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ドラゴンクエストVII Reimagined

【どらごんくえすとせぶん りいまじんど】

ジャンル RPG


対応機種 Nintendo Switch 2
Nintendo Switch
プレイステーション5
Xbox Series X/S
Windows(Microsoft Store/Steam)
発売元 スクウェア・エニックス
開発元 スクウェア・エニックス
ヘキサドライブ
発売日 2026年2月5日
定価(税込) 通常版: 8,778円
豪華版: 15,800円
超豪華版: 29,800円
デジタルデラックス版: 10,978円
プレイ人数 1人
レーティング CERO:B(12才以上対象)
備考 HD-2D版『I&II』と連動要素あり
判定 良作
ポイント 26年の時を経て蘇った『VII』
親しみやすいグラフィック
洗練されたシナリオ
バトルシステムは『XI』を踏襲
作風にも若干の変化あり
一部の世界や物語は完全に削除
ドラゴンクエストシリーズ


概要

2000年8月26日に発売されたPS用ソフト『ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち』(以下、オリジナル版)を、内容の大胆な再構成と現代の技術によってリメイクした作品。

延期に次ぐ延期を経て発売されマスメディアでも大々的に取り上げられたオリジナル版は、400万本超を売り上げ初代PSのソフト売り上げランキング1位に輝く名作となった一方で、シナリオやボリューム感などから賛否分かれた作品でもあった。
2013年には3DSでリメイクされていたが、移植とグラフィックの変更、職業システムの調整などが主であり、特にシナリオにはほとんど手が加えられていなかった。

そんな歴史的な作品が、26年の時を越えシナリオやシステムに大胆な再構成を加えリメイクされるとのことで、発売前からかつてオリジナル版をリアルタイムでプレイしたユーザーのみならず、若い新規層からも大きな注目を浴びることとなった。

なお本作は「Reimagined」と付されると同時に、オリジナル版や3DS版でつけられていた「エデンの戦士たち」という副題は削除されている。
この変更は作品の細部に再構成を行ったことをアピールするものとされる一方、副題の削除は宗教的な配慮があったことも堀井雄二氏が自身のYouTube番組「ゆう坊とマシリトのKosoKoso放送局」で語っている。


あらすじ

広い海に囲まれた、世界にただ一つしかない島、エスタード島。
漁師の息子である主人公は、幼なじみである城の王子キーファ、網元の娘マリベルに囲まれ平和な日々を過ごしていた。
そんなある日、主人公はキーファが島で見つけたふしぎな石版を手にすることになる。
この石版が、3人を世界を大きく動かす冒険へと巻き込んでいくのだった―。


オリジナル版・3DS版からの変更点

シナリオ・演出面

シナリオ

  • 探索して石版を集めることで新たな世界へ行くことができるようになり、その世界でエピソードを解決しクリアすると新たな石版が手に入る…という流れの繰り返しが本作のシナリオの基本。
    • この枠組みはオリジナル版と同様だが、いくつかの石版世界間の攻略順が変更されており、またオリジナル版にあった石版世界のうち世界の趨勢への関与が少ない3世界については完全に削除されている。
  • シナリオの内容についても大きな流れは変更されていないが、各エピソード内の細かな説明や流れについてはオリジナル版で不評や疑問が呈された箇所を中心に多数の修正が施されている。
    • オリジナル版の特徴ともいえた、濃厚な心理描写を伴う複雑な人間関係を描いたシナリオの骨子は大半がそのままの形で活かされている。
    • メインキャラクターの発言や設定、キャラクターづけについても細かな修正が数多く施されている。
  • 大人になったキーファが登場する追加シナリオが盛り込まれた。
    • このことは発売前から公式動画等で大々的に告知されており、本作の目玉要素の一つとなっていた。
  • 最序盤の攻略の流れは、オリジナル版とも3DS版とも異なっている。
    • 現代の島の探索過程においてバトルの要素が加えられている。
  • メインキャラクターの台詞や行動にも、オリジナル版・3DS版から細かな修正が複数加えられている。

グラフィック

  • 本作のグラフィックは、ポリゴンによる表現が主体であったオリジナル版や3DS版とは異なり「ドールルック」という手法が採用されている。
    • これは、キャラクターの実物のモデル人形を制作し、それをスキャンし3DCGに落とし込むという手法で、人形のような温かみのあるグラフィックとすることを意図している。
      • あわせて、キャラクターが移動するフィールドやダンジョンも、リアルな世界を目指すのではなくジオラマのような質感を持つ独特な世界として表現されている。

