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「モンスターハンター3」(2023/12/22 (金) 20:14:20) の最新版変更点
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*モンスターハンター3
【もんすたーはんたー とらい】
|ジャンル|ハンティングアクション|CENTER:&amazon(B0029U18OQ)|
|対応機種|Wii|~|
|メディア|12cm光ディスク|~|
|発売・開発元|カプコン|~|
|発売日|2009年8月1日|~|
|定価|7,340円(税込)|~|
|プレイ人数|1人~2人(オンライン接続は1人~4人)|~|
|レーティング|CERO:C(15歳以上対象)|~|
|周辺機器|ヌンチャク、クラシックコントローラ、USBキーボード対応|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|久方ぶりの新規ナンバリング作品&br()システム改革に伴うモンスター・武器の大幅な削除&br()ゲームバランスは概ね良い&br()クオリティは及第点以上&br()不便なチャットシステム&br()開発ハードの変更や商品展開の難も話題に|~|
|>|>|CENTER:''[[モンスターハンターシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
カプコンの人気シリーズの一つ『モンスターハンター』の一作。読みの「Tri(トライ)」とはラテン表記における「3」のことである。~
PS3での発売が予定されていたが開発中止となり、Wiiでの発売となった。~
シリーズ前作の『[[モンスターハンターポータブル 2nd G]]』が爆発的にヒットし、2008年のゲーム大賞を獲得するまでに至ったために、この作品に対する期待は高まっていた。
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**特徴
『モンスターハンターポータブル 2nd(セカンド)G』(以下MHP2G)や『モンスターハンターフロンティア』といったシリーズ近作は、『[[モンスターハンター2]](ドス)』(以下MH2)をベースに、独自のフィールド・モンスター・装備品など盛り込むような形で作られていた。~
本作はナンバリングが振り直された事に伴い、舞台となる地域や登場モンスターが大幅に刷新されている。但し舞台は別地方であるものの世界観は共通。~
それにともない、後の作品の骨組みの一部となる新しいシステムが意欲的に盛り込まれている。
-モンスター
--全部で18種類。大型モンスターはリオレウス・リオレイア・ディアブロスを除き全て完全新規。ただし亜種・希少種といったモンスターは存在しない。
---旧作から登場している上記3種も、新規モーションの追加や変更が加わっている。
--モンスターの生態がより詳しく表現されるようになった。例えばモンスター同士の絡みの要素が多く盛り込まれている。
---モンスター同士の攻撃が、互いに大ダメージを与えあうようになった。~
大型モンスターは小型モンスターを豪快に蹴散らしながら暴れまわるようになり、巻き込まれて小型が死ぬ場面も多く見られるようになった。また大型の同士討ちを誘う戦略が有効な局面も。
---一部の小型モンスターは、大型モンスターを確認するとそのモンスターに対して威嚇や攻撃を行う。
---大型モンスターは''スタミナ''が減るとパワーダウンし、草食モンスターを捕食したり、ハンターへ拘束攻撃をしかけることで体力を回復しようとする。
---別種のモンスターを呼び寄せる能力を持つモンスターもいる。
---クエスト対象外の大型モンスターがランダムに乱入する事がある。2頭狩猟クエストで登場すると、3体の大型モンスターが暴れ回ることもある。
--モンスターの思考ルーチンに変更が加えられている。
---基本的にハンターが行動不能になると、最大威力の攻撃を仕掛けてくるようなルーチンになっている。
---特に実感させられるのが睡眠属性の攻撃を行うドスバギィだろう。ドスジャギィと同じような感覚で挑んだら、「睡眠→タックル」のコンボで沈められたハンターは多いはず。
-装備品
--武器カテゴリーは全部で7種類(大剣、太刀、片手剣、ハンマー、ランス、ボウガン、スラッシュアックス)。
---''スラッシュアックス''は完全新規武器。旧作にあった双剣、ガンランス、狩猟笛、弓は登場しない。武器間のバランスや水中戦を加味した結果だと思われる。
--武器のモーションが一部見直し・追加されている。
---これにより片手剣や大剣でスタン(めまい状態)を取りに行くといった戦術が可能になった。
---ハンマーは破壊力はそのままに、モンスターのスタミナを減らせる減気攻撃の特性が追加され、派生攻撃が大幅に追加されたり、キャンセル等が効きやすくなったために飛躍的に使い勝手が良くなっている。
---ランスも従来のものと比べ、新モーションの使い勝手が非常に良く、より攻撃的な武器に様変わりしている。本作のみ突きの3回目からカウンター突きを出せるため頭一つ抜けているが、バランス崩壊には至っていない。
--ボウガンが従来のライト・ヘビィに加え、''ミドル''が追加されて3種類になった。~
「''フレーム''」、「''バレル''」、「''ストック''」の各パーツを生産し自由に組み合わせでき、合計の重さで種類が決定する方式になった。
--シリーズ中では珍しく「下位」防具を強化で「上位」に昇格させることが可能。装備を選ぶ上での自由度向上と共に、下位防具の死蔵をある程度防げる。
---『MH2』とは異なり通常の上位装備も、必要素材さえあれば下位防具からの派生なしで作成可能なのでご安心を。
--個々にスキルポイントやスロットが付加されている装備アイテム「''お守り''」が採用されている。
-水中戦
--「ハンター自ら水中に潜って戦う」という、従来には無かった新しい戦闘システムが導入された。
---今までは水中の相手に対する手段は非常に限定的であったが、今作では水中でまともに戦うことが出来るようになった。
--操作に多少の慣れが必要で、とっつきにくい印象がある反面、地上戦では通常狙いにくい部位を攻撃できたりする利点もある。
--今作では重要なゲーム要素のひとつとなっており、下記の闘技大会や村専用のクエストにも水中のみのステージも存在する。
---村専用となる大海龍ことナバルデウスの雄大さは一見の価値あり。
-農場
--増やしたいアイテムを指定して増やしてもらう方式。日数を指定し、経過した段階で農場に行けばまとめて受け取れる。
---ハチミツ・虫・キノコなどが指定可能だが、鉱石は採掘できない。
---魚は漁師に依頼することで取ってきてもらえる。村マップで依頼可能なのは便利だが、半日~3日と更新間隔が短く農場に比べ手間がかかる。
---システム関連が整理され、従来に比べ採取作業効率が良くなっている。(下記の評価点も参照)
-闘技大会
--従来の作品同様に特定の装備で特定のモンスターを討伐する、いわゆる模擬試合。ここだけでしか手に入らないアイテムも存在する。~
内容も従来同様に、やり応えのあるものになっており、装備固定の関係上、力押しよりも戦術が大切になる場合も多い。~
また、報酬を使って手に入れることができる装備にはかなり実用的なものもある。
--オフライン・オンライン問わず、闘技場で2人プレイができるようになった。
---オフラインでは、自分のキャラクターデータを保存したWiiリモコンを持ち寄り、友人と遊ぶ楽しみ方が出来る。~
また、やりこみ要素になってしまうが、オフラインの特定クエストでのみ入手できるものも存在する。~
''ただし、プレイヤーの操作ミスによるデータ消失(後述)には要注意。''
