本稿ではPS4用ソフト『ファイナルファンタジーVII リメイク』と、PS5/Win用ソフト『ファイナルファンタジーVII リメイク インターグレード』を紹介しています。判定はどちらも「良作」です。



ファイナルファンタジーVII リメイク

【ふぁいなるふぁんたじーせぶん りめいく】

ジャンル RPG


対応機種 プレイステーション4
メディア BD-ROM 2枚組
発売・開発元 スクウェア・エニックス
発売日 2020年4月10日
定価 通常版 9,878円
特別版 11,501円
同梱版 32,970円 (PS4 / 500GB)
43,970円 (PS4 Pro / 1TB)
プレイ人数 1人
レーティング CERO:C(15才以上対象)
判定 良作
ポイント 美麗に生まれ変わったグラフィック
豪華キャスト陣によるフルボイス化
ターン制からアクション寄りのバトルに
分割作展開ゆえ「ミッドガル脱出」まで
ボリュームは充分だが水増し感あり
一部ストーリーの改変は賛否両論
ファイナルファンタジーシリーズ


生まれる前から伝説―



概要

1997年にプレイステーションで発売された『ファイナルファンタジーVII』(以下原作及び『VII』と表記)のフルリメイク作品。
日本に限らずゲームメーカーのクラシック名作のリメイクはその多くが原作内容はほぼそのままにゲーム性の再調整、もしくはグラフィックやサウンドの変更など、どちらかと言えば「リマスター」の方向性で行われることが多い。
だが、本作は発表当初の時点ではかなり少ない「先端技術での作り直し」を打ち出した作品、つまりフルリメイクである。

原作のグラフィックは当時最先端のものとして世間に衝撃を与えたが、本作のグラフィックもまた2020年時点で最先端レベルのものへと刷新されている。
バトルシステムも古典的なコマンドバトルからアクション性の高いものへ変更されるなど、再び時代の最新鋭へと返り咲くべく大胆に手が加えられている。
古典的なJRPGの枠を保っていた原作と異なり、本作は(クラシックモードなどの純粋RPG化させる味変要素はあれど)基本的な大枠はアクションRPGとして仕上がっている。

その期待度は高く、特に「ゲームの原初体験は1990年代中盤」がマジョリティである海外では日本以上の熱狂を産んだ。
故に多数のゲームイベントでは、ともすれば当時現行である『XIV』や『XV』以上に期待を込めて迎え入れられた。
またトップクレジットスタッフも、坂口博信氏は居ないものの平成『FF』の父ともいえる北瀬佳範氏がプロデューサー、野村哲也氏・浜口直樹氏・鳥山求氏がディレクション、何より『VII』シナリオと言えば彼と言っても差し支えは無い野島一成氏が原作同様に原案や連名ではなく中心としてテキストを監修しており、派生作品とは全く異なる、本家としての重みをもった布陣となっている。

なお、「『VII』のリメイク」は原作1本分のストーリーを複数作に分割したシリーズとしての展開が予定されており、その1作目である本作は、原作のストーリーにおける「ミッドガル脱出」までを、片面2層50GBのBlu-ray Disc2枚組という大ボリュームで収録している。


特徴

戦闘

  • アクティブタイム制コマンドバトルという体裁をとっていた原作と異なり、アクティブタイムバトルと『XV』に近いアクション要素を組み合わせた戦闘システムになっている。
    • 戦闘中に溜まっていくATBゲージを消費して、魔法、武器アビリティ、アイテムといったバトルコマンドを使用する。
      • 一方で、基本的なアクション*1は特に制約がなくATBゲージも消費しない。
    • ただし、従来のATB制と違い、時間経過でのゲージ増加速度はかなり遅いため、敵に攻撃を当てる・敵の攻撃をガードするなどの無消費アクションで溜めるのが基本になる。
    • そのため、敵から逃げ回ってゲージを溜め、強力な魔法で一掃するという戦法は取れないばかりか、HPが僅かになってもATBゲージをなくした状態では回復すらできないため、難易度はやや高め。
    • ATBゲージは2ゲージ分まで溜めておくことができる。また、独立マテリア「ヴィジョン」をセットすることで発動できる同名のリミット技を使うと、その戦闘中のみゲージ数が3に増加する。
      • 基本的には1ゲージを消費しコマンドを発動するが、強力なアビリティには2ゲージもしくは全ゲージを消費するものもある。
      • 「CLASSIC」という難易度においては強さバランスがEASY準拠になった上で「アクションが自動」で行われ、従来作のようにコマンド選択に集中できるようになるため、アクションが苦手な人でもクリア可能となっている。「CLASSIC」という名称は「原作(原典)と同じくコマンド選択に重点を置いたバトル」という部分から来ている。
    • 敵からの攻撃は回避もできるが難易度が高く、ガードが基本となっている。
  • また、シナリオの進行に応じてバトルシミュレーターやコルネオコロッセオが登場する。
    • 他作品で言う所の闘技場に相当し、パーティキャラの操作確認や育成に利用できる他、召喚獣などここでしか戦えないモンスターやキャラクターも登場するため、本作のやりこみ要素の一つとなっている。
    • 原作及び本作のシナリオの都合上、パーティ編成は各CHAPTER毎に固定されているが、終盤に登場するバトルシミュレーターでは、一部ではあるが自由なパーティ編成が可能になっている。
  • マテリア
    • 原作同様、武器や防具のマテリア穴にマテリアをセットすることで、対応する魔法やアビリティが使用でき、戦闘に勝利することでAPを獲得しマテリアが成長していく。
      • ファイア → ファイラ → ファイガなど
    • 原作にあったマテリアの「分裂*2」のシステムは無くなったため、個数限定のマテリアは増やしたり売ったりすることはできない。
  • 召喚獣
    • 原作では強力な全体魔法攻撃だったが、本作では強力なNPCを呼び出し、一緒に戦わせるという『X』以降に似たシステムとなっている。
    • 操作キャラのATBゲージを消費することで、プレイヤーが召喚獣のコマンドを指示することも可能。
    • 召喚マテリアは1人につき1つしかセットできず、一度の戦闘で呼び出せる召喚獣も1体だけ。また、クエストエネミー戦やボス戦など、特定の強敵との戦闘でしか呼び出せない。
    • シナリオイベントのコルネオトーナメントでは、呼び出した召喚獣に応じて実況が異なるセリフをしゃべる。ご丁寧に、2周目でなければ使えない召喚獣にも用意されている。
  • リミット技
    • 原作同様、ダメージを受けることで溜まる「リミットゲージ」を満タンまで溜めて消費すると、強力なリミット技が発動できる。
    • ただし、本作では原作と異なり、戦闘ごとにゲージはリセットされる。リミットゲージの上昇幅も原作よりは控えめであり、実質長期戦となるボス戦専用である。
    • 操作中のキャラが発動する場合、派手な演出が入る。その間は操作できず戦闘も進むため、手が足りない時は操作キャラを変更してから発動すれば良い。
  • 武器アビリティ
    • 各武器には固有の「武器アビリティ」が設定されており、装備している間使用できるようになる。
    • 武器アビリティを使用すると熟練度が溜まっていき、最大まで溜めるとそのアビリティを習得できる。習得したアビリティは武器を替えても使用できるようになる。『IX』に近いシステム。
    • 各武器アビリティには熟練度ボーナスが設定されており、複数の敵にヒットさせるなどの条件を満たして使用するとより多くの熟練度を獲得できる。
    • 物理攻撃力より魔法攻撃力の方が上がるミスリル系装備、防御力が少量ながら上がる武器、いくら強化しても基礎ステータスが初期値から一切変化しない釘バットなど、武器ごとに特性が全く異なっている。
  • バースト
    • XIII』シリーズのチェーンとブレイクに似たシステム。全ての敵には「バーストゲージ」が存在し、敵を攻撃することでゲージが溜まっていき、満タンになるとバーストする。バーストした敵は無防備になり大ダメージを与えられる。
    • 大型の敵やボスは打たれ強く、バーストさせて大ダメージを与えることが前提となっているが、そういった強敵はただ攻撃しているだけではなかなかバーストしてくれない。
    • 特定の属性の攻撃を当てる、特定の攻撃を回避するなどの条件を満たすと、体勢を崩しヒート状態になりバーストゲージが溜まりやすくなる。
    • 原作ではHP/MPや弱点を調べるのに使われていたコマンドマテリアの「みやぶる」を使えば、効率的なバーストゲージの溜めかたやヒートさせる条件を教えてくれる。
  • 原作ではマテリアをセットすればどんなアビリティでも使用できたため、各キャラの個性はリミット技に依るところが大きかったが、アクションゲームとなった本作では各キャラに様々な特徴がある。
    + 操作キャラ解説

    クラウド・ストライフ

    • 巨大な剣での近接攻撃を得意とする。主人公らしく各ステータスが高水準でバランスがとれていて欠点らしい欠点がない。
      • 武器アビリティもバーストゲージを大きく上昇させる「バーストスラッシュ」や、周囲の敵を素早く3回斬りつける「ラピッドチェイン」などの使いやすいものがそろっている。
    • 固有アクションは「モードチェンジ」で、バランスタイプのアサルトモードと移動は遅くなるが物理攻撃が大幅に強化されるブレイブモードを切り替えて戦う。
      • アサルトモードでは、通常攻撃時にロック対象に高速で接近してから攻撃を開始するという特性があり、単純に扱いやすい。
      • ブレイブモード時は遠距離攻撃および魔法攻撃をガードできなくなるほか回避すると解除されるが、近接攻撃をガードするとカウンター攻撃を繰り出すことができる。動きが素早い人間タイプのボスとの1vs1の戦いで特に有用。
        • 亜種として、「反撃の構え」という技があり、さらに強烈なカウンターを叩き込むことができる。アサルトモードでも使え、相手の攻撃を見た後にすぐメニューを開いて発動してやれば余裕で反撃を決められる。
        • これらのカウンターは強力であるものの、ガードに成功するということをトリガーにしている点に注意が必要。ガード不可能な攻撃には絶対に発動できず、ガードしてもダメージは0にならないため、調子に乗ってガードばかりしているとピンチになりかねない。
      • リーチは長めで攻撃範囲に優れるが、全体的にやや振りが遅い。その割にスーパーアーマーなどが少なく潰されやすいので、何の工夫もなく殴り合いを挑むとキャライメージに反して不利になりやすい。

    バレット・ウォーレス

    • 右手に装着した銃で戦う遠距離攻撃タイプのキャラ。遠距離から攻撃して安全にATBゲージを溜められるうえに屈強な見た目通り最大HPや物理防御が高く打たれ強い。無消費全体回復のいのりを使わせるのも手の1つ。
      • 武器アビリティもバーストゲージを上昇させる高威力の弾を放つ「フュエルバースト」や、無数の弾を乱射する「アンガーマックス」等の銃撃系のものが多い。欠点は他のキャラと比べると目に見えて遅い移動速度。
    • 固有アクションは強力な銃撃を行う「ぶっぱなす」だが、連続では使用できずチャージ時間を要する。リロードでチャージ時間を短縮できるが隙が大きい。
      • しかし、通常攻撃長押しや武器アビリティの後に連携させるとコンパクトな動作でリロードをすることができる。
    • 原作同様に近接攻撃武器*3を装備することができ、その場合固有アクションは「とっしん」に変化する。
      • 移動速度が遅めに調整されており、加えて空中の敵に「たたかう」ができないなどややクセのある部分もあるが、与ダメージがかなり高いため使い方次第では化ける。

    ティファ・ロックハート

    • 素早い連続攻撃を得意とする格闘キャラ。すばやさ数値=ATBゲージの上昇速度自体も速く、手数で敵を圧倒できる。
      • この手数に加えて攻撃力や運(=クリティカル率)も高く、原作のイメージとは裏腹にクラウド以上のアタッカーとなっている。
      • 武器アビリティには上手く使えば敵を一方的にハメることができる「闘気スフィア」や、バースト時にダメージ倍率を上昇させることができる「正拳突き」などがあり雑魚戦でもボス戦でも活躍できる。
        • ただし、耐久力はエアリスに次ぐ低さであり、接近戦を行う格闘キャラという都合から乱戦にはめっぽう弱い。何も考えずに使っていると、気が付いたらHPがごっそり減っていたという事も珍しくない。
    • 固有アクションは強力な格闘技を繰り出す「秘技」で、最初から習得している武器アビリティの「秘技解放」を発動すると一段階パワーアップし、秘技を使うか時間経過で一段階下がる。
      • バースト時の敵に秘技を当てるとダメージ倍率が上昇するため正拳突きと併せてボス戦で有用。

