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*夕闇通り探検隊 【ゆうやみどおりたんけんたい】 |ジャンル|アドベンチャー|&amazon(B00005OVLT,image=https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51RY09MB0HL._SL160_.jpg)| |対応機種|プレイステーション|~| |発売・開発元|スパイク|~| |発売日|1999年10月7日|~| |定価|5,800円|~| |判定|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~| |~|BGCOLOR(lightsteelblue):''スルメゲー''|~| ---- #contents(fromhere) ---- ~ #center(){{ &big(){''ひとりは見た、ひとりは感じた、ひとりは信じた。''} }} ~ ---- **概要 過去にヒューマンから発売された『[[トワイライトシンドローム>トワイライトシンドローム 探索編/究明編]]』の後継にあたる作品(スタッフは一部しか関わっていない)。~ ナオ、クルミ、サンゴの個性豊かな中学生達が、陽見市に流れるウワサを検証していくゲームである。~ ---- **ストーリー >高度成長期に伴い、ベッドタウンとして急速に発展した街「陽見(ひるみ)市」にある陽見中学校では、「人面ガラス」の噂が囁かれていた。~ ナオは「人面ガラスの噂を確かめる」を口実に、想いを寄せる少女クルミを誘い、強引についてきたサンゴと3人で学校裏の森の中にある「鳥塚」に向かう。~ 鳥塚の手前から先へ進もうとしない愛犬メロスを水飲み場につなぎ、クルミとサンゴを残して1人で鳥塚に向かうナオ。そして辿り着いた彼の前に人の顔をしたカラスが現れた。~ 「あと100日で、誰か死ぬ」~ 人面ガラスの不吉な言葉を聞き、恐怖のあまり失神してしまうナオ。これを機に、陽見市で囁かれる数々の噂の検証が始まった。 **メインキャラクター -ナオ --中流家庭の一人っ子。やや気の弱い男の子だが、そんな自分自身を変えるためにクルミに告白することを考えている。 --霊感体質ではないが、霊的なものをぼんやり信じている。 -クルミ --年齢に比してあまりにも天真爛漫な女の子。その言動から「宇宙人」とあだ名を付けられ、同級生の女子には馬鹿にされている。 --作中では彼女が知的障害もしくは自閉症を持っていることを示唆する描写があり、それに苦悩する両親の様子も描かれている。 --霊的なものは彼女にはごく当たり前に存在しているものであり、心霊系の噂話の検証には欠かせない。 -サンゴ --ナオの幼馴染。さばさばした性格で辛辣な言動もする為、敵視している同級生も多い。 --霊的なものは一切信じていない。その一方で都市伝説的な噂や心霊現象の原因と思われる事件の捜査には活躍する。 -メロス(犬) --元は捨て犬だったが、ナオの家に拾われた雑種犬のオス。メロスの散歩をするというのが3人で出かける口実になった。 --霊的なものを感じ取れるのか、おびえて足を止めてしまうことがある。ある意味では心霊探知機の役割。 ---- **システム -基本的な流れは「噂の入手」→「現場での検証や聞き込み捜査」→「解決」という形である。 -「学校シーン」「散歩シーン」「プライベートシーン」「霊障シーン」の4つに分かれる。 --「学校シーン」「散歩シーン」は3人のうちどのキャラを操作するか選択する。特定のキャラでないと入手・検証できない噂がある。 --学校シーンは休み時間の5分間(リアルタイムで経過する)の間に同級生達から噂話を入手する。 ---時には一定時間張り込んだり、一定期間話し込むことで親しくならないと得られない噂もある。 --散歩シーンは街中を探索し、噂の検証を行う。こちらも時間経過があり、夜遅くになると強制的に終了になる。 ---検証に進展があったときなどには「相談」を行うことで次の目標が示されたり、シナリオ進行のフラグが立つ。 --プライベートシーンは、散歩シーンで選択したキャラの帰宅後から就寝までの様子を見ることになる。 -パノラマモード --イベントで時折移行する、360度の風景を見渡せるモード。視界の外に隠れる対象に目を合わせて調べることで、次のイベントを起こすといったシステムもある。 --心霊現象に直面しているときにもこのモードに移行することがあり、「後ろに何かいるのではないか?」