魔法少女ノ魔女裁判
【まほうしょうじょのまじょさいばん】
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ジャンル
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魔法議論ミステリーADV
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対応機種
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Windows/macOS(Steam) Nintendo Switch
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開発・発売元
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Re,AER
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発売日
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【Steam】2025年7月18日 【Switch】2026年7月9日
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定価
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【Steam/Switch ダウンロード版】3,500円(税込) 【Switch パッケージ版】 4,400円(税込)
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レーティング
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CERO:D
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判定
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良作
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ポイント
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デスゲーム×魔法少女×裁判ADV 残酷で魅力的な設定と心理描写 『ダンガンロンパ』フォロワーに留まらない画期的な工夫も クラファン達成率3340%の熱量が詰まった作品
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概要
シナリオ制作会社であるRe,AERのオリジナルブランド「Acacia」による初の作品。公式の略称は『まのさば』。
あらすじ
15歳の少女、桜羽エマが目を覚まさすと、そこは見知らぬ牢獄だった。
「魔女」になる恐れがあるとして集められた13人の少女たちは、囚人としてこの牢屋敷での生活を強いられる。
やがて発生する殺人事件。看守であるフクロウは「魔女裁判」の始まりを告げる。
システム
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ADVパート
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主人公の視点から物語を読み進めていくパート。選択肢によってはバッドエンドに分岐する。事件発生後に得られた証拠品は「魔女図鑑」に登録され、いつでも確認できる。
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魔女裁判パート
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牢屋敷で発生した事件の犯人を突き止めるパート。『逆転裁判』や『ダンガンロンパ』といった同ジャンルの先行作と同様、証人の怪しい発言を指摘して矛盾を暴いたり、逆に意見に賛同したりして議論を進めていく形式。
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証言の中で赤色になっているキーワードを選択することで「反論」や「同意」が行える。ただ指摘するだけでなく、根拠となる証拠品の提出を要求されることもある。
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指摘を間違えた際のペナルティは特にない。ただし証言ごとに制限時間があり、時間切れになるとバッドエンドとなる。
評価点
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残酷で魅力的な設定と心理描写
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閉鎖空間における殺し合いというデスゲームものの定番設定だが、極限状態における少女たちの心理描写、お気に入りのキャラクターがいつ犠牲者/殺人者となるかわからない緊張感、仲間を疑い処刑しなければならない残酷なルールなど、こうしたジャンルのツボはしっかりと押さえられている。
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少女たちは一見みな個性的で可愛らしいが、内面には「魔女」になる要因のトラウマを抱えている。物語が進むにつれ彼女たちの闇が暴かれていき、ギャップによってキャラクターへの印象と思い入れがより強くなるようになっている。
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この手の設定の定番である「かわいさと不気味さを併せ持ったマスコット的な進行役」も存在。ゴクチョーという名のフクロウで、キャラクターボイスは『アンパンマン』のばいきんまんや『ドラゴンボール』のフリーザで知られる中尾隆聖氏が担当している。
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バッドエンドも豊富で、大胆なifルートが展開されたり、本編の伏線になっているものなど様々。
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また裁判中の時間切れバッドエンドも、その時点で一番疑いが濃いキャラクターが冤罪で処刑されるという凝ったもの。同じ章であっても裁判の進行に従って処刑対象が変わったり、専用スチルまで用意されているものもあるなどこだわりを感じさせる。
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「魔法」が前提となるミステリー
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少女たちはみな「魔法」と呼ばれる特殊能力を持っている。「傷を治す」「少しだけ浮遊できる」など効果は様々。
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裁判においても「魔法が使えること」を前提に議論が行われる。このため、普通のミステリーではありえないような推理やトリックを新鮮に楽しむことができる。
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ストーリー構造の工夫
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+
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以下、ストーリーのネタバレを含むため折りたたみ
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ゲームが始まると、まず主人公のエマの視点から物語が進む。初日に牢屋敷で目覚めるシーンから始まり、相次ぐ殺人事件と魔女裁判により多くの犠牲者が生まれ、最終的には悲劇的なエンディングを迎える。
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が、エンドロールが終わると時間が巻き戻り、別の主人公が牢屋敷で目覚めるシーンから「第2章」が始まる。第2章は舞台もキャラクターも同じだが、視点が異なるだけでなく、物語や事件の展開もまったく別物となる。
