CHAOS;CHILD

【かおすちゃいるど】

ジャンル 妄想科学ADV
対応機種 XboxOne
プレイステーション4
プレイステーション3
プレイステーション・ヴィータ
Windows 7/8.1/10
開発元
発売元【CS各種】
5pb.(MAGES.)
発売元【Win】 パッケージ版:ホビボックス
ダウンロード版:DMM.com
Steam版:Spike Chunsoft
発売日 【One】2014年12月18日
【PS4/PS3/PSV】2015年6月25日
【Win】2016年4月28日
【Steam】2019年1月23日
定価 【One/PS4/PS3/Win】7,800円/限定版:9,800円(Win除く)
【PSV】6,800円/限定版:8,800円
レーティング CERO:Z(18才以上対象)
【Win】15歳以上推奨
配信 Steam版以外それぞれパッケージ版と同日
【One】ゲームオンデマンド:7,000円
Playstation Store:【PS4/PS3】7,000円/【PSV】6.000円
【Win】DMM.com:6.800円
【Steam】3.480円
判定 なし
科学ADVシリーズリンク



そして。

僕は、このくそったれなゲームをクリアーした。





概要

5pb.(MAGES.)とニトロプラスがタッグを組んで制作する、科学ADVシリーズの第四作目。
舞台は2015年の渋谷であり、2009年の渋谷を舞台にした科学ADVシリーズ第一作目『CHAOS;HEAD』(以下、前作)の設定を強く引き継いでいる。

ストーリー

渋谷地震、ニュージェネレーションの狂気…6年前の2つの大事件の爪痕を消すかのように、渋谷の復興は信じられないほど早かった。
2015年、かつての活気を取り戻した渋谷に新設された私立高校『碧朋学園』。
新聞部を設立し様々な事件を追う、好奇心旺盛な青年宮代拓留は、渋谷に起きた猟奇殺人事件に着眼。
義姉の来栖乃々が反対するものの、幼馴染の尾上世莉架、親友の伊藤真二と共に事件の真相を追い求める。
しかしそれが、「ニュージェネレーションの狂気の再来」と呼ばれる連続殺人事件の序幕であることを、拓留は予想もしなかった… (公式サイトより)

特徴

恐怖と妄想が織りなす狂気

  • 『CHAOS;HEAD』から多くの設定や舞台を引き継いで制作された。
    • これまでの科学ADVシリーズは同じ世界観という点は明かされており、作品と作品の間でリンクする要素はあったものの、疑似科学設定を引き継いだ作品は初となる。
  • 前作で中心的な要素であったギガロマニアックス*1も登場しており、作品間の繋がりはかなり強いものとなっている。
  • メインキャラクターデザインは引き続きささきむつみ氏が担当しており、氏の可愛らしいキャラクターと猟奇事件という組み合わせは健在。
    • 一方で、『CHAOS;HEAD』を含む科学ADVシリーズの既存キャラクターはほとんど登場しない。主人公たちの協力者として前作のあるサブキャラクターが登場するが、それ以外で登場するキャラクターは約一名を除いて居ない。
      本作が『CHAOS;HEAD』シリーズの続編ではなく、科学ADVシリーズの第四作目である新シリーズとされているのは、キャラクターの継続性がないためである。

妄想トリガー

  • 『CHAOS;HEAD』から引き継がれた分岐システム。
  • 前作同様に特定の場面でポジティブ/ネガティブを選択し、選択によって妄想シーンが変化する。
    • 2周目以降は個別ルート分岐にも影響するため、妄想とはいえ慎重な選択にならざるを得ない。

マッピングトリガー

  • 今作から登場した新システム。渋谷の地図に写真やメモを貼って、事件を推理する。元ネタは刑事ドラマの捜査シーンだという。
    • ストーリー的にはキャラクターたちが推理している体ではあるが、プレイヤーの思考整理にもなっている。
      • ただし周回プレイ時にも飛ばせないため、若干不親切である。
  • 基本的に推理を間違えてもペナルティは無いが、あるシーンの推理では失敗し続けるとバッドエンドとなってしまう。
    • マッピングトリガーがルートを決定するのはこれと、個別ルートの1つしかない。マッピングトリガーが活かせる場面がもっと欲しかったような…。

その他

  • 『ROBOTICS;NOTES』までの科学ADVシリーズ作品で多用されていた、オタク向けのインターネットスラングが極めて少ない。
    • 全く出ないというわけではないが、主要キャラクターにアニメやゲームにどっぷりのキモオタが居ない*2こともあって、その手のスラングは多用されない。

