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バイオハザード7 レジデント イービル - (2020/04/12 (日) 10:00:07) のソース

*BIOHAZARD 7 resident evil
【ばいおはざーど せぶん れじでんと いーびる】

*BIOHAZARD 7 resident evil グロテスクVer.
【ばいおはざーど せぶん れじでんと いーびる ぐろてすく ばーじょん】
|ジャンル|サバイバルホラー|&amazon(B01M133HE8)&amazon(B01M03WRUT)|&amazon(B01LWJ1BC7)&amazon(B01M0RE8J0)|~|~|
|対応機種|プレイステーション4&br;Xbox One&br;Windows 7~10|~|~|~|~|
|発売・開発元|カプコン|~|~|~|~|
|発売日|2017年1月26日|~|~|~|~|
|定価|パッケージ版:【共通】7,990円&br;DL版(通常版 / デラックスエディション((DLC一部込。)))&br;【PS4/Steam】7,398円 / 9,250円&br;【One】7,400円 / 9,280円&br;【Win10 UWP】7,407円 / 9,259円(各税別)|~|~|~|~|
|判定|なし|~|~|~|~|
|ポイント|『4』以来2回目の路線変更&br;ナンバリング初のFPS操作&br;PSVR対応で怖さ倍増&br;大筋の進展はなし|~|~|~|~|
|>|>|>|>|>|CENTER:''[[BIOHAZARDシリーズリンク>BIOHAZARDシリーズ]]''|
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#contents
//別バージョンや移植版を併記している場合は、大見出しは消すな。
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#center(){{
 &big(){''すべては”恐怖”のために。''}
}}
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**概要
原点回帰を掲げた『BIOHAZARD』シリーズの7作目。~
これまでにも「原点回帰」というキーワードで制作されてきた作品はあるが、キーワードとゲーム内容の乖離が目立ち、純粋な出来も悪いものが大半であった。~
本作はシリーズ独自の恐怖性の復古を目標に掲げ、最初のフルモデルチェンジ作である『4』とはまた違った方向性でのマンネリ打破が試みられた。~
実際にも微妙な評価だった『オペラク』『6』『[[RV2>BIOHAZARD REVELATIONS 2]]』『アンブレラコア』の名誉挽回を期待された。

2016年6月14日にPlayStation Plusの会員限定でPS4用の体験版が配信され、従来とは異なるFPS(一人称視点)操作や怖さに重きをおいた作風が注目を集めた。~
更にシリーズ初となる演出強化バージョンの同時発売も行うという、より恐怖感を強めるための工夫も行われた。~
サブタイトルの「''resident evil''(邪悪なる居住者)」は本シリーズの海外版タイトル。逆に本作の海外版は『''RESIDENT EVIL 7 biohazard''』となっている。その理由は、本作の内容はその両方の意味に当て嵌まるから、との事で初のダブルミーニングタイトルとなった。~


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**ストーリー
ある日、主人公イーサンのもとに三年前に失踪した妻ミアから「迎えに来て」というメッセージが届く。~
イーサンはメッセージを頼りに居場所を突き止め、アメリカ・ルイジアナ州に位置するベイカー邸に向かうが……。

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**特徴
-『4』以来2回目の路線変更
--カプコン自社製の新エンジン「RE ENGINE」が使用されており、実写と見紛えるほど圧倒的に美麗なグラフィック表現を実現している。
--没入感を高めるために視点が三人称から一人称である「アイソレートビュー」へと移行した。
--回避の代わりに防御が採用された。
---見た目は両手を前にかざすだけで頼りないが、実際は正面からのあらゆるダメージを激減させる高性能なアクション。
--アイテムは雑魚敵からのドロップ入手が久々に廃され、弾薬や治療薬が有限になりサバイバル要素が強くなった。
--COOPプレイが廃止された。
--一部のDLCを除いてPlayStation VRに対応している。PC版でのVR対応はなし。