サウンド

  • BGMは3DS版と同じ、すぎやまこういち氏作曲の原曲をオーケストラ演奏したもの(東京都交響楽団が演奏)が採用されている。
  • 完全新曲はなく選曲にも旧版から大きな変更点はないが、オリジナル版および3DS版では多数いるNPC加入時にもほぼ毎回流れていたジングル『仲間(出会い)』の流れる機会が大幅に減り、メインキャラのパーティ加入時に限定された。
  • 『VII』のリメイクで初めてキャラボイスが採用された。
    • メインキャラのキャストは『ヒーローズII』『DQライバルズ*1』から続投。主人公は掛け声のみ。

システム面

バトル
今作のバトルシステムは、全体的に『ドラゴンクエストXI』のものを踏襲している。

  • 敵とのバトルはシンボルエンカウントによって開始する。
    • 移動画面で攻撃アクションを加えると、少しダメージを与えた有利な状態から戦闘を開始できる。
    • メタルスライムなどといった例外を除き、ある程度レベルが高くなると攻撃アクションだけで戦闘に勝利した扱いになる。
      • この場合でも経験値やゴールド、運が良ければドロップアイテムも手に入るが、職業熟練度は1しか手に入らない*2
  • バトルは、キャラクター単位のターン制。
    • オリジナル版では味方全員の行動を一度に入力し、敵味方全員の行動が終わったら再度こちら全員の行動を入力…という流れを繰り返す古典的なターン制バトルだったが、今作ではPS4版『XI』と同様に敵味方が入り乱れて順番が来る度に行動を決定していく方式が採用されている。
    • この仕様により、オリジナル版・3DS版で行動順を変化させることができた呪文や特技は、性能が変更されているか削除されている。
  • 一定ターン数経過などの条件を満たすと「バーストチャージ」がたまり、「バースト」という行動を発動可能になる。
    • これは行動ターンを消費せずに行える特殊行動で、味方に攻撃完全無効化、会心の一撃必中などその職業に応じた様々なバフ効果をもたらすことが可能になる。
  • ただし、バーストチャージ状態でしばらくバーストを発動させずにいると、チャージが消滅する。
  • 呪文・特技選択時にあらかじめ敵の弱点・耐性・属性無効化が可視化されるようになった。
  • ゲーム中盤でプレイヤーキャラ5人が揃うようになり、それによってパーティメンバーの入れ替えが戦闘中を含め常時可能になった。
    • 経験値と職業熟練度は控え、戦闘メンバー関係なく同量が獲得できる。
  • 特定のサブイベントに関わるのみで、バトルでは完全に無意味だった「かしこさ」「かっこよさ」のステータスは削除されている。
    • 代わりに、「こうげき魔力」「かいふく魔力」「みりょく」と「きようさ」のパラメータが新設され、オリジナル版では数値固定だった呪文や特技の威力が使用者のパラメータによって大きく変動する仕様となった。
  • モンスターに関しても多数の調整が行われている。
    • 一部モンスターの削除と追加が行われた。
      • 完全な新作デザインのモンスターは登場していないが、シリーズ他作からの新規客演モンスターは一部存在する。
    • 中には「〇〇・強」という固定シンボルの強化版モンスターが配置され、やり込み要素の一つとなっている。
      • 一部の強モンスターは、倒すことでそのモンスターや同族の特性に準じた能力を得られる装備品「〇〇の心」をドロップする。