---オンラインでは、一人でも一応参加可能だが、闘技専用の募集コーナーがあり、共闘相手を探しやすい&オンライン限定のクエストも存在する。~
また、オフラインと違い、一定期間でクエスト内容の入れ替えが行われるため、時期を逃すと入手しにくいものも。
-一部の仕様変更
--閃光玉やシビレ罠は同じモンスターに何度も仕掛けると耐性がついて効果持続時間が短くなる。ハメ対策と思われる。
---閃光玉は効果範囲も弱体化しているため、しっかりと当てる技術も必要になった。
--落とし穴がディアブロスに効くようになった。これは後作にも引き継がれる。
--一部スキルが統合されていたり、発動に必要なスキルポイントが底上げされているものもある。
-「さびた塊」系のアイテムの変換方法が変わった。
--素材としてこれらのアイテムを入手し生産するのではなく、クエスト中に入手することで精算時に自動で何らかの装備品に変化するようになった。
---これにより、前作まで可能だった「リロードの繰り返しでレアな装備を狙う」方法はできなくなっている。
-ネコキッチンも仕様が変わっている。
--自分でアイルーを雇うことはできず、レベルはクエスト進行に伴い自動で上がるように。
---その代わり、前作では単なる素材だった食券を使うことで狙いの食事効果を確実に発動したり、食べたことのある組み合わせの食事効果が表示されるようになるなど便利な部分もある。
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**評価点
-旧シリーズの不満点を解消しようとする試みが随所に見られる。
--当たり判定が大幅に改善。旧シリーズに見られた理不尽な当たり判定は少なくなり、視認と判定がほぼ一致するようになった。
--壁際でのカメラワークの乱れがほぼ解消された。脱出困難となる壁際の袋小路も減少しているため、壁際でも戦闘しやすくなっている。
--プレイヤーが受身を取るなど、新モーションが追加された。また転倒中もスタミナが回復するようになり、~
スタミナ切れで回避・防御が出来ずハメ殺されるパターンが減少した。
--小型モンスターの下方修正。過去作品に比べ攻撃頻度や正確性が減少。大型モンスターとの戦闘に集中しやすくなった。
--ステータス確認画面でリモコンのポインタを合わせることでスキルの説明を見ることが出来るようになった。
-ゲームバランスや新規モンスターは概ね好評価。
--モンスターの中では、ボルボロスとイビルジョーの人気が高く、後の『MHP3』での弱体化を残念に思ったプレイヤーも多い。それ以外のモンスターも、過去作に無かった独特の動きを見せる。
--続投の大型モンスターは3種のみだが、こちらの仕様変更も好評。
---特に「チキン飛竜」「空の王者(笑)」などと言われていたリオレウスは、こちらから手が出せない動作が大幅に減少。剣士系でも殴れるぐらいの高さからの低空での空中戦が主体となり、威風堂々とした戦い方を身に付けた。~
その一方、低空飛行時には風圧が嫌というほど発生し、風圧で動けない時にリオレウスの攻撃が直撃→力尽きる、という事態が多発。一部のハンターから不満が聞かれるようになった。~
少数ながら、「低空をパタパタ飛んでいる今作より大空を雄大に飛んでいた過去作のほうが格好良かった」という声も。
--プレイヤー側に不利な要素(モンスターをハメにくくなった事など)が増えた一方で、有利な要素(モンスター同士の攻撃ダメージ増加など)も増し、より奥深いゲームとなった。
-剣士と比べて不遇だったガンナーの扱いが改善された。
--弾薬がアイテムスロットを圧迫し採集できないという問題を、''弾薬用アイテム枠追加''で解決。
--更に剣士用ポーチとガンナー用ポーチを独立させ、剣士→ガンナーに装備を変えた時にあらかじめ必要なアイテムが揃うようになった。
--下位ボウガンでも上位で使用出来るように強化できるため、下位で作ったボウガンが無駄にならない。
--弾の種類が増え、スタミナ減少・気絶・尻尾の切断を狙えるようになった。
-『MH2』にあった「''サブクエスト''」が復活し、結構な数のクエストに付加されている。
--特定の条件を満たすと報酬が増えるというもの。貰える物の中には通常入手困難なものも一部含まれる。
--条件を満たした上でベースキャンプで手続きすると、サブクエストクリアとしてクエストを終了することが出来る。
---主目的を達成していないためクエスト完全クリアにはならないものの、この部分の報酬やクエスト内で入手したアイテムなどは受け取れる。
---クエストを失敗しそうな状況などになった時、非常手段としても有用。
-グラフィックが美しく、フィールドやモンスターの迫力を引き出している。モンスターの鱗の質感などに生き物らしさが加わった。
--地味な変更点ながら、モンスターの影が従来の単なる円形からモンスターごとに固有の形状になっている。
--ただし、過去作『[[MHP2G>モンスターハンターポータブル 2nd G]]』までのグラフィックは全て一貫して同じだったために、それに見慣れていると最初は違和感を感じる事もあった。
-採取・採掘ポイントにそれとわかるオブジェが表示され、見つけやすい。
--それまでと異なり、所持しているピッケルなどにアイテム欄をいちいち切り替える必要は無く、ボタン1つで採取できる。~
また、それ以上採取できなくなるとオブジェが消えるため、無駄に探すことがなくなった。
--時間経過で採取・採掘ポイントのオブジェが復活したり入れ替わったりする。また色や形が違うレアオブジェ(珍しいものが出やすい)が出現する場合もある。
-農場の仕様変更はゲームテンポの改善につながっている。
--従来に比べ、農場が狭いので走り回らなくて良く、各コーナーを1回ずつ確認するだけで良いため採取時間が短く、特にオフライン序盤などは恩恵が大きい。
-オンラインのプレイ料金にWiiポイントによる決済を導入したことでオンライン契約の煩わしさが無くなり、オンラインモードのハードルが下がった。
-新たなオトモキャラ、奇面族の「チャチャ」の性能が前作までのオトモアイルーに比べて優秀。
--「特技はノーコストで付け替え可能」「体力回復・能力強化などの能力をもつ踊りをデフォルトで使用可(こちらも変更可能)」「複数のお面を付け替えることでモンスター探知・肉を焼くなど様々な特殊能力を発揮」「採取だけでなく剥ぎ取りを行う」など非常にありがたい性能になっている。
---ただ、優秀すぎて狩りの緊張感を削ぐ、という意見も一部ある。連れて行かない設定もできるのでこの辺りはお好みで。
---ちなみに開発段階の設定では''人間のオッサンハンター''であったらしい。…この設定変更は正解だろう。&br()もしこのままであったら''オッサンが様々な踊りでハンターを強化していた''のである。笛での強化になっていたかもしれない…。
-ハイクオリティな音楽
--今作の音楽は『MHP2G』より加わった小見山優子氏と牧野忠義氏がメインコンポーザーを担当した。
--今作はチェコのオーケストラによる生演奏が使用されている。
--本作でも、モンスターハンターの雰囲気を際立てる秀逸なBGMが数多く存在する。
---壮大な曲調のメインテーマ『生命ある者へ』。
---新アレンジでハンターを出迎える『英雄の証』。
---『モンスターハンター』シリーズでは珍しい、ピアノを基調とした凍土の戦闘BGM『零下の白騎士』。
---迫力満点の、パッケージモンスターを象徴する孤島の戦闘BGM『海と陸の共震』。
---シリーズ初のボーカル入り戦闘BGM『月震』((ただし、本作以前にもコーラスを取り入れた戦闘BGMはある。))
---世紀末を思わせる、ラスボスにぴったりな『殷々たる煌鐘の音』。
---ジエン・モーラン戦の決戦ステージで流れる『迎え撃つ大銅鑼』。~
また、このステージでは、撃龍槍を当てるとちょっとした演出が用意されている。
その勇ましさから、ハンターの戦意向上に多大な影響を与え、評価も高い。
#region(撃龍槍を当てるとどうなるのか?)
