オーシャンハンター
【おーしゃんはんたー】
ジャンル
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ガンシューティング
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対応機種
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アーケード(MODEL3 Step2.1)
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販売元
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セガ・エンタープライゼス
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開発元
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セガAM第1研究開発部
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稼動日
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1998年9月26日
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定価
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1プレイ:100円
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プレイ人数
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1人~2人
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判定
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良作
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概要
『THE HOUSE OF THE DEADシリーズ』を手掛けたセガより稼動された水中ガンシューティングゲーム。
プレイヤーはダイバー(1Pがトレル、2Pがクルスという名前)となり、「ショックガン」と呼ばれる水中銃を使用し、7つの海洋に棲む怪物を倒していくガンシューティングゲーム。人々を頻繁に襲い、恐怖におとしめていることから、怪物にはそれぞれ懸賞金がかけられており、これらを得る事が目的となっている。
特徴・評価点
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武器である水中銃はリロード不要となっており、弾切れになると自動で再装填が行われる。
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ガンシューティングが苦手な初心者でもテンポよく撃てるのが特徴。
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ただし水中が舞台である為か、発射から着弾までに明らかにわかるくらいタイムラグがあり、敵の動きを予測しての銃撃が求められたりと高度なテクニックが要求される。
また、弾切れしてもトリガーを引いたままの場合は再装填までの時間が少し伸びてしまう。
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美麗なグラフィックと完成された世界観。
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当時最高峰の3D基板MODEL3をフル活用したグラフィックで、水中や海底遺跡、沈没船、海洋生物などが見事にリアルに再現されている。
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敵の獰猛さも上手く表現されており、大口を開けて迫り来るサメやバラクーダの迫力は満点。
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ボスは巨大魚の他、巨大イカ、巨大蟹などバリエーション豊かに用意されており、中にはボス自体の体内に入り込んで心臓と対決するなんてボスも。
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ボス以外も様々な海洋生物が牙を剥いてくる。サメ、ウミヘビ、クラゲなどなど…海の驚異をこれでもかと体感できる。
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ステージも海溝や深海の他、洞窟、沈没船、海底遺跡と言った冒険心をくすぐる海洋ロマン溢れる舞台が用意されている。
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一方で世界観やゲーム中に挟まれるデモイラストはファンタジー調のテイストだがその世界観は凝っており、遺跡などが登場する本編と相まって神秘的な雰囲気を築いている。加えてBGMやボスのネーミングセンスも見事にマッチしている。
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特に各ステージのボスは神話系を元にした名前が用いられている。
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プレイヤーの行動次第でボスが登場するかが変化することも。
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一部のボスは隙だらけで当たり判定も多かったり弱点が大きく表示されたりと初心者に対する親切な設計もある。
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プレイヤー以外にもダイバーが登場し、敵に襲われている彼らを救出する事が出来れば回復アイテムが貰える。逆に彼らを射殺してしまうとライフが減ってしまう。
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救出した場合は「◯◯に気を付けろ」「奴は父の仇だ」などとその場に応じた台詞を発する事もあり、世界観により没入させてくれる。
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一方、死なせてしまった場合は亡骸が映し出され、「もう手遅れだな…」という主人公の台詞がやるせなさを増幅させる。
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敵の攻撃を受けるかダイバーを誤射するとライフが一つずつ減り、ゼロになるとゲームオーバー。
問題点
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難易度が高い
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プレイヤーの防御手段が「敵の弱点を撃って足止めさせる」しかなく、ボスと戦うには短期決戦が臨まれる。
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中には3体同時に襲ってきたり、背景に擬態して襲い掛かってきたり、高速で突進してくるボス等初見殺し要素が強いボスも多い。
これに加えて前項でも説明した通り、水中故に着弾までに素人目で見てもわかるレベルのタイムラグがあるため、それを考慮して撃つ必要がある。即ち「敵や弱点を先読み」する技術が要求される。
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回復手段も道中で襲われているダイバーを救出するだけしかない。しかも登場するのは各面につき1人(回)だけ、つまり1面につき1回しか回復のチャンスがない。しかも6、7面は救出イベントと回復すらなくなる。
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よりによって最初に遭遇するダイバーの救出難易度が高い。僅かな時間でかなり撃ち込まなければならない為、初心者ではまず助ける事が不可能。
ちなみにこのダイバーを助けると中ボスが追加される。彼の救出は少し慣れて来たユーザー向けの要素と言った所なのか。死なせてしまうと後味が悪いが。
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これでも回復がある分、同時期に同ジャンル&同じく固定型ガンコンのガンシュー、『L.A.マシンガンズ』よりは良心的なのだが....。
総評
海底を舞台に獰猛な生物と戦うという、比較的珍しいスタイルのガンシューティング。
しかしその中身は難易度こそ高いもののシステム自体は初心者でも安心して遊べるもので、時代相応ながら凝った背景、
神話マニアをニヤリとさせる世界設定に良質なBGMと、全体的に完成度の高い一作である。
最終更新:2023年08月14日 18:05