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シークレットゲーム -KILLER QUEEN- DEPTH EDITION - (2019/08/23 (金) 21:38:24) のソース

注意:このページでは、『シークレットゲーム -KILLER QUEEN-』(PS2)と逆移植版『シークレットゲーム -KILLER QUEEN- DEPTH EDITION』(Win)と移植版『シークレットゲーム PORTABLE』(PSP)を紹介する。~
便宜上記事名はWin版の『シークレットゲーム -KILLER QUEEN- DEPTH EDITION』としている。
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*シークレットゲーム -KILLER QUEEN-
【しーくれっとげーむ きらーくいーん】
*シークレットゲーム -KILLER QUEEN-DEPTH EDITION
【しーくれっとげーむ きらーくいーん です えでぃしょん】
*シークレットゲーム -KILLER QUEEN-PORTABLE
【しーくれっとげーむ きらーくいーん ぽーたぶる】
|ジャンル|サスペンスアドベンチャー|CENTER:&amazon(B0018J2Q8G,image);&br;&amazon(B0018J8C5C,image);&amazon(B001TRF8YQ,image)&br;|CENTER:&amazon(B004Q25JEK,image);&br;&amazon(B003A852IE,image);&br;&image(http://dist.joshinweb.jp/emall/img/sm/JSN_C00001/middle/49/44445/4944445010933.jpg,height=160)|
|対応機種|プレイステーション2&br;Windows 2000/XP/Vista&br;プレイステーション・ポータブル|~|~|
|メディア|【Win】DVD-ROM&br;【PSP】UMD 各1枚|~|~|
|発売元【PS2/PSP】|イエティ|~|~|
|開発元【PS2/PSP】|レジスタ|~|~|
|発売・開発元【Win】|FLAT|~|~|
|発売日|【PS2】2008年8月21日&br;【Win】2009年4月24日&br;【PSP】2010年5月27日|~|~|
|定価|【Win初回限定版】8,800円&br;【Win/PSP各通常版】:5,800円&br;【PS2】初回限定版:8,300円/通常版:6,800円(全て税別)|~|~|
|プレイ人数|1人|~|~|
|セーブデータ|【PS2/PSP】100箇所(オートクイックセーブ有り)|~|~|
|レーティング|BGCOLOR(black):''&font(#FF69B4){アダルトゲーム}''|~|~|
|~|【PS2/PSP】CERO:D(17才以上対象)|~|~|
|廉価版|【PSP】イエティベスト:2011年9月29日/2,800円(税別)|~|~|
|配信|【Win】2009年11月13日/6,955円(税込)|~|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~|
|ポイント|良くも悪くも変化の多いデス・ゲーム&br;批判の多いBETシステム&br;秀逸なルール|~|~|
|>|>|>|CENTER:''[[FLAT作品リンク>FLAT作品]]''|
#center{&big{''今、狂気のゲームが幕を開けるー''}}
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#contents(fromhere)
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**概要
2006年に発売された同人ゲーム『キラークイーン』を大元とする作品群。(同人版は本Wikiは取り扱い対象外)~
シナリオは『こなたよりかなたまで』『遥かに仰ぎ、麗しの』の健速(たけはや)氏が担当した。

2008年に『シークレットゲーム -KILLER -QUEEN-』のタイトルでPS2版が発売。以降はそれを基にPSPやPCへ移植されている。~
原作の『キラークイーン』とは登場人物と基本設定がほぼ同一でストーリーは新規という、移植と言うよりはリメイクとなっている。~
本頁では以降の移植の基礎となったPS2版を基に解説する。その後の展開は[[FLAT作品]]を参照。

ストーリーは、閉鎖環境に集められた登場人物たちが時に協力しつつ命懸けで競い合うという、典型的なデス・ゲームものとなっている。

**ストーリー
>閉鎖された廃墟、閉じ込められた13人のプレイヤー
>仕掛けの仕込まれた首輪、トランプを模したPDA
>72時間以内に与えられた条件をクリアしなければ首輪の仕掛けが発動する
>こんな非現実的な状況を簡単に受け入れてしまうのは、
>目の前に転がったそれが、かつて人間だったモノだからなのだろう
>PDAは全部で13台存在する。
>首輪の解除条件はそれぞれ異なる。
>誰がどのPDAを持っているのかわからない、自分の条件は隠さなければならない。
>しかし、単独行動は不利、条件を明かして他のプレイヤーと共闘すべきだ。
>……いやまて、アイツは嘘をついているんじゃないのか?
>「殺される前にコロスしかない」
>疑心暗鬼、そして何よりも死への恐怖が、プレイヤーたちの道徳と理性を蝕んでいく
>(PS2版公式サイトより抜粋)

