スーパー戦隊データカードダス
【すーぱーせんたいでーたかーどだす】
ジャンル
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トレーディングカードアーケードゲーム
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対応機種
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アーケード
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発売元
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バンダイ
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開発元
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メトロ
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稼働開始日
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2018年2月15日(2020年3月31日稼働終了)
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プレイ料金
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100円
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判定
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クソゲー
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ポイント
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建前通りのカード自動販売機
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スーパー戦隊ゲームリンク
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データカードダスシリーズリンク
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概要
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『スーパー戦隊バトル ダイスオー』が2014年に稼働終了して以来、3年間登場していなかった「スーパー戦隊シリーズ」のデータカードダス。
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データカードダスOタイプの筐体を採用しており、排出されるカードはその場で印刷されるオンデマンドタイプとなっている。
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2018年時点ではシリーズ最新作である「快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー」をメインに取り扱っている。そのため、2018年時点の正式なゲームタイトルは『スーパー戦隊データカードダス 快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』である。長い。
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通常、データカードダスシリーズはタイトルの頭に「データカードダス」が付くが、なぜか本作はタイトルの後に付いている。
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スーパー戦隊と並び称される特撮作品である「仮面ライダー」「ウルトラマン」が現在もデータカードダス展開を続ける中、スーパー戦隊のみ『ダイスオー』以来長らく展開が途切れていた。そんな中に飛び込んできた本作の情報はかつてのダイスオーファンを大いに期待させるものだったが、蓋を開けてみると……。
ゲーム内容
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100円を投入し、カードを買うか、スーパー戦隊おうえんバトルを選択する。カードは100円につき1枚、最大5枚まで購入可能。
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「スーパー戦隊データライセンス」と呼ばれるQRコードの記載されたセーブ用のカードを読み込ませる。カードなしで遊ぶことや、その場で新しく作ることも可能。
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カードを1枚スキャンする。スキャンしたカードにより、登場する戦隊やガイドのキャラクターが変わる。また、スキャンしたカードのレアリティにより(☆1~3)、後述する「おうえんパワー」のボーナスが貰える。
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戦隊と敵のバトル。戦隊を直接操るのではなく「応援」する形式なのが特徴。ボタン連打やレバー回転といった操作を行う事によりバトル中に「おうえんパワー」と呼ばれるポイントが貯まり、5つ貯まるごとに印刷対象となるカードの候補が増える。
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敵を倒すと、今度は巨大化して襲い掛かってくる。戦隊側はロボットを繰り出してさらに戦うことになるのだが、このロボバトルを行うには追加で100円の投入が必要。
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バトル終了後、ゲーム中に手に入れたカード候補から1枚選択して排出する。ロボバトルを行っていた場合は2枚選択して排出する。
問題点
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あまりにも薄すぎるゲーム性
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上記のゲーム内容だけを読むと、手持ちのカードで好きな戦隊のメンバーを選択してチームを結成し、タイミング良くボタンを押したり、ボタンを連打することで、戦闘力を上げて敵と戦うゲームである……そんなイメージができるだろう。
だが、本作はそのような内容ではない。
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カードは1枚しかスキャンできない。そのため、登場する戦隊はルパンレンジャーかパトレンジャーの固定メンバー3人のみ。好きなメンバーでのチーム結成はできない。
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ボタンを押すことにタイミングは要求されない。ボタンを押せ! と言われたら、タイミングに関係なく押せば良いだけである。もっと言えば、放置しても押した扱いになってゲームが進む。
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ボタン連打についても、連打すれば確かにそのパワーで敵を押し返すが、数値的なものが増えるわけではない。また、少ししか連打しなくても、すぐにゲージが貯まる。
ちなみにボタン連打については放置すると、勝手にゲージが貯まらず敵に負けてしまう。その際は「ちゃんと応援してくれ」とレンジャーに文句を言われるか、別のレンジャーが乱入して代わりに戦ってくれて、ゲームが進む。
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レバー回転も同様にすぐにゲージが貯まるが、放置してもなぜか勝手にゲージが上がり、レバーを回した扱いになる。
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以上のことから、バトルが始まってから一切ボタンを押さなくても、自動で勝った扱いになる。この手のゲームにありがちな運要素すら存在しないという有様。
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数値的なものが一切登場しない。戦隊にも敵にも攻撃力やHPのような設定はない。スコアもないため、ランキングのようなものもない。
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おうえんパワーが唯一のバロメーターとなるかもしれないが、どのようなバトル展開であろうと、貰えるポイントは一定である。
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戦うレンジャーによって得意、不得意な設定もなく、属性のようなものもない。
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結局のところ、プレイヤー側は介入できる要素がほとんど存在せず、終始見ているだけになる。
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ちなみに、ご丁寧にもゲーム中で「
レバーやボタンの操作に関わりなくおうえんパワーがもらえる
」旨をガイドキャラが教えてくれる。
ならばもはや遊ぶ意味すらないのでは?
