったりで倒し、ダウンしている状態の相手にAまたはBで爆弾を渡すことになる。
---長く持っているとBGMがテンポアップし、やがて爆弾自身がピカピカと点滅し爆発の危機を煽ってくる。
---誰かに渡すと爆発までの時間がゼロリセットされる。時間切れの場合は、その時点で爆発。
--ステージは上段と下段に分かれており下段中央部が粘着ゾーンになっており、この中では動きが鈍くなる。
---粘着ゾーンの上段では、障害部屋に合った手の罠が現れて、その前の選手を粘着ゾーンに押し落とそうとしてくる。
--この競技では体力は無制限なのでいくらなぐられようが蹴られようが体力が尽きての失格はない。その代わり負けた者は大ダメージを喰らって体力が16まで減少。

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**評価点(どこでも)

-基本的には「運動会の名を借りたバトルロイヤル」に変わりはなく、操作性がシンプルで直感的にでき、白熱した闘いに盛り上がる仕様。
--その乱闘はゲーム外まで飛び出すほどになりかねないのもお約束。

-1人プレイでの打ち切りを廃止。
--これにより、負けていても後や最終競技で逆転する楽しみ方ができた。
---だいたいヒーローはピンチからの逆転がドラマチックなので、そういった展開になるとむしろ快感さえ感じられる。

-くにおくんらしい良さが出ている新しい演出も盛りだくさん。
--個人賞でキャラがアクションしたり、エンディングも主人公の熱血高校だけでなく全チーム用意されるなど、好きなチームでのプレイがより尊重されている。
--演出には関係ないが個人賞の得点が反映されない設定ミスも改善されている。
--ただ優勝発表で優勝チームのキャプテンが他の3チームのキャプテンをぶっ飛ばす展開はなくなっている。

-隠しチームの存在。
--特に冷峰と同じ技を使いながら、ステータスで微差のある「夢見」はただでさえ飛びぬけた性能を持つダブルドラゴン兄弟の技が共演できるので、その技同士でカチ合ったりするなど、それまでにない楽しみ方ができる。
--ただ、それに置き換わるのが熱血高校固定だったり、隠しチームにエンディングがないのはもったいない部分。

-得点のマイナスがなくなった。
--オリジナル版での「ごだい」の棒術やマッハ系の連打ハメで一方的にグングン離されたることが少なくなり競りやすくなった。
--その反面競技中の個人点635点打ち止めも廃止されたが、こちらは上述の投げまくって得点を稼ぐ裏技を禁止する前提なら問題ない。

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**賛否両論点(どこでも)

-必殺技の強弱バランス変化。
--特に弱体化著しいのが「ごだい」の「棒術スペシャル」。
---上記の通りオリジナル版では有効範囲の大きさから「くにお」「こばやし」等手強いマッハ系を完封できる強さがあったのだが、有効範囲が狭まったことで打ち負けるようになった。更に命中時大きく吹っ飛ばしてしまう上、回転しながら移動できなくなったのでハメ技完封ができなくなった。
---アイテムの持越しができなくなって予め棒を用意できなくなったため運よく格闘開始時に出ていることを祈るしかない。
---オリジナル版では上記の通りハメができて得点モリモリの美味しい技だったとはいえ元々それに対抗できる技もあり完全無欠ではなかったことや予め棒を用意する手間がかかること、また予め用意する場合でも持つ前に潰される可能性があるなどの対抗策も取れたため、この弱体化はやりすぎな感が否めない。
---とはいえ「ごうだ」の頭突きが滑らなくなり、有効範囲が広がったなどグンとパワーアップしているので彼への依存度が高まったもののチーム全体のバランスではそこまで顕著なパワーダウンではなかったりもする。「くまだ」の人間魚雷投げも後述の理由から扱いやすくなっている。
--「りゅういち」の「爆魔龍神脚」、「りゅうじ」の「天殺龍神拳」、「すがた」の「爆弾パンチ」はバッチリなタイミングを狙わなくても、大まかに連打していれば連続で出しやすくなった反面、人間やアイテムに触れるとそちらを持つことを優先するようになったのでやむくもに連打すると、それらで歯止めがかかるようになった。
---そのため、これらはオリジナル版から一長一短だが、それだけにこの仕様を好むと好まざるに分かれやすい。
--「さおとめ」の「オーラパンチ」、「にしむら」の「ためパンチ」は溜めている間や発動時に振り向けなくなったことで扱いが難しくなった。特に後者は直接当てなければならないため人間との対戦での使い勝手は絶望的に。

-わかりやすくしたというより単に旧来のバー並びの表示がゲームボーイでは画面占有幅の圧迫が大きいため、やむなくこうするしかなかったというシステム都合でしかないが、くにおくんらしくない体力の数値表示。
--とはいえ、それまでハッキリわからないからこそ、あと1メモリのドキドキ要素なども醍醐味の1つだったので、それが失われている一面。
--ただし技の威力などが実感でき手ごたえを感じやすくなったという利点もある。