-登場人物・クリーチャー
--本作の登場人物は主人公を含むほぼすべてが新キャラである。また、クリーチャーも新規のものである。
#region
-イーサン・ウィンターズ((過去作のファイル内に「イーサン・W」という名前が出てくるが、関連性があるかどうか不明。))
--本作の主人公。妻であるミアを助けにベイカー邸に乗り込む。異常なほど肝が据わっており、ベイカー邸で起こる不気味な現象にも関心を示さず、手首や足を切られるという危機的な状況にも大して動じない((もっとも、バイオテロによるバイオハザードが当たり前になった世界ではあるが。))。
---プレイヤーに感情移入させるためか素顔は全く拝めない様になっている。

-ミア・ウィンターズ
--イーサンの妻で本作のヒロイン。ベイカー邸に三年間囚われていたがイーサンの手によって救出される。しかし、時折正気を失いイーサンに襲い掛かってくる。

-ジャック・ベイカー
--ベイカー邸の主。家族共々正気を失っており、ベイカー邸にやってきたイーサンの敵として立ちはだかる。
//体験版では「お前も家族だ!」と言ってプレイヤーを殴りつけるところで終了するエンディングから、ファンの間ではファミリーパンチ親父、略してファミパン親父(おじさん)という愛称で呼ばれる。

-マーガレット・ベイカー
--ジャックの妻。イーサンに対して料理(という名のグロテスクな物体)をごちそうしてくれる。特殊なランタンを用いて食人虫を使役する。

-ルーカス・ベイカー
--ジャックの息子。自作のトラップや仕掛けで人を挑発し弄ぶ。

-ゾイ・ベイカー
--ベイカー邸における唯一の味方でイーサンを電話ごしにサポートしてくれる。

-謎の老婆
--ベイカー一家の祖母とされる車椅子の老婆。イーサンの行く先々に現れるが、こちらを見つめるだけで害は無い。一見、既に死んでいるようにも見えるが…。

-クランシー・ジャービス
--テレビ局のカメラマン。取材として同僚のアンドレとピーターとともにベイカー邸を訪れる。作中のビデオ撮影だけでなく、VR体験コンテンツ『KITCHEN』やDLC“発禁フッテージ”で主人公を務める。
---イーサンと同じく素顔は分からないようになっている。

-モールデッド
--ボスと食人虫を除くと本作唯一のクリーチャー。ドス黒い人型の怪物。
--亜種として手が大きいブレード・モールデッド、4足歩行で俊敏な動きのクイック・モールデッド、大型で猛毒の酸を吐くファット・モールデッドがいる。
#endregion

-DLC
--本編の補完シナリオとミニゲームの二種類が存在する。
#region
-''Banned Footage(発禁フッテージ)''((「ベイカー家で発見されたビデオテープ」という名目で、本編とは異なる屋敷で起こった過去の事件を追体験する。))
--ナイトメア:深夜のベイカー邸の地下に囚われたクランシーが日が出るまでひたすらモールデッドやジャックを退け続ける。
--ベッドルーム:クランシーが密室に仕掛けられた謎を解き脱出する。ただし、マーガレットにバレるとペナルティを食らうため、慎重かつ迅速な行動が求められる。
--イーサン マスト ダイ:ベイカー邸の探索をして最奥エリアにいるマーガレットを倒す。「アイテムの位置がランダム」「敵の攻撃力が即死レベル」などの制約があり難易度は高め。
--21:トランプのブラックジャックに特別なカードやペナルティなどのアレンジを加えた死のゲームにクランシーが挑むはめに……。
--ドウターズ:本編の前日談。三年前にベイカー邸に何が起こったのかがゾイ視点から明かされる。
--ジャック 55th バースデー:55歳の誕生日を迎えたジャックのために食事を運ぶという内容で、終始シリアスな本編とは一転しておふざけ全開に仕上がっている。
-''Not A Hero''
--本編最終盤に現れる"''あの男''"の活躍を描く。
-''End of Zoe''
--本編の後日談。ゾイにフォーカスを当てた内容。
#endregion