-決戦ステージでは、撃龍槍を装備した船をベースにして戦う。この時、ジエン・モーランに撃龍槍を一発お見舞いすると、~
『英雄の証』のショートバージョン((過去作に登場したラオシャンロン戦で流れる『最終決戦』に近いが、音源が3バージョンになっている。))に曲が切り替わる。~
ただし、撃龍槍を当てる前に討伐完了してしまうことも多いため、ソロでもなければ狙って行うのは難しい。
#endregion
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**賛否両論点
モンスターの種類の絶対数が少なく、ひいてはその素材から作られる装備品の種類も少ない。~
過去作の武器4種が削除された点も含め、「''ボリューム不足''」が指摘されている。
-モンスター総数は携帯機の『MHP2G』で60種(亜種・希少種含む)。これと比べてしまうと、本作の18種という数字は大きく見劣りする(もっとも、2シリーズの総集編ともいえる『MHP2G』や、アップデートによるボリュームアップが臨める『[[MHF>モンスターハンター フロンティア オンライン]]』と比べるのは酷な話ではあるが)。
--また属性間の扱いの差も大きい。古龍種を除くと氷、雷、麻痺の使い手であるモンスターが1種類ずつしかおらず、必然的にこれらの属性を使いたい時の選択肢が狭まっている。
-同じモンスターでも武器によって立ち回りが全く異なるため、武器削除がボリューム面に与えた影響は大きい。~
これまでのシリーズでは武器は据え置きあるいは増加傾向にあった中での削除なので、削除武器の愛用ユーザーからの不満は大きい。
--ただし、新武器であるスラッシュアックスを含め、武器間のバランスはシリーズ中で比較的良い方である。(ただし地上に限る)
-防具面についてもお守りが追加された事で、防具とスキルの組み合わせを考える際の自由度が高まったともいえる。
--それに伴い、良質の物を求めて特定火山クエストにひたすら労力を費やすハンター(''通称:炭鉱夫'')が今作から出現する。
-これらの課題に対して、ユーザーからは亜種・希少種((通常のモンスター(通称:原種)と色や行動パターンを変えたモンスター。))の採用を始めとする旧作要素の継続路線を希望する声が多く挙がった。~
一方で、これはあくまでも旧作と比べてのボリュームダウンであり、本作自体は数十時間以上十分に遊べるゲームである。~
また、亜種で水増し((当時の亜種(特に『MHG』時代のモンスター)は、後の作品と比べると亜種ならではの個性が少なく、亜種と手軽に戦えるようになった『MH2』以降は水増しとの批判もあった。))せずに新規モンスターを中心に構成し、武器についても数を絞る事で程良いゲームバランスを保った調整を評価する声もある。
-水中戦における息継ぎ周りのバランス調整が甘い。
---酸素ゲージの減り自体がかなり遅く、あまり酸素に気を配る必要がない。ゲージ減少が早くなる(デメリット)スキルがつくとようやく気になるレベル。~
酸素ゲージを全回復する気泡も各フィールドに設置してあり、位置を覚えればわざわざ息継ぎに出る必要すらなくなってしまう。
---このため酸素ゲージに関わる「酸素」スキルや酸素ゲージを回復する酸素玉はごく一部でしか出番がないことがほとんど。
---一方で、あまり減少が早かったり、回復が煩わしいと戦闘どころではなくなるとの意見もあるので、これ自体は賛否両論といった所か。
-属性やられの追加により、火球や放電などモンスターの属性攻撃の脅威が増し、これまで以上に気を配る必要性が出てきた。
--全体的に『MHP2G』以前に比べると防具の属性耐性が極端で、特にマイナス耐性はそのままだと-20やら-30やらといった数値になってしまう。これにより、属性攻撃を多用するモンスターの戦闘力が大幅に向上している。
//-その一方で、属性攻撃を持たないモンスターの戦闘力が両極端になってしまう原因にもなった。
//--本作ではまだ「属性を持ったブレスやエネルギー放出は予備動作が長く避けやすい」「無属性モンスターの攻撃力も高めに設定されていて油断ができない」などバランスが取られているが、後発の作品では異常なまでに戦闘がヌルくなる(『MHP3』のティガレックスやナルガクルガなど)か、マイナス耐性での属性ダメージすら凌駕する理不尽な強さになる(『MH3G』のディアブロス亜種など)といった例が散見される。
//本作の問題点ではないのでは。
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**問題点
-試み自体は評価されているものの、水中戦は全体的に練りこみ不足な面があり、評判があまり良くない。
--水中ゆえの動きの遅さなどある程度は仕方がない面もあるが、操作性が凄まじく悪い。
---水中では緊急回避が出来ない。また、泳いでる最中に攻撃と回避のボタン入力を受け付けない時間がある。回避や攻撃が1回できないだけで大幅に不利になってしまうこのシリーズには致命的である。
--地上戦と違い敵味方共に動きが三次元となるため距離感がつかみづらい。
--武器バランスは概ね良好である本作だが、水中における使い勝手は格差が激しい。
---片手剣は手数の減少と回避性能の低さで著しく弱体化。デメリットを受けるばかりで長所がない。
---逆にランスは非常に有利。水中では動きが鈍くなり、回避よりもガードの方が被弾を減らせる傾向が大きいためである。また攻撃面も、地上よりも手数が減らないし、ステップも回避と違って緩慢ではないため有利である。~
加えて突進が普通に泳ぐよりも早いので移動手段やヒットアンドアウェイの戦法としても使えるなど、頭一つ抜けている。
-モンスターを一新したものの、「設定が理不尽」「戦っていて面白くない」という不人気モンスターが一部存在する。
--特に上記の水中戦を得意とするモンスターは全体的に不人気な傾向にある。
---モンスターそのものよりも水中戦自体が嫌われている部分が大きいか。
--獣竜種にあたるモンスターは、「振り向く際に一歩後ろへ下がる」という行動をとり、その後突進等の攻撃へ即座に移行する。~
これについて、振り向きざまにモンスターの顔へ渾身の一撃を加えるというスタイルをとる大剣やハンマーを使うプレイヤーからは少々不満が出ている。~
この辺は経験を積んで臨むしかないのだが……。
---そもそもこの問題は、これまで鳥竜種の専売特許であったバックステップを大型モンスターが用いることになったことへの不平が絡んでいるとも考えられる。
--「''古龍種''」討伐の作業化が従来作と同等以上に顕著になっており、専用部屋の数が多い割に効率を重視する部屋の割合が高いため、装備条件が合わないと参加を断られてしまうハンターが頻出した。
-操作に使うクラシックコントローラはPS2のコントローラに比べてボタン数が少ない。~
そのため一部の操作が複数ボタン同時押しになってしまい、据え置きのコントローラ操作に慣れているユーザーは戸惑う事も少なくない。
--特に納刀状態からガードや溜め行動を行う際の操作(R1+x+aボタン)。~
慣れないうちはキック(xボタン)が暴発してしまう事が多いため、非常に使いにくい。
---Wii版『[[MHG>モンスターハンター]]』ではR1+xの同時押しにより、ダッシュ中ならばxボタンを押すだけでガードや溜め行動ができたため、余計に改悪とみなされやすい。
-なぜか太刀を作成可能になる時期が遅い。オフラインプレイでは中盤まで武器屋のラインナップにさえない。
-ボウガンの仕様変更については「微妙」という評価が多い。
--システム自体はなかなか面白みがあるものだが、モンスターの種類の少なさが災いし作れるパーツの種類が少なすぎる。~
このため組み合わせの選択肢も必然的に少なくなり、結局似たり寄ったりの物しかできない。
---結局『MHP3』以降ボウガンの仕様は元に戻ることになり、ミドルボウガンは本作のみでの登場となっている。
-一部スキルに必要な条件が底上げされたため、そのスキルを使用したい場合、装備の選択肢の幅が限定的。