**登場人物
#region(クリックで展開)

-御剣総一(みつるぎ そういち)
--男子高校生。本作の主人公。身体能力は標準だが、頭は回る。過去のある事件から自己犠牲の精神を持つ。
-郷田真弓(ごうだ まゆみ)
--年長のおばさん。参加者の中でも良識人だが、不審な行動が多い。
-葉月克巳(はづき かつみ)
--優しいおじさん。見た目通りに穏やかな性格。
-色条優希(しきじょう ゆうき)
--最年少のロリ。後述するBETシステムではオッズが最も高いがエピソード4以外ではまともに登場しない。
-漆山権造(うるしやま ごんぞう)
--エロおやじ。しょっちゅう女性陣にちょっかいをかける。いかにもな第一被害者ポジション。
-北条かりん(ほうじょう かりん)
--健康的なスポーツ少女。病気の妹のために賞金を気にしている。
-高山浩太(たかやま こうた)
--元傭兵の中年男性。精神的にも肉体的にも強い。中立的な立場なので協力は容易だが、信頼は難しい。
-矢幡麗佳(やはた れいか)
--冷静な女子大学生。疑り深い性格。エピソード2のパートナー。
-綺堂渚(きどう なぎさ)
--20代の女性。言動はおっとりしているが…。エピソード3のパートナー。
-長沢勇治(ながさわ ゆうじ)
--ネット弁慶の少年。人を殺してみたいなどと危険な思考の持ち主で、とても好戦的。
-陸島文香(りくしま ふみか)
--受付嬢のお姉さん。協力的な態度をとる。
-姫萩咲実(ひめはぎ さくみ)
--臆病な女子高生。エピソード1、4のパートナー。メインヒロインだが当人のルート以外では%%すぐに殺されるので%%影が薄い。
-手塚義光(てづか よしみつ)
--自称会社員の青年。軽い言動とは裏腹に殺人も厭わない冷血漢で、冷静な判断力の持ち主。
#endregion

**舞台
-登場人物いわく「東京ドームが数個入る」ほどの面積がある広大なビルで、6つのフロアがある。窓は一切なく、入り口は頑丈なシャッターと分厚いコンクリートの壁で完全に閉鎖されている。
--携帯電話などはジャミングがかかり通話不能となっている。外部への連絡手段はない。
--さらに各階は複雑な迷路になっており、数多くの部屋がある。
---部屋を探索することで武器や食料、PDA拡張機能の入った端子が見つかることもある。また、各フロアには必ず「戦闘禁止エリア」となる部屋が存在する。
--各所に罠が仕掛けられている。即死する罠、怪我を負う程度の罠、単純に下の階への落とし穴などさまざま。
---ただし頻度はそれほど多くはない。
---下の階への落とし穴は罠としては単純だが意味は状況と時間経過によって変化する。通常時は文字通り下へ落ちるだけだが、逃走中や追跡中では思わぬ怪我につながり、下の階が既に「進入禁止エリア」であれば落下は死を意味する。

**ルールの要約
-参加者に配られるPDAには「PDAと首輪の説明」「ルールは全部で9つあり、一台のPDAにはその内4つしか書かれていない」という2つの共通ルール、そして説明の通り他のルール2つだけが書かれている。
--首輪はルールを知らずに破っても機能するため、まず数人で手を組みルールを把握しなければならない。

-参加者には首輪が仕掛けられており、自分のPDAに記された解除条件を満たして接続することで解除できる。条件を満たさず接続したり他人のPDAを接続したりすると、首輪が作動して着用者は死亡する。
-トランプを模したPDAが13台あり、13人の参加者にランダムに配られる。首輪の解除条件はそれぞれ異なっており、解除に使えるのは最初に自分に配られたPDAのみ。
-13台のPDAとは別に、1台のジョーカーPDAが1人に配られる。これは他の任意のPDAに偽装できる機能を持っている。
-侵入禁止エリアに侵入すると首輪が作動して着用者は死亡する。侵入禁止エリアは時間と共に広がってき、72時間後には全域が侵入禁止エリアとなる。
-戦闘禁止エリア内で他人を攻撃した場合、首輪が作動して着用者は死亡する。
-開始から73時間が過ぎた時点で生存している参加者を全て勝利者とし、20億円の賞金を山分けする。