育成

  • 今作の育成の中心となる職業システムはオリジナル版とも3DS版とも異なるものとなっている。
    • 今作の職業システムは、後述する「同時に最大2つまでの職業に就け、戦闘を重ね習熟した呪文や特技をその職業に就いている間のみ使用可能」というもの。
      • オリジナル版は「職業を一つ選んで就き、その職業で一度覚えた呪文・特技は転職しても永久的に使用可能」というシステムで、またある職業に一定程度熟練したまま転職しそのまま新職業に熟練することで技を覚える「職歴技」の要素もあったが、今作では割愛されている。
      • 3DS版では同時に1つしか職に就けない代わりに、基本職(「モンスター職」を含む)で習得した呪文・特技は転職後も永久的に使える*3という仕組みであった。
    • オリジナル版・3DS版にあった「モンスター職」の概念は廃止され、「モンスターの心」は前述の通り転職に全く関係のない装備品となった。
    • 熟練度は戦闘を重ねることで入手可能なのは従来通りだが、戦闘回数ではなくポイント制になった。
  • 先述のように、今作では2つの職業に同時に就ける「かけもち」というシステムが実装された。
    • 2つの職業補正が同時にかかり、2つの職業の特技をどちらも使用可能となっている。
    • 片方の職業をマスター状態で熟練度を獲得すると、マスターしていないもう片方の職業に追加熟練度が加算される。
  • 転職自体が、ダーマ神殿に行かなくてもその場で随時可能となった。
  • オリジナル版・3DS版では少数だがレベルアップでの呪文や特技の習得もあったが、今作ではそれが完全に廃止され、代わりに各プレイヤーキャラに初期段階から就いている職業(主人公なら「ひよっこ漁師」、キーファなら「ひよっこ王子」など)が新たに設定された。
    • 序盤での呪文・特技の習得は、この職業熟練度を上げることによって行われるように変更されている。
  • オリジナル版・3DS版でやりこみ要素「モンスターパーク」の攻略に特化していた上級職「まものハンター」は今作では「まもの使い」へと変更され、モンスターを呼び出して敵を攻撃する、という全く別の能力が与えられている。
  • 職業とは別の観点になるが、ステータスを上げる種の効果はレベルアップでの上昇値と職業補正とは別扱いとなっており、どの職業に就いていても種の効果による上昇値は一切変わらない。
    • 画面上では999に達しているステータスでも、内部的には1000以上になっている値を999と表示しているだけなので、理論上はどの職業の組み合わせでも全ステータスを999にすることができる。
      • これにより、ステータスが下がる装備品を身に着けていてもステータスが下がらないこともある。

ラッキーパネル

  • オリジナル版・3DS版にあった「カジノ」は「ラッキーパネル」だけが独立して残り、オリジナル版・3DS版で1つ目のカジノがあった場所に配置されている。
  • ラッキーパネルのシステムはオリジナル版・3DS版から大きく変わって、神経衰弱という基礎ルールはそのままに難易度のつり上げやボーナス宝箱などといった要素が新たに取り入れられている。
    • 難易度のつり上げはその時点で揃えたアイテムを獲得する権利を放棄して難易度を1段階上げるというもので、初期状態で「辛口」が最高難易度の3段階、シナリオが進むと4段階目の「激辛」が解禁され、獲得できるアイテムもより強力なものになる。
      • 難易度をつり上げることでお手付きできる回数が加算されるほか、アイテムパネルはほぼ全て更新され、基本的により高いランクのアイテムパネルに差し替えられる。最高ランクに達したパネルのみ、ゲーム終了まで変化することはない。
      • ただし、いきなり最高難易度から挑戦することはできず、「甘口」から始まって「中辛」「辛口」……と、段階を踏んで難易度を上げる必要がある。
      • なお、パネルの更新は頑張れば目押しできそうに見えるが、検証の結果何のパネルになるかは最初から決まっており、目押しや予測は不可能だということが結論付けられている。
    • ボーナス宝箱は最高難易度に達するまでに最高ランクに達したアイテムパネルがある場合に宝箱が出現して、最高ランクのアイテムパネルをめくることで宝箱の中身を獲得することができるというもの。
      • 宝箱の中身はランダムで決まり、ゲーム終了まで何が入っているかはわからないが、基本的にレアなアイテムが入っている。
    • また、稀にメタスラパネルというメタルスライムが描かれたパネルが混ざることがあり、その難易度をクリアするまでにめくることで、次の難易度でいくつかのアイテムパネルが2段階ランクアップしたものに更新される。
      • めくらなかった場合は「逃げられた」扱いとなり、恩恵は得られない。
    • 従来のラッキーパネルではクリア失敗となった場合は何も得られなかったが、本作ではクリア失敗、または途中でリタイアしてもその時点で揃えたパネルのアイテムと解錠したボーナス宝箱の中身は得られる。
    • また、重要な変更点としてシャッフル前のパネルの配置は完全に公開され、シャッフルの過程をハードウェアの機能などで録画したりすることは完全に許されている。そのため、メモを確実に取ってミスをしなければ100%勝てるゲームとなっている。
      • シャッフルパネルをめくってしまった場合は裏返しのままシャッフルされてしまうが、こちらもシャッフルの過程は録画等可能なので、諦めずにメモを取れば勝ち目はある。
    • しかし、確かに敷居は下がったものの、運が絡むという点は変わっておらず、欲しいアイテムがある場合は根気よく何度もプレイする必要がある。
      • ラッキーパネルでしか手に入らないアイテムもあるのだが、それがやり込み要素の大きな壁となっている。詳細は問題点にて。
    • プレイ自体は無料でできるが、3回プレイすると一度宿屋などに泊まるまでプレイできなくなるため、実質宿代が賭け金となっている。
      • それを見越してか、プレイできる場所のすぐ近くにある宿屋の宿泊料は非常に高額になっている*4