----
**評価点
''怖さに重きをおいたゲームデザイン''
-近年のシリーズ作品が、『4』『5』『6』とアクション要素をどんどん強くする一方でホラーとしては陳腐化していったのに対して、本作で再び純粋なホラーに回帰したことを評価する声は多い。
-時折聞こえる怪しい物音、不気味に動く影、突然襲いかかるクリーチャー。ホラーとしての雰囲気の完成度が高く、『1』のキャッチコピーであった「そこを歩く、という恐怖」を見事に表現している。
-一人称視点となったことで「逃げる」「隠れる」といった行動にも緊迫感が生じ、恐怖を楽しめる。

''美麗なグラフィック''
-新エンジンを用いたグラフィックは、それまでのカプコン製作品と比べても一段と完成度が高く、海外製のAAAタイトルと比べても遜色のない出来栄え。
--汚れにまみれた薄暗いベイカー邸は、臭いが漂ってきそうなほどリアルで、非常に没入しやすい。

''PlayStation VRによる更なる恐怖体験''((ただし、DLCのBanned Footageに含まれる「イーサン マスト ダイ」「ジャック 55th バースデー」には非対応))
-別売りのPlayStation VRでプレイすることによって、あたかも自分がゲーム内のフィールドにいるように感じることができ、プレイに臨場感が増す。
-真の恐怖体験をその身で感じたい方は是非VRでプレイすることを勧める。

''快適なUI''
-武器を十字キーにセットすることで、快適に武器変更することができる。
-ピンチの時に使用するガードや回復もボタン1つで瞬時に行うことができる。
-体力や装備品といった画面表示物を極限まで排したUIデザインも、没入感を高めるのに一役買っている。

''過去作を意識した要素''
-回復手段にハーブが使用される、ナイフクリアが可能、体力表示はポーズ画面などに出る心電図で表現される等、旧作を意識した作りになっている。
--長大なフィールドが舞台の近年の作品から一転し、シリーズ初期作のような「閉鎖空間でのサバイバル&脱出劇」へと回帰している。
//そして本作はベイカー農場のみの狭い舞台で展開する。
--中盤で明らかになるベイカー邸の設計者など、過去作とのつながりは、一見ないように見えてそこかしこにちりばめられている。
-特に終盤の展開は旧作ファンなら誰もがニヤリとしたはず。

''日本語吹き替え音声が字幕と一致している''
-過去作には日本語吹き替え音声と字幕が一致していなかったり、字幕に誤植があったりした作品が見受けられたが、本作はちゃんと同じである。

''シームレスなゲーム展開''
-場所移動等でロード時間は一切なく、チャプターごとに区切られていないため、シームレスにゲームを進めることができる。

''サバイバルホラー要素の回帰''
-敵からのアイテムドロップが無くなったために、手に入るものを上手く使っていかなくてはならないなど、「サバイバル」の要素もきちんと盛り込まれている。
-クリア後の特典として恒例の無限弾が登場するが、武器の装弾数が少なくなっており、上手くバランス調整されている。

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**賛否両論点
''『4』以降から続いた路線の変更''
-『CV』から『4』への移行と同様、開発のマンネリ打破への試みを受け入れるプレイヤーも多いが、受け入れられなかったプレイヤーも少なくない。
--『4』の時と同様、フルモデルチェンジをする以上避けては通れない道だろう。今後、この路線が定着していけば評価も変わってくると思われる。