    エアリス・ゲインズブール

    • 最大MPと魔力が高い典型的な魔法タイプのキャラ。通常攻撃はロッドを振って光の玉を飛ばす魔法攻撃となっており*4、バレット同様遠距離から攻撃できるが、動作が緩慢なうえ物理防御が低いので敵に近づかれないように立ち回る必要がある。
      • 武器アビリティは範囲内で攻撃魔法が2連続で発動する魔法陣を張る「聖なる魔法陣」や、敵の接近や攻撃を防ぐ盾を設置する「光の盾」などのサポート系のものが中心。
      • 魔法攻撃が強力無比な一方で、緩慢な攻撃モーションによりATBを溜めにくいという欠点がある。ATBれんけいなどでフォローしないと、肝心な時にATBが足りないという事態になりかねない。
    • 固有アクションは強力な魔法攻撃を放つ「テンペスト」で、長押しすることでより強力になるが当然隙も大きくなる。バーストした敵に最大威力まで溜めて放つのが基本。

武器強化

  • レベルアップやスキルアップブックで獲得できるSPを武器に振り分けることで、武器スキルを解放し強化することができる、『XIII』のクリスタリウムに似たシステム。
    • 武器スキルには攻撃力の上昇のほか、マテリア穴の拡張やアクションを強化するものなどさまざまな種類がある。SPは未取得のものを含め全ての武器が獲得できるので武器ごとに稼ぐ必要はない。
  • 全ての武器は一品物で売却は不可能。バランス型のバスターソード、物理攻撃重視のハードブレイカー、攻撃力は一切上昇しないがクリティカル率とクリティカルダメージが強化される釘バットなど、武器ごとに特色があり明確な上下関係は存在しない。
    • このこともあり、初期装備でもクリアまで問題なく使用できる具合のバランスが取られている。
    • ちなみに、最大まで強化した場合のマテリア穴の数は全武器で共通となる。
  • 手持ちの武器が増えると強化が煩わしくなるが、武器強化設定をオートに設定するとSPを獲得した際に自動で強化されるようになる。
    • バランス重視、攻撃重視、防御重視の3つから選ぶことができるが、どれを選んでもマテリア穴拡張は優先して選ばれる。

バトルレポート

  • チャドリー*5から課されるバトル面の課題をレポートとして提出していくことで、ショップなどでは入手できない特殊なマテリアを開発してくれる。
    • バトルレポート以外にも武器のSPのリセットや前述したマテリアの販売、VRを使った召喚獣のバトルも行えるため、召喚マテリアを使用するには、基本的にチャドリーから課された課題をクリアする必要がある*6

チャプターセレクトとハードモード

  • ゲームをクリアすると、現在のステータスやアイテムを引き継いで各章の始めから再プレイできる「チャプターセレクト」が解放される。要は好きな章から選んで始められる強くてニューゲーム。
    • やり残したクエストや取り逃したアイテム、サブイベントの分岐など、取り返しのつかない要素も回収できるため、まずは好きなように遊んでクリアを目指すといいだろう。
  • このチャプターセレクト限定で難易度HARDが解禁される。HARDでボスを撃破するとスキルアップブックが手に入るため、プラチナトロフィーだけでなく武器を限界まで強化するためにもHARDでの全章クリアが必須となるが、これが歴代『FF』でも屈指の難易度を誇る。
    • まず本作では敵にもレベルがあり、同じ名前の敵でも序盤の章と終盤の章では強さが異なるのだが、ハードモードでは敵のレベルが一律最大値の50に強化される。
    • 操作キャラの上限レベルも50なので、レベルを上げてのゴリ押しは不可能。それどころか、全員のレベルを50まで上げ、さらに最大まで強化した「HPアップ」を2つセットして最大HPを2倍にしておくことが前提とさえ言える難易度を誇る。
      • ボス敵に至っては、単にステータスが強化されるだけでなく行動パターンも変化しており、例えば最初のボスのガードスコーピオンは高威力攻撃である「テイルレーザー」を2連続で放つようになる。
    • それ以上に高難易度化する要因として消費アイテムの使用がまったくできなくなるうえ、回復ポイント及びクエストクリアでHPしか全快しない=章ごとのMPが有限という非常に重い縛りがつく。「チャクラ」や「いのり」など、MPを消費しない回復コマンドマテリアが必須に等しい。
      • この為、消費アイテムは入手しても手持無沙汰となる為、売ってしまって装備を整えたり育成する為の資金源にするのが無難。

評価点

原作再現
これまで『VII』の派生作品は数多生み出されてきた。
しかし、最も原作の『VII』と向き合っているのは本作だと言い切っても過言ではないほど、原作の隅々にまで目をいき渡らせた上で再描写している。
そのすべてが完璧とまでは言えないものの、多くは改悪と受け取られることのない水準を保っている。

  • 原作では魔晄炉(エネルギー施設)への爆破テロ、ウォールマーケットの蜜蜂の館(歓楽街と性風俗店)などキワどい描写が多く、リメイクで変更・削除されるのではと懸念する声も多かったが、本作ではそれらの要素はアレンジされながらもしっかりと再現されている。
    • 例えば、蜜蜂の館は性風俗的な店からおしゃれなナイトクラブといった施設に変更されている*7。時世やCEROなどに配慮しつつも、原作ファンの期待に応えようとするスタッフの苦労が窺える。
    • そこで繰り広げられる『VII』の中でも有名な迷イベントの骨太のおなごも、若干アレンジされながらも続投している。その際の周りのキャラクターからのリアクションは必見。
    • 本作発売当初の世相に合わせて、通信手段・コミュニケーションツールがスマホになっていたり、今では当たり前となったコンピューターやビデオ通話、VRやホロデッキのようなバトルシミュレーターが登場したり、そして3Dホログラムを投影する技術が登場したりと、原作にあったファンタジーでありながらSF感のあるどこか現実世界と似通った独特なサイバーパンク的な要素を、よりリアルで現実にあってもおかしくないよう違和感無く原作の世界観を再構成している要素と言えよう。
    • 原作で不自然だった描写は概ね手が加えられ、結果だけで伝えられたり描かれていなかった部分も一部新たなシーンを挿入した形で補完が為されている。
  • 原作のゲーム開始時のバスターソードの画面、ゲームオーバー・スタート時のBGM、オープニングのタイトルロゴのシーンや、壱番魔晄炉へ潜入する際のアクションパートの再現など細かい所まで抜かりない。
  • 操作キャラや敵キャラの攻撃モーションも忠実で、操作キャラの場合は放置すると勝手にその場で動いたりといったどのキャラクターの性格を反映した専用のモーションが追加されている。
    • ちなみに、敵がわざを使用する際は原作のわざ名が敵の頭上に表記されるようになっている。
  • 原作にも存在していたアルファベット・漢字・カタカナ・ひらがなが混在した街もそのまま再現されている。
    • また、わざやマテリアの名称がひらがなだったものも敢えて変換せずそのまま使用されており、独特の味が出ている。
  • スラム街などに登場するモブキャラの会話も再現されている。

キャラクター

  • 各キャラクターは原作を尊重しつつも、より好感の持ちやすいキャラ付けがなされている。そのため、改悪と評されることは少ない。
  • 主人公のクラウドは原作初期の皮肉屋な部分はありつつ、原作終盤の根が純真で優しい本来の彼を随所で窺わせる共感しやすいキャラになっている。
    • 派生作品では「原作初期のツンツンとした姿ばかりが拡大解釈されたクールなヒーロー」か、「陰鬱な性格で闇の力などダーク方面に傾倒した中二病風味な剣士」といった原作とはかなり違う趣で描かれる場合が多かったが、本作では原作を尊重したキャラ付けになっている。
      • 天然だったり、恰好付けようとした仕草が妙にカッコついてなかったり、女性関係でドギマギしたり、例のイベントでティファと対面した時は必死に言い訳したりと、いい意味でダサく人間臭いコミカルでシュールなシーンが多く描かれた。
      • ただし、愛嬌を越えてかなり悪ノリに近いところまでクラウドがいじられるイベントも少なくない。原作もそういったイベントは多かったものの、本作のそれはどちらかというと原作終盤での弄り方に近いテンションで続いていく。
      • 初期の皮肉屋なクラウドがこうもいじられ続けるのは本編初であろう。そこが可愛くもあり、ややもすれば単調になるお使いイベントをダレさせづらい強みにもなっている。
    • 野村哲也氏は本作でのクラウド像について、「かっこよさと抜けている部分が両立している」という、「ただのクールで強くカッコいい剣士」ではないことによって、ゲームの歴史を代表するキャラクターとなったクラウドの根幹に関わる一面が本作に必須であり、注意して描いたと口述している。
    • 原作では単なる肩書きでしかなかった「なんでも屋」だが、本作では特定のチャプター限定のサイドクエストという形で様々な仕事を請けることが可能。プレイヤーの選択次第だが、人のために働き、奮闘する彼を見ることもできる。
    • もちろん、原作後半の要素を目配せしている柔和なヒーロー像でありつつもきちんとキメるところは決めてくれる。本作をプレイしていて「ヒロインやセフィロスよりまずクラウドが好きになった」という声は海外でも非常に多い。
    • 衣装のデザインは原作のイラストを忠実に再現したものになっているが、髪型に関してはいかにも派手に大きく逆立った漫画チックなものから『FFVII AC*8』でリデザインされたものへと変更されている。
  • バレットも『FFVII AC』のキャラデザを引き継いだ形で、見た目がまずはっきりと黒人系のタフガイになった。
    • デフォルメの強い逆三角体系でドラミングモーションも板に入っていた原作とは隔世の感を得たプレイヤーも多いだろう*9。やはり衣装に関しては原作のイラストを忠実に再現したものとなっているが、本作では新たにサングラスが付与されている。
    • これまたキャラ付けは原作を尊重している。粗暴で復讐心に駆られて視野狭窄なテロリストでありつつ、娘想い、仲間想い、義理に熱い、そして実はジョーク好きで、やけに詩的な言葉を多く使いたがる口数が減らないポエマータイプ、といった原作設定をそのまま踏襲している。
    • 特に後半部分はこれまで派生作品ではあまり顧みられてこなかったバレットのバレットらしい特徴ではないだろうか。
      • シナリオ的に序盤は "バレットの行動動機がパーティの動機、実質の舵取り役" であることもあり、クラウドに次ぐパートナーキャラクターとして存在感が非常に強い。
    • 物語序盤こそコワモテの巨漢がまくしたてるような語りを続けるので「大丈夫かこいつ?」と思ったプレイヤーも多いとは思うが、ゲームを進めていくにつれてそういった考えは氷解していくことだろう。神羅ビルを脱出する際の原作そのままのエアリスへの語り口は、描写と掘り下げが多い本作ではより深く響く。
  • ティファとエアリスの2大ヒロインに関しても、客演した『キングダムハーツ』シリーズ等で大分アレンジが目立った*10が、本作ではしっかり原作のイメージが尊重されている*11
    • 外伝、派生作品では清楚さや大人しさが強調されていたエアリスだが、本作では原作同様に明るく活発で天真爛漫な性格が強く出ており、クラウドをグイグイ引っ張っていくお姉さん的な面も色濃く描かれる。
      • 特に教会脱出後には長尺の2人で廃墟を歩むだけのミニデートイベントが挟まれるのだが、これが本当にそれだけなのに演出やグラフィックなど本作通しても出色の出来栄えで、評価するファンは多い*12
      • ただし若干ネタバレにもなるが、本作エアリスには原作と決定的に異なる部分が存在する。この点に関しては「そもそも必要なかった」「必要な改変だとはしてもエアリス中心でやる必要はなかった」など、否定的な意見も少なくない。
    • ティファもバトルでこそ戦闘能力を存分に発揮するも、他作品で描かれたような力任せで男勝りな性格ではなく、暴力に訴えるアバランチの活動に思い悩むほどの繊細さや、クラウドを気に掛ける献身的な乙女の部分が原作以上に前面に出されたヒロインらしいキャラになっている。
      • エアリス同様に肉付けされたオリジナルイベントが非常に多く、原作のDisc1では実はほぼ存在しなかった"ティファと2人きり"のシチュエーションが無数に増えておりファン感涙。
      • ただ、原作初期にあった若干皮肉屋で*13チクチクした言い回しがほとんどオミットされ、清楚な部分のみが強調されたと言えなくもない。クラウド同様に原作終盤に近い心理描写が多くなっている。
    • ちなみに、原作で見せたクラウド・ティファ・エアリスの三角関係はほぼなくなっており、本作のエアリスは「物語を引っ張るキーパーソンとしてのヒロイン」に対し、ティファは「クラウドに寄り添う女性としてのヒロイン」という面が強調されている。
      • クールで素っ気ない対応をするクラウドだが、ティファに対してはとても態度が柔らかく、ティファもクラウドには非常に気やすく接している。この「相思相愛だが幼馴染であるが故の微妙な距離感」が上手に描かれている。ジョニーに「クラウドさんにならティファを任せられる」と言われ、他ならぬエアリスに「(ティファは)大切な人なんでしょ」と言われるなど、今作では明確に「クラウドの相手はティファ」という描写がされている。
      • 一方のエアリスは、異性としてクラウドを気に掛ける場面はほぼなくなっており、本作のキーパーソンとして直接的・間接的の両方でストーリーを引っ張っていく場面が多くなっている。例えば原作の蜜蜂の館では、クラウドが入りたがりエアリスはそれに少し引いていたが、今作ではむしろエアリスがクラウドに入るよう促している。原作ではエアリスと接点があまりなかったバレットも、今作では「マリンを助けてくれた」と強い恩義を感じていることがはっきり描写され、神羅ビル突入(=エアリス救出)の動機付けとなっている。
      • これらについては一応改変と言えるものだが、『CC FFVII』や『FFVII AC』で「エアリスの相手はザックス」という認識がユーザーの間で広まり切っていたため、改悪だという批判の声はない。こちらも一種の他派生作品からの逆輸入と言えるだろう。
  • ミッドガル編なのでレッドXIIIは終盤からの登場だが、まだ大人ぶっている時期ということで、声も相俟って実に渋い姿を見せてくれる。
    • 渋過ぎる声からは想像しにくいが、担当声優はなんと山口勝平氏。恐らく次回作以降で素に戻った後を見越してのキャスティングでもあると思われる。
  • アバランチのメンバーは原作ではチョイ役程度だったが、本作では人物像や過去が大幅に肉付けされておりクラウドとの交流も増えている。
    • 特にジェシーはエアリス、ティファに次ぐ第三のヒロインと言っても過言ではないほどの人気を得た。
      • CHATER4ではアバランチのメンバーに焦点を置いた、原作には無い本作ならではのオリジナルストーリーが展開される。
  • 神羅課長やジョニー、そしてドミノ市長など、原作でもある程度濃いエピソードを持つ半モブキャラクターが今作では出番やストーリー上の役割が付与され、さらに存在感が増した。
  • タークスや神羅の幹部といった敵キャラクターも大きく描写が追加され、内面を掘り下げられたキャラクターも多い。
    • 最たるものは誰あろうプレジデント神羅。原作ではさっさと退場してしまい、台詞テキストを総合しても大した文章量は無い『VII』の前半大ボスである彼は、ミッドガル編のみを描く今作では熱をかけて深く描写されている。
      • 原作はプレイしていても、プレジデント神羅という人間自体をそこまで覚えていない*14という人は少なくないが、本作では正しく黒幕として描写され大いにバレット(やプレイヤー)のヘイトを買うキャラ付けがなされる。
      • なお神羅ビル内の企業見学案内の一環で、神羅を打ち立てた彼の歴史が極めて事細かにパビリオン形式で展示してある。その奥の事業部門の紹介も含め、戦闘やパーティ会話すら希薄なパートであるが、歩き回っての見ごたえはなかなか。
    • タークスも他『VII』関連作品の設定をしっかり拾ったキャラ付けが行われており、『VII』ファンも納得の出来に仕上がっている。
      • 例えば、『FFVII AC』の「壊れたサングラスの予備を即座にかけ直すルード」という何気ない描写が、本作にもきっちり反映されている。
  • 新キャラクターはどれも好評。
    • 特にバイク乗りでクラウドを勝手に戦友として接してくれるローチェや、コルネオの3人の代理人は良い意味でアクが強く個性派ぞろいの原作キャラにも負けていない。
    • 中盤に戦うベグ・ブッチョ・バドの3人は正に、『VII』らしさ全開のキャラであり、僅かな出番ながら存在感が非常に強い。