**解除条件の例
-A:クイーンのPDAの所有者を殺害する。手段は問わない。
-4:他のプレイヤーの首輪を3つ取得する。手段を問わない。首を切り取っても良いし、解除の条件を満たして外すのを待っても良い。
-J:「ゲーム」の開始から24時間以上行動を共にした人間が2日と23時間時点で生存している。
-Q:2日と23時間の生存。

**特徴
-システム自体は標準的なADVのそれだが、選択肢などの展開を分岐させるシステムは無く、一本道のシナリオを読み進めるノベルゲームの体裁を採っている。プレイヤー視点から直接に「ゲーム」へ参戦するわけではない。
--このためもどかしく感じる面も多々出てくるが、その一方、複雑なルールや人間関係を完全には把握しきらなくとも進行できるので、見た目ほどには負担なく楽しめるとも言える。
---Win版のみエピソード3に分岐点があり、選択次第でヒロインが変わるという他機種にはない展開になる。

-エピソード1~4の4つでストーリーが構成されている。
--いずれも主人公は御剣だが最初に出会う相手が毎回変わりそれに伴ってストーリーも変わる。
--それぞれのエピソードはパラレルストーリーになっており繋がりは特にない。エピソード1~3は不明瞭な点が多いがそれらの点はエピソード4で解明される。

-BETシステム
--ゲームの結末で誰が生き残るかを予想してチップを賭けるシステム。賭け方は1人に任意のチップを賭けるだけというシンプルなシステム。
--男性はオッズが低め、女性や子供はオッズが高めに設定されている。
--賭けるタイミングは任意なのでゲーム中盤になってから賭ける事も可能。ただしオッズはどんどん低くなる。
--とりあえずゲーム開始直後にBETを選び、参加者やオッズを把握しておくと良い。
--入手したゴールドを使用することでゲーム内に登場しない販促CGやNGボイス等を閲覧できる。
---Win版にはこのシステムはない。

**評価点
-作り込まれたルール。
--生き残れるのは1人だけではない。そのため協力することもできる。
---しかしジョーカーの存在、賞金山分けのルールがあるため常に裏切られる可能性がある。また、他者の殺害が条件になるものがあるため、全員で協力し誰も死なずにクリアすることはできない。
---相手に手の内を知られると不利になるため、信用のできない相手に自分の首輪の解除条件を明してはならない、といった心理が働く。
---この辺りのジレンマがゲームを面白くしている。
--ルールは記述があいまいなところがあり、また他のルールを読むことで誤解する、といった仕掛けが混ざっている。
---ルール自体に変更はなく、意図的に設けられたルールの穴を突く、といった展開にハラハラさせられる。

-探索で手に入る武器が段々エスカレートしていく。
--最初は鉄パイプ程度だった武器が拳銃、サブマシンガン、最終的にはロケットランチャーまで手に入る。そのため、反撃以外の自衛手段が変わり、「安全地帯を確保し篭ればいい」という展開になることはない。
---時間の経過とともに下のフロアから順に進入禁止エリアとなるため、次のフロアへの移動を強要される。
--また、代表される安全地帯「戦闘禁止エリア」だが、エピソードが進むにつれあらゆる方法で安全が確保できない状況になり、最終的にはエリア内にいる方が危険となる。

-個性あるキャラクター
--協力的なお姉さん、好戦的な少年、エロおやじ等々。
--性別も年齢もバラバラの無作為に集められた13人という感じがする。
--各人の立場や思考、ゲームに積極的に参加する/しないの理由が複雑に絡み合い、時には協力、時には敵対する。

-パラレルなシナリオ
--複数のシナリオが用意されている事で、様々な『ゲーム』の展開を楽しむ事ができる。
--手を血で染めたばかりに狂気の殺人鬼へと堕ちてしまうキャラを別のシナリオで踏み留まらせたり、逆に最後まで生き残ったキャラが別のシナリオで呆気無く殺されたりと、それぞれのシナリオでキャラの描写や末路が全く異なる為、常に新鮮な気持ちでプレイできる。
--シナリオによって探索で手に入るPDA拡張機能の種類や数が変わる。
---以前のエピソードで自分に恩恵をもたらした機能が、次のシナリオでは敵が手にして自分を追跡してくる、などといったスリリングな展開が楽しめる。
--「ゲーム」を運営する側の思惑により「エクストラゲーム」が開始される。
---これをクリアすることで不利な状況だった者が一転、有利になるなど、中だるみやマンネリ感を無くす展開で緊張感が持続する。
--陰惨なだけではなく、最終章では全てに決着を付けて大団円を迎え、読了後には満足感を得られる展開がしっかり用意されている。最後まで心が折れてはいけない。
---「ゲーム」の運営に踊らされるもなんとか生還するエピソード1、「ゲーム」が想定外の展開を見せるエピソード2、運営の意図を超え一矢報いるエピソード3、「ゲーム」に決着をつけるエピソード4、といった順番で読ませるシナリオ構成は見事である。