といった形のない恐怖を演出している。 -霊障値 --隠しパラメータで、3人にかかっている呪いの進行度とでも言うべき値。1日経過すると+1され、100になるとゲームオーバーになる。 ---特定のイベントで少し低下させることができるが、罰当たりな行動や霊の領域に踏み込んだりすると増えたりもする。 --上で述べた「霊障シーン」は、この霊障値が10の倍数ごとに就寝時を中心として発生する。 ---内容は霊がからんだ怪奇現象。クルミを除いて、呪いが進むごとに深刻なものになったり時には物語の核心を突く内容に変化していくので攻略の上でのヒントになる。 ---またナオの場合は、誤った選択肢を選ぶとさらに霊障値が上がってしまう。 -マルチエンディング --霊障によるゲームオーバーを除けば、噂の解決度合に応じてエンディングが3つ用意されている。 ---- **評価点 -リアルに作られた陽見市 --ゲームの舞台となる陽見市は実在する町をモチーフに2Dグラフィックで描かれている。商店街、団地、学園通り、歩道橋、線路沿い…等、何処かで見た様な風景は非常にリアリティがある。 --時折なるパノラマモードでは、実際の写真をもとにしたグラフィックが用意されている。 -キャラクター --主人公である3人をはじめ、学校の生徒たちは実在する中学生の様なリアリティがある。 --味のあるセリフが多くライターのセンスを窺える。 --猫背気味のナオ、足を元気よく振り上げて歩くクルミ、サンゴの尊大なポーズなど、キャラの個々のモーションにも個性が見え隠れしている。 -44のウワサ --量的には充分なシナリオ数が用意されているので、前作の欠点であったボリュームの少なさは克服されている。 --下らないオチが付く物からオカルト満載な幽霊もの、人間の内面の恐怖を描いたシナリオ等種類も豊富である。 -世界観 --なにげない日常の風景とその裏に潜む不思議、中学生たちの青春のひとコマ、街の開発と発展の裏でひっそりと消え行くもの…~ 単なるホラーだけではなく、切なさや懐かしさも兼ね備えた世界観に魅了されたプレイヤーは多い。 -エンディング //--感動する訳でもなく、後味が悪い訳でもない。←決して雰囲気で終わるようなエンディングばかりとは言えない。とくに陽見七神の噂関連。 --本作の世界観に相応しい切ないエンディングは評価が高い。 ---- **問題点 -個々のウワサのボリューム --数は増えたが個別に評価するとなると少々物足りないものが多いといえる。 --44つのウワサが合わさって1つの物語とも考えられる作りなので、一概に短所とは言えないかもしれない。 -ガチガチのフラグと高難易度 --人面ガラスの呪い管理や噂の収集から解決まで時間制限がある中、順番にフラグを立てる必要があるため、陽見市というオープンフィールドを用意したにも拘らず縛りの強いプレイが要求される。 --上記のフラグ立てもあって、いわゆるトゥルーエンドに到達するには攻略情報がほぼ必須となる。 -一部のウワサの解決について #region(ネタバレ注意) -「心中事件の噂」 --音の大きさだけを頼りに草むらから携帯電話を探すことになるのだが、見つけられる判定が異様に狭い。1歩ずつしらみつぶしにやっても時には上手く見つけられないぐらいの代物。 -「ネコニエの噂」 --事件の張本人から真相を聞き出すことと噂の解決が二者択一になっている。真相を聞き出してしまうと噂は解決できず迷宮入りになってしまう。 -「殺人ピエロの噂」 --シナリオ進行上のフラグ管理にバグがあり、特定のタイミングで相談コマンドを実行しないとシナリオが進まなくなり解決不可能になる。 --人面ガラス関連の噂であるため、メインストーリーの理解に支障をきたすのも厄介なところ。 -「新王子線の呪いの噂」 --パノラマモードでガード下の天井の特定の箇所を調べることになるが、心中事件の噂同様に判定がシビア。目印になる染みがあるのだが、ガード下自体が暗いためわかりにくいという問題もある。 #endregion ---- **総評 難易度の高さやクセのあるゲームシステムからいって万人向けとは言えないが、完成された世界観や雰囲気づくりに徹した姿勢から隠れた名作ともいえるだろう。 ---- **余談 ''プレミア化'' -ゲームショップやオークションでは定価より高い価格で売られている場合が多い。 --攻略本が必須でありながら、攻略本すらプレミア化してしまっている有様である。 ---ゲームアーカイブス化を望む声も大きいゲームのだが、配信される可能性は低い。
