*スーパー戦隊データカードダス 【すーぱーせんたいでーたかーどだす】 |ジャンル|トレーディングカードアーケードゲーム|~| |対応機種|アーケード|~| |発売元|バンダイナムコエンターテインメント|~| |稼働開始日|2018年2月15日|~| |プレイ料金|100円|~| |判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~| |ポイント|建前通りのカード自動販売機|~| |>|>|CENTER:''[[スーパー戦隊ゲームリンク>スーパー戦隊シリーズ]]''| |>|>|CENTER:''[[データカードダスシリーズリンク>データカードダスシリーズ]]''| ---- #contents() ---- **概要 -2014年に『[[スーパー戦隊バトル ダイスオー]]』が稼働終了して以来、久しく登場していなかったスーパー戦隊のデータカードダス。 --データカードダスOタイプの筐体を採用しており、排出されるカードはその場で印刷されるオンデマンドタイプとなっている。 --2018年時点ではスーパー戦隊シリーズ最新作である「快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー」をメインに取り扱っている。そのため、2018年時点の正式なゲームタイトルは「スーパー戦隊データカードダス 快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー」である。長い。 --通常、データカードダスシリーズはタイトルの頭に「データカードダス」が付くが、なぜか本作はタイトルの後に付いている。 -スーパー戦隊と並び称される特撮作品である仮面ライダーやウルトラマンが現在もデータカードダス展開を続ける中、スーパー戦隊のみ『ダイスオー』以来長らく展開が途切れていた。そんな中に飛び込んできた本作の情報はかつてのダイスオーファンを大いに期待させるものだったが、蓋を開けてみると……。 **ゲーム内容 +100円を投入し、カードを買うか、スーパー戦隊おうえんバトルを選択する。カードは100円につき1枚、最大5枚まで購入可能。 +「スーパー戦隊データライセンス」と呼ばれるQRコードの記載されたセーブ用のカードを読み込ませる。カードなしで遊ぶことや、その場で新しく作ることも可能。 +カードを1枚スキャンする。スキャンしたカードにより、登場する戦隊やガイドのキャラクターが変わる。また、スキャンしたカードのレアリティにより(☆1~3)、後述する「おうえんパワー」のボーナスが貰える。 +戦隊と敵のバトル。戦隊を直接操るのではなく、ボタンを押す。ボタン連打やレバー回転といった要素で、応援という形でバトルへ介入する。バトル中に「おうえんパワー」と呼ばれるポイントが貯まり、5つ貯まるごとに印刷対象となるカードの候補が増える。 +敵を倒すと、今度は巨大化して襲い掛かってくる。戦隊側はロボットを繰り出してさらに戦うことになるのだが、このロボバトルを行うには追加で100円の投入が必要。 +バトル終了後、ゲーム中に手に入れたカード候補から1枚選択して排出する。ロボバトルを行っていた場合は2枚選択して排出する。 **問題点 -''あまりにも薄すぎるゲーム性'' --上記のゲーム内容だけを読むと、手持ちのカードで好きな戦隊のメンバーを選択してチームを結成し、タイミング良くボタンを押したり、ボタンを連打することで、戦闘力を上げて敵と戦うゲームである……そんなイメージができるだろう。&bold(){だが、本作はそのような内容ではない。} ---カードは1枚しかスキャンできない。そのため、登場する戦隊はルパンレンジャーかパトレンジャーの固定メンバー3人のみ。好きなメンバーでチームの結成をすることはできない。 ---ボタンを押すことにタイミングは要求されない。ボタンを押せ! と言われたら、タイミングに関係なく押せば良いだけである。もっと言えば放置しても、押した扱いになってゲームが進む。 ---ボタン連打についても、連打すれば確かにそのパワーで敵を押し返すが、数値的なものが増えるわけではない。また、少ししか連打しなくても、すぐにゲージが貯まる。&br; ちなみにボタン連打については放置すると、勝手にゲージが貯まらず敵に負けてしまう。その際は「ちゃんと応援してくれ」とレンジャーに文句を言われるか、別のレンジャーが乱入して代わりに戦ってくれて、ゲームが進む。 ---レバー回転も同様にすぐにゲージが貯まるが、放置してもなぜか勝手にゲージが上がり、レバーを回した扱いになる。 ---以上のことから、バトルが始まってから一切ボタンを押さなくても、自動で勝った扱いになる。 --数値的なものが一切登場しない。戦隊にも敵にも攻撃力やHPのような設定はない。スコアもないため、ランキングのようなものもない。 ---おうえんパワーが唯一のバロメーターとなるかもしれないが、どのようなバトル展開であろうと、貰えるポイントは一定である。 ---戦うレンジャーによって得意、不得意な設定もなく、属性のようなものもない。 --結局のところ、プレイヤー側は介入できる要素がほとんど存在せず、終始見ているだけになる。 ---ちなみに、ご丁寧にもゲーム中で「&bold(){レバーやボタンの操作に関わりなくおうえんパワーがもらえる}」旨をガイドキャラが教えてくれる。&bold(){ならばもはや遊ぶ意味すらないのでは?} -''バトルが貧相'' --前述のとおり、ゲーム性がなかろうとも、プレイヤーの胸を熱くさせるレンジャーによる戦闘が見られるのなら、本作の存在価値はあったのかもしれない((ちなみに、本作と同じくプレイヤーによる操作に一切かかわりなく勝敗・当たり外れが判定されるゲーム(のような何か)として『くじガシャポン 仮面ライダーブットバソウル』があるが、あちらは歴代ライダーの出演俳優を起用した豊富なキャラクターボイスやド派手な当たり予告など、演出面に定評がある。))