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ロックマン&フォルテ - (2017/08/23 (水) 12:26:35) のソース

*ロックマン&フォルテ
【ろっくまんあんどふぉるて】
|ジャンル|横スクロールアクション|CENTER:&image(562644_3768_front.jpg,height=160)[[高解像度で見る>http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3669&file=562644_3768_front.jpg]]&br()[[裏を見る>http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3669&file=562644_3768_back.jpg]]|&amazon(B0000694RL)|&image(rmf00.gif)|
|対応機種|スーパーファミコン&br()ゲームボーイアドバンス|~|~|~|
|メディア|【SFC】32MbitROMカートリッジ&br()【GBA】64MbitROMカートリッジ|~|~|~|
|発売・開発元|カプコン|~|~|~|
|発売日|【SFC】1998年4月24日&br()【GBA】2002年8月10日|~|~|~|
|定価|【SFC】6,090円&br()【GBA】5,040円(税込)|~|~|~|
|配信|【WiiU】バーチャルコンソール&br()GBA版:2015年2月18日/702円|~|~|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~|~|
|>|>|>|>|CENTER:''[[ロックマンシリーズリンク>ロックマンシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
ロックマンシリーズの番外作品。~
前作『[[ロックマン8 メタルヒーローズ]]』が足早にセガサターン・プレイステーションに移行したため、「スーパーファミコンユーザーへのいわば“お詫び”として制作された」という経緯を持ち、''SFCで最後に通常販売されたゲームソフト''でもある。~
敵キャラは『ロックマン8』を流用したものが多く、各ステージの雰囲気もそれに準じたものになっている。それでいてステージ構成には違いがあり、オリジナル要素は十分にある。

**本作の特徴
''ストーリー''
>ロックマンに敗れ行方をくらましていたDr.ワイリーが突然、Dr.ライトの研究所にあらわれた。~
ワイリーの話によると世界征服の準備にいそしんで(?)いたワイリーの前に謎のロボット「キング」があらわれ、ワイリー城を乗っ取ってしまったのだという。~
世界征服を企むキングはロボット博物館からデータを盗み出して軍団を結成、各地の襲撃を始めていた。~
ワイリーに泣きつかれたロックマンはフォルテと一時休戦。ともにキングに立ち向かうことになった。

タイトルの通り、プレイヤーはロックマンとフォルテのどちらかをプレイヤーキャラとして選ぶことができる。
-ロックマンは、おなじみのチャージショットとスライディングが使用でき、バスター攻略ではチャージショットでボス戦が有利になり、スライディングで敵の下を潜り抜けたり、狭い通路を通ることができる。
--強化パーツをつけると「ビート」でバリアをつけて難所を突破したり、「エディ」で従来のE缶の代わりとして使うことができ、さらに「オートリカバリー」で慎重に回復しながら進められる。
--ただし、その分フォルテに比べてダメージを受けやすいということでもある。
-フォルテは、チャージショットは撃てないがオート連射&7方向の撃ち分けが可能で(地形貫通性能はなし)、ダッシュや二段ジャンプなどのアクションもできる。敵に攻撃が当てやすく、攻撃の回避や移動の面で優れている。
--強化パーツをつけるとバスター攻撃力2倍や地形貫通性能でさらに攻撃面が強化される。サポートキャラのゴスペルと合体することで武器エネルギーが切れるまで空中移動などのパワーアップができる。
--ボス戦でもその回避性能は遺憾なく発揮されるが、攻撃面においてはボスの無敵時間の関係上、バスター攻略は厳しく、特殊武器を使った方がよい。ただ、オート連射&7方向の撃ち分けが有利に働くボスもいる。
-特殊武器の効果は両者共通だが、性能や炎の色など若干の違いがある。
-また、ステージ開始時のおなじみ「READY」の文字もそれぞれ違い、特殊武器を取得したときの演出も別のものになる。
|&image(rmf01.gif)|&image(rmf02.gif)|