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バトル・演出が貧相
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前述のとおり、ゲーム性がなかろうとも、プレイヤーの胸を熱くさせるレンジャーによる戦闘が見られるのなら、本作の存在価値はあったのかもしれない。しかし、本作のバトルは一昔前のソシャゲのように一枚絵で動きのない敵に向かって攻撃を仕掛ける、というものになっており、恐ろしく手を抜いた内容になっている。
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具体的に言うと、戦隊側が3DCGなのに対し敵側は
劇中スチールを流用した写真、ハリボテ
である。さらに「レジェンド戦隊チャンス」で助けに来てくれる歴代戦隊すら
集合写真
という始末。
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助けに来る際にその戦隊のレッドと思しき人物が一言喋るが、戦隊によってはその一言すら作中におけるレッドのキャラクターに沿っていなかったり、寄せる努力すらしていない代役の声だったりする。『ダイスオー』で見せた偏執的とさえいえる劇中ネタ再現力はいったいどこへ……?
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レンジャーやロボットは3DCGで描かれてこそいるが、他のデータカードダスと比較するとその質はさして高くない。というか、『ダイスオー』から
まるで進歩していない
。
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『くじガシャポン 仮面ライダーブットバソウル』も本作と同じくプレイヤーによる操作と無関係に抽選を行うものだが、あちらが歴代ライダーの出演俳優を起用した豊富なキャラクターボイスやド派手な当たり予告に定評があることを鑑みると、悲しいものがある。
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追加料金を取られるロボバトル
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敵とのバトルが終わると、敵が巨大化してくるので、それを食い止めるため、戦隊側はロボットを繰り出して戦うことになる。だが、それを遊ぶのになぜか追加で100円払わねばならない。しかもバトル自体はさほど時間もかからずに終わる。
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先述の通りロボの3DCGも大した出来ではなく、合体シーンは写真カットイン。2弾からはルパンカイザーナイトやパトカイザーバイカーといった武装合体形態も登場するようになったが、だからといって攻撃モーションは一切変化しない。
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必殺技は
謎のオリジナル技
である。ルパンカイザーなら「イタダキバスター」、パトカイザーなら「イチゲキバスター」と名称こそ異なるが、技の内容はどちらも胸部から放つ謎ビームである。本編にはこのような技は存在せず、『ダイスオー』におけるゴーカイオーの「ゴーカイクラッシュ」のように本編に輸入される気配もない。
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尚本編では、ルパンカイザーは巨大VSチェンジャーからの乱射攻撃「グッドストライカー連射 倒れちまえショット」、パトカイザーは左腕部のキャノンを使った「パトカイザー弾丸ストライク」という技が基本の必殺技。胸からビームを放つシーンは無い。
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このロボバトルは、たまに発生する特別イベントではなく、毎回必ず発生する。そのため、必然的に1プレイ200円となってしまう。まあ無理してロボバトルをする必要もないのだが。
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そしてそのロボバトルも、ロボットの攻撃方法を何度か選択するだけであり、防御やカウンターのような駆け引きや、攻撃方法を使い分けることによりダメージが異なるなど、ゲーム的要素が一切ないことも追記しておく。ちなみにこちらでも選択しないと、勝手に戦ってくれる。
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一応、ロボバトルでもらえるおうえんパワーによって獲得できるカード候補が多少増えるというメリットはある。だが、裏を返せば