''一人称視点の採用''
-これにより臨場感が増し、三人称視点では限界が来ていた怖さをより追求できるようになった。~
もともと一人称視点自体は初代の開発初期で構想されつつ「恐怖感がイマイチ」という理由で没になっていたのだが、より深い没入感とリアリティを追求できるところまでハード性能が向上したことの賜物と言えよう。
--その反面、操作の複雑さから人を選ぶ事となってしまった点は否めない。
---以前は基本的に「移動」と「照準(視点)操作」が独立していたが、今作の場合は探索から戦闘に至るまでその二つを両立しなければならないため、特に旧来のファンにとっては操作に馴染み難く、つまずいてしまいやすい。
---序盤から近接攻撃によるヒットアンドアウェイを多用し、更に弱点も突いていかなくてはならない点がかなりの追い討ちとなってしまった。
---体験版の時点で、従来の三人称視点、欲を言えば固定カメラによる視点も導入してほしいという意見も見られた。
--また従来よりも3D酔いしやすくなっており、それが苦手なプレイヤーは長時間プレイしづらくなっている。PlayStation VRを使用すると尚更キツくなる。
-左スティック押し込みでダッシュという操作法も賛否別れている。
--前述の視点と移動や他の操作との兼合いであったり直感性を取るという配慮でもあり、またFPSやTPSジャンルにおいて普遍的な操作方法ではあるため、これについては仕方のない部分もある。
-プレイヤーの分身でもあるイーサンは完全な没個性ではなく頻繁に悪態をつくため、没入感を妨げる要因にもなりうる。

''代わり映えのしないシステム''
-過去のシリーズ作品と比べても革新的なシステムは少なく、クラフトシステムも分離が可能になったことを除けば『3』や『RV2』の焼き直し。演出面とは裏腹に根本的なシステム面ではあまり進化していないと言える。
--上記の「路線変更」とは相反する部分であり、シリーズファンに対する「バイオハザードらしさ」を残した結果とも言える。
---特に、リソースマネジメント(アイテム管理)のシステムは、本シリーズの「恐怖感」を形成する上で重要なゲーム要素のひとつであり、下手にいじると却ってファンからの批判に繋がる可能性もあるので一概にだめとは断じれない部分でもある。

''虫''
-シリーズに毎回登場している虫(またはそれに準じたクリーチャー)は本作にも登場しているが、グラフィック向上によってかなりリアルな見た目になっている。しかも序盤からそれを見る機会が存在する。
-本編中盤に訪れるあるステージは、虫嫌いの人にとってまさに地獄である。((図らずもそのステージのロード画面では羽虫のアップが映される))
--一方、ホラーゲームとしてのグロテスクさや気色悪さを求めていた層からは、好意的に評価されている。

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**問題点
''『BIOHAZARD』の7作目である意義の薄さ''
-ナンバリング最新作であるにも拘らず、歴代キャラの出番や用語が申し訳程度しかなく、ファンからの「外伝や完全新作として出した方が良かったのでは?」という指摘も多い。
--終盤に過去作のキャラが一人登場するものの、デザインが大幅に変わっているため違和感を覚える。
--ホラーとしても後述のようにB級ホラー映画の影響が強く、『1』『CV』『4』のようなゴシックホラー要素は失われており、それまでとの方向性の違いが良くも悪くも強く感じられ易い。
--歴代キャラの出番の少なさについてはスタッフ曰く「本作が初プレイとなる新規プレイヤー層に過去作を意識せずに楽しんでもらえるようにするための配慮」であるという。
--その一方で「シリーズをリブートしたわけではない」「スピンオフ作を含めて続いてきた世界観に位置付けられる作品」という発言もあるため、やはり旧作からのファンにとっては、過去作との結びつきの弱さは疑問点に映るだろう。
//---歴代キャラに関しては、そのキャラを主人公としたストーリーDLCが無料配信予定とされている。
//-言ってしまえば「BIOHAZARDのネームバリューに頼った」と捉えることも可能で、本作を続編として期待して買った場合、雰囲気のギャップから落胆を覚える可能性もある。

