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おもいっきり探偵団 覇悪怒組 魔天郎の挑戦状

【おもいっきりたんていだん はあどぐみ まてんろうのちょうせんじょう】

ジャンル アクションアドベンチャー
対応機種 ファミリーコンピュータ ディスクシステム
発売元 バンダイ
開発元 トーセ
発売日
()は書換開始日
1988年3月25日(1988年5月24日)
定価 3,300円
プレイ人数 1人
判定 シリーズファンから不評
ポイント アクションを交えた謎解きゲームそのものは悪くない
覇悪怒組らしいチームワークはゲームでは味わえない
番組終了後のゲーム化で販促面では遅すぎた


概要

1987年にフジテレビ系列で放送された東映不思議コメディーシリーズ『おもいっきり探偵団 覇悪怒組 (はあどぐみ)』のゲーム化作品で、既に放送が終わった1988年3月にバンダイからファミコンディスクカードで発売された。
ゲームとしては謎解き要素の強いアクションアドベンチャーだが、アクションの比重が非常に高い。
原作要素はアイテム以外はゲーム根幹にあまり関係なく、ほとんどゲームオリジナルに近い。


ストーリー

このところ連日のように新聞紙上は、かの大怪盗魔天郎の活躍?ぶりでにぎわっている。 ボクはいてもたってもいられず、竹早小学校にいる覇悪怒組のリーダー、ヒロシ君に会いにいったんだ。そして、覇悪怒組の入団を正式に申し込んだ。
でも、初対面のこのボクを簡単に仲間にしてくれるほど覇悪怒組はヤワじゃない!
ヒロシ君はボクに「君の熱意はわかった。それならば君が今回のこの魔天郎の挑戦に対して実績をあげてくれれば、正団員として覇悪怒組に迎え入れよう。それまでは"見習い団員"だ、いいね?」といってくれた。
さっそく、ボクは仮入団し、メンバーに紹介され、覇悪怒組グッズ(ハードシーバー、シュウオンサー、キンミッケル、スリリングショット、ジオラスコープ)を借りて、魔天郎の挑戦を受けて立つべく覇悪怒組アジトを出発したのであった。
果たして、魔天郎のアジトへ潜入するための地下入口は?挑戦状に書かれていた謎の暗号文は何を意味するのか?さらに、暗闇一族と難関が待ち構えている。だが、何としても黄金像を取り戻し、魔天郎をつかまえるのだ!

(取扱説明書4・5頁より引用)


内容

  • プレイヤーは覇悪怒組に憧れる少年で、覇悪怒組の新メンバーとして認められることが目的。

入団テスト

  • まず最初に覇悪怒組のメンバーとなるため、団員証に自分のプロフィールを入力。それが終わると入団テストが始まる。
    • テスト1・記憶力テスト
      • 魔天郎、純子先生、落合先生、怒り仮面の4人の顔が2回ずつ表示されるので、その表示された順番(1~8)を入力する。8つの番号を正しく答えられれば合格。
    • テスト2・敏捷性テスト
      • 気球から吊るされたハシゴにいる魔天郎が50本のバラを投げてくる。35本以上取れば合格。
  • 上記2つのテストに合格できれば団員証に合格印が押されてゲームスタート。
    • ただし、あくまで仮入団という扱いである。