--モンスターの種類の少なさに伴い、着せ替えの組み合わせバリエーションが少なく、防具をシリーズ一式で揃えてしまうと他人と被りやすい。
-制限時間の単位に「分」が使われているが、実際の制限時間はゲーム中に表示される制限時間の0.9倍という不可思議な仕様。
--つまり、''制限時間50分のクエストは現実世界の45分で終了する''。~
慣れてしまえば、制限時間ギリギリまで戦うようなゲームではないのだが、初心者の内は注意が必要。
-村でWiiリモコンに保存された闘技場データを受け取るとリモコン内のデータは上書きされる。~
そのため、そのままセーブせずにゲームを終了するとアイテム・クリアタイム等のデータが再度取得できなくなってしまい、苦労が水の泡となる。
--通常は本体データに闘技場のデータを保存するのでこの現象は起こらない。~
リモコンを複数持ちよってのマルチプレイ時、ゲストプレイヤー側にのみ起こりうる事態。こまめにセーブすれば防げるものではあるが…
**オンラインプレイ時の問題点
-オンラインのチャットシステムの貧弱さ。
--一回のコメントで入力できる最大文字数は''わずか16文字''。~
『MHF』はもちろんPS2で発売された過去作と見比べても、お粗末な仕様と言わざるを得ない。~
よく言われる物では、「ウラガンキンを狩りに行きませんか?」が1回で入りきらないといった有様。
--日本語変換ツールには『''かしこい日本語ATOK''』が使用されているのだが、これがびっくりするほど''かしこくない''。
---よく挙がるものでは「''ヒと''(人)」「''簿迂愚''(防具)」「''素着る''(スキル)」「''討議上''(闘技場)」「''擬留土''(ギルド)」~
これらはいずれも『モンハン』シリーズにおいて使用頻度の高い語句である。
---一方で「[[おジャ魔女どれみ>キッズステーション おジャ魔女どれみ♯ MAHO堂ダンスカーニバル!]]」や「Hey! Say! Jump!」など、ゲーム中でほぼ確実に使わない単語は一発変換できる。~
おジャ魔女どれみに至っては「おじゃまじょ」だけで変換できるなど、''無駄な部分でかしこい''ため余計に腹が立つ。
-クエストの最大定員が4人にもかかわらず、部屋の最大定員が10人と中途半端。
--4人1組で行動するため、満員の時はパーティを分ける必要がある。~
ただし、目的別の募集部屋では部屋定員自体が4名なので、そちらを利用することで改善は可能。
-唯一の水中戦用古龍である「ナバルデウス」が何故かオフラインでしか戦えない。
--当然ながら「ナバルデウスを多人数で狩りたかった」というユーザーは多い。
-他プレイヤーが受注したクエストにエントリー後、「準備完了」している間は、動くことはおろかチャットさえできなくなる。
-前作まではプレイヤー一覧で各ハンターのステータスが見られたが、今作は個々のハンターに近づかないとステータス確認が出来ない。
--どのハンターがどのクエストまで受けられるかの確認がかなり面倒。Wii版の『MHG』にすらあった機能なのに、なぜ仕様を変更したのか。
-オンラインプレイのハードルはPS2で出された過去作に比べ下がったが、それによりネチケットに乏しい者が多く流入するという弊害も生まれた。
--上記のとおり、比較的容易にオンラインを利用できるため、若年層が格段に増えたとされる・
--また、本作で太刀に追加されたモーション、「気刃大回転斬り」は通称「''気刃大迷惑斬り''」と言われるぐらい巻き込み率が高い。このため、従来からソロでの扱いやすさや見た目の格好よさによりプレイヤースキルの伴わないプレイヤーが多く、元より地雷扱いされやすい太刀使いの地雷率が更に跳ね上がった。
---本作の太刀は大回転斬りをキッチリ当てて行かないと火力が出ない仕様であることも大きい。もちろんプレイヤースキルの高い太刀使いも多いので、太刀を使っているというだけで地雷扱いするようなマナー違反は慎むこと。
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**総評
単体で見れば平均以上の出来である。旧作で指摘されてきた問題点がかなり改善されており、シリーズものとして見ても及第点以上といえる。~
また従来シリーズと比べて取っ付きやすい操作系である本作は、内容は評価されても操作性で敬遠されがちだった海外市場において~
モンスターハンターシリーズの名を広める事にも貢献した。~
しかし、システムの一新に伴うボリューム不足が足を引っ張っており、『MHF』や『MHP2G』をプレイしたユーザーからの評価は大きく分かれている。~
オンラインでの協力プレイが楽しいシリーズなだけに、オン環境に大小様々な問題を抱えている点も残念であった。
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**発売前の話題・小売殺し
#region
-カプコンは当初、本作をPS3で発売するとしていたが、開発費などの理由でWiiに変更した。そのため本作目的でPS3を買ったファンからは批難の声が挙がった。
--ソニー据え置き機での完全新作は、9年後の『[[MHW>モンスターハンター:ワールド]]』を待つこととなる。
-本作発売数ヶ月前に『MHG』を、本作の体験版+クラシックコントローラをセットにしてリリースしている。~
『MHG』はクラコン専用で必然的にクラコンを所持することになる。その後クラコンPRO及びそれを同梱した本作が発売。
--なお、ゲームとのセット販売されたクラシックコントローラPROは今作のためにカプコンの開発スタッフと協議した上で作られた、~
いわば特注仕様である。任天堂が他社に意見を求める事は前代未聞。
-本作の販売方法は小売店から顰蹙を買った。
--この理由には販売のやり口のあざとさが挙げられる。発注時期の情報ではクラコン同梱版が限定発売でしかも配分が少なかったのだが、~
小売店が通常版を沢山発注した頃を見計らったかのように、クラコン同梱版が大幅に増産&新色追加&限定だったはずが後出しで再生産。~
しかも再受注無しで満数出荷と小売店にとっては頭の痛い展開となり、供給過多で発売からわずか1週間ほどで半値以下まで落ち、原価割れとなってしまったためである。出荷本数が非常に多いこともあり、現在でもかなりの安価で投げ売りされている。
#endregion
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**余談・その後の展開
販売本数はWiiではサード製タイトルで唯一ミリオンヒットを達成し、当時の据え置き版ではシリーズ最高の売り上げ((2018年に『MHW』に抜かれている。))となった。~
カプコンの目標販売本数だった200万本には及ばなかったが、Wiiソフトの売り上げ本数では歴代11位と健闘した方である。~
海外での評価と売上もモンハンとしては高く、任天堂が大々的に宣伝したこともあり、北米・欧州合わせて70万本とそこそこのヒット。~
ただ、ある程度売れたにもかかわらずWiiの市場問題の関係上か、WiiではG等のマイナーチェンジ版は発売されていない。
-2010年12月1日に『ポータブル』シリーズ最新作である『[[モンスターハンターポータブル 3rd]]』が発売された。
--容量の都合で水中戦こそ無いものの、今作で削除された武器の復活、今作に登場した新要素の追加、新フィールドや新モンスターの追加、旧作モンスターや今作に登場したモンスターの亜種の追加がなされている。
--今作の最大の特徴ともいえる水中戦が削除された点も、皮肉なことに『MHP3』では概ね好評を持って迎えられた。
--なお、『MHP3』は初週で今作の売上累計を軽く超え、450万本と(当時)シリーズ最高((こちらも、2018年現在は『MHW』の世界売上に抜かれている。一応、日本のみでの売り上げは未だに『MHP3』がトップである。))の売上を叩き出している。~
もっとも売上に関しては、ハードの普及率や協力プレイの手軽さといった事情から、一概に比べられる物ではないが……。