その他のシステム面の変更点・新要素

  • 各キャラの持ち物という概念がなくなり、持っている道具が全員共有のものになった。
    • 薬草を分配する必要がなくなったり、奇跡の石や賢者の石を全員で使えたりと柔軟に行えるようになっている。
    • その代わりに装備品は装備しないと戦闘中に使えなくなっているので戦闘中に装備を頻繁に変える必要があるなど、手間が大きくなっている。
      • 装備品は移動中に使えなくなったため、使うとMPを回復できる「いのりのゆびわ」などは弱体化したと言える。
    • 他にも「ふくろ」の登場以降存在意義が薄れていた「すてる」コマンドが削除される、アイテムを分類や50音順などで並び替えできる、アイテムにマーキングしてリストの上位に並ぶようにできるなど、インターフェイスが従来のドラクエからより便利かつ簡潔的に変化している。
  • サブイベントのうち、オリジナル版および3DS版にあった「移民の町」「世界ランキング協会」「モンスターパーク」が廃止されている。
    • それによって、上記サブイベントの報酬アイテムの入手方法が変更された。
  • 本作独自の追加要素として「闘技場」が追加。
    • ゲーム終盤から利用可能で、モンスターとの連戦を行う『XI』の「連武討魔行」と似た内容。
    • 各ステージの初回クリアで報酬が獲得できるほか、規定された行動回数内で攻略することで追加の報酬を獲得できる。
    • 通常ステージの他に、ED後に解禁される「修羅の道」と有料DLCの「伝説への道」がある。
      • 通常ステージは1人での参加になるが、他のものはパーティ全員で挑戦できる。
  • 『VII』のリメイクで初めて難易度設定が実装された。
    • 「易・普通・難」の3段階に相当するプリセットのものが用意されているほか、様々な個別要素*5を詳細に設定することも可能。
  • 「ルーラ」が最初から使用可能。
    • 『ドラクエ』におけるファストトラベル手段「ルーラ」は、オリジナル版および3DS版では石版世界の攻略開始後に各キャラを育成し習得させる呪文であったが、今作では現代ストーリー開始時点から特に冒険や熟練を要さずともMP0で使用可能になっている。
      • これに伴い、「キメラのつばさ」は確定逃走アイテム*6に変更された。
  • 石版システムについても複数の変更が加えられている。
    • 先述の通り3世界分のシナリオが完全にカットされており、対応する台座3つも廃止され、石版のかけらの分割数も全体として削減されている。
    • 4色の石版の台座がある「復活の間」は3DS版に準じて1つのフロアに全ての台座が揃っているが、全色の台座すべてが1箇所にまとまっており、直接調べることが可能。
      • 石版をはめることができる台座は、アイコンで判別可能となっている。
      • 3DS版の「石版案内人」は今作でも続投している。
  • 一部ダンジョンの謎解きが変更されている。
    • オリジナル版で批判されがちだった最序盤の長大な迷宮は、3DS版同様に割愛されている。
    • 序盤の「カラーストーン採掘場」の謎解きは、ダンジョン内を歩いて探索しながら道を切り開いていく形式から、いくつかのステージに分かれたパズルを解くような形になっている。
  • マップや大陸における未回収アイテムの個数をカウントできるシステム「たからのにおい」の実装*7
    • プレイヤーメンバーであるガボの特性という設定であり、序盤の比較的早期であるガボ加入後から使用可能。
  • ちいさなメダルは全部で100枚となり、景品との交換はメダル王の城のほか、グランエスタード城やダーマ神殿などでもできるようになった。
    • また、ちいさなメダルの隠し場所も変更されており、シナリオを進めると二度と入手できなくなるちいさなメダルは存在しないため、コンプリートできなくなることはない。
      • ただし、一定枚数以上の景品との交換はメダル王に会ってからでないとできないので、メダル王の存在が無意味となったわけではない。
    • また、回収済み・未回収のメダルとその場所をメニュー画面から確認できるようになっている。
  • オリジナル版・3DS版において装備すると呪われて自由に外せなくなる装備品は、自由に着脱できるかわりにデメリット効果がある装備品となった。
    • そのため、そのような装備品を身に着けた際に呪いのモチーフのSEが流れることはなくなった。
      • SE自体はラッキーパネルでシャッフルパネルをめくってしまった時などに使われているため、削除されたわけではない。
  • ストーリーの途中で離脱するキャラに使用した種・木の実は離脱時に返してくれるようになった。
    • 旧版で種泥棒扱いされ、公式からもネタとしていじられていたキャラがようやく救われた形である。
  • セーブデータの連動要素によりアイテムなどを入手できる。
    • 体験版のセーブデータでマリベルの着せ替えコスチューム「おやすみワンピース」が入手可能。
    • HD-2D版『I&II』を所持しているユーザーは、セーブデータ連動でアイテム「はやてのリング」を入手することができる。