''恐怖演出のパターンの少なさ''
-せっかくの怖さもパターンの少なさからマンネリしやすい
--敵の種類が非常に少ない。特徴で述べた通り雑魚敵はモールデッド4種((ファット・モールデッドは半ば中ボスのような扱いで、必ず倒さなければならない個体も存在するが。))と食人虫のみ。それらも通路の邪魔にならない一部を除き大半がスルーできてしまうため、せっかくのサバイバル要素も薄くなっている。ボスも少ない割に完全撃破までが長いためマンネリしやすい。また、アクション要素も控えめになっており爽快感が弱くなっている。
---この点に関しては『Not A Hero』『End of Zoe』にて、4以降定番となった格闘技を導入したことで大幅にテコ入れされた。
--ボスが狂った人間な都合上、見た目のインパクトは弱く怖さのピークは序盤に来てしまう。慣れてしまうと傍目には滑稽に見える。
---特にルーカスは主人公を怖がらせるというより、脅かしたりからかうことが目的になっており、怖さはほとんどない。
--後半からは主人公が逃げる側から狩る側に変わる「いつものバイオハザード」な展開のため、人によっては違和感を覚える。

''ボリュームの薄さ''
--舞台のスケール感が縮小された分、ストーリーが大幅に短くなっており、一周10時間にも満たない。この点も原点回帰と言えるが、ボリュームが増していた近年の作品に慣れたプレイヤーにとっては物足りない。
--『6』はボリューム面に限って言えばシリーズ最高クラスだったこともあり、本作はフルプライスのソフトとしては不足し過ぎていると言わざるを得ない。
-加えてやりこみ要素もほぼない。ビデオテープやエブリウェア人形破壊、アンティークコイン収集などの寄り道はあるものの、本編の短さを補えているとは言い難い。
--有料DLCである程度カバーできるが、その場合さらに出費がかさむことになる。数が多いのも難点。
--一方、タイムアタックしやすいボリュームとも言え、本作を2時間強でクリアした猛者もいる。
---現在ではDL版の価格が全機種3,000円程度に値下げされている他、後述の完全版である『GOLD EDITION』が発売されており、ボリュームに関する難点は解消されている。

''残虐な演出''
-手のひらをドライバーで突き刺され壁に打ち付けられる、手首や足を切断される、ペンチで生爪を剥ぐなど思わず目を背けたくなる痛々しい描写がある。
--マシンスペックの向上による弊害もあるとはいえ、露骨に生理的嫌悪感を煽るような部分もやや目立つ。
--過去作では滅多に無かった描写であり、「これはホラーではなくスプラッタなどの残虐モノ」であると抵抗を示すプレイヤーも多い。

''イベントシーンの長さ''
-スキップできないイベントシーンが多く、1~2分のイベントシーンが何度も挟まれる。なにより、OPからいきなりイベントシーンのため、すぐに操作できず2分間待機させられる羽目になり周回プレイではストレスが溜まる。~
一方、ムービーはスキップできるものの、''わずか1ヶ所''であるため、ほぼ無意味である。
--DLCではイベントシーンもスキップできるようになっているものの、逆にポーズが出来なくなっている。

''シナリオ''
#region(ネタバレ注意)
-本作は一応のマルチエンディングとなっているがさして意味のないものになっている。
--中盤の終わりでミアかゾイどちらか一人しか助けられなくなるが、ミアを選ぶとゾイは死を選ぶ。~
しかし、''ゾイを選んでもゾイは直後にラスボスに殺される上、その後のイベントでミアも助けられなくなりBADENDになってしまう。''それまで献身的に協力してくれたゾイを助けられないことに絶望したプレイヤーは少なくない。選択肢の存在自体が無意味な上、ただ後味だけが悪い。
--『オペラク』や『RV2』などから何も学んでない。
--そしてミアを選んだルートの時系列を描いたDLCの「End of Zoe」にて、ゾイはまだ生存していることが判明する。彼女の叔父であるジョー・ベイカーと新生アンブレラの活躍により、ゾイは無事生還する。
-終盤、唐突に精神世界に移行し、すでに倒したジャックがゾイを連れて正気の状態で現れ、弁解と説明を始める。あまりにも『BIOHAZARD』らしからぬ非化学的な演出なので、違和感が非常に強い。
#endregion