。しかし、本作のバトルは一昔前のソシャゲにように1枚絵で動きのない敵に向かって攻撃を仕掛ける、というものになっており、恐ろしく手を抜いた内容になっている。 ---具体的に言うと、戦隊側が3DCGなのに対し敵側は&bold(){劇中スチールを流用した写真}である。さらに「レジェンド戦隊チャンス」で助けに来てくれる歴代戦隊すら&bold(){集合写真}という始末((助けに来る際にその戦隊のレッドと思しき人物が一言喋るが、戦隊によってはその一言すら作中におけるレッドのキャラクターに沿っていなかったり、寄せる努力すらしていない代役の声だったりする。『ダイスオー』で見せた偏執的とさえいえる劇中ネタ再現力はいったいどこへ……?))。 ---レンジャーやロボットは3DCGで描かれてこそいるが、他のデータカードダスと比較するとその質はさして高くない。というか、『ダイスオー』((または、そのCGを流用したゲームアプリ『スーパー戦隊 レジェンドウォーズ』。))から&bold(){まるで進歩していない}。 -''追加料金を取られるロボバトル'' --敵とのバトルが終わると、敵が巨大化してくるので、それを食い止めるため、戦隊側はロボットを繰り出して戦うことになる。だが、それを遊ぶのになぜか追加で100円払わねばならない。しかもバトル自体はさほど時間もかからずに終わる。 ---先述の通りロボの3DCGも大した出来ではなく、合体シーンは写真カットイン。2弾からはルパンカイザーナイトやパトカイザーバイカーといった武装合体形態も登場するようになったが、だからといって攻撃モーションは一切変化しない。挙句必殺技は&bold(){謎のオリジナル技}((ルパンカイザーなら「イタダキバスター」、パトカイザーなら「イチゲキバスター」と名称こそ異なるが、技の内容はどちらも胸部から放つ謎ビームである。無論本編にはこのような技は存在せず、『ダイスオー』におけるゴーカイオーの「ゴーカイクラッシュ」のように本編に輸入される気配もない。))。 --このロボバトルは、たまに発生する特別イベントではなく、毎回必ず発生する。そのため、必然的に1プレイ200円となってしまう。まあ無理してロボバトルをする必要もないのだが。 --そしてそのロボバトルも、ロボットの攻撃方法を何度か選択するだけであり、防御やカウンターのような駆け引きや敵によって効果が違うなど、ゲーム的要素が一切ないことも追記しておく。ちなみにこちらでも選択しないと、勝手に戦ってくれる。 ---一応、ロボバトルでもらえるおうえんパワーによって獲得できるカード候補が多少増えるというメリットはある。だが、逆を返せば&bold(){メリットなどその程度しかない}。 -''ほとんど意味のないデータライセンス'' --一般的にTCAGのセーブ機能はプレイヤーのスコアや、クリア状況などが保存されるが、本作にはそういったものは存在しない。データライセンスで保存されるのは、プレイヤーの名前・誕生日・集めたカードの情報のみである。そのため、作成するメリットが非常に乏しい。 ---その乏しいメリットは、個人のカード収集状況に応じカード候補の上に「持っていないカード」という表示がなされる、ゲーム終了後に見られるカードアルバムが埋まっていく、といった程度のものである。あったらあったで便利だが、なくても別に構わないレベル。 --データライセンスには、ルパンレンジャー仕様とパトレンジャー仕様の2種類あり、作成するときにどちらか選択することができる。選択したレンジャー側のカードが排出されやすくなる、という効果がある。また、誕生日の月に遊ぶと、特別なカードがもらえる。 ---これらはカード排出についての効果であり、ゲームには影響しない。 **評価点 -''排出されるカード'' --登場人物のブロマイド的なカードや、レンジャーのカード、名シーンのカードなどが排出される。特に名シーンのセレクトは絶妙であり、第4話でぬいぐるみに頬ずりするつかさ、第11話で&bold(){性転換させられたパトレンジャー}など、印象的なシーンが数多くカード化されている。 ---名シーンのカードは「スペシャルカード」と呼ばれ、基本的に毎週日曜の『ルパンレンジャーVSパトレンジャー』放送後に3枚ずつ更新される。テレビで見たシーンをすぐにカードとして入手することができるのは、オンデマンドタイプのデータカードダスならではの要素といえる。 ---レジェンド戦隊カードとして、過去のスーパー戦隊もカードとして排出される。これらはいずれもレアリティ☆3として扱われる上、使用すると必ずレジェンド戦隊チャンスが発生するため、おうえんパワーを増やすのに重宝する。 --排出されるカード自体はファンアイテムとして優秀であるため、スーパー戦隊のカードの自販機扱いされることも。キッズ向けTCAGの建前上、間違ってはいないのだが……((キッズ向けTCAGは、風営法回避のため、法律上は「カードの自動販売機」となっている。そのため、風営法の規制にとらわれず、スーパーなどに気軽に設置することができる。))。 ---そもそもゲーム中にやたらとカード排出についての話ばかりされるので、公式的にもそのような扱いかもしれない。 **総評 -本作は未就学児を対象としているとのことだが、だからといってここまでゲーム性が薄すぎるのは如何なものか。便宜上、判定は「クソゲー」としているが、果たして本作は「ゲーム」と呼んでいいのかすらわからない。プレイしていると虚無感すら漂ってくる本作は、「&bold(){ゲー無}」と呼ぶのが最も適切ではないかと思われる。