評価点

全般的なプレイアビリティの向上

  • オリジナル版の現代目線で見た遊びづらさ全般が大幅に見直され、現代風の遊びやすさが向上している。
    • 育成システム、難易度設定、ファストトラベルなど現代のゲームとしての快適性は一通り整えられており、快適なプレイが可能となっている。
  • 3DS版で批判の的になっていたシンボルエンカウントも『XI』同様に洗練され、ストレスが少なくなっている。

オリジナル版で批判の多かったシナリオの再構成

  • 本編で批判のあったシナリオの多くにテコ入れがされている。
  • 一切救いのなかったシナリオに若干の救いがもたらされたり、言動に共感しづらかったキャラクターにやや理解が及びやすくなっていたり、とオリジナル版での不評を積極的に払拭しようとしている。
    • 特に、オリジナル版で激しく物議を醸した序盤におけるキーファの離脱に関してはシナリオ面で大幅な補強が行われており、プレイヤーとしてもその心情をある程度理解できるようになっている。
    • また中盤における黒幕の匂わせやアイラ加入のタイミングが大幅に早まっており、シナリオ全体への理解のしやすさが増している。
    • またシステムの変更に合わせマリベルの離脱も変更され、アミットが病に倒れたため離脱するのはそのままだが、主人公とマリベルの幼少期の話を挟んだ後、フィッシュベルから出る前に戻ってくるようになった。
      • これによって離脱期間はほぼ0となり、以前は連れていけなかったところにも連れていけるようになった。それに応じて話もしてくれる。

冗長だったエピソードの効率化

  • 過去ダーマ神殿編、過去ハーメリア編など、長く閉鎖的であると批判されがちだったシナリオについても、一部マップや往復過程を簡略化したり、現代に戻ることが可能になったりと改良が凝らされ、ストレスが軽減された。

概ね良好な職業や戦闘のバランス

  • シナリオ攻略の過程では、どのような職業を選んでもある程度ちゃんと戦える概ね良好なバランスとなっている。
    • 初期職業もちゃんと独自の特技やその利点があるため、サブ職業としての利用価値が残るようになっている。
    • 逆に最上位職に関してもその強みを活かすために、どのようなサブ職業やパーティ構成にするかを考える必要があり、戦略的な楽しみが増えている。
      • またゴッドハンド、天地雷鳴士、勇者がマスター職という位置づけになり、勇者の転職条件にゴッドハンドと天地雷鳴士が外れたため、転職のハードルが上がったと同時にこの2つの転職条件になっていない上級職に就く意義ができた。
  • 装備品として用途が変わったモンスターの心も、呪文や特技、職業との相性を踏まえつつ組み合わせを考えるという新たな戦略性を生み出している。
    • 例えば、「みりょく」が大きく上がる代わりに攻撃力が下がる「リップスの心」と、威力がみりょく依存の特技を数多く覚える笑わせ師を組み合わせるなど、強力な組み合わせを試行錯誤することによって戦闘の奥深さをより際立たせている。
  • オリジナル版・3DS版では低威力により使い道が乏しいと批判されていた攻撃呪文は、『XI』に準じたシステムへ変更されたことで実戦で活用可能なレベルまで強化されたほか、特技においても従来だと強力すぎたり逆に使えないとされたものが調整されている。
    • 例えばバランスブレイカーとされたオリジナル版の「どとうのひつじ」、3DS版の「ひつじかぞえ歌」は独自の調整がされ、極端な性能ではなくなっている。
    • 逆に全くと言っていいほど役に立たなかった「ぬすっと斬り」は大幅に強化されており、アイテムを盗める確率がきようさ依存となっているほか、覚えたての状態でもそれなりに盗める。
      • 盗めるのはドロップアイテムのうち通常枠に設定されているアイテムだけだが、それでも最大で約8割の確率で盗めるようになるのでアイテム収集には欠かせない特技となった。
      • また、アイテムを落とす確率も全体的に上がっており、その確率をさらに上げる装備品もあるため、ドロップアイテムに関しては大幅に手に入れやすくなったと言える。
  • モンスターの側も、時期不相応に理不尽に強かったり、弱かったりしたボスの大半に大幅な修正が施され、概ね進行順に見合った強さとなっている。