豊富なNPCの会話

  • 作中に登場する大量のNPCほぼ全てに複数のセリフパターンが設定されており、さらにイベントの進行などによっても細かく変化し、普通にプレイしただけでは網羅不可能なほどの膨大なセリフや会話を聞けるようになっている。
    • 内容は状況説明やリアクション、世田話など多岐に渡り、トレーニングジムでのマッスルな会話から鉄オタの子供たちの鉄道談義など、世界観や生活感を掘り下げるのに大いに貢献している。
    • スタッフの話によればこれでも大半のセリフを削った結果だというのだから、その力の入れようが窺える。

全編のフルボイス化

  • 元々ボイスの無かった原作に、名作と謳われた『VII』の物語に登場するキャラクターにプロの声優が命を吹き込み、声を発して喋ってくれるだけでも原作ファンとしては嬉しいものだろう。
    • そして原作とは打って変わってこれがムービーシーンだけで無く、ゲームパート全般においてキャラクターが何らかの形でリアクションを取って喋ってくれると言うフルボイスを実現している。中々に豪華である。
      • スラムや神羅のビルなどに登場する多数のモブにも、惜しみなくボイスが使用されている。
    • なお、子供のキャラクターには無闇に大人の声優を起用せずに、演技力に申し分の無い子役を起用しているため、よりリアルで自然なキャラクターに仕上がっている。
    • また、ボイスが苦手な人のためにか、オプションの音量設定でボイスをオフにして原作と同じくボイス無しでプレイすることも可能。なお、英語ボイスも収録されている。
    • それどころかBGM・効果音までオフにすることが可能で、無音の状態でバトルに臨むこともできる。昨今人気が高いゲーム実況などを意識しているともとれる。
  • 基本的に、派生作品や『キングダムハーツ』シリーズなどの外部出演作品でハマり役と評されて専属となっていたキャストが本作にほぼ続投しているため、キャストが変更されてしまって違和感を感じる事はない。
    • 宝条とレッドXIIIのキャストは諸々の事情*15で変更されているが、どちらもうまく役にハマっているため、違和感は皆無。
    • ティファ役の伊藤歩氏は声優としての仕事が初めてであった『FFVII AC』では演技の拙さがよく指摘されたが、俳優としての熟練や他作品で度々ティファを演じてきたこともあってか、本作ではそういった声はほとんど無い。予告編の公開後にキャストが発表された当初は、その上達ぶりに驚いたファンは多い。
  • もちろん、過去のボイス付きの派生作品に登場していないキャラクターにもキャストが振り分けられており、声優陣もベテランばかりなので演技を見ていて不快に感じることはなく、むしろ原作のキャラの良さを見事に引き出している。
  • 本作ではキャラクターの表情にもかなり力を入れて描かれており、上述したキャラクターの描写と声優陣の好演も相まって、原作以上によりキャラクターの心理描写を把握しやすくなっている。
    • ちなみに、本作では映像に合わせてボイスを収録しているのでは無く、収録したボイスに合わせてキャラクターの口が自動で動く技術が用いられている*16
    • これは他言語でも同様。そのため、特に音声もローカライズされた洋ゲーでありがちな「ボイスとキャラクターの口の動きが合っていない」と言う現象は全く起こらないため、違和感を感じずにストーリーに没入しやすい。
  • キャラクターの掛け合いも魅力的で面白いものが多く、原作にはなかった「戦闘時の会話」も採用されており、聞いてみると中々面白いものとなっている。
    • 例えば操作キャラの切り替え時に「任せる」と声を掛けたり、ボス戦では攻略のヒントを教えてくれたり、敵キャラとも掛け合いを行ったり、弱点を突く魔法を教えたのに使用しなかった場合には何故使わないのか聞いたり、と言ったようにかなり作り込まれており、原作のキャラの魅力をより引き出すことにも繋がってなっており、ファンにとってはニヤリとする部分もあるだろう。

ファンサービス要素

  • 原作へのリスペクトやオマージュはもちろんのこと、派生作品の要素も拾っている。
    • 例をあげると、『CC FFVII』初出の人物名・用語などが登場したり、外伝小説のキャラクターが逆輸入されたりと、関連作品を端から遊ぶようなコアな『VII』ファンへのサービス満点である。
    • この他、CHAPTER4のバイクバトルが『FFVII AC』のロッズ&ヤズー戦を多分に意識したものであったり、ローチェの剣が『CC FFVII』でアンジールやザックスが使用した神羅支給のロングソードであったりと、本当に細かいところまで過去の『VII』派生作品の要素を拾いに拾っている。
  • 武器を強化できるようになった
    • 原作はある程度尖った性能のものこそあれど、基本的に従来作と同じく「序盤の武器は弱く終盤の武器ほど強い」という調整だった。
      • 一方、今作ではあくまで方向性に違いがあるだけで武器の強弱自体はなく、SPというポイントで強化していく仕様となっている。
      • 例えばバスターソードはバランス型、ハードブレイカーは物理特化、ミスリルセイバーは魔法特化といった調整である。
    • 原作や従来作は、思い入れのある武器でも途中で強い武器に切り替えざるを得なかったため、原作ファンには嬉しい機能であろう。
    • また、どの武器を使うかによって、キャラクターの性能の方向性を決める個性付け・差別化にも繋がっている。
  • 街のジュークボックスで原作のBGMを聴くことができる
    • 曲数は全部で31曲で、一部は本作で作曲されたものも入っている。
      • ただし全て視聴するには、ゲーム内でプレイヤーがBGMを入手していく必要がある。
    • 中にはミッドガル編以降に登場する楽曲まで収録されている。
  • 原作ではミッドガル編以降に登場する要素が続編の展開を連想させる伏線としてメインキャラやモブの口から聞くことができる。
    • 中には口頭では説明されない部分もあるが、原作での展開を知っていればニヤリとする場面もある。
  • ミッドガル編以降で活躍するあるメインキャラが、わずかだがカメオ出演している。
    • 当然事前情報が無かったため、原作ファンにとっては嬉しいサプライズとなった。原作を知らない人にとってはよく分からないシーンとなっているが。

グラフィック

  • 流石は『FF』と言え、それも鳴り物入りの大作というべきか、やはりグラフィックは高品質。今まで派生作品も含め、幾度となく描写されてきたミッドガル全景であるが、最新ハードの本作での再現は圧巻の一言。
    • もちろん全景だけでなく細部まで作り込みはすさまじく、スラムから見えるプレート裏面や基部、スラム街やいかがわしい夜の街、廃墟や下水道に神羅ビルのトイレに至るまで、妥協は一切ない。
    • 原作では閉鎖的な都市ということもあり全体的に陰鬱な印象が強かったが、本作では全体的に明るくデザインされ、数々の絶景スポットも存在する。
    • 本作が分作となっている理由の1つとして、原作ではあまり描けなかったミッドガルをもっと詳細に描きたいと言った趣旨があったという。
    • その言葉通り、カメラの自由度が高くなったことも相まって、ミッドガルの広さ・設定をPS4のスペックを活かして見事に描いている。
    • 演出の良さも相まって、本作の舞台となっているミッドガル内の戦闘時やその直前・終了後に挿入されるムービーはどれも迫力のあるものとなっている。
    • また、ムービーからゲームパートに移行する部分はシームレスなため、没入感を阻害することなくゲームに没頭できる。
  • モンスターも原作のデザインそのまま、リアルなグラフィックへとリファインされている。かっこいい物、不気味な物、グロテスクな物、機械的な物など多様であり、とにかく印象に残る。
    • 原作では雑魚モンスターとして登場していたヘルハウス、エリゴル、ソードダンスはボスモンスターへと出世を遂げているが、迫力のあるグラフィックのおかげで違和感は全くない。特にヘルハウスは、戦闘での強さも相まってプレイヤーに強烈なインパクトを与えた。
    • エネミーレポートに記載されている敵キャラの説明は設定がかなり凝っており、原作の世界観をより深く掘り下げているため一読の価値がある。
    • 敵が登場する場所も、リアルになった事で違和感が出ないように考えられている。
    • 召喚獣も、奇麗なグラフィックと演出の良さも相まって見応えや迫力は抜群である。
    • 本作用に新たに描き起こされたモンスターも存在し、グラフィックの良さも相まってうまく世界観に溶け込んでいる。