''有名ホラー映画のパロディシーンの多さ''
#region(ネタバレ注意)
-「狂った家族の住む廃屋」「捕まり縛られた状態で奇妙な物を食べさせられる」「死んでいるように見える座った老婆」「主人公が腕を切り落とされる展開」など、もはや類似と言うより『悪魔のいけにえ』『死霊のはらわた』などの有名ホラー映画をベースにバイオ風味を足したもの、と言えるほど共通点が多い。
--『[[スプラッターハウス]]』のようなパロディを入れた作品ならば評価も出来ようが、バイオシリーズはもともとパロディを売りにするような作品ではないため、安易と評する声もある。
#endregion

''キャラクターの問題''
#region(ネタバレ注意)
-ジャック
--中盤からいきなりクリーチャーの姿で再登場する。話し方でジャックとわかるようになっているものの、唐突感が強い。これまでのシリーズではクリーチャーに変異する場面はしっかり描かれてきたため、単なる手抜きの印象もある。
--『End of Zoe』ではスワンプマンとして復活するが、こちらも唐突過ぎて戸惑うこと必至。

-ミア
--本作のヒロインであり、彼女を助けることがイーサンの当初の目的であるが…。
---中盤にて彼女も生物兵器(=本作のラスボス)を開発した組織の工作員の一人であり、''事件の当事者''であった事が明かされる。つまり、彼女は巻き込まれた被害者ではなく、半ば自業自得の展開である。さらに上記の設定が明かされるのは''選択肢を選んだ後''のため、ミアルートを選んだ人にとっては騙し討ちに近い。~
ただしフォローもしておくと助けを求めたのはラスボスに乗っ取られた人格であり、ミア自身はラスボスを倒すためのアイテムを託したうえで最後にイーサンだけを逃がそうとする。
//これ以前の説明でエヴリンの名前が出てきておらず、ここで唐突に出てくると意味不明になるかもしれないのでぼかしました。あと一応ネタバレにも配慮。

-ルーカス
--作品のトリックスターともいえるキャラだが、プレイヤーがトラップ対決を切り抜けるとそれっきり''姿を消してしまう''。彼との決着は『Not A Hero』までお預けされる。

-あの男
--過去作のあの男が壊滅したはずの''アンブレラ社のヘリコプターで助けに来る''が、何の説明も無いまま本編が終了する。この謎については『Not A Hero』にて資料という形で説明される。

-ジョー・ベイカー
--『エンド・オブ・ゾイ』の主人公だが突然湧いて出た感が否めない。
---おまけにモールデッドを''素手で''倒せてしまうほど強過ぎる。あの男でさえひるませてからのパンチがやっとだったのに・・。
---『6』では''体術が強すぎる事が問題''視されていたが、何も学n(略)。

-上記の通り、消化不良に終わったキャラはDLCで一部補完されたが、配信は発売から半年以上も後であった((特に「Not A Hero」は本来2017年春に配信予定だったのだが延期され、2017年12月にようやく配信された))。
#endregion