-本作のアップグレード版である『[[モンスターハンター3G]]』が3DSで、それをHD化したものがWii Uで発売された。
--データ引継ぎができないものの、『MHP3』に登場したモンスター及びその亜種の追加、『MHP3』に登場しなかったモンスターの再登場、今作で削除された武器カテゴリの復活等、本作の不満をほぼ払拭する内容になっている。
--あくまでも本作のアップグレード版であり、『MHP3』で削除された水中戦も本作そのままの使用で続投している。
*モンスターハンター3
【もんすたーはんたー とらい】
|ジャンル|ハンティングアクション|CENTER:&amazon(B0029U18OQ)|
|対応機種|Wii|~|
|メディア|12cm光ディスク|~|
|発売・開発元|カプコン|~|
|発売日|2009年8月1日|~|
|定価|7,340円(税込)|~|
|プレイ人数|1人~2人(オンライン接続は1人~4人)|~|
|レーティング|CERO:C(15歳以上対象)|~|
|周辺機器|ヌンチャク、クラシックコントローラ、USBキーボード対応|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|久方ぶりの新規ナンバリング作品&br()システム改革に伴うモンスター・武器の大幅な削除&br()ゲームバランスは概ね良い&br()クオリティは及第点以上&br()不便なチャットシステム&br()開発ハードの変更や商品展開の難も話題に|~|
|>|>|CENTER:''[[モンスターハンターシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
カプコンの人気シリーズの一つ『モンスターハンター』の一作。読みの「Tri(トライ)」とはラテン表記における「3」のことである。~
PS3での発売が予定されていたが開発中止となり、Wiiでの発売となった。~
シリーズ前作の『[[モンスターハンターポータブル 2nd G]]』が爆発的にヒットし、2008年のゲーム大賞を獲得するまでに至ったために、この作品に対する期待は高まっていた。
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**特徴
『モンスターハンターポータブル 2nd(セカンド)G』(以下MHP2G)や『モンスターハンターフロンティア』といったシリーズ近作は、『[[モンスターハンター2]](ドス)』(以下MH2)をベースに、独自のフィールド・モンスター・装備品など盛り込むような形で作られていた。~
本作はナンバリングが振り直された事に伴い、舞台となる地域や登場モンスターが大幅に刷新されている。但し舞台は別地方であるものの世界観は共通。~
それにともない、後の作品の骨組みの一部となる新しいシステムが意欲的に盛り込まれている。
-モンスター
--全部で18種類。大型モンスターはリオレウス・リオレイア・ディアブロスを除き全て完全新規。ただし亜種・希少種といったモンスターは存在しない。
---旧作から登場している上記3種も、新規モーションの追加や変更が加わっている。
--モンスターの生態がより詳しく表現されるようになった。例えばモンスター同士の絡みの要素が多く盛り込まれている。
---モンスター同士の攻撃が、互いに大ダメージを与えあうようになった。~
大型モンスターは小型モンスターを豪快に蹴散らしながら暴れまわるようになり、巻き込まれて小型が死ぬ場面も多く見られるようになった。また大型の同士討ちを誘う戦略が有効な局面も。
---一部の小型モンスターは、大型モンスターを確認するとそのモンスターに対して威嚇や攻撃を行う。
---大型モンスターは''スタミナ''が減るとパワーダウンし、草食モンスターを捕食したり、ハンターへ拘束攻撃をしかけることで体力を回復しようとする。
---別種のモンスターを呼び寄せる能力を持つモンスターもいる。
---クエスト対象外の大型モンスターがランダムに乱入する事がある。2頭狩猟クエストで登場すると、3体の大型モンスターが暴れ回ることもある。
--モンスターの思考ルーチンに変更が加えられている。
---基本的にハンターが行動不能になると、最大威力の攻撃を仕掛けてくるようなルーチンになっている。
---特に実感させられるのが睡眠属性の攻撃を行うドスバギィだろう。ドスジャギィと同じような感覚で挑んだら、「睡眠→タックル」のコンボで沈められたハンターは多いはず。
-装備品
--武器カテゴリーは全部で7種類(大剣、太刀、片手剣、ハンマー、ランス、ボウガン、スラッシュアックス)。
---''スラッシュアックス''は完全新規武器。旧作にあった双剣、ガンランス、狩猟笛、弓は登場しない。武器間のバランスや水中戦を加味した結果だと思われる。
--武器のモーションが一部見直し・追加されている。
---これにより片手剣や大剣でスタン(めまい状態)を取りに行くといった戦術が可能になった。
---ハンマーは破壊力はそのままに、モンスターのスタミナを減らせる減気攻撃の特性が追加され、派生攻撃が大幅に追加されたり、キャンセル等が効きやすくなったために飛躍的に使い勝手が良くなっている。
---ランスも従来のものと比べ、新モーションの使い勝手が非常に良く、より攻撃的な武器に様変わりしている。本作のみ突きの3回目からカウンター突きを出せるため頭一つ抜けているが、バランス崩壊には至っていない。
--ボウガンが従来のライト・ヘビィに加え、''ミドル''が追加されて3種類になった。~
「''フレーム''」、「''バレル''」、「''ストック''」の各パーツを生産し自由に組み合わせでき、合計の重さで種類が決定する方式になった。
--シリーズ中では珍しく「下位」防具を強化で「上位」に昇格させることが可能。装備を選ぶ上での自由度向上と共に、下位防具の死蔵をある程度防げる。
---『MH2』とは異なり通常の上位装備も、必要素材さえあれば下位防具からの派生なしで作成可能なのでご安心を。
--個々にスキルポイントやスロットが付加されている装備アイテム「''お守り''」が採用されている。
-水中戦
--「ハンター自ら水中に潜って戦う」という、従来には無かった新しい戦闘システムが導入された。
---今までは水中の相手に対する手段は非常に限定的であったが、今作では水中でまともに戦うことが出来るようになった。
--操作に多少の慣れが必要で、とっつきにくい印象がある反面、地上戦では通常狙いにくい部位を攻撃できたりする利点もある。
--今作では重要なゲーム要素のひとつとなっており、下記の闘技大会や村専用のクエストにも水中のみのステージも存在する。
---村専用となる大海龍ことナバルデウスの雄大さは一見の価値あり。
-農場
--増やしたいアイテムを指定して増やしてもらう方式。日数を指定し、経過した段階で農場に行けばまとめて受け取れる。
---ハチミツ・虫・キノコなどが指定可能だが、鉱石は採掘できない。
---魚は漁師に依頼することで取ってきてもらえる。村マップで依頼可能なのは便利だが、半日~3日と更新間隔が短く農場に比べ手間がかかる。
---システム関連が整理され、従来に比べ採取作業効率が良くなっている。(下記の評価点も参照)
-闘技大会
--従来の作品同様に特定の装備で特定のモンスターを討伐する、いわゆる模擬試合。ここだけでしか手に入らないアイテムも存在する。~
内容も従来同様に、やり応えのあるものになっており、装備固定の関係上、力押しよりも戦術が大切になる場合も多い。~
また、報酬を使って手に入れることができる装備にはかなり実用的なものもある。
--オフライン・オンライン問わず、闘技場で2人プレイができるようになった。
---オフラインでは、自分のキャラクターデータを保存したWiiリモコンを持ち寄り、友人と遊ぶ楽しみ方が出来る。~
また、やりこみ要素になってしまうが、オフラインの特定クエストでのみ入手できるものも存在する。~
''ただし、プレイヤーの操作ミスによるデータ消失(後述)には要注意。''