音楽

  • 新規曲・アレンジ曲のいずれもクオリティが非常に高い。膨大な作曲家クレジット数に見合う出来である。
  • 戦闘曲はほとんどのボスに専用アレンジが用意されており、形態変化に応じてシームレスに変化するという手の込みよう。
    • また、アレンジ曲の中には別のテーマ曲のフレーズが取り入れられているものもあり、一種のファンサービスとなっている。
    • 特にエアバスター戦*17の正統派アレンジは人気が高く、それに至るまでのストーリーや会話の流れを含め、間違いなく本作のハイライトと言える出来である。
    • あの展開からあのエレキギターが流れ始まった時に「本当の『VII』再始動」を認識したプレイヤーの数は多いことだろう。
  • エンディング曲は原作で音楽を手掛けた植松伸夫氏が作曲を担当。提供したのは1曲のみだが、作中でも要所でアレンジが流れる。
    • 新規曲の中には作中の子供向けアニメの主題歌や、売れない歌手の持ち歌などユニークなものも。
    • また、原作だけでなく、『FFVII AC』から「約束の地 -The Promised Land-」をアレンジした上で逆輸入する等、『VII』の作品群を追ってきたプレイヤーが思わずはっとするような選曲チョイスも行われている。
  • 分割リメイクの1作目とは思えないほど多数の作曲者、編曲者が携わっており、サウンドトラックは7枚組という大ボリュームとなっている。
    • 参加ミュージシャンの人数も極めて多く、サウンドトラックのライナーノーツでは数ページに渡って記載されているほど。

面白みと駆け引きの増したバトル

  • 駆け引きを利用した歯ごたえのあるバトルが楽しめるようになった
    • NORMAL以降の難易度ではただゴリ押しで攻撃していくだけでは勝ちにくい仕様となっており、きちんと弱点を突くマテリアを装着したり、防御・回避などもうまく利用した立ち回りが求められるようになっている。
    • 状況に応じて操作キャラを切り替えてバトルに臨む要素は中々面白みのあるものとなっており、戦闘のマンネリ化を防ぐ事に一役買っていると言える。
      • 例えば近接では攻撃できない場所に移動したり、空中戦をメインに行う相手ならクラウドからバレットに切り替えてバトルに臨むと言ったところか。
      • また、原作と違って敵キャラは拘束攻撃も使用するようになっており、その際も操作キャラを切り替えて攻撃を仕掛けてくる前に一定ダメージを与えて解除させないと大ダメージを喰らってしまうため、うまくわざや魔法を使って解除する必要がある。
      • アクションゲームでは例えば斬撃や打撃に比べると、不自然なほどに少なくなりがちだが、行動不能系ステータス異常としてRPGには欠かせない要素である*18ため、主にボスが中心とはいえこれらの敵がいることにより、より戦闘がリアルになったといえる。
    • 近接攻撃では攻撃が通らずに弾かれる事もあるので、敵の後ろに回り込んだり、魔法に切り替えたり、上述したように操作キャラを切り替えたりといった立ち回りも必要になる。
    • ボス戦では原作のようにすぐにバトルが終わってしまう事はなくなり、HP減少に応じて攻撃方法といった形態を数通りに変えていくため、適度な緊張感を与えてくれる。
      • 特にルーファウスは、原作と違ってその圧倒的な強さとカッコ良さを併せ持った戦法に驚いた原作ファンは多い。
      • また、防御・回避でも避けられない、果ては障害物を使ってやり過ごさないと即死する攻撃を使って来るボスもいるため、油断は禁物である。
  • リアルタイムなバトルになった事に伴って、コマンド選択や戦闘中のエネミーレポートの閲覧といったプレイヤーのUI関連にも手が入っており、前者はスローモーションになり、後者は時が止まるようになっている。
  • CLASSICは操作キャラが時節自動で攻撃・防御してくれる分プレイヤーの負担が減りコマンドの選択に集中できると言った、また違ったバトルの面白みや特徴がある。
  • 演出面でも大きく強化され、特にエアバスター戦は上述のBGMだけでなく大幅な演出・アクション性などの強化もあって盛り上がり方がハンパなく、作中でも屈指の人気を誇るバトルとなっている。
  • タークスのメンバーであるレノとルードはリミット技に相当する強力なわざが追加されており、中々カッコいい。
  • マテリアの強化が可能であるため、原作のミッドガル編では覚えられなかった魔法やわざが使用可能となっている。

その他

  • 原作におけるミッドガル編は本作と同様に基本的に一本道のため、シナリオの都合上もあってかイベントが進行し、そしてミッドガルを脱出してしまうと二度と赴けないエリアが多かった。
    • だが、本作ではチャプターセレクトの導入により、クリア後であればストーリーで訪れるミッドガル内のロケーションを自由に楽しめるようになり、取りこぼす要素はほぼ無くなった。
    • 原作では一部のイベント内で言動を選択できるものの、もう一度最初からプレイしないと別の選択肢を選べなかったが、近年の時代に合わせた利便性の向上によりある程度好きなストーリーのタイミングからゲームをやり直すことができるようになっている。
      • チャプターセレクトの要素を活かしてクリア後であればこちらも一本のゲーム内で個々のイベントの選択肢を取りやすくなっており、周回プレイのモチベを上げる要素の1つとなっている。
  • 原作のミッドガル編はまだ序盤のチュートリアル的側面が強く、ゲーム全体の約10~15%程、のんびりとプレイしても5~6時間程で終わる部分であるため、発売前はボリューム面の少なさを懸念する人が多かった。
    • しかしそれは杞憂に終わり、本作は一本のゲームソフトとして相応な出来となっている。むしろミッドガル編に限定したからこそ、『FF』シリーズでも特に存在感の強い「ミッドガル」という都市を深く掘り下げる事に成功できたと言えよう。
      • また、このクオリティでミッドガル編以降の展開もこの時点で用意していれば、プレイヤー側からすると周回がかなり大変な作業となってしまい、逆に開発者からすると開発量が膨大になって深く作り込めなくなってしまう可能性も少なく無い為、分作にしたのは英断だったと言えるだろう。
    • 周回要素を含めたトロフィーのコンプリートは、最低でも70~100時間弱のプレイ時間が必要とされている。
    • 余談で後述するようにリメイクに際して分作として発表された際は批判も少なくなかったが、それでも「原作の膨大なストーリーをあえて切り離し、分作で一本のゲームとしてやり込み要素も込みで確立させる」という開発者の大胆な決断と手腕には称賛に値する。
  • 近年のPS4のゲームに漏れず、本作でも初めて行うゲームパートには必ずそのパートが始まる前にチュートリアルが入るようになっており、後からでもメニュー欄の「マニュアル」から見返せるようになっている。
    • ロード時でも、世界観や登場人物の説明や攻略のヒントを教えてくれる。
  • これだけのグラフィックやバトルシステムに凝ったゲームでありながらバグはほとんど見当たらない。
    • それもそのはず、デバッグの作業には人では無くAIに一任させる技術が使われたためである。
    • 各CHAPTERの通しプレイをAIに任せることで、人間では見つけにくいバグを発見したりしたという。そのため、後述する問題点以外ではプレイに支障を来すバグはほとんど報告されていなかった。

賛否両論点

ストーリーの改変部分
評価点でも述べた通り基本的には原作の流れを尊重している。
しかし、本来は原作終盤で現れる性格や言動などが先行的に導入されていたりなど、所々で原作プレイヤーが違和感を覚えるような描写もある。
原作では詳しく描かれなかった展開、登場しなかったキャラクターなど、それらはリメイク作品によくある追加要素かと思いきや……。

+ ネタバレ注意
  • セフィロスなど一部のキャラクターは原作のストーリーを予め知っているかのような、まるで本作が「2周目」であるかのような言動をとる。
    • それだけでなく、原作の流れを外れようとすると現れ、妨害し矯正しようとする謎の存在「フィーラー」が新たな敵として登場する。
    • 単にストーリーが改変されることだけでなく、そういったメタフィクション的な要素を盛り込んだことにも賛否両論がある。
  • そして最終CHAPTERでは、とうとう原作と全く異なるストーリー展開に至る。
    • ネタバレになるため詳しくは記述できないが、バイクゲームをクリアし原作のミッドガル編の最終ボスを倒してエンディング迎える。…と思いきや、そこで新たなどんでん返しが起こる。
      + そしてエンディングでは…
    • ラストバトルに勝利した結果、ストーリーの根幹に関わる「彼」の運命が大きく変わったことが示唆される。
      • これは次回作以降の展開が原作と全く異なるものになり、本作で描写されなかった「彼女」の身に起こる悲劇も改変される可能性を仄めかしている。
      • このため、これは「リメイク」では無く「リブート」と呼ぶべきものではと言う声もある。
      • この悲劇は『VII』を象徴する出来事で、リメイクの制作が発表された時点できちんと再現できるのかとファンの間で物議をかもしたほどである。
      • 結果として改変された可能性が大きく「あの悲劇がない『VII』なんて『VII』じゃない」という批判もあれば、「それでも彼女には幸せになってほしい」と肯定する声もある。
        • また、原作では回想以外で登場しなかった、あるキャラも含め、他のキャラの運命も変わっている節がある。

セフィロスの登場ががややゴリ押し気味

  • 原作と打って変わってミッドガル編に当たる本作では出番が大幅に増えており、それを嬉しく思うファンも居る。
    • 一方で、その出番のほとんどがクラウドの幻影・幻覚として登場しており、それ以外でもクラウドに対しての接し方も相まってストーカーやホモと揶揄し、難色を示すファンも少なくない。
      • 原作では彼が序盤にほとんど姿を見せていなかったことにも物語上での意味があったため、原作のストーリーの流れを尊重していたプレイヤー程、嫌悪感を示すことが少なく無く、登場の増加自体あまり快く思わないファンもいる。特に本作の終盤での登場・活躍はかなり賛否が分かれている。
      • もっとも、セフィロスの接し方に関しては今に始まったことではなく、過去の派生作品やコラボ作品でもそれらしき描写はある程度垣間見れるので、それらをある程度やり込んでるプレイヤーの間では逆にそれをネタにするプレイヤーもいる。
    • 公式が予想していた以上に人気キャラとなったため出番を増やしたのだろうが、だからと言って無闇に登場させれば良い訳では無かっただろう。
      • 彼の内面を掘り下げたり、物語の裏で暗躍させたり、モブなどの会話で伏線や謎をちりばめる等して彼の伝説で盛り上がっている、と言ったような形の描写を入れれば一個人のキャラクターとしての魅力や物語の深みが増し、彼の出番の増加がもっと好意的に受け入れられていたかもしれない。
    • 開発スタッフによれば、本作でセフィロスの出番が増えたのには「現在ではゲーム界で有名なヴィランの一人である為に、原作と同じようにミッドガル編では出番が少なめの謎多き人物という扱いで登場させられなくなった」と言った背景がある為であり、リメイクに際してストーリー上の立ち位置を変更する事になったのだという。
      • ただし、それを鑑みても今作での扱いを見る限りでは、やはり「セフィロスがストーリーで変に出しゃばり過ぎだ。」と言った印象が残るプレイヤーも少なくは無いだろう。