*夕闇通り探検隊 【ゆうやみどおりたんけんたい】 |ジャンル|アドベンチャー|&amazon(B00005OVLT,image=https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51RY09MB0HL._SL160_.jpg)| |対応機種|プレイステーション|~| |発売・開発元|スパイク|~| |発売日|1999年10月7日|~| |定価|5,800円|~| |判定|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~| |~|BGCOLOR(lightsteelblue):''スルメゲー''|~| ---- #contents(fromhere) ---- ~ #center(){{ &big(){''ひとりは見た、ひとりは感じた、ひとりは信じた。''} }} ~ ---- **概要 過去にヒューマンから発売された『[[トワイライトシンドローム>トワイライトシンドローム 探索編/究明編]]』の後継にあたる作品(スタッフは一部しか関わっていない)。~ ナオ、クルミ、サンゴの個性豊かな中学生達が、陽見市に流れるウワサを検証していくゲームである。~ ---- **ストーリー >高度成長期に伴い、ベッドタウンとして急速に発展した街「陽見(ひるみ)市」にある陽見中学校では、「人面ガラス」の噂が囁かれていた。~ ナオは「人面ガラスの噂を確かめる」を口実に、想いを寄せる少女クルミを誘い、強引についてきたサンゴと3人で学校裏の森の中にある「鳥塚」に向かう。~ 鳥塚の手前から先へ進もうとしない愛犬メロスを水飲み場につなぎ、クルミとサンゴを残して1人で鳥塚に向かうナオ。そして辿り着いた彼の前に人の顔をしたカラスが現れた。~ 「あと100日で、誰か死ぬ」~ 人面ガラスの不吉な言葉を聞き、恐怖のあまり失神してしまうナオ。これを機に、陽見市で囁かれる数々の噂の検証が始まった。 **メインキャラクター -ナオ --中流家庭の一人っ子。やや気の弱い男の子だが、そんな自分自身を変えるためにクルミに告白することを考えている。 --霊感体質ではないが、霊的なものをぼんやり信じている。 -クルミ --年齢に比してあまりにも天真爛漫な女の子。その言動から「宇宙人」とあだ名を付けられ、同級生の女子には馬鹿にされている。 --作中では彼女が知的障害もしくは自閉症を持っていることを示唆する描写があり、それに苦悩する両親の様子も描かれている。 --霊的なものは彼女にはごく当たり前に存在しているものであり、心霊系の噂話の検証には欠かせない。 -サンゴ --ナオの幼馴染。さばさばした性格で辛辣な言動もする為、敵視している同級生も多い。 --霊的なものは一切信じていない。その一方で都市伝説的な噂や心霊現象の原因と思われる事件の捜査には活躍する。 -メロス(犬) --元は捨て犬だったが、ナオの家に拾われた雑種犬のオス。メロスの散歩をするというのが3人で出かける口実になった。 --霊的なものを感じ取れるのか、おびえて足を止めてしまうことがある。ある意味では心霊探知機の役割。 ---- **システム -基本的な流れは「噂の入手」→「現場での検証や聞き込み捜査」→「解決」という形である。 -「学校シーン」「散歩シーン」「プライベートシーン」「霊障シーン」の4つに分かれる。 --「学校シーン」「散歩シーン」は3人のうちどのキャラを操作するか選択する。特定のキャラでないと入手・検証できない噂がある。 --学校シーンは休み時間の5分間(リアルタイムで経過する)の間に同級生達から噂話を入手する。 ---時には一定時間張り込んだり、一定期間話し込むことで親しくならないと得られない噂もある。 --散歩シーンは街中を探索し、噂の検証を行う。こちらも時間経過があり、夜遅くになると強制的に終了になる。 ---検証に進展があったときなどには「相談」を行うことで次の目標が示されたり、シナリオ進行のフラグが立つ。 --プライベートシーンは、散歩シーンで選択したキャラの帰宅後から就寝までの様子を見ることになる。 -パノラマモード --イベントで時折移行する、360度の風景を見渡せるモード。視界の外に隠れる対象に目を合わせて調べることで、次のイベントを起こすといったシステムもある。 --心霊現象に直面しているときにもこのモードに移行することがあり、「後ろに何かいるのではないか?」といった形のない恐怖を演出している。 -霊障値 --隠しパラメータで、3人にかかっている呪いの進行度とでも言うべき値。