セガラリーREVO

【せがらりー れゔぉ】

ジャンル レース



対応機種 プレイステーション3
Xbox 360
プレイステーション・ポータブル
Windows
発売元 セガ
開発元 SEGA Driving Studio
【PSP】Bugbear Entertainment
発売日 CS機 2008年1月31日
Win 2008年2月7日
判定 なし
ポイント 視覚的リアリティの追求
走りと駆引きを楽しむ新要素
ボリューム不足が足を引張る
セガラリーシリーズ


概要

セガゲーのレースゲームの中で屈指の人気を博した『セガラリー』シリーズの最新作。
新システムやグラフィック等がこのゲームのウリであった。
前作の『セガラリー2006』の内容が微妙だったため*1、期待が寄せられていたのだが…。
PSP版のみ開発を『FLATOUT』シリーズで知られるBugbear Entertainment*2が手掛けている。


評価点

視覚的リアリティの追求

  • 次世代機に恥じない綺麗で細かな動きをするグラフィック。一部要素は『グランツーリスモ』シリーズを先取りしているだろう。
    • 埃やスモークの演出は、他のゲームと比較しても最高峰であり、巻き上げられる泥や雪等もきっちり飛び散り、ご丁寧に車のボディに立体的に付着する。
      • その為状況次第ではボディから泥等が落ちると言う事となり、視覚的なリアリティを増している。
    • 人の描写、植物等も書割では無くフルポリゴン。風圧で草木が揺れたり、人が生き生きと動いている所もしっかり描写。
  • PSP版はグラフィックが次世代機より当然劣化しているものの、それでもグラフィックの良さはPSPのソフトの中では随一で綺麗。

新システム

  • 新システムである「タイヤの走行痕跡が「轍」となって残るようになる」要素は、レースの駆け引きをより重要視させる要素となっている。
    • 「轍」を踏む事で挙動とグリップ力が変化する、かと言って不利な面ばかりでは無く、場合によっては有利になる事もあり、状況によっては敢えて「轍」を踏む事も必要など、本格的な走りが出来るようになっている。

伝統の継承

  • きっちり『セガラリー』らしさは健在である。視覚的にはリアルでも走りはゲーム的。
    • 挙動はリアリティよりも爽快感を重視しており、運転する楽しさを考えたものとなっている。しかもこれまでよりも扱い易くなっている。
    • ラリーではあるが、周回路を6台で混走するレース形式で、これもやはりゲーム性を考慮している。因みに過去作にも周回コースはあった。
    • コースの脇は全て壁扱いで、コースアウトは絶対しないようになっている。ダメージ表現は今作も無く、慣れていないユーザーにも配慮している。もしあったらあっという間に自車は鉄屑と化すだろう。
    • コース内のギミックはこれまで以上に充実しており、コース外のゴンドラや列車等が動いているのは勿論、水溜りどころか川を走行するコースもあったり、吹き飛ばせる物体も増えており、ゲーム性は勿論、ラリーらしさも出ており、見ている分には面白い。
    • コース図が表示されるようになったがコ・ドライバーの案内は健在。ラリーならではの要素である。

収録車種

  • 今まで以上に多彩な車種が収録されており、RUF車やバギー等と言ったマニア向けのラリーゲームで無いと収録されなさそうな車種も収録。
    • あろうことかホットロッドも収録されている。ゲーム内で最速を誇る。

問題点

ボリュームが少ない

  • ゲームの内容は「チャンピオンシップモード」というリーグ制の3~4コース連戦するモードがメインではあるが…。
    • 例えると『リッジレーサーズ』の「ワールドツアーズ」を劣化させた感じである。
      • まず最初に車とタイヤの種類を選択する事になるが、車種が変えられないのはまだしも、タイヤの種類もここで決めるとそのリーグが終了するまでは変更出来ないため、ターマックコースと極度のダートコースが一緒にあるリーグだと後述のCPUも相まって難易度が急増する。また、途中セーブは出来るが、中断のような感じである。
    • このモードをして原則車種を解禁し、最後は隠しコースを解禁するといった感じである。
  • これで他のモードも充実していれば良いのだが、これがフリーレースとタイムアタックとリプレイシアターだけで味気ない。前作にあったカスタマイズ要素も無く、尚更ボリュームの少なさが際立っている。
  • 前述の通り、コースのギミックは充実しているが、コースの数自体は少なめ。
  • 過去作品ではラリー形式風のコースやモードがあったのだが、今作には無いのもラリーゲームとして如何なものか。

その他の問題

  • 秒間30フレーム。可動物体が多いせいもあるかもしれないが、ラリーというゲームの性質上、画面がめまぐるしく動くのでかなり見辛くなってしまっている。
  • 過去作もそうではあるものの壁に当たってもそこまで減速しない。しかも今まで以上に減速しない為、結果的に壁ターンした方が速くなりがちなコーナーが発生してしまい、裏目に出てしまっている。
    • 一応上達すればレースゲームの基本である「適正速度でアウト・イン・アウト」を守って走った方が速いという程度には収まっている。
  • CPU車が異様に速い。手応えがあるとも言えるが、ゲームのボリュームのなさを誤魔化してるのではないだろうか…。
    • ちなみに、CPU車はAIで動いていて動き自体にもリアリティがあるのでそれに関しては問題ない。その上で異様に速い事が問題なのだ。

総評

視覚的リアリティや挙動等、セガラリーらしさを維持・進化させようとする意気込みはあっただろう。
だが、PS3/360ならではのグラフィックの綺麗・細かさ、新要素の路面の轍の再現以外は全てが10年前のクオリティである。
上記のように言われても仕方が無いボリュームの少なさ等が足を引張る事となってしまい、悪評を広める事になってしまった。
クソゲーとまでは行かずとも、ラリーゲームを楽しみたいユーザーがわざわざ買ってプレイするレベルには及ばなかったというべきだろう。
概要の通り、前作の『セガラリー2006』もやや不評だったため、セガ自身が前車の轍を踏むことになってしまった。


その後の展開

  • 真面目に走るより乱雑な走りの方が速いというレースゲームとしてあるまじき仕様のためか、発売当初からオンライン対戦は閑古鳥が鳴く始末。
    • DC版『セガラリー2』は日本の家庭用ゲームのオンライン対戦に先鞭をつけ、話題になったゲームだったのだが…。
  • 開発元であるセガUK傘下スタジオのSEGA Driving Studioは2008年4月初頭に閉鎖されることが発表されたものの、同月コードマスターズが買収したことで閉鎖は免れた。買収後はCodemasters Racingとして2013年にコードマスターズより発売された『GRID 2』の開発に参加している。
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最終更新:2021年12月30日 10:00

*1 初回限定で初代セガラリーの移植が付属しており、それも相まって「本編が付属のおまけ」と言われてしまった位。人によってはクソゲーとも。

*2 2018年11月にTHQ Nordic AB(現:Embracer Group AB)の買収を受け、現在はTHQ Nordicの傘下デベロッパーとして存続