一部イベントの削除・変更

  • シナリオの根幹に大きく関わるイベントは上述したように多少アレンジされた部分はあるものの、本作ではほとんどゲーム中に組み込まれているが、一部好評だった細かいイベントの部分も削除されている部分がある。
    • 例を上げると本作のCHATER2にあたる、クラウドがエアリスから貰った花をマリンかティファにあげるか考えるイベントがティファに固定されていたり、コルネオに選ばれるイベントがクラウド固定になっていたり、と原作にあったちょっとした分岐点は固定されていたりする。
      • 他にも、女装したクラウドがコルネオを誘惑する、神羅ビルで階段を登るイベントでティファが(故意ではないが)スカートの中を見られて照れる、と言ったようなパートも完全に削除されている。
      • 上述したように原作では所々であったパーティキャラ同士のややトゲのある言動ややり取りが本作ではマイルドになっている。原作ではこの点も魅力の1つであったため、原作を知るファンからはこの変更点を残念に思う声は多い。
    • 原作ファンからはこう言った小さなイベントを削除した点を残念がる声も少なく無いが、本作に限らず昔のゲームをリメイク及びリブートする際はストーリー展開を再構成する時によく起こる事案なのでこの辺りは仕方ない点もある。

リアルなグラフィックになったことによる弊害

  • 本作のキャラクターデザインは基本的に原作のまま、頭身とグラフィックをリアルにしたものとなっている。それ自体は非常に素晴らしい原作再現と言えるのだが…。
    • クラウドは逆立った金髪に背中に背負った巨大な剣、バレットは右手にガトリングガンを装着した大柄で筋骨隆々の黒人、ティファは爆乳でタンクトップにミニスカという露出の多い服装。
    • こんな連中が街を歩いたり一般人と一緒に列車に乗ったりするのだから本来なら目立って仕方がない。敵の本拠地のビルに侵入しても全く怪しまれないのはもはやギャグではないかと思えるほど。
      • ただし、「大きな剣を持った神羅カンパニーの私兵」というソルジャーの存在は本作の世界ではある程度認知されているものなので、クラウドの出で立ちについては一応説明は付く。プレイヤーにとってのインパクトは大きいが…。
    • ビッグス、ウェッジ、ジェシーの3人は、テロ活動中だけでなくスラム街で生活している時でさえ弾帯やアーマーで武装している。
      • しかも、その格好でジェシーの実家に帰省する。自警団の一員としての顔も持つスラム街ではまだしも、彼女の母親にはアバランチでの活動は伏せているはずなのだが…。
  • 原作でのキャラクターは頭身の低いローポリゴンであり、メインキャラは視覚的にわかりやすくするため特徴的なデザインにする必要があったと思われる*19
    • そして彼らが移動するフィールド、彼らと会話をするモブキャラも同様の粗いグラフィックであり、そしてローポリゴンでは武装部分が省略されていたため、モブを含めた格好・フィールドなどまだ色々と想像の余地もあり違和感がなかった。
      • しかし本作では現実に存在してもおかしく無いくらいには細かく作り込まれているため、漫画的なデザインのメインキャラが浮くことになってしまった。
    • 公式によればこれでも原作のキャラクターデザインの良さを壊さず、現実に寄り過ぎた造形に成らないよう気をつけたそうである。
    • こうなった原因の1つとして、モブ全員の服装が普通の洋服になってしまっている点だと思われる。
      • クラウド達の格好が違和感の無い設定なら、「現実世界と変わらない普通の服装をしている人もいれば、趣味や職業上の理由などで武装している人や派手な格好をしている人もいる」と言った具合に、様々なバリエーションのあるデザインをしたモブを配置すれば違和感はもっと軽減されただろう。時間や予算の都合上から困難だったのかもしれないが…。
    • メインキャラと比べるとグラフィックが粗く、表情の乏しいモブが多かったり、モブや一部のチョイ役の顔つきがメインキャラとあまりに違い過ぎることがある、といった点も原因の一つであると思われる。ムービーではモブもかなり作り込まれているのだが…。
    • 背景のグラフィックも粗い部分があるため、赴くエリアによってはプレイヤーキャラの存在が余計に浮くこともある。
  • キャラクターの台詞回しがややクサく感じたり、原作の台詞に言い換えがあることに違和感を覚えるプレイヤーもいる。
    • これもリアルなキャラになったことでアニメ・漫画的な台詞回しに「厨ニ病」感が出て浮いた台詞に感じたり、原作発売当時に流行っていた台詞回しをあまり現代向けに言い換えず、そのまま収録してしまっていることが原因だと思われる。
    • 逆に言い換えられてしまっている部分は、公式によると「プレイヤーに読ませるゲームから聞かせるゲームになったため、長々と説明させる部分を削って要約している」と説明されており、ある程度仕方ない部分はある。

移動時の仕様

  • 移動の自由度が低い
    • 原作でもオープンワールドのゲームでは無いため仕方ない部分もあるのだが、クライミングができなかったり、棒をつたって登れなかったり、フィールド上の柵を超えられなかったり、ジャンプして登り降りできそうな高さでもはしごの使用を強制させたり、と言った形でショートカットのような移動ができず、プレイヤーによってはストレスに感じやすい。
      • 原作では、行動できるミッドガル内全体のエリア自体が狭くキャラもデフォルメされ、エンカウント性のターン型コマンドバトルでダンジョンの内装までバトル時に変わるのでこう言ったストレスは感じ無かった。
      • だが、本作では移動するエリアが広くなり、町並みやキャラクターなどリアルになった部分が多いため、疑問やストレスを感じる人は少なくは無いだろう。
      • 特にクラウドとティファは身軽なキャラであり、ムービー・バトル中ではかなりの跳躍・身体能力を見せることもあるため、余計にそう感じやすい。
    • 自由度の低い移動しかできない一方で、ウォールマーケットやスラムなどの街でも原作以上に広く複雑な構造になっており、移動に時間が掛かる。
      • また、ダンジョンではマップが階層ごとに分かれているので特に問題無いが、3次元的な構造になっている建物が多い街のウォールマーケットではマップが1つしか無いため現在位置を把握しづらい。
    • 街が広くなった分ファストトラベルの機能も追加されているが、その機能がなんでも屋クエストの完了直後、CHAPTER14のチョコボ車を使った移動、スラム街の中にあるダンジョンの帰還時と言った形でかなり限定的な部分でしか使用できない。
  • 移動時の操作キャラを任意で変更できない
    • そこまでゲーム性と絡む問題がある訳では無いが、キャラによるモーションなどの違いもあるので、他のRPGと違いプレイヤーの好みのキャラで自由に変更できないことを残念に思う人は多い*20
    • 原作でもミッドガル脱出までの展開中は殆どクラウドしか操作できず、バトルがターン制であったためそこまで違和感のある仕様では無かったのだが、リアルタイム製のバトルになった本作でそこまで再現にこだわる必要があったかは疑問である。
    • バトルリーダーは常時変更可能だが、本作ではリアルタイム製のバトルであり、バトルが開始・終了すると唐突に操作キャラが切り替わるので慣れるまでは若干戸惑いやすい。

CAHPTER9で着用することになるドレスをコルネオの嫁候補イベント以外で着用できない

  • 時間を掛けて周回してイベントで全種類着こなしてもそれ以降は一切着用できず、トロフィーが貰える程度なため、せっかくのバリエーションが活かせているとは言い難い。
    • もちろんドレスでイベント以外で移動したり、ましてやバトルに臨むなんてことはできないので、せっかく種類が豊富でデザインの凝った可愛い衣装なのにコスチュームとしての機能が無いことを残念に思う声が多い。クラウドに関しては女子的なモーションにまで変わる分余計に。
    • ゲーム性とは直接関係ないことや明らかに戦闘に不向きな衣装である上、原作でもイベントでしか着ないので仕方ない部分もあるが、かなりデザインが凝っているだけに一部のイベントだけしか拝めない点はやや寂しい点もある。

バトルの仕様

  • 戦闘システムの大幅な刷新
    • 原作ではターン制のバトルであったため、それに馴染みのあるプレイヤーからは難しいと感じる声も少なくない。
      • 本作はある程度リアルな方向にリメイクし直されており、原作のシステムのままだと本作のゲーム性に合わないと判断し、原作のバトルも簡単過ぎるという声も決して少なくなかったため、時代の流れも恐らく考慮してアクション寄りのバトルに変更されたのかもしれない。
    • 一応、そういった意見にも配慮してCLASSICの難易度や自由に難易度を変更できるシステムも搭載されているが、それでも原作とは戦闘システムと操作性が大きく異なるため、原作のターン制バトルのままが良かったという意見も少なく無い。
      • 逆に昨今のアクションゲームに馴染みのあるプレイヤーや原作以上に歯応えのあるバトルを臨んでいたプレイヤーからは好評を博しており、難易度も自由に変えてプレイできる事も鑑みるとプレイヤー次第な部分ではある。
  • ATBゲージの管理がややシビア気味
    • 各キャラのわざだけでなく、アイテムと魔法までゲージが溜まらないと使用できないため、HPを回復したいのにゲージの量が足りないので敵陣に突っ込みに行く羽目になったり、MPが足りているのに魔法が撃てないという事態が度々起こる。
      • つまり、何らかのアクションを取りたい時に意図した思惑と真逆の行動を取らねばならない状況も少なくなく、ゲージの溜まり自体も遅いためせっかちなプレイヤーはHPを温存する戦略を捨てざるを得ず、それが原因でゲームオーバーになることもある。
      • ATBゲージの最大量も基本は2本分と少なく、温存するにもすぐに溢れてしまう量である。結局溜まり次第使用していかなければ無駄になってしまう。
    • 当然だが「何らかの理由で近接攻撃が出来ないキャラに魔法やアイテムを使った戦法を取らせる」「状態異常が付いたら即アイテムを使用させる」と言った行動はさせにくくなっている。
      • この仕様により、コマンド選択に重きを置いているCLASSICでは「コマンド選択に集中したいのにほとんどコマンドの操作ができない」と言った事態に陥ることがある。
    • アイテム使用の制限がなければ『XV』のようにアイテムが強力すぎるということにもなりかねないものの、回復行動にかかる制限が強い点は賛否が激しい。
    • 原作にもATBゲージは存在するがシステムが根本的に違う上、「ATBゲージを如何に効率よく溜めて如何に上手く使うか」というゲームデザインではあるが、全体的に普通のアクションゲームよりも特殊な設計のため苦手に感じるプレイヤーも少なくない。
      • 一応、救済措置としてかATBゲージの増加を補助するマテリアは複数存在はする。
  • 召喚獣を自由に召喚できない
    • せっかく技や召喚時の演出・グラフィック等は凝っているのに、原作と違って自由なタイミングで召喚できず、限られた場面でしか拝めず、そして一度のバトルで1種類且つ1回しか召喚できないことを残念に思う声も多い。
    • ただし、リアルタイムなバトルになった事もあり、ゲームバランスの面を考えると仕方ない部分もあるだろう。
  • レッドXIIIがサポート専用キャラであり、操作・育成ができない
    • 公式からの説明によれば、原作における彼はミッドガル編終盤で加入するため、本作で操作キャラとして出しても操作する場面が少なく、育てる余地もほとんどないことからプレイアブル化を見送ったとのこと。
    • バトルシミュレーターでは、残念ながらサポートキャラとして参加させることはできない。
    • ただし、原作では不可能だった4人パーティが実現している。
      • 次回作では操作・育成が可能な仕様に変更される事が発表されている。
  • シリーズ定番の戦闘勝利曲であり、原作でも流れていた「勝利のファンファーレ」が流れなくなった。
    • 公式側によれば、マンネリと感じて毎回の勝利BGMとしては撤廃したとのこと。
      • バレットが歌うシーンがあったり、バトルシミュレーターやコロッセオでの勝利時には流れるが、流れるタイミングが少ない事には変わり無く、やや物寂しいと感じる人も少なくない。
    • 勝利ポーズも、上述したバトルシミュレーターとコロッセオでしか見られない。クラウドの剣を回す勝利ポーズは原作でも印象的だったため、見る機会が減ったことを残念に思うプレイヤーも多い。
    • とは言えリアルタイムのバトルである以上、普段のダンジョンなどで勝利ポーズを行えばゲームのテンポを損ねてしまうため仕方ない点ではある。