---オンラインでは、一人でも一応参加可能だが、闘技専用の募集コーナーがあり、共闘相手を探しやすい&オンライン限定のクエストも存在する。~
また、オフラインと違い、一定期間でクエスト内容の入れ替えが行われるため、時期を逃すと入手しにくいものも。
-一部の仕様変更
--閃光玉やシビレ罠は同じモンスターに何度も仕掛けると耐性がついて効果持続時間が短くなる。ハメ対策と思われる。
---閃光玉は効果範囲も弱体化しているため、しっかりと当てる技術も必要になった。
--落とし穴がディアブロスに効くようになった。これは後作にも引き継がれる。
--一部スキルが統合されていたり、発動に必要なスキルポイントが底上げされているものもある。
-「さびた塊」系のアイテムの変換方法が変わった。
--素材としてこれらのアイテムを入手し生産するのではなく、クエスト中に入手することで精算時に自動で何らかの装備品に変化するようになった。
---これにより、前作まで可能だった「リロードの繰り返しでレアな装備を狙う」方法はできなくなっている。
-ネコキッチンも仕様が変わっている。
--自分でアイルーを雇うことはできず、レベルはクエスト進行に伴い自動で上がるように。
---その代わり、前作では単なる素材だった食券を使うことで狙いの食事効果を確実に発動したり、食べたことのある組み合わせの食事効果が表示されるようになるなど便利な部分もある。
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**評価点
-旧シリーズの不満点を解消しようとする試みが随所に見られる。
--当たり判定が大幅に改善。旧シリーズに見られた理不尽な当たり判定は少なくなり、視認と判定がほぼ一致するようになった。
--壁際でのカメラワークの乱れがほぼ解消された。脱出困難となる壁際の袋小路も減少しているため、壁際でも戦闘しやすくなっている。
--プレイヤーが受身を取るなど、新モーションが追加された。また転倒中もスタミナが回復するようになり、~
スタミナ切れで回避・防御が出来ずハメ殺されるパターンが減少した。
--小型モンスターの下方修正。過去作品に比べ攻撃頻度や正確性が減少。大型モンスターとの戦闘に集中しやすくなった。
--ステータス確認画面でリモコンのポインタを合わせることでスキルの説明を見ることが出来るようになった。
-ゲームバランスや新規モンスターは概ね好評価。
--モンスターの中では、ボルボロスとイビルジョーの人気が高く、後の『MHP3』での弱体化を残念に思ったプレイヤーも多い。それ以外のモンスターも、過去作に無かった独特の動きを見せる。
--続投の大型モンスターは3種のみだが、こちらの仕様変更も好評。
---特に「チキン飛竜」「空の王者(笑)」などと言われていたリオレウスは、こちらから手が出せない動作が大幅に減少。剣士系でも殴れるぐらいの高さからの低空での空中戦が主体となり、威風堂々とした戦い方を身に付けた。~
その一方、低空飛行時には風圧が嫌というほど発生し、風圧で動けない時にリオレウスの攻撃が直撃→力尽きる、という事態が多発。一部のハンターから不満が聞かれるようになった。~
少数ながら、「低空をパタパタ飛んでいる今作より大空を雄大に飛んでいた過去作のほうが格好良かった」という声も。
--プレイヤー側に不利な要素(モンスターをハメにくくなった事など)が増えた一方で、有利な要素(モンスター同士の攻撃ダメージ増加など)も増し、より奥深いゲームとなった。
-剣士と比べて不遇だったガンナーの扱いが改善された。
--弾薬がアイテムスロットを圧迫し採集できないという問題を、''弾薬用アイテム枠追加''で解決。
--更に剣士用ポーチとガンナー用ポーチを独立させ、剣士→ガンナーに装備を変えた時にあらかじめ必要なアイテムが揃うようになった。
--下位ボウガンでも上位で使用出来るように強化できるため、下位で作ったボウガンが無駄にならない。
--弾の種類が増え、スタミナ減少・気絶・尻尾の切断を狙えるようになった。
-『MH2』にあった「''サブクエスト''」が復活し、結構な数のクエストに付加されている。
--特定の条件を満たすと報酬が増えるというもの。貰える物の中には通常入手困難なものも一部含まれる。
--条件を満たした上でベースキャンプで手続きすると、サブクエストクリアとしてクエストを終了することが出来る。
---主目的を達成していないためクエスト完全クリアにはならないものの、この部分の報酬やクエスト内で入手したアイテムなどは受け取れる。
---クエストを失敗しそうな状況などになった時、非常手段としても有用。
-グラフィックが美しく、フィールドやモンスターの迫力を引き出している。モンスターの鱗の質感などに生き物らしさが加わった。
--地味な変更点ながら、モンスターの影が従来の単なる円形からモンスターごとに固有の形状になっている。
--ただし、過去作『[[MHP2G>モンスターハンターポータブル 2nd G]]』までのグラフィックは全て一貫して同じだったために、それに見慣れていると最初は違和感を感じる事もあった。
-採取・採掘ポイントにそれとわかるオブジェが表示され、見つけやすい。
--それまでと異なり、所持しているピッケルなどにアイテム欄をいちいち切り替える必要は無く、ボタン1つで採取できる。~
また、それ以上採取できなくなるとオブジェが消えるため、無駄に探すことがなくなった。
--時間経過で採取・採掘ポイントのオブジェが復活したり入れ替わったりする。また色や形が違うレアオブジェ(珍しいものが出やすい)が出現する場合もある。
-農場の仕様変更はゲームテンポの改善につながっている。
--従来に比べ、農場が狭いので走り回らなくて良く、各コーナーを1回ずつ確認するだけで良いため採取時間が短く、特にオフライン序盤などは恩恵が大きい。
-オンラインのプレイ料金にWiiポイントによる決済を導入したことでオンライン契約の煩わしさが無くなり、オンラインモードのハードルが下がった。
-新たなオトモキャラ、奇面族の「チャチャ」の性能が前作までのオトモアイルーに比べて優秀。
--「特技はノーコストで付け替え可能」「体力回復・能力強化などの能力をもつ踊りをデフォルトで使用可(こちらも変更可能)」「複数のお面を付け替えることでモンスター探知・肉を焼くなど様々な特殊能力を発揮」「採取だけでなく剥ぎ取りを行う」など非常にありがたい性能になっている。
---ただ、優秀すぎて狩りの緊張感を削ぐ、という意見も一部ある。連れて行かない設定もできるのでこの辺りはお好みで。
---ちなみに開発段階の設定では''人間のオッサンハンター''であったらしい。…この設定変更は正解だろう。&br()もしこのままであったら''オッサンが様々な踊りでハンターを強化していた''のである。笛での強化になっていたかもしれない…。
-ハイクオリティな音楽
--今作の音楽は『MHP2G』より加わった小見山優子氏と牧野忠義氏がメインコンポーザーを担当した。
--今作はチェコのオーケストラによる生演奏が使用されている。
--本作でも、モンスターハンターの雰囲気を際立てる秀逸なBGMが数多く存在する。
---壮大な曲調のメインテーマ『生命ある者へ』。
---新アレンジでハンターを出迎える『英雄の証』。
---『モンスターハンター』シリーズでは珍しい、ピアノを基調とした凍土の戦闘BGM『零下の白騎士』。
---迫力満点の、パッケージモンスターを象徴する孤島の戦闘BGM『海と陸の共震』。
---シリーズ初のボーカル入り戦闘BGM『月震』((ただし、本作以前にもコーラスを取り入れた戦闘BGMはある。))
---世紀末を思わせる、ラスボスにぴったりな『殷々たる煌鐘の音』。
---ジエン・モーラン戦の決戦ステージで流れる『迎え撃つ大銅鑼』。~
また、このステージでは、撃龍槍を当てるとちょっとした演出が用意されている。
その勇ましさから、ハンターの戦意向上に多大な影響を与え、評価も高い。
#region(撃龍槍を当てるとどうなるのか?)