本編

  • 仮団員として認められたプレイヤーが正式なメンバーとなるべく竹林寺や竹早小学校などがある竹早町を舞台に黄金像を求めて奔走する。
    • 街中などで襲ってくる敵キャラは原作でも登場した「暗闇一族」という世界征服を狙う闇の秘密結社。
  • 原作は怪人魔天郎を捕らえるべく洋、悟、進、猛夫、矢須子のメンバー5人がチームワークで奮闘するストーリーだが、ゲームでの彼らは情報をくれるモブのような役割になっている。
    • プレイヤーキャラは名前を入力したプレイヤー自身のみで、実質1人で魔天郎に挑むような形になっている。
      • 前述の通り、主人公は洋から与えられたものを、含めアイテムを駆使して魔天郎を追うことになる。
    • ステータスは「体力」と「電池」があり、体力はダメージを受けると減っていき、なくなるとゲームオーバー。
      • 「電池」は上記のアイテムの中で電気を使わなければ作動しないものを使うと減っていき、なくなるとそれらが使えなくなる。アイテム「電池」を取ると電池ゲージが満タンになる。
      • 敵キャラを倒すとドロップアイテムとして体力回復の「パン」を落とすことがある。
  • 操作はAボタンでジャンプし、Bボタンで攻撃。
    • アイテム使用の選択はスタートボタンでポーズして行う。
    • セーブはいつでも可能でセレクトボタンでするか否かを選択する。
      • セーブした場所にかかわらず、ゲームの再開は覇悪怒組本部からとなる。
  • アイテムは下記10通り。
    • スリリングショット………いわゆるスリングショット(パチンコ)で玉を飛ばして攻撃する。
    • キンミッケル………………金属探知機で地中に埋まった金属を探す。金属に近づくとパルスの間隔が短くなる。
    • シュウオンサー……………集音器で遠くの物音を察知する。敵などが近づくとパルスの間隔が短くなる。
    • ハードシーバー……………通信機(トランシーバー)で大事なヒントや指示を聞くことができる。ただし「いじょうなし」「ほんぶへもどれ」などかなり簡素な内容。
    • ジオラスコープ……………偵察用の双眼鏡で、向いた方向の1画面分先を見られる。
    • シークレットカード………暗号解読用のアイテム。
    • 懐中電灯……………………真っ暗な地下で使用する。自分の周囲を照らすことができる。
    • ロープ………………………侵入・脱出用アイテム。ただし上へ登るのみで掛けられる場所も限られている。
    • カギ1………………………どこかにある隠し部屋に入ることができる。
    • カギ2………………………魔天郎のアジトに入るために必要。
  • キンミッケル、シュウオンサー、懐中電灯は使っていると時間経過で電池を消耗する。

評価点

  • 探偵モノの推理アドベンチャーとは一線を画しており、原作でもそうだったようにアクションを取り入れたものになっている。
    • 原作も「探偵団」という名ではあるものの推理などの頭脳的展開よりも、フィジカルなアクションが主体である。
      • その操作性自体は悪くなく、アクションとの連動も良い。
    • 「アクションゲームをベースに謎を解く」という要素があるため、アクション面の難易度はそれほど高くはなく、謎解きに頭を使う余裕は充分ある。
    • アクションゲームとして敵が襲っては来るものの、攻撃そのものは激しくないので、これも謎解きを同時に行うことに配慮されている。
  • ゲーム向きのエピソードを起用。
    • ゲーム中で敵として襲ってくる「暗闇一族」とは19話『怒り仮面登場!!』と20話『怒り仮面の逆襲』の2話続きのエピソードで登場した世界征服を目指す闇の一族である*1。
    • 彼らは一族の本来の後継者である統領の息子が自殺してしまったため、その代わりを探すべく男の子ばかりを襲い攫っていたので、男の子である主人公を襲うのも再現として正しい。
      • ゲームでは珍しくないとはいえ町中の一般人が一少年を意味なく襲うのは不自然なので、このような設定を原作から引っ張ってきて盛り込むのは上手い設定構築と言えそう。
      • 裏技ながら後述の通り怒り仮面まで登場する。
  • 原作の特徴的な場所がゲームとして落とし込まれている。
    • 学校、アジト、竹林寺などサイドビューアクションゲームスタイルに落とし込まれている。
      • 原作で出てきた象徴的なアイテムもちゃんと登場している。
  • 体力が多く、その上敵からのアイテムドロップでの回復もしやすいのでプレイヤーキャラはそれなりに打たれ強い。
    • 敵も前述の通りそこまで強くはないので、そうそうやられない。
    • 体力が減ってきたら、ザコ敵からパンのドロップでゆっくり回復することはそう難しくない。