''その他の要素''
-おなじみ8ボスのうち6体は、『コミックボンボン』でロックマンのコミカライズを手がけた有賀ヒトシ、出月こーじ、岩本佳浩の各氏がデザインを手がけ、残る2体(テングマン、アストロマン)は『8』からの復活という設定((テングマンは同一人物でロックマンへのリベンジが目的と明言されているが、アストロマンはキングがロボット博物館から盗み出したデータの復元である。))で登場した。復活組にも新たな特殊武器が用意され、攻撃モーションも変更されている。

-「泳ぐ」要素は廃止。水中では従来同様高いジャンプができるようになった。

-アイテムを購入するためのネジが『8』の本数固定のものから、『7』の敵が落とす方式に戻った。購入できるアイテムは、『8』同様にショットなどの強化パーツがメイン。
--購入できるアイテムはボスを3体及び6体倒したときにそれぞれ増えるようになっている。
--それを見越してか順当に行けば6体目に倒すことが多い「マジックマン」の武器「マジックカード」をオープニングステージの無限に湧くドリル型の敵に使うとネジを取得しやすくなっている。

-ステージ内に隠されている「CD」を集めることで、歴代キャラクターのデータベースを見る事ができる。特に『ロックマンワールド』シリーズのオリジナルキャラクター(ロックマンキラーやスペースルーラーズなど)が、カラーで見られるのは興味深い。

**評価点
-特殊武器のバリエーションが豊富で、使い勝手も良好。『8』の特殊武器を利用して道を切り開くという特徴を継承していることもあって、囮になる分身を出して攻撃させる「コピービジョン」、敵との距離で複数の攻撃パターンを使い分けられる「テングブレード」、滑らせて敵を一掃したり足場として使用できたりする「アイスウォール」が特に個性的である。
--特にこのアイスウォールは「多段ヒットして中ボスクラスを一撃粉砕」「敵弾を防御」「上に乗って高速移動」「水中での上昇手段」「地形に沿って滑らせ落とし穴を探知」「攻撃しにくい崖下の敵を攻撃」などなど異常なほどの多機能を持ち、入手できるボスは明らかに一番弱く、反対に弱点となるボスは滅茶苦茶強いがこの武器さえあれば簡単に対処可能・・・という超優遇武器。
--一方で「設置型のため敵に当てるには一工夫いる」「燃費が悪く多用はできない」などデメリットもあり、初見ではその便利さに気づきにくい。逆に極まったプレイヤー向けには「空中でタイミングよく発生させ疑似多段ジャンプ」といった使い道なども存在し、経験で覚えるという意味で本作、ひいてはロックマンそのもののゲーム性を象徴している武器ともいえる。

-ボスの攻撃パターン、アクションが多彩。
--8ボスそれぞれの登場シーンが非常に凝っており、一部のボスに至っては爆発寸前のモーションまで専用で作られている。
--''「トゲの床に落ちて大ダメージ」「ボスが体力を回復する」''など、ロックマン側がさんざん経験してきたことがボスの行動パターン、攻略法になっている点も面白い。

-ロックマンのチャージショットの攻撃力は同じSFCの『7』で「3」→「2」に下がったが、今作ではフォルテとの性能差を考慮してかFC作品や『8』と同じ「3」になっている。ただし、本作はボスが総じて強いため特殊武器が空気になることはない。

-ネジの仕様が『7』の物に戻った事により、1UPやトゲ無効といった消費アイテムもショップで購入出来る様になった。
--特に1UPをショップで購入出来る様になった点は強く、「大量に余ったネジ全てを1UP購入に充ててから高難易度ステージを残機の力で突破する」という『7』や『ワールドシリーズ』でおなじみの芸当も出来る様になったと言える。

-データベースにはメインキャラクターをはじめ本作までに登場したボスキャラクターが全員(メガワールドのアイツらから''クイント''まで!)収録されている。各キャラクターには紹介文のほか、「ちょうしょ」「たんしょ」「すき」「きらい」なものが記載されているが、なぜかどれもこれもネタ成分が多い((例えばクラッシュマンの短所は「てさきがぶきよう」。謎かけなら座布団一枚もらえるレベルといえる。))。