1日経過すると+1され、100になるとゲームオーバーになる。 ---特定のイベントで少し低下させることができるが、罰当たりな行動や霊の領域に踏み込んだりすると増えたりもする。 --上で述べた「霊障シーン」は、この霊障値が10の倍数ごとに就寝時を中心として発生する。 ---内容は霊がからんだ怪奇現象。クルミを除いて、呪いが進むごとに深刻なものになったり時には物語の核心を突く内容に変化していくので攻略の上でのヒントになる。 ---またナオの場合は、誤った選択肢を選ぶとさらに霊障値が上がってしまう。 -マルチエンディング --霊障によるゲームオーバーを除けば、噂の解決度合に応じてエンディングが3つ用意されている。 ---- **評価点 -リアルに作られた陽見市 --ゲームの舞台となる陽見市は実在する町をモチーフに2Dグラフィックで描かれている。商店街、団地、学園通り、歩道橋、線路沿い…等、何処かで見た様な風景は非常にリアリティがある。 --時折なるパノラマモードでは、実際の写真をもとにしたグラフィックが用意されている。 -キャラクター --主人公である3人をはじめ、学校の生徒たちは実在する中学生の様なリアリティがある。 --味のあるセリフが多くライターのセンスを窺える。 --猫背気味のナオ、足を元気よく振り上げて歩くクルミ、サンゴの尊大なポーズなど、キャラの個々のモーションにも個性が見え隠れしている。 -44のウワサ --量的には充分なシナリオ数が用意されているので、前作の欠点であったボリュームの少なさは克服されている。 --下らないオチが付く物からオカルト満載な幽霊もの、人間の内面の恐怖を描いたシナリオ等種類も豊富である。 -世界観 --なにげない日常の風景とその裏に潜む不思議、中学生たちの青春のひとコマ、街の開発と発展の裏でひっそりと消え行くもの…~ 単なるホラーだけではなく、切なさや懐かしさも兼ね備えた世界観に魅了されたプレイヤーは多い。 -エンディング //--感動する訳でもなく、後味が悪い訳でもない。←決して雰囲気で終わるようなエンディングばかりとは言えない。とくに陽見七神の噂関連。 --本作の世界観に相応しい切ないエンディングは評価が高い。 ---- **問題点 -個々のウワサのボリューム --数は増えたが個別に評価するとなると少々物足りないものが多いといえる。 --44つのウワサが合わさって1つの物語とも考えられる作りなので、一概に短所とは言えないかもしれない。 -ガチガチのフラグと高難易度 --人面ガラスの呪い管理や噂の収集から解決まで時間制限がある中、順番にフラグを立てる必要があるため、陽見市というオープンフィールドを用意したにも拘らず縛りの強いプレイが要求される。 --上記のフラグ立てもあって、いわゆるトゥルーエンドに到達するには攻略情報がほぼ必須となる。 -一部のウワサの解決について #region(ネタバレ注意) -「心中事件の噂」 --音の大きさだけを頼りに草むらから携帯電話を探すことになるのだが、見つけられる判定が異様に狭い。1歩ずつしらみつぶしにやっても時には上手く見つけられないぐらいの代物。 -「ネコニエの噂」 --事件の張本人から真相を聞き出すことと噂の解決が二者択一になっている。真相を聞き出してしまうと噂は解決できず迷宮入りになってしまう。 -「殺人ピエロの噂」 --シナリオ進行上のフラグ管理にバグがあり、特定のタイミングで相談コマンドを実行しないとシナリオが進まなくなり解決不可能になる。 --人面ガラス関連の噂であるため、メインストーリーの理解に支障をきたすのも厄介なところ。 -「新王子線の呪いの噂」 --パノラマモードでガード下の天井の特定の箇所を調べることになるが、心中事件の噂同様に判定がシビア。目印になる染みがあるのだが、ガード下自体が暗いためわかりにくいという問題もある。 #endregion ---- **総評 難易度の高さやクセのあるゲームシステムからいって万人向けとは言えないが、完成された世界観や雰囲気づくりに徹した姿勢から隠れた名作ともいえるだろう。 ---- **余談 ''プレミア化'' -ゲームショップやオークションでは定価より高い価格で売られている場合が多い。 --攻略本が必須でありながら、攻略本すらプレミア化してしまっている有様である。 ---ゲームアーカイブス化を望む声も大きいゲームのだが、配信される可能性は低い。

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