問題点

  • アイテムこそ取り入れられているがストーリー面での原作再現という点では不足感が著しく、友情やチームワークが色濃い覇悪怒組を使う必要性が感じられない。
    • 最初から関係のないミニゲームで始まる点は入団テストということで納得したとしても、本編では他のメンバーと協力している感じがしない。
      • また挑戦してくるはずの魔天郎が覇悪怒組の入団テストに協力してバラを投げる役をやっていたりするのもシュール。
    • アイテムのハードシーバーでヒントなどをメンバーから聞くことができるとはいえ、「ほんぶへもどれ」など簡素なメッセージしかなく協力しているという感じはしない。少なくとも番組内で見たような協力関係はないも同然。
    • 一応ストーリーは上記の通りなのだが、いかにもゲーム都合で取って付けた感が否めず洋たち覇悪怒組メンバーはヒントをくれるキャラでしかない。
      • 原作の魅力は覇悪怒組の友情や団結のドラマにあることを思うと、ゲームシステムの関係で仮入団の主人公との距離感がどことなく漂っていてコレジャナイ感が強い。
    • 竹林寺の洋漢和尚、学校にいる落合先生などはモブ同然で原作再現度はないに等しい*2。
    • クリアすれば晴れて正式な団員になれるとはいえ、最初に入力した団員証の「かりにゅうだんしょう(仮入団証)」の部分が「だんいんしょうめいしょ(団員証明書)」に変わって出てくるだけでゲームはそこで終わってしまって実際の覇悪怒組として活動はしないので当時の少年たちが望んだものとは違う感もある。
    • 団員ナンバーも洋たちを差し置いて0番や1番にできるのもおかしいし、そもそも原作の「団員証」*3には団員ナンバーなるものは存在しない。またナンバーそのものにしてもムダに4桁もあるのは滑稽。つまり1万人まで対応している(洋たち5人を差っ引いても9995人)ことになる。
    • 入団テストの顔に含まれている「怒り仮面」はなんとラスボスとの戦いの中で裏技コマンドで呼ぶことができるが別に強くない。やられると体力全快状態の主人公に戻るというだけなので実質1回だけの復活権のようなものでしかない。
      • 実際の怒り仮面は魔天郎の怒りが極点に達した時に変身した姿で、その戦闘力は驚異的なのでこれではさすがに幻滅もの。裏技必須ならそれこそ圧倒的な強さを持っていてもバランスを壊すようなものでもなかっただろう。
  • アイテムの原作再現性とは反対に原作再現という点では詰めが甘い部分もある。
    • 例えば覇悪怒組のアジトは竹林寺の境内に地下防空壕にあったのだが、ゲームでは一画面手前の井戸の中と距離がある。
    • 説明書では「覇悪怒組グッズ」の1つとして書かれているスリリングショット(パチンコ)も名前の通り、ライバル集団であるパチンコ組の得意技である*4ため、むしろ敵方のイメージが強い*5。
    • 一応理論的には間違っていないが、作中では電池が切れてアイテムが使えなくなるようなことも原作にはなかったので、無意味で不便なだけ。
  • 素手のパンチ攻撃は実質無意味。
    • パチンコを使用していない状態での攻撃は、素手で殴るようになっているのだが、特に威力が強いわけではない。
    • それならいっそのことパチンコは標準装備として、常時使用する仕様でもよかったと思われる。
  • BGMが番組内で使われた劇伴や主題歌とは似ても似つかない。
    • 特に本作は終わってからの発売であるため、こういった部分に原作アレンジなどがあれば番組を思い出すことにも役に立ったと思われる。
    • なお、BGMのクオリティ自体が著しく悪いというわけでない。
  • ゲーム自体は短く、予備知識があれば意外とあっけなく終わってしまうほど薄いのでボリューム不足。
    • ディスクのセーブ機能は実装されてこそいるものの、上記の通りセーブする必要もないほどの内容で実際なくてもなんとかなる。
    • 一応謎解きが多いので、それで多少補えてはいるのだが。

総評

謎解きアクションゲームという単体で取ってみれば、システム自体は取り分け優秀な出来でこそないものの操作はスムーズだしヒントをたどって進めるなど、それなりの出来だがボリューム面は今一つ。
原作再現という点では、作中のアイテムこそ取り入れられているものの原作らしくメンバーが協力して立ち向かっているようには思えない構成のため、覇悪怒組のファンからすればガッカリなイメージが強い。
原作の人気は高く、現代日本という身近な世界で展開されていただけに、ファンからしたら「僕・私も覇悪怒組のメンバーになれたら」と想像もしやすかったので「それが叶うゲーム」という狙いであったとも考えられるが、むしろ違和感ばかりが目立つものになった。
そもそも、発売時点で既に原作の放送が終了していて、次回作『じゃあまん探偵団 魔隣組』の放送開始から3ヶ月も経っており、こちらも人気が高かったため、その前身の覇悪怒組をゲーム化するには販促機会を逃してしまった感も否めない。
発売時期の遅れから、ストーリー設定の無理矢理感が気にされなかったというケガの功名な一面もあるが、それだけでなくゲームの構成自体も地味で何かにつけて目立たない作品となった。