評価点

心を蝕む恐怖

  • 次第に事件が近づいてくるという恐怖は、ジワジワとプレイヤーと拓留の精神を蝕んでいく。終盤ではもはや誰を信じていいのか分からなくなってしまう。
    • 前作にも増して猟奇性の上がった事件は、プレイヤーの想像を嫌でも掻き立てる。特に第6の事件は多くのプレイヤーが衝撃を受けた。
  • 前半では前作同様に妄想トリガーによるギャグシーンやちょっとエロスな展開もあるが、かなり控えめである。前作のキモオタぶりに引いていた人もやりやすいだろう
    • ただ、中盤以降はそういった笑える妄想も殆ど無くなりシリアス一辺倒なため、逆に「清涼剤の無い状態できつい話を読み進める」ことになる。
  • また、事件を起こしている犯人や拓留の周辺人物以外の第三者による言動も、プレイヤーと拓留を追い詰めていく。

巧妙に隠された謎

  • 何気ない事が伏線になっていたり、意外な人物が事件に関わっていたりといった、科学ADVシリーズの伝統を受け継いでいる。
    • 特に今作では体験版の範囲以外「何を話してもネタバレになる」と言われるほど様々な謎が隠されており、ある意味で『STEINS;GATE』以上に事前情報なしでのプレイが求められる。
  • 終盤で次々と謎が明かされるのもまた前作同様である。
    • 前作のように謎をばらまくだけばらまいて終盤まで整理しないというわけではなく、マッピングトリガーのおかげで謎を適切に段階的に整理していく。謎ときへのモチベーションは前作よりも保ちやすい。
    • そのうえで、推理した内容がひっくり返されるという展開が続くため、最後の最後まで油断できない緊張感を伴う物語となっている。

大ボリュームのシナリオ

  • 開発者インタビューによると、シナリオの文量は全体で3MB、およそ150万字の大ボリュームとなっている。
    • 参考として、同じ科学ADVシリーズの『STEINS;GATE』の文量は全体で約2MBである。
    • 結構削った末に3MBとなったそうで、元は4~5MBほどの量だったという。
  • うまく緩急が付けられており、プレイしていてダレてくることはあまりない。
    • 特にヒロイン毎の個別ルートについては『NOAH』と比べると質・量ともに凄まじい向上がされている。

良質な音楽

  • BGMは科学ADVシリーズで多くの曲を担当する阿保剛氏、OPにいとうかなこ女史、EDに「FES」を起用しており、科学ADVシリーズお馴染みの面子である。
    科学ADVシリーズファンにとってはかなり安定感のある布陣であり、BGMは今作でも場面を思い起こさせるような印象的な使われ方をしている。
    • そして、楽曲歌詞がネタバレになっているのもお約束である。
  • 特にトゥルーエンドで流れる曲「silent wind bell」は最後までプレイしたプレイヤーの涙腺を刺激する曲となっており、高く評価されている。
    • いとうかなこ氏の作詞した歌詞によりド直球でネタバレを含むので、プレイしたことないプレイヤーはまず聞かない方が良い。

迫真の演技

  • 声優陣の迫真の演技は科学ADVシリーズの過去作同様、作品を構成する大きな要素となっている。
  • 特に、主人公・宮代拓留役の松岡禎丞氏とヒロイン・尾上世莉架役の上坂すみれ女史に関しては制作陣からも高く評価されている。
  • 脇を固めるサブキャラクター達も、声とキャラ絵が良くマッチしていると好評である。

賛否両論点

主人公・拓留のキャラクター

  • もはや科学ADVのお約束ではあるが、主人公・拓留のキャラクター性は人によって意見が分かれる。
    • 容姿は悪くないが結構なコミュ障なうえ、ナチュラルに親しくない相手を見下したり、情強ぶっている割には物を知らなかったりと、キモオタ全開でいかにもな二次元キャラクターだった前作主人公の拓巳と比べ、拓留は実際に現実世界で居そうなキャラクターをしており、人によっては受け付けないということも。
    • 追い詰められきった末に覚醒した拓留は前作における拓巳同様カッコイイため、ちょっと苦手程度ならストーリーを読み進める価値は十分にある。

相変わらずの個別ルート

  • 『CHAOS;HEAD NOAH』で追加された個別ルートのシステムはそのまま受け継がれているが、今作でも事件の真相には至れないバッドエンド扱いである。
    • 個別ルートのうち一つはかろうじて救いがある終わり方になっているが、それ以外はえげつない終わり方をするものばかり。ギャルゲー成分を期待していると痛い目を見ることになる。
    • ただ、上述にもあるが個別ルートのシナリオそのものは『NOAH』とは比較にならないほど出来が良い。