''バージョン分割商法''
-「グロテスクVer.」としてZ指定バージョンも同時発売されたのだが、日本の規制事情では過度な表現はできないため独自の表現修正は残っており、その手の内容を求めるユーザーからはわざわざ出す必要があったのかという批判が多かった。
--実際には「海外版(無規制)」>「日本版グロテスクVer.」>「日本版ノーマル」といったところ。
---表現規制の例として、海外版だと内臓が露出しておりどんどん再生していくというシーンなのに日本版ではグロVer.でも特に変化がないせいで分かりにくい展開になってたり、頭の切断シーンではスコップが貫通してるはずなのに何故か頭がくっついたままでバグ画面のような状態になっていたりなど、規制を掛けながらも代替表現が中途半端で分かりづらくなってしまっている箇所もある。
-PC版については日本のSteamストアにはノーマル版とグロテスク版が売られているが、上記の件から日本独自のグロテスクVer.でのユーザーレビューは「わざわざグロテスクVer.を選んだにも関わらず実は規制版」という点で不評を付けている人が多い。
--なお、Steam版については海外ユーザーとのトレードや外部サイトでの購入で海外版を入手した場合、過去作同様に「日本語字幕・日本語音声が収録されており、なおかつ無規制」となっているため、手間こそかかるがもしグロ表現に耐性があり完全版が欲しいならそちらを推奨とも言われている。
-また、Xbox One版では日本通常版のダウンロード版を購入し一旦ダウンロードせずに、本体の設定から地域を日本以外の地域にしてからダウンロードすることで上記Steam海外版のように日本語音声かつ無規制版をダウンロードすることが可能。
-「サイコブレイク」「Until Dawn」など、国内版のみ欠損描写に規制がかかりやすい日本において、厳しい演出を限界まで取り入れたことは十分評価できるが、そもそも日本のユーザーが「このシリーズにその方向での過度な描写を求めているか」という時点で賛否両論である。

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**総評
再び“怖さ”を追求した新たな『BIOHAZARD』。~
単体のホラー作品として完成度は高く、「怖いBIOHAZARD」を見事に蘇らせた。~
近年「サバイバルホラー」としての在り方を完全に見失い、低迷に喘ぎ続けていたシリーズだが、そんな暗黒期から脱出する試みがようやく成功したと言えよう。~

また、シリーズのこれまでの物語とはほとんど絡まない内容であるため、「7」というナンバリングではあるものの、新規プレイヤーも参入しやすいタイトルとなっている。

一方、大胆すぎる路線変更のために、『BIOHAZARD』にホラーをどの程度求めているか、FPSに馴染めるか、『BIOHAZARD』らしさを感じられるか、などによって評価が分かれやすい。「『BIOHAZARD』の最新作」として本作のようなゲームを求めていたファンがどれだけいたかと言われると疑問が生じると言わざるを得ない。~
また、サバイバルホラーとして舞台を絞った弊害でボリュームは非常に薄くなっており、今の時代のソフトとして値段相応だとは言い難い内容だったことも否めない。~

//''残された謎''に関しては先述の「Not A Hero」「エンド オブ ゾイ」でのフォローが期待されるところである。~

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**余談
-多大な注目に反して、国内での売上は『6』の半分以下に落ち込んでしまった。
--もっとも、『6』などの評価やゲーム機の普及台数、フルモデルチェンジなどの影響もあるため、単に本作がつまらないからというわけではない。むしろ体験版などでのつかみは非常に良好であり、ボリューム不足などの要因から早い段階に値崩れを起こしたのも影響しているだろう。
--それに加え、本作の販売数(出荷+DL)そのものは[[2018年3月末時点で全世界510万本>http://www.capcom.co.jp/ir/news/html/180406.html]]を達成しており、決して商業的に失敗しているわけではない。

-海外での評価はかなり高く、Metacriticのスコアはコンシューマ版が86でPC版が83。
--『6』や『[[ORC>BIOHAZARD Operation Raccoon City]]』といった近作がなべて60~70点台に低迷していたことを考えると、名誉挽回に成功したと言って良いだろう。
--シンプルなゲームデザインへと回帰してホラー要素を追求したことを評価する声が大きい一方で、批判的なレビューは主にアクション性の薄さなどが原因となっている。