ドールルックのグラフィック

  • 先述した本作の特徴である「ドールルック」のグラフィックは独特な質感でありつつ、その温度感やキャラの動き・表情が世界観に合っているとして好評である。
    • 「他の2D『ドラクエ』作品もこのドールルックでリメイクしてほしい」という意見も挙がっている。
    • もっとも、『VII』に関してはもともと設定イラストの時点でキャラの等身が他作品と比べてデフォルメされていたが故のドールルックとの好相性と評する声もある。

賛否両論点

重苦しいシナリオ全般

  • オリジナル版でも賛否両論のあった、人間の心の闇や人間同士の不和をクローズアップしたシナリオの骨子は基本的にそのままである。
    • シナリオの細かな修正やドールルックのグラフィックなどにより多少は陰鬱な雰囲気が和らげられている面はあるものの、シナリオの本質は全く変わっておらず、「シナリオに深みがある」「鬱屈としており気が滅入る」という賛否両論そのものは同様である。
  • もっとも、本作のシナリオが「重い」というのは既に周知の事実ではあり、オリジナル版発売当初ほど強い批判が聞かれているわけではないが、人を選ぶシナリオ内容であることは否めない。

一部メインキャラクターの言動の変化

  • 多くのメインキャラの言動には修正が加わっているが、各キャラを特徴付けていた尖った要素が全体的に希薄になっており、賛否を招いている。
    • 中でもメルビンはおとぼけや好色の類が軒並み鳴りを潜め、生真面目な渋い老戦士という風合いで、過去の版とは印象が大幅に異なるキャラになっている。
    • 特徴的だったマリベルの毒舌、ガボの天然ボケなどもオリジナル版や3DS版に比べると薄味になっている。
    • 根本的には、従来版と比べて仲間会話の分量自体がかなり削減されているのも一因だろう。

難易度設定

  • 今作の難易度は良くも悪くも「現代風」となっており、標準難易度で普通に進める分には難易度は低め。
    • もちろん高難易度設定にできはするものの、サクサクと進められてよいという意見も、標準難易度ではやや歯ごたえに欠けるとする意見もあり、賛否が分かれている。

親切すぎる探索要素

  • 石版の所在地が一覧化、次にやるべきことがマップ画面で明示される、どこでも転職可能、未回収のおたからの個数が正確にカウント可能…など冒険の根幹をなす探索要素も「現代風」になり、飛躍的に進めやすくなった。
    • これはオリジナル版で「石版が見つからなかったのであきらめた」「探索や転職のための移動の手間が大きすぎる」とするプレイヤーが多かったことを踏まえての措置だと思われ、実際に快適に進められたとする意見は多数聞かれた。
    • 一方、石版や次にやることのありかをすべて明示する点や、転職に何の苦労もない点については「探索の必要性が一切なく、歯ごたえがなさすぎる」という意見も少なからず聞かれ、賛否が分かれている。

着せ替え要素の変更

  • オリジナル版のゆめのキャミソール、3DS版であった職業衣装による着せ替えがなくなってしまった。
    • 代替要素である「見た目装備」はいずれも入手手段が特典、あるいは有料DLCになっており、その種類も1人につき1~3種類とあまり多くはない。
    • 見た目装備はドールルックのグラフィックで、イベントシーンでもそのままの状態で進行してくれる。

大人キーファの追加要素

+ ネタバレのため折りたたみ
  • 大人キーファの登場するシナリオの内容はかなりあっさりした内容となっている。
    • 舞台は既存世界の使い回しの別時代であり、シナリオの内容も期待されたようなキーファの心情に関する深い描写などはほぼなく、人間関係を取り上げた他のエピソードと異なるきわめて単純な勧善懲悪のみ。
      • オリジナルのシナリオに必要以上の余計な要素を加えなかった点を評価する声もある一方で、大々的に登場した割には薄味であると拍子抜けしたプレイヤーも少なくなく、賛否が分かれている。
    • キーファは、プレイヤーの選択によってはラストダンジョンの攻略を共にすることになるが、その際にはプレイヤーキャラではなくNPCとして加入する。
    • この点についても、オリジナルを尊重してよいという意見も、NPC止まりかつ4名+キーファでは戦力としてあまりに強すぎてバランスが悪いという意見もあり、賛否は分かれている。