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**問題点(どこでも)

-ゲームボーイに不向きなゲーム性。
--ドッジボールのようにコートに分かれているならまだしも本作は元々入り乱れての乱闘であるためモノクロではキャラの判別がしにくい。
---オリジナル版では色などで判別できても入り乱れて見失うこともあったぐらいなので、それをより助長している。
---後ろから蹴っていたつもりがいつの間にか自分が後ろに回られて蹴られていたなんてことはザラ。

-アイテムが持ち越せない。
--上述の「ごだい」弱体化と被るが、このために戦略性がかなり低下している。

-スリップの距離が長い。
--オリジナル版よりもダッシュからのブレーキングで滑りやすくなったことは操作性で悪化している。
--わざわざこのような扱いにくい仕様にする必要があったかと言われるとさすがに「ノー」だろう。

-BGMナンバーの変更。
--好みもあるだろうが元々オリジナル版のBGMのデフォルト配置は非常に雰囲気にあっていたので、それが違和感のある配置になった。
---特にクロスカントリーによく似合っていた「クシコス・ポスト」のアレンジ(オリジナル版の1番、本作では4番)をずらしたのはその意図がよくわからない。

-ダウンからの立ち上がりが均一になり、連打でも早くならなくなった。
--これにより、それを強みとしていた「くにお」「りき」「おとなし」「ごうだ」などはその個性を一部失っている。
---反面「くまだ」はオリジナル版では特にプレイヤー対戦では人間魚雷投げがあまり活かせなかったが、それが解消したことになる。

-廃止された「玉割ゲーム」に対する新種目「格闘パン食い」が単調さが増している。
--棒を登って玉を殴って割る代わりにパンを追っかけてかじるゲーム性だが、登って割るなりお互いに殴り合うなりいろいろやり方があったが「登る」がなくなったことで結局お互いに殴る蹴るの単調な展開になりやすくなった。
---実際パンを食べたと同時にキックしか使えなくなることから、戦闘力が低下するので大勢いる時は、早まって食べないで、他の相手を潰しに行く方がいいぐらい。
--また、コンビありきだった「玉割ゲーム」と違って、パートナーチームと協力する要素がなくなっている。

-ジャンプキックやジャンプ突きの有効範囲が狭くなりすぎて、ほとんど使えないものになった。
--オリジナル版では、多少足が遅い程度ならハシゴに登ろうとしている相手を蹴落としたりはできたのだが、それができなくなったことで障害部屋などでは、入り乱れた展開になりにくくなった。
--同じことはクロスカントリーでのマンションの壁登りなどでも言えること。

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**総評(どこでも)

各校エンディング新演出はくにおくんらしいノリで見ていて面白いものばかり。技のバランス調整に関しては一長一短であるため、一概にどっちがいいとは言い切れない。~
しかしゲームの根本では、やはりモノクロになったことで自分の位置がわかりにくくなったことや、ジャンプの汎用技がほとんど使えないものに成り下がったことで、足の遅さをカバーしにくくなったことなど難点も多い。~
また新競技「格闘パン食い」は「玉割ゲーム」に比べると単調な競技であることなどを含めて考えると、やはりオリジナル版に比べて改悪になった印象は否めないところ。

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**その後の展開(どこでも)

-直近では、直後の8月7日に『[[初代熱血硬派くにおくん]]』を発売。
--シリーズのみならずテクノスジャパン初のスーパーファミコンソフトである。
--『熱血硬派』とあるように久しぶりのリアル頭身くにおくん作品。
--バグが多いのが難点。

-ゲームボーイのシリーズでは『[[びっくり熱血新記録! はるかなる金メダル]]』のアレンジ移植『びっくり熱血新記録! どこでも金メダル』を1993年7月16日に発売。
--上記作品は元々、本年に行われたバルセロナオリンピックに合わせて作られたものだけに時機を逸した移植となった。

-運動会作品ではオリジナル版のPCエンジン CD-ROM&sup(){2}移植版を1992年12月11日に発売。
--これは本作ではなくオリジナル版をベースにしたリメイクとなる。

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**余談(どこでも)

-まだスーパーファミコン発売前だったオリジナル版と違い、本作では既に存在しているため冷峰でエンディングを迎えると、それが登場する
--ただ二人とも、あまりに脳筋なためかそれをまるでヌンチャクのように振り回してしまうのだが…

-上記の「障害部屋」のタイムオーバーに於ける-30点は本作でも取り入れられていない。
--個人賞のバグがちゃんと修正されているので、これは意図的に残した可能性が高い。意外とバランスが良かったので敢えて正式なものとして採用したとも考えられる。

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