BGM

  • 上述したように曲自体のクオリティーはとても高いものの、アレンジ自体はやや賛否が分かれ、流れるタイミングが変わったBGMも多い。
    • 特にイベント時では「重要な場面で流れる曲の雰囲気が変わって、原作の名演出が台無しになってしまったシーンがある」という声もある。
      • 新規曲もクオリティこそ高いが、原作とは違ったセンスで作られている物もあり、人によっては原作との乖離を感じる場合があるかもしれない。
    • とは言え、コレは本作に限らずリメイク・リブートものやシリーズ群ではもはや宿命であり、個人の好みによる部分が大きい。
  • 原作のミッドガル編以降に流れるBGMの使用に難色を示すファンもいる。その内のいくつかは原作では計算された演出の1つで流れていた曲であったため、これについては他の作品よりも否定意見が多い。

全体的に水増し感が否めないボリューム

  • 総体的に見れば、原作からミッドガル編のボリュームは増しているものの、無理矢理そのストーリー・ゲームパートを引き伸ばしているように感じられるという意見は多い。この部分を許容できるかで本作の評価が分かれると言っても過言では無い。
    • 要因としてはいくつかは問題点で詳しく後述するが、移動エリア・パートの増加、なんでも屋クエストの存在*21、戦闘難易度の上昇、快適性やプレイヤーへの配慮の不足、新システムの採用・変更点による弊害の荒削りさなど、原作から変更した部分による要素が大きい。
      • 特に原作ファンからはこの水増し感に否定的な声も多く、「このようなボリュームの水増しで原作を分割してリメイクするぐらいなら、もっとストーリーの補完やキャラクターの心情にスポットを当てて、ミッドガル以外にも行ける場所を設けて欲しかった」という声が多い。
    • また、原作のミッドガル編は様々な制作陣による計算により、「チュートリアル的側面をもたせることでプレイヤーにゲームプレイを慣れさせて且つ世界観を理解させ、ミッドガルの行動エリアを狭くして陰鬱な街としての雰囲気をもたせ、そこを脱出することで一気に世界が広がる」ように設計されていたこともあり、そもそもミッドガル編のストーリーを延ばし、ミッドガルを全体的に明るめに作り直したこと自体を快く思わない原作ファンもいる。
    • とは言え、これらの意見は原作をプレイしたことがあるファンからの意見がほとんどであり、本作で初めて『VII』に触れるプレイヤーならそこまで問題無いだろう。
      • また、原作からのキャラの掘り下げや補完が全く無い訳ではなく、変更点や新要素の追加により良くなった部分もあるため、古参ファンでも本作を一度プレイしてみる価値は充分にある。

問題点

引き伸ばし感の強いダンジョン

  • 直線距離では大したことのない目的地まで行くのに、「扉が開かない」「電力不足でリフトが動かない」「敵が見張っている」などの理由で、延々と遠回りさせられる。
    • ムービーではないためスキップはできず、チャプターセレクト時で再プレイする際もきちんと遠回りする必要がある。
    • ダンジョン内では武器や体術で壊せそうな所を遠回りさせて解除アイテムを入手させたり、ギミックを操作させられたりするといったことも多い。
    • 地下下水道、列車墓場、陥没道路などのダンジョンは原作では非常に短いものが多いのだが、本作では大幅に引き伸ばされ、1つのCHAPTERになっているほど。もちろんこれらのダンジョンでも遠回りをさせられる。
    • またミニゲームも頻繁に挿入され、チャプターセレクト時もダンスの練習とバイクゲーム以外はスキップできない。トロフィー獲得のためには最低でも3周する必要があり、CHAPTER9のアームの操作がいい加減に嫌になったプレイヤーは多いだろう*22

演出面

  • 移動・イベント時で強制的にカメラを固定されたり、歩行をさせる場面が多い。
    • 特に初見のイベントでカメラを固定される時はバグか不具合だと思い込んで戸惑った人も多い。
    • 屈んだり、立って移動する隙間など狭い通路を通る場所もあるが、早歩きさえも出来ないので少し移動に時間がかかり、これまた強制的にカメラを固定される仕様で、操作キャラの後ろ姿しか見ることができず、他のキャラの屈む姿を拝みながら移動することもできないため、余計に時間が長く感じストレス要素になりやすい。
    • 街や神羅ビル内のスクリーン越しの映像扱いとなっているムービーやイベント時でのボタン送りの会話パートでも同様である。
    • チャプターセレクト時でもこれらの仕様はスキップ出来ず、無駄に時間が掛かかるため、ストレス要素となっている。
      • とはいえこれらはその時間を利用してロード画面を少なくしてシームレスにするための工夫なので仕方がないことともいえる。
      • だが、ストレス要素であることは事実なため、もっとスムーズにゲームをプレイしたいと思うのがプレイヤーの人情だろう。
  • 体験版から劣化した要素
    • バトル中のムービーがスキップ出来なくなった。
      • 特にボス戦ではゲームオーバーになる事も少なくないので、再戦時に飛ばせない仕様がゲームのテンポを悪くしている。チャプターセレクト時でも同様。
    • パーティキャラから遠く離れ過ぎると、キャラの掛け合いが聞こえにくくなる。
      • リアルな描写ではあるが本作のゲームプレイ時では明らかに不要な要素である上、現実に即しすぎていてせっかくのフルボイスの魅力を損ねてしまうこともしばしばである。
      • おまけに、ほとんど聞こえないような状態でも操作キャラが掛け合いに応じたりするので、不自然な描写になりやすい。一応、台詞は字幕で表示されるが…。
      • 逆にバトルやムービーでは特にそのような仕様はない上に、当然本作にその要素をうまく組み込んだゲームシステムも存在しないため、このシステムを採用した理由は結局分からず終いである。

やや難のあるバトルシステム

  • 指示コマンドが無い
    • 仲間の行動については「アクションは自動」「コマンドは手動」と割り切られた形式であるが、アクションRPGとしてはやや煩雑かつかゆいところに手が届かない仕様となっている。
      • 『KH』シリーズのようなNPCキャラクターの(コマンド技傾向を含む)戦闘方針を決めることができず、最大3人のパーティキャラのATBゲージ分のコマンドをプレイヤーが毎度入力しなければならない。
    • 「オートケアル」などのマテリアで仲間が状況に応じてサポートしてくれる手段はあるが、そもそもマテリアの枠をそれで圧迫してしまう上、対応したコマンドを使用可能なタイミング*23でしか使用してくれない。
      • また、行動指針だけでなく他作品ではスキルツリーのような成長要素で紐付けされやすいものも、本作ではマテリアの一種として組み込まれており、ただでさえ装着できるマテリアに限りがあるのにそれを入れてしまうとかなり枠を圧迫してしまいやすく、そもそもこの仕様だと「そのマテリアが無いとその行動やアクションができない」と言う描写にも取れてしまうので現実的に考えても違和感のある要素になりやすい。
    • CLASSICの難易度では「あくまでATBゲージを溜めてコマンド選択して戦っていく疑似コマンド戦闘だと思えば妥当な仕様である」という意見もあるが、毎度コマンドを選択するたびにアクションが中断されてしまい、戦闘テンポが悪くなる問題がある。
  • 操作キャラに敵のヘイトが集中する仕様
    • 本作においては操作キャラにヘイトが向くよう設定されており、状況に応じて操作キャラの入れ替えを促す仕様となっている。
      • しかし、これが時間経過では無く切り替えた途端に敵のターゲットが操作側に切り替わる(一部ボスのみ例外)ため、あまり意味をなしているとは言えない。
      • わざや魔法を使用していなくても「操作キャラ」というだけで狙われやすいので、後衛キャラはまともに操作していられず、キャラ入れ替えを促すどころか前衛でタンク役を担えるキャラクター(≒クラウド)を操作することが基本となってしまいがちである。
    • パーティ同士で闘っても問答無用で集団リンチに遭うため、特に装備が充分でない上にレベルの低い序盤では順番に倒されゲームオーバーになってしまいやすい。
      • 普通はある程度均等に狙いを定めて攻撃したり、こちらの行動によって攻撃を仕掛ける相手が決まる仕様にすべき筈なのだが…。
  • わざ・魔法・アイテムを使用した際にキャンセルができない。
    • また、これらを使う直前に攻撃を喰らうと、行動はキャンセルされてしまうがMP・ATBゲージを消費してしまう仕様が存在する。発動してすらいない魔法のMPを消費してしまうのは不自然でやや調整不足と言える。
    • 前述したとおり、アイテムも含めたあらゆる回復行動にATBゲージが必要な点も含め、難易度を無駄に上げている点でもある。
      • なお、攻撃を受ける前にコマンド選択していた場合、喰らって体制を立て直した直後にコマンドの行動を実行する仕様も存在しており、当然動作キャンセルができないため、無駄に隙を晒してしまう仕様となっている。
  • 一部キャラクターのわざ発動に制限がある
    • 原作でのパーティキャラが地上からしかわざを発動しないためか、近接攻撃が主体となるキャラのわざが空中で発動できない。
    • クラウドとティファは通常攻撃でならジャンプして空中戦が可能なのだが、地上でしか武器のアビリティとリミット技を発動できないのは痛い。クラウドに至ってはブレイブモード切り替えですら地上でしか行えない。
      • 距離的に問題がない筈の場面でも壁に張り付いた敵は通常攻撃でも何故か地上でしか攻撃を発動できないため、全く攻撃が通らないこともある。この場合、敵がプレイヤーキャラの近くまで動くかATBケージが一定数貯まるまで、ただ待つことしかできない。
    • 空中用に少しでもモーションやわざの仕様で違いを出せれば地上戦とはまた違った駆け引きが生まれるのだろうが、そこまで開発に手が回らなかったのか強力なわざで空中の敵を一掃することはできず、魔法を使うかちまちま通常攻撃をして行くかでしか空中の敵を攻撃することはできない。
      • ちなみに、キャラクターが空中にいる時にコマンドを選択すると、着地してからコマンドの動作を行う。この仕様は戦闘以外のコマンドでも同様。
  • 回避に無敵時間が存在しない
    • そのため、避けた筈の攻撃に被弾してしまう状況ができてしまい、余計なダメージを負ってしまうことがある。
  • ブリザド系とエアロ系魔法の仕様
    • これらの魔法は、「着弾後、ワンテンポ置いて着弾点にダメージを発生させる」という扱いにくい仕様であり、弱点属性によるバースト狙い以外ではまず使われない。
    • ファイアやサンダーは発動してすぐ着弾してダメージを与えられるのに、この2つは着弾してすぐそこから離れればダメージを受けない。ボスなど動きが激しいため、タイミングが限定される。
    • 特に飛行系が弱点とすることが多いエアロが酷い。地上の敵より頻繁に動くため、そもそも着弾させることすら難しいのに着弾しても避けられる可能性がある。
      • もちろんこちらもその点は利用できるのだが、MPなどのリソースは平等ではないので、撃てる機会が限られるこちらにとって不都合が多い。
      • どうしても属性攻撃をしたいなら、「ぞくせい」マテリアで武器に属性を付与したほうが早い。ぞくせいマテリアの数に限りがあることと、戦闘中にセットしている属性を切り替えられないという難点はあるが。
      • さらに、神羅が多数繰り出す機械兵器に電撃が効きやすいのはもちろんのこと、同じくらい出番の多い人間タイプの敵は基本的に火を弱点とするので、出番にすら格差があるという有様である。
  • カメラワーク
    • とにかく地形や障害物にカメラが引っかかりまくるため、狭い場所ではカメラを工夫しないと戦いづらい。
  • ボスの形態変化
    • 多くのボスがHPが一定まで減ると行動パターンが変化するが、このパターン変化ラインに達すると、変化イベントが終わるまでそれ以上HPが減らなくなる。
      • 例えばHPが2万まで減ると形態が変化するボスがいて、現在のHPは2万100だとする。そこに本来なら3千ダメージを与えられるリミット技を当てたとしても、100しかダメージを与えられない。
      • そして形態が変化すると、溜めていたバーストゲージがリセットされる。
    • この仕様のため、切り札であるはずのリミット技がかなり使いづらく、HPが残りわずかな敵にとどめとして使うくらいしか有効な使い道がない。
  • 戦闘難易度の仕様
    • CLASSICの難易度がEASYで固定。
      • この半オートで行われるバトルには、マニュアル操作の必要が無くなる楽さと、「コマンド選択と必要最小限の操作に頭を使う」と言った普通のバトルとはまた違った面白みがあるので、もっと歯応えのあるNORMALやHARDの難易度でやってみたいと言う声が多い。
    • HARDを選択すると「アイテム使用不可」や「回復ポイントでのMP回復なし」が強制される。
      • この強制によりHARD限定でしか獲得できないアイテム・トロフィーと言った要素の取得がやや困難になっている。