余談

  • ゲーム中では出てこないが、原作では準メンバーのような位置付けで矢須子の4歳下の弟にあたる森介がいた*6。
    • その森介は覇悪怒組に入りたがっていたので本作の主人公(プレイヤー)は、ある意味森介に近いポジションといえるかもしれない。
    • とはいえ森介は姉にくっついてきて行動を共にすることもあったが、幼さもあって戦力にはならず最後までメンバーにはなれなかった。
  • バンダイのアナログボードゲームシリーズ『パーティジョイ』でも『覇悪怒組』のゲームが作られており、サブタイトルも『魔天郎からの挑戦状』と本作と類似している。なお、こちらは原作放送中での発売がされていた。
    • このゲームでは原作通りに覇悪怒組がチームワークで魔天郎と戦う、原作に近い構図になっている。
    • 他にバンダイは『対決魔天郎』というLSIゲームも発売しており、こちらも原作放送中に発売されている。
  • 同シリーズの次期作品にあたる『じゃあまん探偵団 魔隣組』の17話「ジゴマIIIに夢中!」(放送日:1988年5月1日)で登場する架空のゲームソフト『ジゴマIII』のアクションパートの部分は本作がそのまんま流用された。
    • 『ジゴマIII』は当然この年一大ブームを巻き起こし社会現象にまで発展した『ドラクエIII』コト『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』に作中で常に登場する敵にあたる「怪人ジゴマ」*7を掛け合わせたパロディなのだが、当該のゲーム自体は本作ベースということでまったく別物で本物のドラクエIIIとは似ても似つかない。これが社会現象を巻き起こすほど売れるとも思えない。
    • なお作中の『ジゴマIII』はタイトル画面やジゴマのメッセージ画面は専用で作られていた。またクレジット表記に「BANDAI」をそのまま使うのは抵抗があったか「BAMZAI」ともじられていた。
    • 前述通りアクションパートは本作の流用ながら、そのBGMはオリジナルのものに差し替えられている。
      • この話のためだけというのもあって上記のタイトル画面なども含めてオリジナルBGMはすべて単音構成と、いかにもやっつけで作られているが、ちゃんと番組内で使われているジゴマ登場時の曲がアレンジされたものになっている。
  • 前述通り、いろいろな意味で目立たない作品となったものの、売上面では決して悪くはなく、ある程度の本数が売れていたため2026年時点での中古価格は比較的お手頃。
    • 覇悪怒組の関連商品は書籍、「シュウオンサー」「キンミッケル」などのグッズ玩具、上述のLSIゲームやボードゲームなどはかなり高騰しているため、本作はその中で一番入手しやすいものとなっている。
    • 原作がDVD化されていないため必然的に昭和のリアル世代以外では本作が覇悪怒組というコンテンツに最も触れやすいものだが、このゲームだけプレイしても覇悪怒組の魅力はゼンゼン伝わらないだろう。

その後の展開

  • 原作の次回作にあたる『じゃあまん探偵団 魔隣組』も『じゃあまん探偵団 魔隣組 ㊙ジゴマ捜査ファイル』として同年11月29日に同じくバンダイからファミコンディスクカードで発売された。
    • 本作とは打って変わってラスボス戦以外ゲーム自体にアクション性はなく、RPGに近いアドベンチャーになった。
      • ただし、本作よりもスローテンポな展開が目立ち、ゲーム部分の完成度の低さは否めないものの、原作再現という点では、それなりなものになっている。
    • 終了した翌年に発売された本作と違って、この作品は最初から番組と連動したゲーム化を見込んでいたと考えられ、原作エピソードで魔隣組がアイデアを出してこのゲームが作られる話(第39話「ジゴマへの贈り物」・1988年10月9日放送)があり、まだ発売前のこの作品が番組内で使われており実質的なプロモーションも兼ねている。
      • そして翌週にあたる第40話では次回予告でそのプレゼントキャンペーンが行われ*8一般の発売日もギリギリながら原作放送中に間に合っている。
最終更新:2026年09月27日 16:09

*1 この話が放送されたのは1987年5月なので、その存在自体翌年の3月まで覚えていたか微妙なところであるが。

*2 一応作中の竹早小で落合先生以外の男性教師は出ていないので落合先生の可能性が高いが、他にいないと確定しているわけではないのでゲーム中の学校にいる先生が落合先生であるとは限らない。竹林寺の住職は洋漢和尚なので間違いないが。

*3 実際には矢須子が15話で作った「覇悪怒組手帳」で、後にグッズとして市販された。

*4 一応第21話「魔天郎の子守唄」で進がパチンコを特訓しているので全く使わなかったわけではないのだがパチンコ組登場以降は一度も使っていない。

*5 もっとも放送終了を挟んだ本作発売当時からすればパチンコ組は仲間も同然だったが。

*6 毎回出演したわけではないが、演じた山本亮はレギュラー扱いでOPクレジットに含まれていた。

*7 覇悪怒組でいう魔天郎のような立ち位置の怪人。

*8 なおその第40話や次回にあたる第41話の本編はこのゲームとはまったく関係ない内容。