-迫力があるOP&BGM
--どちらもゲームを盛り上げている。
--PSP版のみOP・EDが変更されているがこちらも良い出来。
---[[PSP版オープニング>http://www.youtube.com/watch?v=SnpHBj5Tpww]]
--最終エピソードではOPが変化するのもポイント。曲は同人版のOPに、ムービーもいよいよ終局が迫っている事を実感させるものに変わり、クライマックスに向けてプレイヤーの精神を高揚させてくれる。

**賛否両論点
-同人版との差異が多い
--同人版は2つのエピソードのみ。商業版のエピソード1は実質リメイクのようなものと言える。
--しかし同人版のエピソード2は丸々カットされている。これによりあるキャラの印象が180度変わることになる。
--商業版の後付設定により、強さがまるで違うキャラなどもおり、良くも悪くも同人版からアレンジされた点が少なくない。
---勿論、同人版未プレイの人には何の問題も無いし、同人版を楽しんだ人でも新たな気持ちでシナリオを楽しめるのだが、一方で違和感を感じたりする人が居るのも仕方ない話だろう。
---現在でも同人版はダウンロード版が安価で販売されているので、本作からの新規プレイヤーでそちらのシナリオが気になった人はプレイして差異を楽しんでみるのも有りである。

#region(主人公が癖のある性格であり、万人に感情移入できるキャラクターとは言い難い。(ややネタバレ))
-どのエピソードでも主人公の御剣はAを所持するが、Qの殺害を試みることはなくむしろQを助ける展開もある。
--戦闘も好まず常に協力的な姿勢であるというのは良いとしても、自らの命をまるで顧みず、利他的な態度を崩さないのは「自己犠牲精神すぎる」と批判されることも。
---そもそも自身のゲームクリアについては「自分は絶対に人を殺せないから」と早々に諦め、ヒロインや同行者を生還させる事だけを目的とするようになる。
--もっとも、この自己犠牲の性格についてはそうなってもやむを得ない理由があり、ストーリーが進むにつれて徐々に明らかになっていく。
---エピソード4終盤では自身の間違いに気付き、自分を含めた皆で生きて帰る為に奮起する事になる。
--この手の作品にありがちな「不殺の主人公」である理由をきちんと盛り込んだ点は評価される。
#endregion

-''ゲーム性が無い''
--ルート分岐等がないため常に一本道である。選択を間違えてデッドエンド…という事すらない。
--気負いせずストーリーを楽しめると言う長所でもあるのだが、同時にゲーム性が薄いと言う短所でもある。
---複数のエピソードがあるので、展開の多様性という点では乏しい訳ではないのだが、ゲーム性については薄い事に変わりがない。
--これは同人版の時点からの問題であるが、コンシューマーへのリメイクに際して追加されたBETシステムも、後述するようにゲームの面白さに繋がっているとは言い難い。

-''開催者が加入してくる展開''
--エピソード2からはトラブルや参加者側の予想外の行動などでゲームの進行が運営側の思い通りに進まなくなり、運営がエクストラゲームや武器やその他有利な道具等を提供しゲーム内に関わる。
---エピソード1の時点でも兵器等の訓練を受けた運営側の人間が混ざっている。ただし終盤のゲームに運営側の人間が関わる点を除けばまだ純然たるデス・ゲームに近い展開である。
--従って、運営が関与せず最後まで参加者だけで繰り広げられる内容を期待したプレイヤーからの不満意見も見られる。
---尤も運営が介入するデスゲーム作品は珍しくはない。『バトルロワイヤル』でも過去のゲーム経験者(本作で言うリピーター)が混ざっていたし、『[[ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生]]』でも運営が介入を行っている((殺人の動機を次々と提供している。))。そもそも本作におけるデスゲームは「殺し合いを見て楽しむ」「運営が参加者''で''遊ぶゲーム」である。デスゲームに対する考え方の違いであろう。
---更には、評価点に記したように、こうした大きな変化のある展開がストーリーに常に緊張感と新鮮さを与える要因でもある。