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この構造により、こうしたジャンルに付いて回る「序盤に退場するキャラクターの出番が少ない」「あのキャラクターの違う役回り(被害者/犯人/生存)が見たい」「全員が幸せになる大団円エンドが欲しい」といった弱点/要望を解決することに成功している。
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特に本作の場合は、魔女裁判で処刑される際にトラウマを吐露するシーンが重要な見せ場となっているため、事件の数を倍増させることで多くのキャラクターにその機会を与えられている。残酷ながらプレイヤーの要望に答える画期的なアイデアと言えるだろう。
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裁判パートの難易度
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先行作である『逆転裁判』などでは、裁判パートでは「適切な証言に適切な証拠品を突きつける」必要があったが、本作は適切なキーワードを指摘するだけで進行することが多いため、難易度は比較的低く、ライトユーザーでもプレイしやすくなっている。
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キーワードを指摘した後、追加で証拠品を提示しなければならないこともあるが、ほとんどの場面では提示を失敗してもすぐにループする(キーワード選択は正しかったことが確定する)仕様のため、総当たりの手間は少なめ。
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またオプションの「重要選択肢のヒント表示」をオンにすると、ADVパートの選択肢でバッドエンドに分岐する方にドクロマークが付くという公式ネタバレ機能もある。正規ルートでサクサク進めたい場合にも、逆にバッドエンドを回収したい場合にも有用。
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独自の世界観を構築するアートワークとサウンド
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水彩画風の淡いタッチで描かれた少女たちは世界観にマッチしており、殺人や処刑などの残酷なシーンですら絵画のような儚い美しさを感じさせる。
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全編フルボイスのため没入感が高い。ボーカル付きのBGMも多く、重要なシーンの印象を強めている。
賛否両論点
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『ダンガンロンパ』との類似性
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「閉鎖空間に集められた一芸を持つ若者たちによるデスゲーム」「CV.大御所声優のマスコットキャラ」「証言が大きな文字で表示されリアルタイムで進行する裁判パート」「裁判で投票されるとバリエーション豊かな方法で処刑される」などなど、設定からゲーム性に至るまでダンガンロンパシリーズと酷使している。オリジナリティや新鮮味の点ではハンデがある。
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もっとも前述のように、魔法を前提とした推理要素やシナリオの構造など、単なるフォロワーに留まらない本作ならではの魅力はしっかりと存在する。
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またユーザーから見ても、王道の設定を何度も楽しめる、システムが似ているのでプレイしやすいといったメリットもあり、インスパイア元が明確というのは一概に悪いことではない。
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本作のプロデューサーの畑俊行氏もインタビューで、『ダンガンロンパ』の名を挙げている。またダンガンロンパシリーズ生みの親である小高和剛氏はトークイベントにて「(改めてダンガンロンパとはどんなゲームかという問いに)『魔法少女ノ魔女裁判』みたいなゲームです」とジョークを飛ばすという形で言及している。
問題点
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推理アドベンチャーとして荒い部分
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この手のジャンルにつきものの問題だが、「推理はできているが、どの選択肢・証拠品を選べばそれを指摘した扱いになるのかわかりづらく詰まってしまう」といったもどかしい場面が多め。
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その他、裁判で論点となる重要な要素にはっきりとした映像が用意されていなかったり、複雑な時系列や位置関係が整理されないまま進行することが多いなど、推理ゲームとして荒削りな部分はある。
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UIなど
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裁判パートの証言は、早送りすることはできるがスキップはできない。指摘を間違えると毎回証言の頭からやり直しになるため面倒。
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証言中にはセーブ/ロードができない。
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前述の冤罪バッドエンドを意図的に見るには、証言を何周も早送りしつづける作業を強いられそこそこの手間。
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そもそも冤罪バッドエンドはゲーム内では存在を明かされず、普通にプレイしているとなかなか時間切れにまではならないため、存在にすら気が付かない人も多いだろう。クリアしたはずなのに未開放のスチルが多数あり首をひねることになりがち。
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任意の章から始めることができないため、途中からプレイしたい場合は手動でこまめにセーブを分けておく必要がある。
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バッドエンドリストなどがないため、回収状況をゲーム内では確認できない。
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Switch版はエラー落ちがやや起こりやすい。再起動すれば概ね解消する。オートセーブはあるのでやり直しの手間がさほどかからないのは救いか。
総評
魔法が使える少女たちによる、閉鎖空間での殺人事件と裁判を描いた推理アドベンチャー。
ともすれば人気のジャンルに露悪趣味を掛け合わせただけに見えるかもしれないが、練られたシナリオや少女たちの心理描写、美しいアートワークによって独自の魅力の構築に成功している。
特にこうしたジャンルの弱点を補強したストーリー構造の工夫は特筆すべきであり、可能な限りネタバレを見ない状態でプレイしたい作品である。
余談
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クラウドファウンディングで開発費の調達が行われたが、当初の目標金額が200万円だったのに対し、最終的に6680万円(目標の3340%)という凄まじい支援金額が集まった。
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この資金によりフルボイス化が実現した。またリターンとして支援者の名前が「共犯者」としてエンドロールに掲載されている。
最終更新:2026年11月08日 17:56