-決戦ステージでは、撃龍槍を装備した船をベースにして戦う。この時、ジエン・モーランに撃龍槍を一発お見舞いすると、~
『英雄の証』のショートバージョン((過去作に登場したラオシャンロン戦で流れる『最終決戦』に近いが、音源が3バージョンになっている。))に曲が切り替わる。~
ただし、撃龍槍を当てる前に討伐完了してしまうことも多いため、ソロでもなければ狙って行うのは難しい。
#endregion
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**賛否両論点
モンスターの種類の絶対数が少なく、ひいてはその素材から作られる装備品の種類も少ない。~
過去作の武器4種が削除された点も含め、「''ボリューム不足''」が指摘されている。
-モンスター総数は携帯機の『MHP2G』で60種(亜種・希少種含む)。これと比べてしまうと、本作の18種という数字は大きく見劣りする(もっとも、2シリーズの総集編ともいえる『MHP2G』や、アップデートによるボリュームアップが臨める『[[MHF>モンスターハンター フロンティア オンライン]]』と比べるのは酷な話ではあるが)。
--また属性間の扱いの差も大きい。古龍種を除くと氷、雷、麻痺の使い手であるモンスターが1種類ずつしかおらず、必然的にこれらの属性を使いたい時の選択肢が狭まっている。
-同じモンスターでも武器によって立ち回りが全く異なるため、武器削除がボリューム面に与えた影響は大きい。~
これまでのシリーズでは武器は据え置きあるいは増加傾向にあった中での削除なので、削除武器の愛用ユーザーからの不満は大きい。
--ただし、新武器であるスラッシュアックスを含め、武器間のバランスはシリーズ中で比較的良い方である。(ただし地上に限る)
-防具面についてもお守りが追加された事で、防具とスキルの組み合わせを考える際の自由度が高まったともいえる。
--それに伴い、良質の物を求めて特定火山クエストにひたすら労力を費やすハンター(''通称:炭鉱夫'')が今作から出現する。
-これらの課題に対して、ユーザーからは亜種・希少種((通常のモンスター(通称:原種)と色や行動パターンを変えたモンスター。))の採用を始めとする旧作要素の継続路線を希望する声が多く挙がった。~
一方で、これはあくまでも旧作と比べてのボリュームダウンであり、本作自体は数十時間以上十分に遊べるゲームである。~
また、亜種で水増し((当時の亜種(特に『MHG』時代のモンスター)は、後の作品と比べると亜種ならではの個性が少なく、亜種と手軽に戦えるようになった『MH2』以降は水増しとの批判もあった。))せずに新規モンスターを中心に構成し、武器についても数を絞る事で程良いゲームバランスを保った調整を評価する声もある。
-水中戦における息継ぎ周りのバランス調整が甘い。
---酸素ゲージの減り自体がかなり遅く、あまり酸素に気を配る必要がない。ゲージ減少が早くなる(デメリット)スキルがつくとようやく気になるレベル。~
酸素ゲージを全回復する気泡も各フィールドに設置してあり、位置を覚えればわざわざ息継ぎに出る必要すらなくなってしまう。
---このため酸素ゲージに関わる「酸素」スキルや酸素ゲージを回復する酸素玉はごく一部でしか出番がないことがほとんど。
---一方で、あまり減少が早かったり、回復が煩わしいと戦闘どころではなくなるとの意見もあるので、これ自体は賛否両論といった所か。
-属性やられの追加により、火球や放電などモンスターの属性攻撃の脅威が増し、これまで以上に気を配る必要性が出てきた。
--全体的に『MHP2G』以前に比べると防具の属性耐性が極端で、特にマイナス耐性はそのままだと-20やら-30やらといった数値になってしまう。これにより、属性攻撃を多用するモンスターの戦闘力が大幅に向上している。
//-その一方で、属性攻撃を持たないモンスターの戦闘力が両極端になってしまう原因にもなった。
//--本作ではまだ「属性を持ったブレスやエネルギー放出は予備動作が長く避けやすい」「無属性モンスターの攻撃力も高めに設定されていて油断ができない」などバランスが取られているが、後発の作品では異常なまでに戦闘がヌルくなる(『MHP3』のティガレックスやナルガクルガなど)か、マイナス耐性での属性ダメージすら凌駕する理不尽な強さになる(『MH3G』のディアブロス亜種など)といった例が散見される。
//本作の問題点ではないのでは。
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**問題点
-試み自体は評価されているものの、水中戦は全体的に練りこみ不足な面があり、評判があまり良くない。
--水中ゆえの動きの遅さなどある程度は仕方がない面もあるが、操作性が凄まじく悪い。
---水中では緊急回避が出来ない。また、泳いでる最中に攻撃と回避のボタン入力を受け付けない時間がある。回避や攻撃が1回できないだけで大幅に不利になってしまうこのシリーズには致命的である。
--地上戦と違い敵味方共に動きが三次元となるため距離感がつかみづらい。
--武器バランスは概ね良好である本作だが、水中における使い勝手は格差が激しい。
---片手剣は手数の減少と回避性能の低さで著しく弱体化。デメリットを受けるばかりで長所がない。
---逆にランスは非常に有利。水中では動きが鈍くなり、回避よりもガードの方が被弾を減らせる傾向が大きいためである。また攻撃面も、地上よりも手数が減らないし、ステップも回避と違って緩慢ではないため有利である。~
加えて突進が普通に泳ぐよりも早いので移動手段やヒットアンドアウェイの戦法としても使えるなど、頭一つ抜けている。
-モンスターを一新したものの、「設定が理不尽」「戦っていて面白くない」という不人気モンスターが一部存在する。
--特に上記の水中戦を得意とするモンスターは全体的に不人気な傾向にある。
---モンスターそのものよりも水中戦自体が嫌われている部分が大きいか。
--獣竜種にあたるモンスターは、「振り向く際に一歩後ろへ下がる」という行動をとり、その後突進等の攻撃へ即座に移行する。~
これについて、振り向きざまにモンスターの顔へ渾身の一撃を加えるというスタイルをとる大剣やハンマーを使うプレイヤーからは少々不満が出ている。~
この辺は経験を積んで臨むしかないのだが……。
---そもそもこの問題は、これまで鳥竜種の専売特許であったバックステップを大型モンスターが用いることになったことへの不平が絡んでいるとも考えられる。
--「''古龍種''」討伐の作業化が従来作と同等以上に顕著になっており、専用部屋の数が多い割に効率を重視する部屋の割合が高いため、装備条件が合わないと参加を断られてしまうハンターが頻出した。
-操作に使うクラシックコントローラはPS2のコントローラに比べてボタン数が少ない。~
そのため一部の操作が複数ボタン同時押しになってしまい、据え置きのコントローラ操作に慣れているユーザーは戸惑う事も少なくない。
--特に納刀状態からガードや溜め行動を行う際の操作(R1+x+aボタン)。~
慣れないうちはキック(xボタン)が暴発してしまう事が多いため、非常に使いにくい。
---Wii版『[[MHG>モンスターハンター]]』ではR1+xの同時押しにより、ダッシュ中ならばxボタンを押すだけでガードや溜め行動ができたため、余計に改悪とみなされやすい。
-なぜか太刀を作成可能になる時期が遅い。オフラインプレイでは中盤まで武器屋のラインナップにさえない。
-ボウガンの仕様変更については「微妙」という評価が多い。
--システム自体はなかなか面白みがあるものだが、モンスターの種類の少なさが災いし作れるパーツの種類が少なすぎる。~
このため組み合わせの選択肢も必然的に少なくなり、結局似たり寄ったりの物しかできない。
---結局『MHP3』以降ボウガンの仕様は元に戻ることになり、ミドルボウガンは本作のみでの登場となっている。
-一部スキルに必要な条件が底上げされたため、そのスキルを使用したい場合、装備の選択肢の幅が限定的。
--モンスターの種類の少なさに伴い、着せ替えの組み合わせバリエーションが少なく、防具をシリーズ一式で揃えてしまうと他人と被りやすい。
-制限時間の単位に「分」が使われているが、実際の制限時間はゲーム中に表示される制限時間の0.9倍という不可思議な仕様。