#region(全てのエピソードをクリアしても推測に頼らざるを得ない謎が残る(''重大なネタバレ注意''))
-エピソード1において、手塚がある登場人物との銃撃戦の末に相打ちになり死亡するシーンがあるのだが、全てのエピソードをプレイしても腑に落ちない描写である。
--ある人物は運営側において非常に重要なキャラクターであり、エピソード1以外のシナリオでは運営側が大きく介入するのだが、エピソード1に限っては上記のようにあっさり死んでしまい、''運営側の大きな介入をした描写が見受けられない。''
--強いて言うならば手塚の発言から、ある人物と手塚が遭遇した際に、運営側が手塚の殺害に関与した可能性は大きい。
--しかしエピソード1以外では運営は他の人物と戦闘が発生する前に迅速に処理をしているため、手塚と会うまで野放しにしていた、あるいは処理ができなかった点には引っ掛かりが残る

-上記ほどの謎ではないが、ある人物はサブマシンガンを手にして死亡しており、実際に手塚に発砲したのか、それとも運営が演出で持たせたのかという謎がある。
--後のエピソードではとても銃器を発砲できる人物ではないことが分かるものの、高山のある発言から発砲した可能性があることも示唆されている。
#endregion

**問題点
-展開が読める場面が多い。
--例えばエピソード1では誰がQを持っているかが伏せられているが雰囲気で分かってしまう。
--「ゲーム」参加者の中に運営側の人間が混ざっているのだが、エピソード1序盤からそれを匂わせさらに後半で確定する。
---どのエピソードでも暗躍するキャラなので、意外性のためにもせめてエピソード2までは正体を隠すべきではなかったか、という批判がある。
//↑は郷田のこと。渚ではない。
--また各エピソードごとにPDAは変化しないので参加者の大まかな動きや展開は同じである。誰と敵対して誰と協力するのか予想がつきやすく、そしてそれは大体予想通りである。
---後のエピソードでPDAが判明する事で、そのキャラの以前のエピソードでの行動理由が理解出来る。と言った事はあるが、展開が読め易いと言う点はそれ以上にネックになる。
---エピソード毎にPDAを変える、予想を裏切る展開を用意するなどと言った動きがあれば良かったかもしれない。

-ご都合主義な場面が多い。
--主人公や味方が銃で撃たれるシーンが多々あるが、顔をかすめるだけで済むなど強引な展開と批判される。
---例えばサブマシンガンをキャラA・B・主人公が直線上にいる状態で撃ちこみ、A・Bは即死あるいは瀕死、両者が盾になったわけでもないのに主人公はかすっただけ、といった描写がある。

-銃の描写
--開発陣に銃に詳しい人がいなかったのか、「サブマシンガン」「ロケットランチャー」といった大雑把な説明で、細かい描写は無い。
---銃器を売りにした作品ではないし、「ゲーム」参加者は銃器に詳しくない者がほとんどなので、その視点での問題はない。
--しかし「ライフルで狙撃される」シーンで狙撃手の使うのがどうみてもM16。銃に詳しいプレイヤーから見れば相当なツッコミ所になっている。
---要するに狙撃銃などではなく「アサルトライフル((高い連射能力により弾をバラ撒く「数撃ちゃ当たる」タイプのライフル。その分精度は低い。))」で狙撃を行っている構図になっている訳である。''ゴルゴ13かあんたは''。
---このイベント絵一枚によって、該当シーンとその先の展開および描写、設定に矛盾が生じてしまっている。描かれているのが単発式ライフルならば一切の矛盾はなかったのだが。

-キャラクター
--40歳の中年女性と言う設定の郷田だが、イラストはどう見ても20代である。
---美人の設定になっているとはいえ、長沢等が「おばさん」と呼称するのだからもう少し老けさせても良かったのではないだろうか。
--長沢は小学生だが声が低く、外見もあまり子供らしくない。
---しかも文章内に変声期前と書かれている為、違和感がある。

#region(BETシステム(ネタバレ有り))
本作には「トゥルー」「ハッピー」「バッド」の三種類のエンディングが存在するのだが…。

-ざっくり言うと、BETに参加した時点でトゥルーエンドには到達できなくなる。
--具体的には、山場となるエピソード4までに&bold(){「BETシステムの説明を受け、かつ賭けに参加しない」}という条件を満たさなければ、トゥルーエンドに辿り着けない。~
トゥルーエンドを迎えるとタイトル画面が変化し、事件が完全に終わった事を実感できる明るいものになる。同時に、BETで獲得できる隠し要素の''一つを除いた全てが開放される''。
---この残りの一つだけはBETコインで購入するものだが、それは「(BETしたので)このセーブデータではトゥルーが見られない」というヒント。