問題点

「バースト」関連の不親切な設計

  • 戦闘中にチャージが溜まって発動可能になる「バースト」は、チャージのタイミングをプレイヤーが制御しづらい。
    • 溜まった後に数ターンは保持しておけるため、強敵とのバトル前に溜めておき戦闘突入直後に発動するといった戦略はとりうる。
    • しかし、チャージ後も使用せずにいるとターン経過で消滅するという制約があり、狙って同時に保持しておけるのはせいぜい1-2名程度であり、バースト発動のタイミングを計りづらい。
  • また、通常時にはターンが回ってきた際のコマンドウインドウの最上段は通常攻撃となっているが、バーストチャージ中に限ってはその上にバーストのコマンドが配置され、かつそのバーストのコマンドが初期選択された状態でターンを迎えるため、「通常攻撃を発動しようと思って何も考えず決定ボタンを押したら、間違えてバーストを発動してしまった」という事態が生じやすい。

3DS版と同様の一部BGMの不自然なループ

  • 祭りの場面などで流れるBGM「うたげの広場」は、オリジナル版で存在した曲の終盤部分がカットされており、中盤の中途半端なところでフェードアウトした後、オリジナル版ではなかったイントロから再度流れ出す、というきわめて不自然なものとなっている。
    • 本作のBGMがゲーム用アレンジと異なる構成となっていたオーケストラ版の流用であることに起因すると思われるが、あまりに不自然で没入感を阻害するものとして不評である。

世界観の一部不整合

  • 本作は、物語開始の時点では世界は平和であり、魔物も呪文も存在しないという世界観である。
    • 一方、今作では主人公がなぜか最初から瞬間移動呪文である「ルーラ」を、MPなどの消費もなしに使用できる。
      • 移動を快適にするためのファストトラベル要素を導入するためとはいえ、最初から制限もなくルーラが使えること、それを誰も不思議に思わないことに何のフォローもない点には、ご都合主義で世界観を壊しているとして批判されている。
      • オリジナル版では「ルーラ」は異世界での冒険を通して習得していたため特に違和感はなかった。ファストトラベル要素にするにしても、納得のいく流れを設けた上で「ルーラという魔法をごく初期の段階で覚える」という流れにすれば問題はなかったと思われる。

物語の一部がカット

  • オリジナル版で存在した「プロビナ」「リートルード」「クレージュ」のシナリオ3つがまるごと削除されている。
    • また、「ハーメリア」のダンジョン「海底都市」の構造が大幅に簡略化されていたり、「ルーメン」のボス「闇のドラゴン」と、その所在地「闇のドラゴンの塔」が削られてしまっている。
    • リートルードとクレージュは便利アイテムの回収に関わるシナリオであったため、それらが入手不能、あるいは手間が煩雑化してしまった。またどちらのシナリオでも攻略するダンジョンが独特の雰囲気・グラフィックであったためドールルックとなった本作で見たかったという声もある。
    • 特にプロビナ編は他の町のシナリオ展開に大きく関係する伏線が多く含まれていたにもかかわらず、それらの要素へのフォローは特になく丸々削除されているため、それらの町のシナリオの理解もしづらくなってしまっている。
      • そもそも一部のシナリオがサブシナリオ扱いになったのであればこれら3つもサブシナリオとして残してほしかったという声も少なくはない。
  • 残っているシナリオにも改変が入った結果、オリジナル版に比べて不自然になったシナリオや存在が抹消された登場人物もいる。
    • 特に指摘されるのが「オルフィー」編。現代と過去を往復するおつかいパートをシナリオ進行のテンポ優先で削除した結果、オリジナル版で事件解決の鍵となっていた重要キャラクター・木こりが存在ごと抹消され、これによりテンポ向上と引き換えにシナリオ全体の展開がかなり強引になっている。
      • この木こりはガボの保護者役として、彼の戦う動機やキャラクター性に大きく関係していたため、特にオリジナル版からのガボのファンが寂しさを感じやすい改変となった。
    • 「ダイアラック」と「ルーメン」は、オリジナル版では過去編のシナリオクリア時に現代編でそれぞれ移民の町、モンスターパークというおまけ要素が解放されていたが、本作ではそれらが削除されて代替のイベントも用意されなかったため、現代に復活してからのシナリオ展開が何もない。
      • 元々過去編の展開がグリンフレーク編の前振りという要素があるダイアラックはまだしも、ルーメン編は他の町のシナリオに一切関わらない上に単独のエピソードとしても尻切れトンボで終わってしまうため、「これならばルーメンを削除して(他のシナリオへの影響が強い)プロビナを残した方がよかったのでは」「現代に追加エピソードを入れてほしかった」という感想も目立つ。