--つまり、''制限時間50分のクエストは現実世界の45分で終了する''。~
慣れてしまえば、制限時間ギリギリまで戦うようなゲームではないのだが、初心者の内は注意が必要。
-村でWiiリモコンに保存された闘技場データを受け取るとリモコン内のデータは上書きされる。~
そのため、そのままセーブせずにゲームを終了するとアイテム・クリアタイム等のデータが再度取得できなくなってしまい、苦労が水の泡となる。
--通常は本体データに闘技場のデータを保存するのでこの現象は起こらない。~
リモコンを複数持ちよってのマルチプレイ時、ゲストプレイヤー側にのみ起こりうる事態。こまめにセーブすれば防げるものではあるが…
**オンラインプレイ時の問題点
-オンラインのチャットシステムの貧弱さ。
--一回のコメントで入力できる最大文字数は''わずか16文字''。~
『MHF』はもちろんPS2で発売された過去作と見比べても、お粗末な仕様と言わざるを得ない。~
よく言われる物では、「ウラガンキンを狩りに行きませんか?」が1回で入りきらないといった有様。
--日本語変換ツールには『''かしこい日本語ATOK''』が使用されているのだが、これがびっくりするほど''かしこくない''。
---よく挙がるものでは「''ヒと''(人)」「''簿迂愚''(防具)」「''素着る''(スキル)」「''討議上''(闘技場)」「''擬留土''(ギルド)」~
これらはいずれも『モンハン』シリーズにおいて使用頻度の高い語句である。
---一方で「[[おジャ魔女どれみ>キッズステーション おジャ魔女どれみ♯ MAHO堂ダンスカーニバル!]]」や「Hey! Say! Jump!」など、ゲーム中でほぼ確実に使わない単語は一発変換できる。~
おジャ魔女どれみに至っては「おじゃまじょ」だけで変換できるなど、''無駄な部分でかしこい''ため余計に腹が立つ。
-クエストの最大定員が4人にもかかわらず、部屋の最大定員が10人と中途半端。
--4人1組で行動するため、満員の時はパーティを分ける必要がある。~
ただし、目的別の募集部屋では部屋定員自体が4名なので、そちらを利用することで改善は可能。
-唯一の水中戦用古龍である「ナバルデウス」が何故かオフラインでしか戦えない。
--当然ながら「ナバルデウスを多人数で狩りたかった」というユーザーは多い。
-他プレイヤーが受注したクエストにエントリー後、「準備完了」している間は、動くことはおろかチャットさえできなくなる。
-前作まではプレイヤー一覧で各ハンターのステータスが見られたが、今作は個々のハンターに近づかないとステータス確認が出来ない。
--どのハンターがどのクエストまで受けられるかの確認がかなり面倒。Wii版の『MHG』にすらあった機能なのに、なぜ仕様を変更したのか。
-オンラインプレイのハードルはPS2で出された過去作に比べ下がったが、それによりネチケットに乏しい者が多く流入するという弊害も生まれた。
--上記のとおり、比較的容易にオンラインを利用できるため、若年層が格段に増えたとされる。
--また、本作で太刀に追加されたモーション、「気刃大回転斬り」は通称「''気刃大迷惑斬り''」と言われるぐらい巻き込み率が高い。このため、従来からソロでの扱いやすさや見た目の格好よさによりプレイヤースキルの伴わないプレイヤーが多く、元より地雷扱いされやすい太刀使いの地雷率が更に跳ね上がった。
---本作の太刀は大回転斬りをキッチリ当てて行かないと火力が出ない仕様であることも大きい。もちろんプレイヤースキルの高い太刀使いも多いので、太刀を使っているというだけで地雷扱いするようなマナー違反は慎むこと。
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**総評
単体で見れば平均以上の出来である。旧作で指摘されてきた問題点がかなり改善されており、シリーズものとして見ても及第点以上といえる。~
また従来シリーズと比べて取っ付きやすい操作系である本作は、内容は評価されても操作性で敬遠されがちだった海外市場において~
モンスターハンターシリーズの名を広める事にも貢献した。~
しかし、システムの一新に伴うボリューム不足が足を引っ張っており、『MHF』や『MHP2G』をプレイしたユーザーからの評価は大きく分かれている。~
オンラインでの協力プレイが楽しいシリーズなだけに、オン環境に大小様々な問題を抱えている点も残念であった。
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**発売前の話題・小売殺し
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-カプコンは当初、本作をPS3で発売するとしていたが、開発費などの理由でWiiに変更した。そのため本作目的でPS3を買ったファンからは批難の声が挙がった。
--ソニー据え置き機での完全新作は、9年後の『[[MHW>モンスターハンター:ワールド]]』を待つこととなる。
-本作発売数ヶ月前に『MHG』を、本作の体験版+クラシックコントローラをセットにしてリリースしている。~
『MHG』はクラコン専用で必然的にクラコンを所持することになる。その後クラコンPRO及びそれを同梱した本作が発売。
--なお、ゲームとのセット販売されたクラシックコントローラPROは今作のためにカプコンの開発スタッフと協議した上で作られた、~
いわば特注仕様である。任天堂が他社に意見を求める事は前代未聞。
-本作の販売方法は小売店から顰蹙を買った。
--この理由には販売のやり口のあざとさが挙げられる。発注時期の情報ではクラコン同梱版が限定発売でしかも配分が少なかったのだが、~
小売店が通常版を沢山発注した頃を見計らったかのように、クラコン同梱版が大幅に増産&新色追加&限定だったはずが後出しで再生産。~
しかも再受注無しで満数出荷と小売店にとっては頭の痛い展開となり、供給過多で発売からわずか1週間ほどで半値以下まで落ち、原価割れとなってしまったためである。出荷本数が非常に多いこともあり、現在でもかなりの安価で投げ売りされている。
#endregion
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**余談・その後の展開
販売本数はWiiではサード製タイトルで唯一ミリオンヒットを達成し、当時の据え置き版ではシリーズ最高の売り上げ((2018年に『MHW』に抜かれている。))となった。~
カプコンの目標販売本数だった200万本には及ばなかったが、Wiiソフトの売り上げ本数では歴代11位と健闘した方である。~
海外での評価と売上もモンハンとしては高く、任天堂が大々的に宣伝したこともあり、北米・欧州合わせて70万本とそこそこのヒット。~
ただ、ある程度売れたにもかかわらずWiiの市場問題の関係上か、WiiではG等のマイナーチェンジ版は発売されていない。
-2010年12月1日に『ポータブル』シリーズ最新作である『[[モンスターハンターポータブル 3rd]]』が発売された。
--容量の都合で水中戦こそ無いものの、今作で削除された武器の復活、今作に登場した新要素の追加、新フィールドや新モンスターの追加、旧作モンスターや今作に登場したモンスターの亜種の追加がなされている。
--今作の最大の特徴ともいえる水中戦が削除された点も、皮肉なことに『MHP3』では概ね好評を持って迎えられた。
--なお、『MHP3』は初週で今作の売上累計を軽く超え、450万本と(当時)シリーズ最高((こちらも、2018年現在は『MHW』の世界売上に抜かれている。一応、日本のみでの売り上げは未だに『MHP3』がトップである。))の売上を叩き出している。~
もっとも売上に関しては、ハードの普及率や協力プレイの手軽さといった事情から、一概に比べられる物ではないが……。
-本作のアップグレード版である『[[モンスターハンター3G]]』が3DSで、それをHD化したものがWii Uで発売された。
--データ引継ぎができないものの、『MHP3』に登場したモンスター及びその亜種の追加、『MHP3』に登場しなかったモンスターの再登場、今作で削除された武器カテゴリの復活等、本作の不満をほぼ払拭する内容になっている。
--あくまでも本作のアップグレード版であり、『MHP3』で削除された水中戦も本作そのままの使用で続投している。