-体験版は当初、PlayStation Plus入会者限定だったが、現在は一般公開されている。
--FPS操作に馴染めるかどうか不安なら、こちらをダウンロードすることをオススメする。
--また、隠された謎を解くと本編で役立つアイテムが貰える。なお、この謎はかなり難解で超常的である。

-VR体験コンテンツ『KITCHEN』は、当時開催されたVR体験会のソフトの1つであったが、現在はPlayStation Storeにて100円で購入できる。

-タイトルロゴの『''BIOHAZARD''』の「''Z''」の部分には「''COLOR(orange){7}''」の意匠が施されている。
--一方、海外版では同様に『''RESIDENT EVIL''』の「''VIL''」の部分に「''COLOR(orange){VII}''」の意匠が施され、日本版ロゴと共通点を持たせたものになっている。
--余談だが、後述の『''BIOHAZARD COLOR(red){RE:}2''』のタイトルロゴも海外版では『''COLOR(red){R}ESIDENT COLOR(red){E}VIL 2''』と、本作同様日本版との共通点かつRE ENGINE使用を含ませたデザインになっている。

-本作で使用された「RE ENGINE」は、本作以外の様々な作品に採用される予定と明言された。
--2019年1月25日に発売された『BIOHAZARD RE:2』にも使用され、2019年3月8日に発売された『Devil May Cry 5』にも、RE ENGINEの改良版が使用されている。

//-副題の「''resident evil''」(邪悪な住人)はBIOHAZARDシリーズの海外でのタイトル。本作の海外版は逆に「''Biohazard''」(生物災害)を副題としている。
//--長らく掲げてきたタイトルを今一度名乗ることで、「原点回帰」をアピールしているのかもしれない。
//概要と重複

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*BIOHAZARD 7 resident evil GOLD EDITION
【ばいおはざーど せぶん れじでんと いーびる ごーるど えでぃしょん】

*BIOHAZARD 7 resident evil GOLD EDITION グロテスクVer.
【ばいおはざーど せぶん れじでんと いーびる ごーるど えでぃしょん ぐろてすく ばーじょん】
|ジャンル|サバイバルホラー|#amazon(B075FS5XTF)|
|対応機種|プレイステーション4&br;XboxOne&br;Windows 7~10|~|
|発売・開発元|カプコン|~|
|発売日|2017年12月14日|~|
|定価|パッケージ版&br【PS4】4,990円&br;DL版&br;【PS4/Steam】4,620円&br;【One】4,680円&br;【Win10 UWP】4,630円(各税別)|~|
|判定|なし|~|

**概要
-『Banned Footage Vol.1&Vol.2』『End of Zoe』を同梱した完全版。
-セーブデータは無印版のものを使用できる。また、無印版を購入したユーザー向けに上記の追加要素をまとめた有料DLCが配信されている。
-パッケージはPS4のグロテスク版のみ。PS4通常版およびその他のプラットフォームの両バージョンはダウンロードでのみ販売。

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*BIOHAZARD 7 resident evil cloud version
【ばいおはざーど せぶん れじでんと いーびる くらうど ばーじょん】
|ジャンル|サバイバルホラー|
|対応機種|Nintendo Switch|
|発売・開発元|カプコン|
|発売日|2018年5月24日|
|定価|ダウンロードソフト:無料&br()利用料:180日 2,000円(税込)|
|判定|なし|

**概要
-Nintendo Switch用にクラウドゲームとして配信。
--本体自体は無料だが、別途利用料を支払う形でプレイする。最初に15分間は体験版として無料でプレイ可能。

-ゲーム内容はこれまでの追加コンテンツを全て内包したグロテスクVer.準拠となっており、レーティングもZ指定となる。
--SwitchのJoy-Conに合わせ、新たにジャイロ操作に対応している。
--一方でRESIDENT EVIL.NET非対応、セーブデータはサーバー保存のため利用期間外はデータ保証無し、解像度の低下や常時安定した通信環境が必須になるなど、クラウドサービス故の難点もまた多い。