モンスター系統の大量の入れ替え

  • 先述した通りオリジナル版から存在したモンスターが大多数削除された一方で他のナンバリングのモンスターが逆輸入された。
    • これについては元々存在していたモンスターを削除してまで入れ替える意義が不明であり、これまでのシリーズのリメイク作品でも前例が無かったため不評。
      • 逆輸入モンスターはDLCボスを除いて全てDQ11からのモデル流用であり、要は労力削減・手抜きではないかと邪推する声も上がっている。
    • 削除の基準も不可解であり、ボス及びそれらの色違いが全て続投しているのかと思いきや、闇のドラゴンやギガミュータントが削除されている。ギガミュータントも含め、ボスとして登場していたにもかかわらず削除された系統は新たに逆輸入されたモンスターがその役割を担当している。
      • プチット族、コロボックル族に関しては同じ姿のボスが存在するプチヒーローのみが登場し、それ以外は削除されている。色違いのコロヒーローくらいは居ても良かったのでは?と思われる。
      • また、はなカワセミ系・ふゆうじゅ系の『DQM』シリーズから逆輸入された一部のモンスター達、バブリン系・フライングデビル系等の『トルネコ3』にて印象深かったモンスター達、『DQX』で仲間モンスターに抜擢されたエンタシスマン系といった他の作品にて活躍している系統も削除されている。
      • ゾンビーアイ系・マルチアイ系・ドラゴンコープス系といったグロテスクなモンスターに関しては元々賛否両論だった分、これらの系統の削除については必ずしも否定意見ばかりでもなかったりする。ラスボスが召喚する同系統のモンスターはマドハンド系、ドロヌーバ系に変更されており多少マイルドになっている。
      • 一方でダンジョンやストーリーが削除されたにもかかわらず、強敵扱いとしてどうくつまじん、タイムマスターとマキマキは続投、後者に関しては『X』のコインボスに抜擢された事もあってか目立つ位置に存在している。

アイテムコンプリートについて

  • トロフィー・実績のシステムがあるPS5/Win版などは、アイテム収集リストを完全に埋めることで獲得できるトロフィー・実績があるのだが、その中にはラッキーパネルでしか手に入らないアイテムも含まれている。
    • 当然運が絡むのだが、ボーナス宝箱からしか手に入らないアイテムもあるので、運が悪いと何十回とプレイしてもボーナス宝箱すら出ないこともある。
      • その結果、アイテムコンプリートは実績コンプリートの最大の壁とも言える。
    • また、難易度「激辛」が解禁されるとアイテムパネルのラインナップも変化するのだが、「はじゃのつるぎ」や「ビーストウィップ」などは「激辛」解禁後はラインナップから消滅し、二度と再入手できなくなる。
      • 一応再入手ができなくなるだけで、道中の宝箱から最低1個は確実に入手でき、1個でも入手すればアイテム収集リストには載るので、コンプリートできなくなることはない。しかし、99個集めるなどといったさらに深いやり込みをするならばシナリオ進行が確実に止まってしまう。
    • なお、「まんまるボタン」などといった入手可能時期を過ぎると二度と入手できなくなるアイテムや、「メタルスライムの心」などのDLCでしか手に入らないアイテムはそもそもアイテム収集リストに載らないので、コンプリートにDLC購入が必須というわけではない。

総評

ゲーム史に名を残す26年前の作品を現代風に一から作り直すという大胆な挑戦を試みた本作。
オリジナル版の良さは概ねそのままに、不評だった点の数多くに大幅なテコ入れを行い、オリジナル版や3DS版に比べ格段に遊びやすいRPGに仕上がっている。
その一方で、難易度が下がりすぎたとする意見もあるほか、過去のバージョンから削られた要素が少なからずあることが賛否を呼んでいるのも事実。
だが、「Reimagined」という名前にふさわしく、往年の賛否両論作を時代に即した形で蘇らせた良リメイクと言えるだろう。

最終更新:2026年06月20日 08:20

*1 当Wikiの記事作成対象外。サービス終了済み。

*2 後述のマスターした職業をかけもちしている場合のみ2手に入る。

*3 上級職で習得した特技はその職業に就いている間しか使えない。

*4 石版の世界では1人200ゴールド、現代では1人300ゴールド。

*5 獲得経験値、獲得職業熟練度、獲得ゴールド、敵の強さなど。

*6 シリーズによっては確定逃走アイテムとしても使えたので、今回はその効果が復活したとも言える。

*7 従来版における特技「とうぞくのはな」が職業システムの変更により形を変えたものと言える。