周回要素

  • 周回プレイが前提の要素が存在し、コンプリートしづらい。
    • エネミーレポートや「てきのわざ」には難易度がHARDでしか入手できないものがあるので、1周目ではコンプリート不可能。そして当然だがHARDは縛りがきついうえでモンスターが手強いものだらけで、収集がなかなか難しい要素となってしまっている。
      • 「みやぶる」マテリアを入手できるタイミングがCHAPTER3からであり、CHAPTER1・2で登場する敵に対して攻略情報を閲覧できない状態で闘う仕様になってしまっている。
      • 一応、どの敵も以降のCHAPTERで登場するが、ガードスコーピオンはCHAPTER1でしか登場しないため、絶対に1周目では攻略情報を入手できない。
      • ただし、この際「戦闘時の会話」でクラウドが弱点となる属性を教えてくれるため「完全なノーヒント」と言う訳では無い。
    • 新キャラクターのチャドリーのとある重要な部分に関する要素もHARD限定でしか見られないため、1周目ではこのキャラのストーリー上の存在意義が全く分からない状態になってしまっている。
    • CHAPTER4のバイクゲームで貰えるトロフィーがあるが、バトル時とは操作性が違う上にやや複雑のため、難易度が高く初見時では苦戦しやすい。
      • また、街でできるミニゲームでは無く、繰り返し挑戦出来ないイベント扱いとなるので、上述した要素も相まって難易度がCLASSICやEASYでも1周目では入手しづらい。
  • チャプターセレクトの仕様
    • チャプターセレクトで進めた場合、基本的に選択したCHAPTERの最初から最後までクリアしないと、1周目では取り逃したアイテムや立ち寄らずに見なかったイベントや分岐点はシステム面では一切記録されない。
      • この仕様のため、CHAPTER内のどのルートから行くかと言った選択や、一気にCHAPTERの最後までクリアしたことにする機能が無くやけに時間がかかるため、既にクリアした場面でも、もう一度視聴する羽目になり、クリアまで無駄に時間が掛かってしまう。
    • 引き継ぎ・スキップ出来る要素に制限があり、一度クリアした殆どのイベントや演出、ダンジョン、なんでも屋クエストと言った部分のほとんどが自由にスキップできない。
      • ただし、クリア・取得した一部の要素やイベントは自動的に省略される仕様となっている。
    • CHAPTERをクリアしても次の章に行くかの選択肢が出ず、自動的にその次の章に移動してしまう。ロードを挟んだとしてもメニュー画面を見るまでクリアしたのか、していないかが分かりづらく、別の章をプレイしたい場合はまたロードを挟まなくてはならない。
      • テンポや没入感が削がれてしまう点を懸念したのかもしれないが、後述するロード時間の問題も鑑みると周回プレイ時にはやや不便な点であるのは変わりないため、オプションなどでその辺りの機能の有無が欲しかった所である。
    • ストーリーに影響しない一部のエクストラミッションは、チャプターセレクト時以降は何故かニ度とそのイベントが発生しない仕様になってしまっている。
      • そのため、プレイヤーによっては新しくデータを作って初めからやり直さないと、一部のアイテムの入手やトロフィーのコンプリートが不可能になってしまう場合がある。
    • こう言ったクリアした要素を省略できる機能が少なく、周回時でも回収不可能な要素があるので、周回必須でないアイテム・トロフィーなどの要素はなるべく初見時に取り終えていた方が良いだろう。

その他

  • マテリアのUI関連
    • ただでさえマテリアの数が多いのに、召喚マテリア以外の一覧が種類毎に振り分けられておらず、一緒くたに同じ一覧の中に表示されるため、目当てのマテリアを探すのが非常に面倒な作業となっている。
      • ソートはマテリアの入手順・レベル順でしか切り替えられず、何故か五十音順に分けるソートが存在しない。そのため同じ名称のマテリアでもレベルの違うマテリアが全く別の一覧の場所に散らばっている場合が多い。
      • 種類もレベルも名称も同じマテリアでも逆に表示が一緒くたにされていないため、五十音順のソートが無いことも相まって目当てのマテリアを見逃しやすい。
    • 同じマテリアでも一緒の武器・装備に装填できるが、ぞくせいマテリアの場合は特殊な装備・マテリアも装着しない限り戦闘時のコマンド欄に同じ魔法が羅列されるだけなため、無意味な仕様になってしまっている。
  • やや長いロード
    • 頻繁にロードが発生するゲームでは無いものの、CHAPTERの切り替わり以外にも、エネミーレポートのキャラの鑑賞、ミニゲーム・バトルのやり直し、チョコボを利用した移動、ムービーのスキップ時などに10秒以上のロードが掛かることがあるのはややストレスである。
      • 特にチャプターセレクト時は「章をクリア → 勝手にロード → 勝手に次の章に → チャプターセレクトでやりたい章を選択 → またロード」という手順になってしまうので、本来のロード以上の時間がかかる。
    • 一応、チョコボを利用した移動に関しては、一度利用したルートであれば即ゲームを再開できる。
  • 最終CHAPTERの仕様
    • 最終CHAPTERでは、セーブできるタイミングが何故か一度しかない仕様となっている。
      • ただでさえ敵が強くゲームオーバーになりやすい上にそういった仕様が重なってクリアに時間が掛かりやすく、1周目はNORMALでのクリアは中々難易度が高い。
      • 連戦続きの部分でラスボスに辿り着く前にゲームオーバーとなり、泣く々く難易度をEASYに変更する羽目になり、メニュー画面が開けない以上難易度を変更して「ラスボスだけNORMALで戦う」こともできないため、「歯応えの無いラスボスと闘う羽目になる」事態も起こりやすい。
  • 一部キャラクターの影が薄い
    • 本作の登場人物自体が多い中、キリエは公式サイトで紹介されているのだが、その割にそれに見合った出番や相応の見せ場があったとは言い難い。
    • キリエはメインストーリー内での活躍は「スラムの住人にアバランチのデマ情報をリークして金稼ぎをしようとする」という程度であり、そのデマについてパーティメンバー同士で会話はするものの、ほとんどモブと変わりない*24
      • メインストーリー以外でもなんでも屋クエストにも登場するのだが、印象が変わるようなイベントは無く、ただプレイヤーの神経を逆撫でするキャラ付けで終わってしまっている。
      • そのうえ、そこで掘り下げられたキャラクター性が原作のミッドガル編以降に登場するパーティキャラであるユフィ・キサラギ*25と被っているという指摘もある。
    • 彼女は元々原作『VII』には登場しない外伝小説のキャラであるのだが、このような中途半端な扱いであったため、無理矢理物語に入れたような印象を抱きやすい。
  • 深刻なバグの存在(修正済み)
    • 画面がフリーズし、ゲームの進行が不可能になることがある。特にダウンロード版のソフトで起こりやすい。
      • CHAPTER16のイベント時でダクトに潜入する際に、その下の会議室を覗くとほとんどの操作を受け付けなくなってしまう事がある(通称:ダクトバグ)。
      • 対処法としてはメニュー画面を開いてゲームを中断してタイトル画面に戻ると言った方法しか取れない。オートセーブ機能があることが救いか。
      • 対策としては、ダクト潜入前にセーブをしておくことが望ましい。
    • 発売から半年後のアップデートにより、このバグは修正された。

総評

ゲーム史に残るRPGの、"ゲームの根本からの作り直し"を標榜した実質新作として非常に大きな注目が集まった本作。
特に広告の打ち方、発売2年前辺りからのゲームフェスでの露出度はスクウェア・エニックスという会社始まって以来のレベルであり、期待度や予算*26は尋常ではなかった。

分割作品である事、それ以上にストーリーの改変を扱ったことは単純に商法としての問題をはじめ少なからず弊害を起こしており、エンディングのストーリーラインもそれに引っ張られる形で賛否があるが、肝心のゲーム内容は非常に高い水準でまとめられている。
原作を尊重しつつゲーム内容に合わせて新しい感覚で昇華されたイベント、原作発売以降多岐に渡った他作品へのゲスト出演によってやもすれば崩壊気味になっていたメインキャラクターたちの描写を今一度原作に近いものに帰結させたこと、それでいて派生作品もこぼさずに違和感なく取り入れた枝葉のサブストーリーなど、高い評価を得ている。
原作から様変わりした戦闘システムもオールドファンに配慮したCLASSICを難易度として搭載するなど、汲み切れなかった問題点はあれど単体のゲームシステムとして見れば完成度は十分に高い。

総合的には「あの『VII』のリメイク作品」として魅力的なゲームに仕上がったものと言えるだろう。


余談

  • 本作はかなり開発が長期化しており、原作のリメイクが初めて報じられてから5年近く経ってようやくこの「ミッドガル脱出編だけ」という形での発売に漕ぎ着けた。
    • 直近のナンバリングの『XV』が賛否ある出来だったこともあり、原作ファンの不安も大きかったのだが、蓋を開けてみれば決して悪い出来栄えではなく、シナリオの変更箇所などの賛否点は有れど、多くのファンが一先ず胸を撫で下ろすことができたと言える。
      • もっとも、スクエニ側の「『VIIR』の開発が本格化した」というアナウンスから2年弱で発売されており、この開発ペース自体は他社と比較しても決して遅いものではない。むしろ発表が早すぎたと言えよう。
  • 本作発売のわずか2日後となる2020年4月12日に、派生作品および本作でレノ役を担当した藤原啓治氏が癌により逝去。その為、本作でレノと戦って間も無い頃にその訃報を知り、ショックを受けたファンは多い。
    • 続編のキャスティングがどうなるのか長らく不明だったが、続編となる第2部作ではスタッフの意向により代役は立てず生前の藤原氏のライブラリ音声を用いた出演となった。
    • 分作の最終作では後任を立てる意向も視野に入れているようで、この第2部作を持って藤原氏の『FF』シリーズ最後の出演作品になると思われる。
    • また、本作発売のおよそ1年後となる2021年5月18日に、プレジデント神羅役を担当した若山弦蔵氏も心不全のため逝去。本作が氏にとって最初で最後の『FF』シリーズ出演作となった。
  • 本作の最終CHAPTERは録画禁止区域に指定されている。
    • 逆に他のCHAPTERは、特にこれと言った制限が掛かっておらず、大半のゲームパートの動画投稿・配信やSNSでの情報共有が事実上可能となっている。
      • そのため本作を扱った動画の投稿・配信やSNSの投稿は、削除された例がほとんど無い。
  • オーストラリアと欧州では、日本を含めた他の国よりも9日早く本作が発売された。
    • 「新型コロナウイルスの世界的大流行により、全世界の供給ラインが影響を受けており、配達の予定をコントロールしにくくなった」ためだと公式で明言している(参照)。
    • このため、公式は本来の発売日の前日までは、上述したネット上での情報共有は控えるよう購入者に促していた。
  • ゲームの出来とは関係ないものの、「原作では1本に収まっていたストーリーを複数作に分割してリリースする」という方針には「分割商法」という批判も上がった。
    • とは言え原作ファンからすれば、『VII』の膨大なボリュームを1本のソフトにまとめ上げることなぞ不可能であることは分かり切っていたことではある。
    • 加えて発売後に「本作だけでも1本のゲームとして成立するだけのボリュームが確保されている」と判明し、ある程度は沈静化した。
    • スクエニ公式によると、分作にした一番の理由は「原作の全部分をリメイクしようとすると、PS4のスペックをフルに活かしても削ぎ落とさざるを得ない部分が多過ぎる」との事(参照)。
  • 上述した通り本作のキャラデザはほぼ原作のままだが、リファインされたバレットの容姿が元プロレスラーの蝶野正洋氏によく似ていることが話題になった。
    • また、ティファはタンクトップの下に黒インナー、ミニスカートの下にスパッツが追加されており一部のファンを嘆かせた。しかし、インナーを着用していながらこのバストサイズはすごいと肯定する声も。
  • 近年、様々なキャラクターのコスプレをして注目を集めている姉妹ユニット・叶姉妹の妹である叶美香氏だが、2020年5月19日には本作のティファとエアリスのコスプレを披露し、そのクオリティの高さで話題となった。
    • 特にティファのコスプレに関しては顔立ちから胸の膨らみ具合までそっくりそのままであり、本作のファンからも絶賛の声が後を絶たなかった。つまり、ティファのバストサイズは叶美香レベルということか。