ヒロイン・久野里澪について

  • 公式サイト上ではヒロインと明言されている彼女だが、実際には個別ルートが存在しない
    • これはルートが削られたとかではなく、プレイヤーに「澪ルート」があると誤認させるミスリード役として配置されたキャラなのである。このゲームはあくまで「妄想科学ADV」であり「ギャルゲー」ではないので、ヒロインと紹介されたキャラに攻略ルートをつける必要はないわけである。*3
    • ただその代わりメインストーリー上での出番は多く、終盤では拓留と多く接することになる。
    • また、最後までプレイすると個別ルートが無いのは単なるミスリードだけではなく、作品のテーマからして彼女にルートがない明確な理由が見えてくる。
    • 限定盤に彼女を主役にしたドラマCDが付属したり、彼女を主人公にしたスピンオフ漫画が連載されたりと、キャラクターとしての扱いが悪いわけではない。

過激な展開

  • 前作は移植版である『NOAH』からCERO:Z指定になったが*4、今作は最初からZ指定となっており、メインストーリーからかなりグロテスクな展開が繰り広げられる。胸糞的な展開もあり、人によっては辛いことになるかもしれない。
    • 主人公の拓留を演じた松岡禎丞氏も、あるシーンの収録では憤りを見せたという。

ある真相

  • 詳しくは大きなネタバレになるので書けないが、作中のある謎が明かされた途端、それまでプレイヤーが読み進めてきた世界がひっくり返る事となる。
    • あまりにも影響力が大きな真相なので、一部では「この設定は必要だったのか?」という声も。
  • 同様に、トゥルーエンドも賛否の別れる結末となっている。

問題点

『NOAH』未プレイ者への配慮

  • 本作は『CHAOS;HEAD NOAH』の世界観を引き継いだ完全新作という売り方をしていて、前作はやってなくても楽しめると宣伝していた。確かにストーリーやキャラクターは前作と直接つながりがある部分が薄いが、その一方でギガロマニアックスという設定そのものはガッチリ引き継いでいるので、「世界観を引き継いだ完全新作」というのは間違いではない。
  • だが、世界観の根底であるギガロマニアックスと、それに関係する設定の詳しい説明が今作ではプレイヤー向けにほとんど説明されない。実際のところ、プレイヤーは前作のプレイでそこは理解しているはずという作りになっている。前作未プレイだとよく理解できないだろう場面が多々あり、特にトゥルーエンドが関わる部分に多い。

バグ

  • PSVita版はキャラクターのボイス設定がランダムでOFFになる不具合が報告されている。何の前触れもなくOFFになるため、演出の一環と思ってそのまま進めてしまうことも。

総評

前作から進化した「妄想」の世界。『CHAOS;HEAD』から受け継いだ雰囲気はやや癖が強く、グロテスクな作風は人を選ぶため、
『STEINS;GATE』や『ROBOTICS;NOTES』の様な万人に勧められる作品ではないが、ギャルゲー的ではないADVが好きな人には十分お勧めできる作品である。
シリーズ前作である『ROBOTICS;NOTES』からやや間が空いて発売されたことや、アニメ化も発売からやや経って発表された事もあって知名度的には同シリーズ他作品よりも弱いが、主要なゲームハードで一通り展開されており、DL販売もされているため、機会があればぜひプレイしてほしい一作。


余談

  • 体験版はXboxOneとPS4にて配信されている。以前はPS3とPSVita版の体験版も配信されていた。
  • PS限定盤には、ヒロインの一人・久野里澪の過去を描いたドラマCDと、作中に登場するあるものを再現したペーパークラフトが付属する。
  • 小説版である『とある情弱の記録』は、本編を補完する形で、拓留以外の第三者から見た事件を描いている。
  • ファンディスクである『CHAOS;CHILD らぶchu☆chu!!』が2017年3月30日に発売された。科学ADVシリーズのファンディスクの例に漏れず、本編のシリアス成分を吹っ飛ばす雰囲気となっている。
  • 後日談小説である『Chaos;Child -Children’s Revive-』は、トゥルーエンドの「その後」が描かれる。原作メインシナリオライター「梅原英司」書き下ろしによる完全新作
  • アニメ化されており、2017年1月から放送された。
    ただ、様々なやむを得ない事情により原作が『STEINS;GATE』以上のボリュームの作品にもかかわらず1クールアニメとなったため、日常回も重要な設定もそのほとんどをカットしつつ、特に重要な設定と(OVAで描かれた)トゥルーエンドにつなげるためのアニメオリジナル展開を詰め込んだ作品となった。
    そのため「原作未プレイにはオススメできない」などの感想が出る賛否両論と言えるものとなった。
    ただ、例に漏れずオープニング、エンディング曲は良質であるため評価されている。
  • 本作の制作にニトロプラスはほとんど関わっていない。共同タイトルである科学ADVシリーズの作品なので、クレジットだけされている状態である。