夕闇通り探検隊

【ゆうやみどおりたんけんたい】

ジャンル アドベンチャー
対応機種 プレイステーション
発売・開発元 スパイク
発売日 1999年10月7日
定価 5,800円
判定 ゲームバランスが不安定
スルメゲー


概要

過去にヒューマンから発売された『トワイライトシンドローム』の後継にあたる作品。(スタッフは一部しか関わっていない)
ナオ、クルミ、サンゴの個性豊かな中学生達が、陽見市に流れるウワサを検証していくゲームである。


ストーリー

高度成長期に伴い、ベッドタウンとして急速に発展した街「陽見(ひるみ)市」。この街にある陽見中学校では、「人面ガラス」の噂が囁かれていた。 ナオは「人面ガラスの噂を確かめる」を口実に、想いを寄せる少女クルミを誘い、強引についてきたサンゴと3人で学校裏の森の中にある「鳥塚」に向かう。 鳥塚の手前から先へ進もうとしない愛犬メロスを水飲み場につなぎ、クルミとサンゴを残して1人で鳥塚に向かうナオ。そして辿り着いた彼の前に人の顔をしたカラスが現れた。 「あと100日で、誰か死ぬ」 人面ガラスの不吉な言葉を聞き、恐怖のあまり失神してしまうナオ。これを機に、陽見市で囁かれる数々の噂の検証が始まった。

メインキャラクター

  • ナオ
    • 中流家庭の一人っ子。やや気の弱い男子だが、そんな自分を変えるためにクルミに告白することを考えている。
    • 霊感体質ではないが、霊的なものをぼんやり信じている。
  • クルミ
    • 年齢に比してあまりにも天真爛漫な女の子。その言動から「宇宙人」とあだ名がつけられ、クラスの女子には馬鹿にされている。
    • 霊的なものは彼女にはごく当たり前に存在しているものであり、心霊系の噂話の検証には欠かせない。
  • サンゴ
    • ナオの幼馴染。さばさばした性格で辛辣な言動もするため、敵視している同級生も多い。
    • 霊的なものは一切信じていない。その一方で都市伝説的な噂や心霊現象の原因と思われる事件の捜査には活躍する。
  • メロス(犬)
    • 元は捨て犬だったが、ナオの家に拾われた雑種犬のオス。メロスの散歩をするというのが3人で出かける口実になった。
    • 霊的なものを感じ取れるのか、おびえて足を止めてしまうことがある。ある意味では心霊探知機の役割。

システム

  • 基本的な流れは「噂の入手」→「現場での検証や聞き込み捜査」→「解決」という形である。
  • 「学校シーン」「散歩シーン」「プライベートシーン」「霊障シーン」の4つに分かれる。
    • 「学校シーン」「散歩シーン」は3人のうちどのキャラを操作するか選択する。特定のキャラでないと入手・検証できない噂がある。
    • 学校シーンは休み時間の5分間(リアルタイムで経過する)の間にクラスメイトたちから噂話を入手する。
      • 時には一定時間張り込んだり、一定期間話し込むことで親しくならないと得られない噂もある。
    • 散歩シーンは街中を探索し、噂の検証を行う。こちらも時間経過があり、夜遅くになると強制的に終了になる。
      • 検証に進展があったときなどには「相談」を行うことで次の目標が示されたり、シナリオ進行のフラグが立つ。
    • プライベートシーンは散歩シーンで選択したキャラの帰宅後から就寝までの様子を見ることになる。
  • パノラマモード
    • イベントで時折移行する360度の風景を見渡せるモード。視界の外に隠れる対象に目を合わせて調べることで、次のイベントを起こすといったシステムもある。
    • 心霊現象に直面しているときにもこのモードに移行することがあり、「後ろに何かいるのではないか?」といった形のない恐怖を演出している。
  • 霊障値
    • 隠しパラメータで、3人にかかっている呪いの進行度とでも言うべき値。
    • 1日経過すると+1され、100になるとゲームオーバーになる。
    • 特定のイベントで少し低下させることができるが、罰当たりな行動や霊の領域に踏み込んだりすると増えたりもする。
    • 上で述べた「霊障シーン」は、この霊障値が10の倍数ごとに就寝時を中心として発生する。
      • 内容は霊がからんだ怪奇現象。クルミを除いて、呪いが進むごとに深刻なものになったり時には物語の核心を突く内容に変化していくので攻略の上でのヒントになる。
      • またナオの場合は、誤った選択肢を選ぶとさらに霊障値が上がってしまう。
  • マルチエンディング
    • 霊障によるゲームオーバーを除けば、噂の解決度合に応じてエンディングが3つ用意されている。

評価点

  • リアルに作られた陽見市
    • ゲームの舞台となる陽見市は実在する町をモチーフに2Dグラフィックで描かれている。商店街、団地、学園通り、歩道橋、線路沿い等何処かで見た様な風景は非常にリアリティがある。
    • 時折なるパノラマモードでは、実際の写真をもとにしたグラフィックが用意されている。
  • キャラクター
    • 主人公である三人をはじめ、学校の生徒たちは実在する中学生の様なリアリティがある。
    • 味のあるセリフが多くライターのセンスを伺える。
    • 猫背気味のナオ、足を元気よく振り上げて歩くクルミ、サンゴの尊大なポーズなど、キャラのモーションひとつひとつにも個性が見え隠れしている。
  • 44のウワサ
    • 量的には十分なシナリオ数が用意されているので、前作の欠点であったボリュームの少なさは克服されている。
    • 下らないオチが付く物からオカルト満載な幽霊もの、人間の内面の恐怖を描いたシナリオ等種類も豊富である。
  • エンディング
    • 本作の世界観に相応しい切ないエンディングは評価が高い。

問題点

  • ウワサひとつひとつのボリューム
    • 数は増えたが個別に評価するとなると少々物足りないものが多いといえる。
    • 44つのウワサが合わさって一つの物語とも考えられる作りなので、一概に短所とは言えないかもしれない。
  • ガチガチのフラグと高難易度
    • 人面ガラスの呪い管理や噂の収集から解決まで時間制限がある中、順番にフラグを立てる必要がある。その為に陽見市というオープンフィールドを用意したにも拘らず縛りの強いプレイが要求される。
    • 上記のフラグ立てもあって、いわゆるトゥルーエンドに到達するには攻略情報がほぼ必須となる。
  • 一部のウワサの解決について
+ ネタバレ注意
  • 「ネコニエの噂」
    • 事件の張本人から真相を聞き出すことと噂の解決が二者択一になっている。真相を聞き出してしまうと噂は解決できず迷宮入りになってしまう。
  • 「殺人ピエロの噂」
    • シナリオ進行上のフラグ管理にバグがあり、特定のタイミングで相談コマンドを実行しないとシナリオが進まなくなり解決不可能になる。
    • 人面ガラス関連の噂であるため、メインストーリーの理解に支障をきたすのも厄介なところ。

総評

難易度の高さやクセのあるゲームシステムからいって万人向けとは言えないが、完成された世界観や雰囲気づくりに徹した姿勢から隠れた名作ともいえるだろう。


プレミア化

  • ゲームショップやオークションでは定価より高い価格で売られている場合が多く、ゲームアーカイブス化を望む声が大きいゲームの一つ。
  • 攻略本必須でありながら攻略本すらプレミア化している有様なのであった。