**賛否両論点
-難易度は「今更SFCで作るんだから…」と高めに設定されている。『5』以降シリーズの難易度は低下傾向にあったが、本作はシリーズでも屈指の難易度となっている。といっても、理不尽な難しさではなく、バランスの良いステージ設計やボスの攻撃の多彩さによるものである。特にE缶が存在しないボス戦ではライフ回復手段が限られるため、過去の作品以上に攻略パターンを確立することが重要になる。
--本作の難易度を端的に表しているのが一番最初の博物館ステージ。マグマ地帯の足場飛びに高さが変化する天井トゲ、強風による移動力減少と一面からギミックが満載で、ライトユーザーはここで初ゲームオーバーを体験する羽目になることも。
--即死やトゲが張り巡らされているシリーズ恒例の所謂「イライラ棒」要素は実は少なめ。そのかわり雑魚敵やギミックから受けるダメージが概ね高く設定されており、E缶が無いことも相まって純粋にダメージの蓄積によるミスが多いのが特徴。
--そのためか、使い切りだがトゲによる即死を1度だけ無効化するパーツが''全パーツ中ぶっちぎりの最安値''で買える。
--シリーズ恒例の点滅ブロックの出現時間も短めになっており、過去作では1番目のブロックは3番目のブロック出現とほぼ同時に消えていたが、今作では2番目の出現から間を置かずに消えるようになったため、テンポよく登っていくことが求められる。

-8ボスステージが、枝分かれしたような変則的な構成になっている。
--初めは「コールドマン」「グランドマン」「アストロマン」の3ステージからしか選べず、後半5ステージは対応するステージをクリアするたびに開放される。これについては『7』から言われていたことだが、「(『6』以前のように)初めから8ボスすべてを選べるようにして欲しい」との声が大きかった。
--ただしこの配置自体は非常にうまいこと出来ており、どのボスから始めても必ず弱点順に攻略できるようにステージが開放されるようになっている(もちろんこの流れに逆らう事も可能)。
--前半と後半は「バスターでの攻略」を前提とした基本ステージと、「ある武器を持っている」ことが前提の高難度ステージの関係にあると言い換える事ができ、いきなり難しいステージにブチ当たって何度もコンティニューしたり、あきらめて別ステージを回る…という事態を軽減できていると言える。

-キングステージに行く為には8ボス全員を倒して特殊武器を手に入れ、クリスタルの置かれているステージで、各武器に対応したクリスタルを破壊する必要があるのだが、一部の仕掛けが異常に難しい。
--具体的にいうと、パイレーツマンから手に入るリモートマインである。リモートマインは撃った後でも上下に動かせて、敵に張り付けて爆発させられる、かなり強力な武器。しかし件のクリスタル破壊において、たった1マスの穴を通し、更に上下に動かす精密動作が要求される。少しでもずれると途中の壁にくっついたり、クリスタルに爆風が届かない。リモートマインの燃費も少々悪く、この仕掛けだけのために、''武器エネルギーが尽きて他ステージへエネルギー稼ぎに向かう''ロックマン&フォルテも珍しくない。

-CDを集めてもデータベースを閲覧できるようになるだけで、完全にコレクションでしかない。
--すべて集めるにはロックマンとフォルテの両方を使う必要があるのだが、集めても強化されるわけではないためモチベーションが上がりづらい。
-1枚だけ、極端に入手の難しいCDがある。
--ある地点からラッシュサーチで掘り出すのだが、その地点では''地面を掘り抜いて穴を開けるザコ敵が無限に湧き上がるため、放っておくと穴を開けられて掘り出すのが不可能になる''。
--よって、素早くザコを片づけなければいけないのだが、''ラッシュサーチ中のロックマンは通常ショットしか打てない''ため、効率的に立ち回らないと圧倒的な物量の前に敗北、最悪自分が穴に落ちる。
--また、ラッシュは敵にぶつかるといなくなってしまうので、''ラッシュに敵が当たらないように気を配ることも求められる''。ラッシュサーチは呼び出してから掘り当てるまでの時間が長いため、さらに難易度を高める。
--極めつけは、その地点が''ボス部屋の直前にある''ということ。嫌がらせとしか思えない。
-データベースにはライト博士、ブルース、Dr.ワイリーといったシリーズのメインキャラクターのものもあるが、『ロックマン4』における重要キャラ「Drコサック」と「カリンカ」は未収録。バスターロッドGやタンゴはいるのに…。
--データの数をちょうど100でおさめるためか、もしくはDr.コサックの本名が長すぎて((コサックの本名は「ミハエル・セルゲイビッチ・コサック(ドットを含めれば17文字)」))名前を表示するスペースに入らないためなのか…。
--一応CDの回収には「最強のロボット軍団結成を目論むキングに奪われたロボットのデータを取り戻す」という設定があるので居なくても問題ないと言えば問題ない。
---人間であるライト博士とDr.ワイリーは製作者枠ということでギリギリ解釈できないこともないが、となるとやはりDr.コサックがいないのは不自然。しかも100枚目のCDは「ロックマン&フォルテ」の記念データであり、コサックを入れる枠がなかったわけではない。