メリットなどその程度しかない
。
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ほとんど意味のないデータライセンス
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一般的にTCAGのセーブ機能はプレイヤーのスコアや、クリア状況などが保存されるが、本作にはそういったものは存在しない。データライセンスで保存されるのは、プレイヤーの名前・誕生日・集めたカードの情報のみである。そのため、作成するメリットが非常に乏しい。
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その乏しいメリットは、個人のカード収集状況に応じカード候補の上に「持っていないカード」という表示がなされる、ゲーム終了後に見られるカードアルバムが埋まっていく、といった程度のものである。あったらあったで便利だが、なくても別に構わないレベル。
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データライセンスには、ルパンレンジャー仕様とパトレンジャー仕様の2種類あり、作成するときにどちらか選択できる。選択したレンジャー側のカードが排出されやすくなる、という効果がある。また、誕生日の月に遊ぶと、特別なカードがもらえる。
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これらはカード排出についての効果であり、ゲームには影響しない。
評価点
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排出されるカード
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登場人物のブロマイド的なカードや、レンジャーのカード、名シーンのカードなどが排出される。特に名シーンのセレクトは絶妙であり、第4話でぬいぐるみに頬ずりするつかさ、第11話で
性転換させられたパトレンジャー
など、印象的なシーンが数多くカード化されている。
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名シーンのカードは「スペシャルカード」と呼ばれ、基本的に毎週日曜の『ルパンレンジャーVSパトレンジャー』放送後に3枚ずつ更新される。テレビで見たシーンをすぐにカードとして入手できるのは、オンデマンドタイプのデータカードダスならではの要素といえる。
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「俳優・中の人」のカードはダイスオー時代には無く、特撮作品全体のグッズ展開としても希少価値がある。
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レジェンド戦隊カードとして、過去のスーパー戦隊もカードとして排出される。これらはいずれもレアリティ☆3として扱われる上、使用すると必ずレジェンド戦隊チャンスが発生するため、おうえんパワーを増やすのに重宝する。
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排出されるカード自体はファンアイテムとして優秀であるため、スーパー戦隊のカードの自販機扱いされることも。キッズ向けTCAGの建前上、間違ってはいないのだが……。
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そもそもゲーム中にやたらとカード排出についての話ばかりされるので、公式的にもそのような扱いかもしれない。
総評
本作は未就学児を対象としているとのことだが、だからといってここまでゲーム性が薄すぎるのは如何なものか。便宜上、判定は「クソゲー」としているが、果たして本作は「ゲーム」と呼んでいいのかすらわからない。プレイしていると虚無感すら漂ってくる本作は、「ゲー無」と呼ぶのが最も適切ではないかと思われる。
更に、「ヒーローの中の人」カードはその対象としていた(と思われる)キッズに対しての需要は皆無に等しい。
もはや何がしたかったのか、どの層がターゲットだったのかわからなくなってしまっている。
にも拘わらず
次作である「騎士竜戦隊リュウソウジャー」でもやることが決定しているとのこと。
ただこちらはゲーム性が入っているため安心してもいい…ハズ。
その後
前述の様に2019年3月からの「騎士竜戦隊リュウソウジャー」放映開始後のテコ入れもあったが功を成さず、2019年11月のRY4弾「マックスケボーンリュウソウまつり!」をもって稼働終了となることが告知され、2020年3月に完全に稼働終了。かつての『ダイスオー』よりも短命に終わってしまった。
最終更新:2022年12月06日 18:53