マダガスカル
【まだがすかる】
ジャンル
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アクションアドベンチャー
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対応機種
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ゲームボーイアドバンス ニンテンドーDS
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発売元
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バンダイ
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開発元
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Vicarious Visions
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発売日
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2005年8月11日
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定価
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5,040円(税別)
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プレイ人数
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1人
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レーティング
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CERO:全年齢対象
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判定
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ゲームバランスが不安定
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ポイント
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原作が全く再現できていない 高すぎる難易度 据置機版にファン需要も奪われる
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概要
ドリームワークスのCGアニメーション映画「マダガスカル」のゲーム化作品。同時期にPS2版とGC版も発売されているが、大幅にシステムが異なる3Dアクションゲームのため本記事では扱わない。
ストーリーは、「ニューヨークの動物園で飼育されている動物たちが脱走し、紆余曲折を得てはるか南のマダガスカル島に漂着してしまう」というもの。
特徴
マダガスカルの物語をなぞりながらアクションステージをクリアしていく。
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十字ボタンで移動、Aボタンでジャンプ、Bボタンで攻撃が基本の横スクロールアクション。ただし一部ステージは趣向の異なるミニゲームとなっている。
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基本的には場所に応じてアレックス、マーティ、グロリア、メルマンの4頭を使い分けていく。ただしステージによっては一部の動物しか使えなかったり、ペンギンを使うステージもある。
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アレックス…ライオン。唯一2段ジャンプが可能。攻撃手段は雄叫びで、上方向に判定がある。
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マーティ…シマウマ。ジャンプ力は低いが、足が速い。攻撃手段はキックで、横方向に判定がある。
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グロリア…カバ。ジャンプ力は低いが、唯一水に入ることができる。攻撃手段は踏みつけで、下方向に判定がある。
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メルマン…キリン。ジャンプ力は最強。地面に頭を突っ込んでいる間無敵になれるほか、特定箇所で地面を掘削することもできる。攻撃手段はくしゃみで、横方向に広い攻撃判定がある。
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敵やトゲ、炎に触れるとダメージを受ける。ライフは5で、0になるとそのマップの最初からやり直し。残機の概念はない。
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マップでは時折ピンク色の花が生えているが、これに触れるとライフが全快する。ただし大抵取りにくい場所にある。
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道中にはメダルが落ちている。これを集めると、タイムアタック要素のあるスペシャルステージを遊べるようになる。
問題点
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非常に高い難易度
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ジャンプは飛距離が短い割にすぐ落ちる。このため狙った場所に着地することが困難。
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しかも本作は性能の異なる5種類のキャラクターを使いこなせないとステージクリアもままならず、さらに難易度を上げている。
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攻撃は当たり判定が極めて小さく、まともに当てられるものではない。
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トゲの配置もいやらしいことこの上なく、自然は容赦なく動物たちを襲ってくる。
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原作の再現度が低い
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敵キャラは「アレックスの倍以上の大きさの蜘蛛」「ドブネズミ」「ゴキブリ」「キングク○ール似の二足歩行ワニ」など、原作では出てこないものばかり。
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ストーリー部分は映画のスクリーンショットを使った紙芝居形式だが、ボイスは無い。しかも時々全く関係ないシーンのものが紛れている始末。
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マダガスカルに入った後はその紙芝居すらも少なくなり、ただ島をうろついているだけにしか見えなくなってくる。原作で鳩と戦うシーン、要塞を作るシーンなどは影も形も無い。
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そもそも日本語のCVが付いていない。
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PS2/GC版では付いているが、容量の問題であろうか。一応英語?らしきCVはついているが、そのまんま流れる(字幕等もなし)のでよくわからないヤジを飛ばされているようにしか感じない。
ちなみにペンギンの魚釣りで落水するとコワルスキーらしき掛け声が聞こえるが、これが「死んじゃった!」という空耳を生んでいる。
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ステージが長く、単調
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1ステージは横スクロールアクションに向いていないレベルで縦に広く、クリアするだけでも一苦労。
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しかもメダルの配置数が滅茶苦茶に多く、コンプリートのために来た道を戻らなければならないこともあり、非常にストレスがたまる。場所もキャラの特殊能力を使ってくださいと言わんばかりのところにあり、作業ゲー化必至となる。
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ニューヨークは背景の変化が激しく楽しいが、マダガスカル島に到着すると似たようなステージばかりで飽きてくる。
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ニューヨーク最初のステージ名が「かわりばえのないまいにち」なのは皮肉だろうか。
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グラフィック面
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当時としては決して悪くないのだが、3Dグラフィックのキャラクターとマップのオブジェクトの親和性が低く、さながらコラージュ画像のように見える。
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また、触れる(=効果のある)オブジェクトと背景扱いのオブジェクトの差が付きづらく、何に触れるにも注意を払わなければならず進行が遅れる。
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例えば花は、似たようなタッチなのに「ライフ回復」「スプリング」「反応のない背景」「反応のある背景」「敵キャラ」の5種類が存在する。
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敵キャラ撃破時の生々しい音声
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ドブネズミの甲高い悲鳴などは可愛い方で、カニをつぶすと「パキッ」というなんとも哀れな音が響く。マリオのようにコミカルなSEを使ってほしかったところである。
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虫に至っては蜘蛛とゴキブリとカブトムシで全部つぶした音が違うという誰得仕様。おまけにつぶすと緑色の液体が飛び散る。気持ち悪いことこの上ない。
評価点
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先述のように、3DグラフィックそのものはDS初期とは思えないハイクオリティである。
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フォッサとの戦いでのキツネザルなどは特にモデリングが上手く、据置機版と比べても遜色がない。
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ステージ選択での地形の移り変わりも非常にダイナミック。(DSのみ)
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魚獲りがハマる。
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ペンギンを操作して氷山に上がってくる魚を回収するものだがここだけ3Dアクションであり、かなり面白い。
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ハイスコアの要素もあり1プレイの時間がほどほどなため、暇つぶしには良い。本編を捨ててこっちにのめり込んだプレイヤーもいた。
総評
映画の内容があまりなぞれていないうえ、ステージも難しすぎる。グラフィックの質は気合が入っているものの据置機版にはやはり劣るため、映画本編のファンでもこの作品を遊ぶ価値は薄いといえる。
というわけで、マダガスカルのゲームがやりたいならPS2/GC版をプレイすることを強く推奨する。
余談
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発売日がおかしい。
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映画の公開が8/13だったので2日早く本編の結末を知ることができてしまっていた。
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マダガスカルの映画は『2』『3』と続く。
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両作品ともゲーム化されたが、『2』は国内未発売。『3』は3DS版が日本でも発売された。
最終更新:2025年01月25日 15:30