-たしかにデス・ゲームの結果で賭けをするのは見るからに悪の所業なので、倫理的には納得がいく。バッドエンドでは「インターネットでBETしていた者」を扱うというのも試みとしては面白い。
--しかし一度でもBETをしてしまった場合、トゥルーを見るには''データを消すしかない''。周回プレイ前提のADVでこれはあまりにも酷い。
---ただし、トゥルーとハッピーはシナリオに違いはなく、隠し要素もゴールドを稼ぐことで解放可能。タイトル画面が変化するだけでスッキリしない程度の弊害ではある…だが気分的にはとても大きい影響。
--ハッピーとバッドの分岐は「エピソード4中にBETする/しない」であり、それ以前のシナリオでのBETの有無は関係ない為、途中でBETしていてもハッピーエンドを迎える事自体は可能。
--トゥルーを見た後にBETした場合、通常のタイトル画面に戻る。変化したタイトルはアルバムに登録されるが、''再びトゥルータイトル画面に戻す方法はない''。

-まとめると、''おまけ要素をコンプリートしつつトゥルータイトル画面、という方法はない''。
--一応、説明書・チュートリアル・BETする際にはこの点を仄めかす文章が書かれているが、そういうシステムである以上、割り切って参加するプレイヤーは多いはず。しかもおまけ要素の開放に必要などと言われれば尚更である。

''要するにBETシステムは罠にしかなっていない''。~
問題だと認識したのか不評だったのかは定かではないが、Win版及び次回作ではBETシステムは採用されていない。

#endregion

-PC版のみの問題だが、BETシステムが廃止された事によりエピソード3のある人物の最期が分かりにくくなってしまっている。
--エピソード4のシナリオからある程度推測することは可能となっているが、BETシステムが廃止されたことである情報を入手することが出来なくなっているため、推測止まりとなってしまう。
--BETシステムが廃止されたことによる唯一の弊害と言える。

//-某小説に似ている設定
//--首輪、殺し合いなど小説バトル・ロワイアルに似ている設定や展開である。
//--バトル・ロワイアルは既に一ジャンルとして認められているが、もう少しぼやかした設定にしても良かったのでは
//そんな事言い出したら幾つものデスゲームものがバトルロワイアルのパクリになってしまう

**総評
秀逸なルールとキャラが魅力。選択肢が無いので、重苦しいデス・ゲームものでありながら、さほど気負いせず楽しむことができる。理不尽なBETシステムなどの罠もあるが、少し変化球のデス・ゲームに興味がある人にお勧め。~
プレイの際、もしトゥルーエンドにたどり着きたいなら''(登場人物ではなく)プレイヤー自身のモラルが問われる''という事を肝に銘じてから始めよう。

**余談
-[[PSP版公式サイト>http://www.yetigame.jp/secretgame_psp/]]がPS2版公式サイトを使い回しているため、操作方法説明の画像がPS2のコントローラになっている。
--ほぼ同じ内容なので使い回し自体は問題なく、このページ以外におかしな点はない。
--PS2公式サイトは現在消滅している。

-Win版は30日で2,980円のサービス「DMM GAMES 遊び放題」に登録されている。

-2019年7月26日DMMダウンロード専売の『FLAT作品全部入り!パック』にWin版が収録されている。

-2011年に続編となる『[[シークレットゲーム CODE:Revise]]』が発売。更に後の2013年には本作のコンシューマー化を手掛けたレジスタによってそのリメイク作『リベリオンズ Secret Game 2nd Stage』が発売された。詳細は当該記事を参照されたし。

-コンシューマー版監督の中澤工氏が後年になってBETシステムの意図を語っている。
--別にメタフィクションの演出をやりたかった訳ではなく、「不幸な物語を作るのは確かに作家なんだけど、その不幸を求めてるのはお客さんでもあって、殺し合いは悪いことなんだけど、それをエンターテイメントとして欲する誰かがいるから、こういう物語が生まれるんだ」と伝えたかったとの事。
--システム自体は不評だが、デス・ゲームと言うジャンルの真理を突いた発言と言える。

//キラークィーン