その後の展開

  • 2022年6月17日に本作の続編となるリメイク第2弾『ファイナルファンタジーVII リバース』が発表された。対応機種はPS5で、2024年2月29日に発売された。
    • また、続編の発表と同時に本作のセーブデータの引き継ぎは無く独立したソフトとして販売し、分作とだけ発表されていた『VII』のリメイクが3部作構成となることが明かされ、発売日の発表時には「忘らるる都」までのストーリーが描かれる。

ファイナルファンタジーVII リメイク インターグレード

【ふぃあなるふぁんたじーせぶん りめいく いんたーぐれーど】

ジャンル RPG
対応機種 プレイステーション5
Windows 10(Epic Games Store/Steam)
発売・開発元 スクウェア・エニックス
発売日 【PS5】2021年6月10日
【EGS】2021年12月16日
【Steam】2022年6月17日
定価 通常版: 9,878円(税込)
Digital Deluxe Edition: 11,501円(税込)
レーティング CERO:C(15才以上対象)
判定 良作
ポイント 次世代機及びWin版
グラフィック・パフォーマンスが向上
一方でPS4のユーザーから不満の声も


目を凝らして見る世界、
その絶叫は仲間には届いていなかったー



概要(インターグレード)

上記の『ファイナルファンタジーVII リメイク』のPS5版。
PS4版『VIIR』を購入済の人は100円でPS5版にアップグレード可能。
セーブデータもPS5版へと引き継ぐことができる。
2021年12月16日にはEpic Games Storeで、2022年6月17日にSteamでWin版も発売された。


追加点・評価点(インターグレード)

  • 4K画質で映像を出力できる「グラフィックモード」と60fpsで動作する「パフォーマンスモード」が追加された。
  • 片面3層100GBのUHD Blu-rayの採用によって、2枚組に分かれていたPS4の『VIIR』のデータが1枚に収約された。
  • 新たな難易度の追加。
    • 「CLASSIC」の仕様で敵の強さが「NORMAL」の「NORMAL(CLASSIC)」が追加された。
    • PS4版で「CLASSIC」だった難易度は「EASY(CLASSIC)」に名前が変更された。
  • バトル上でガード不可能な敵の攻撃が来る場合、技名の横に警告アイコンが付記されており、初見でも回避の備えがややしやすくなった。
  • フォトモードの追加。
    • 任意の場面で、好きな角度や方向から写真を撮影できる「フォトモード」が追加された。
  • 上述したユフィを主人公としたエピソード「EPISODE INTERmission」を遊ぶことができる。
    • ただしPS4版からアップグレードした場合は、「INTERmission」はついておらず、遊ぶには有料DLCとして別途2,178円(税込)で購入する必要がある。
    • ストーリーは本編で起こった出来事の裏側を描いている。本編と同じく一本道ではあるが、七番街スラム以外は全て新エリアであり、本編とは一味違う雰囲気を味わえる。
    • 逆に言えば、本編クリア済みであることを前提に話が進むので、本編クリア後のプレイが望ましい。公式もそう促している。
      • そのため、本編で登場したキャラクターが「一方その頃」と言ったような形で登場し、クリア済みであれば思わずニヤリとする場面も多いだろう。それだけで無く、次回作の展開を連想させる要素も一部登場している。
    • 本作のメイン要素の1つとなっており、モーション自体も本編同様にキャラの個性がよく出ており、本DLC独自のストーリーとソノン・クサカベや本家アバランチメンバー等の新キャラクターも好評を博している。
      • 本編で指摘された問題点はある程度改善されており、BGMを使った演出やミニゲーム、アクション、敵キャラクターのグラフィックもかなりの割合で新規で作り起こされており、本編と同等のクオリティで楽しめる。
  • PS5版ではアダプティブトリガーが部分的に対応するようになっている。
  • ハードが変更されたことにより、ロードの時間が大幅に短縮され、待ち時間によるストレスが減った。
  • PS4版の限定配信だったDLCが無料で入手可能に。
    • 店舗ごとの予約限定で入手可能だった召喚マテリア「カーバンクル」「コチョコボ」「サボテンダー」が、無料DLCとして配信された。
  • 元々十分美麗だったグラフィック面も更に美麗に向上した。
    • 特に海外では一部でネタにされていた七番街スラムのアパートのドアといった背景のグラフィックも改善されている。
  • マニュアルにチャプターセレクトの注意点が追加された。
    • 仕様自体はPS4版と変わらないが、その仕様を事前に知った上でプレイする事が可能になった。
  • 録画指定区域が変更され、本編では全編を通して禁止区域が廃止されている。
    • これにより本編では全編の情報を制限無しにネットでシェア出来るようになった。
    • なお、DLCである「INTERmission」に関しては禁止区域がエンディングにのみ存在する。
  • 派生作品の『DOC FFⅦ』から久々にネロとヴァイスがDLCにて登場し、『DOC FFⅦ』の独自設定が本格的に逆輸入された。
    • 過去作から10数年ぶりの登場に古参ファンからは驚きを持って迎えられた。本DLCにおいては2人とも意外な立ち位置で登場し、演者も当時の声優がそのまま続投している。
    • ヴァイスはストーリーにあまり絡まないため残念に思う声も少なくない。その代わり、ある程度まで本DLCのストーリーを進めれば本編のバトルシミュレーターにて難易度HARD限定で、彼との対戦が可能になる。
    • 『DOC FFⅦ』をプレイした事があればニヤリとしてしまうような、なんとも意味深なネタや演出も随所に仕込まれており、本編同様そういった派生作品へのファンサービスもこと欠かさない。

問題点(インターグレード)

  • 本DLCの仕様
    • 本作のDLC自体の出来は良いが、PS5から始めたプレイヤーと比べるとアップグレード代も込みで、値段がそのままほぼ上乗せされた上にPS5が必須となる状態になるため、事実上PS4勢は損する形に。
    • 逆にPS5版ではDLC自体がディスクに最初から入っておらず、一度切りのダウンロ―ドコードが同梱するのみ。
      • 中古販売対策のためかもしれないが、Steam版と違い最初から入ってないのはプレイヤーからすればやや不便と言える。
  • PS4版を購入済みの人に対するフォローについて。
    • 前述した通り100円でPS5版にアップグレードはできる上に、セーブデータもPS4版からPS5版へ移行可能ではあるものの、PS4版にもアップデートで本作の追加要素をいくつか実装してほしいという声は多い。
    • なお、フリープレイ版では発売当初はアップデートに非対応だった。これが原因で痛い目を見たプレイヤーもいる。
  • 元々PSハードを前提に制作、最適化しているためか、Win版のグラフィックはPS5と比べて劣る部分がある。特に背景で顕著。
    • 一方、PC向けであることからユーザーによる非公式の高画質化MODや衣装変更MODなどが複数作られている。もちろん導入は自己責任なので注意。
  • 元々PS4で作られたゲームのため仕方ない部分もあるが、PS5のハプティックフィードバック機能には非対応。
  • あくまでも追加要素がメインのためか他の完全版作品に比べると根本的な問題点はあまり改善されていない。
    • もっとも、あまりにも問題点のテコ入れをしてしまうと、「完全版商法」として批判されたり、セーブデータの引き継ぎが不可能になってしまう可能性もあるので、難しいところではある。

総評(インターグレード)

PS4版を購入したユーザーにとっては不満点が少なからずある。
しかし、完全版としては元作品からちゃんとアップグレードされたものなので、PS5か高性能PCを所持している人が初めてプレイするなら本作一択であろう。


余談(インターグレード)

  • Win版の発売予告にて、神羅カンパニーの研究施設からレッドXIIIが脱走したという設定で、期間表参道のL字型大型屋外ビジョン「表参道ヒットビジョン」にてレッドXIII巨大3D映像が公開された。
    • 本映像はYouTubeでも公開されている。
最終更新:2024年09月23日 13:11

*1 移動・通常攻撃・固有アクション・ガード・回避の5つ。

*2 最大までマテリアを成長させると、未成長の同じマテリアが1個複製される。

*3 銃刀という設定のため銃撃系の武器アビリティは問題なく使用できる。

*4 振ったロッドにも攻撃判定があるので物理攻撃力は一応、死にステではない。

*5 本作で初登場したキャラクター。彼自身が絡む要素の大半がバトルに関連するサブクエストなため、基本的にストーリーにはあまり関わってこないが、ゲームプレイの面では非常にお世話になるキャラクター。

*6 一部はバトルレポートに組み込まれている。

*7 ナイトクラブなので女性だけでなく、蜜蜂の格好をした男性キャラクターも登場する。

*8 『VII』の派生作品のうちの1つで『VII』の後日談となっている。フルCGを使ったリアルなグラフィックで描かれた映像作品であり、その出来は今作とはほとんど見劣りしない。野村氏によれば『VII』のリメイクはこのグラフィックを実際にゲーム内で表現できるようになるまで待っていたとのこと。

*9 原作の公式設定絵の時点で、他キャラに比べかなり漫画チックな図体だったので、20年の時でゲーム内の見た目が大きく変更されたキャラクターと言える。

*10 ただし、『KH』シリーズに関してはスターシステム的登場であり、性格付けが変更されている『FF』キャラは彼女らに限らない。

*11 元々この2人は見た目とは反対の性格として作られていたが、本編以外では見た目通りの性格になっている事が多かった。

*12 同イベントは原作にもあるが薄暗い中で屋根をつたっていくそちらとは異なり、光源がはっきりした中で2人でアスレチックして己の素性・思想を語り合う、かなりオリジナル要素の強い仕上がりになっている。

*13 クラウドへの皮肉を込めた叱咤激励や、神羅ビル監禁時の「すいませんねぇ」などに見られた部分。

*14 ルーファウスや周りの濃い幹部ばかりが印象に残る。

*15 宝条は元々派生作品で野沢那智氏が演じていたが、既に鬼籍に入っているため今作では千葉繁氏が後任。レッドXIIIは『FFVII AC』にて友情出演として市村正親氏が演じていたが、本作から上述したように山口勝平氏に交代している。

*16 なお、この技術はすでに『Half-Life 2』(2004)のSourceエンジンの開発ですでに実装されていたため、最新というわけではない。

*17 原曲:"更に闘う者たち"。原作ではこのボスで初お披露目。

*18 従来のシリーズでも蛇のような敵による「巻きつき」など、拘束のような技はかなり多かったし、特に『IX』や『X』では一部ボスの特徴でもあった。

*19 実際、クラウドの髪型はもともとオールバックになる予定だったが、グラフィックにしたときの視認性を重視していわゆるツンツン頭になったとデザイナー自身が過去に述べている。

*20 一部のCHAPTERに限り、レッドXIII以外のパーティキャラを操作することは可能。

*21 こういったサブクエスト的要素はプレイヤーがついでの形で自然とそのパートをプレイできるように制作されるのだが、なんでも屋クエストはどちらかと言うとかなりおつかい的な側面が強く、コレを全部スルーして本作を初見時でプレイした場合はクリア時間が大体40~50時間前後であり、分作であることを考慮してもオープンワールドでは無い本作のようなRPGではこの仕様を純粋に評価できないプレイヤーは少なくない。

*22 サムかマムのクエストを達成するか、無視するかの3パターンをする必要があるのだが、HARD限定のクエスト報酬(こちらもトロフィーに必要)があるので3周で済ませるためには1周目はクエストを無視しなければならない。これはエアリスの武器を1つ後回しにすることになり、難易度が上がるので大半の人は3周では済まないということも付け加えたい。

*23 ATBゲージやMPが通常通り必要。

*24 上記シーン以外でも群衆に紛れて登場しているシーンがあるが、それこそモブ扱いである。

*25 後述する『インターグレード』では主人公として登場する。

*26 音楽1つとってみても『FF』ナンバリング作品としてさえ膨大な人数がクレジットされた。