-一度クリアしたステージを脱出した際、特殊武器エネルギーが回復しない。
--地味に不便で、誰得な仕様。だいたいの場合、オープニングステージで雑魚を狩って溜めることになる。

-お約束ではあるが、やはり黒幕は(ry
--一応キングに追い出されたというのは真実であるので他作とは違い最初の言動に嘘はなかった(ただしキングは自分が作ったことは隠していた)という違いはあるが。
//なんとこの事実はフォルテですら知らなかった
//なんとも何もプレイヤーキャラが知っていていいことではない
--コミックボンボンで連載されていた漫画でも騒動の元の原因はいつもの彼なのだが、そのことを明かした後あっさりキングに撃墜されてしまい最後の敵になり損ねた。

**総評
シリーズの番外編、SFC末期の「おわび」の一作となった本作だが、質の高いドットグラフィックやアクションゲームの完成度の高さなどからSS・PSのものと比べても決して遜色のない、作り手の意地をうかがうことができ、本編作品に負けない出来となっている。~
本作の外伝ならではの特色はやはり「フォルテ」の操作性に尽きるだろう。従来のロックマンではできなかった爽快なアクションでありながらシリーズとしてのゲーム性はしっかりと保たれている点はシリーズの新たな魅力を引き出したと言える。~
そのためにロックマンが割を食っている感は否めないが、いつもの「ロックマン」ならどういうゲームになるかという2つの側面からゲームを楽しむことができる点は評価に値する。

**その後の展開
-2002年にゲームボーイアドバンスに移植されている。
--GBAの解像度の都合上、SFC版よりも表示範囲が狭い。
--GBA版ではフォルテのダッシュがボタンの関係上、コマンドのみになっている為、操作に若干クセが生じている。グランドマンの突き刺し攻撃など、ダッシュを必要とする場面の難易度が向上。
--ちなみにGBA版は同ハードのロックマンシリーズでは珍しいSFCからの移植版でもある((他のGBAのロックマンシリーズは、エグゼやゼロなどの完全新作が中心。))。
--実はSFC版は海外版が作られておらず、海外での露出はこのGBA版が初めてとなった。~
この弊害なのか、バーチャルコンソールではGBA版のみの配信であったり、『7』から『10』まで収録した『ロックマン クラシック コレクション2』において同じく据え置き機で発売された本作は未収録になる事態が発生してしまう事になり、それによりSFC版ロクフォルは現行機種における最もプレイが困難なロックマンシリーズ作品の一つになってしまった点は否めないだろう。

-1999年にワンダースワンで『[[ロックマン&フォルテ 未来からの挑戦者]]』が発売されている。
--本作の移植ではなく、製作もライセンスを得たバンダイが担当したオリジナルの作品なのだが、残念ながら相当な問題作。

**余談
-番外編的な位置づけの作品だが、『[[ロックマン9 野望の復活!!]]』では、ナンバリング作品と同格で本作のシーンが使われている。

-キャラデザを担当するなど『コミックボンボン』とのタイアップを全面に出したソフトだったのだが、よりによってその連載中にボンボンが誌面刷新を行いロックマンシリーズと絶縁。連載中だった漫画版も打ち切られてしまった…。
--ちなみに同誌が掲載した最後のロックマン関連の記事は本作のGBA版だったのだが、記事内容はよりにもよってタイアップ中に掲載出来なかったゲーム本編の攻略記事であった。