ファイト&レイジ

【ふぁいとあんどれいじ】

ジャンル ベルトスクロールアクション
対応機種 Nintendo Switch
PlayStation 4
発売元 eastasiasoft Limited
開発元 Seba Games Dev
移植 BlitWorks
発売日 2020年9月10日
定価 ダウンロード版 1,980円(税込)
プレイ人数 1~3人
レーティング CERO:C (15歳以上)
備考 海外では『Fight'N Rage』のタイトルで2017年9月20日にWindows(Steam)版、
2019年9月26日にSwitch版、同年9月27日にXbox One版、
同年12月3日にPS4版がそれぞれ発売
判定 良作
ポイント ベルトスクロールアクション愛が詰まっている
豊富なマルチエンディングとゲームモード・アンロック要素で長く遊べる
キャラがよく動きよく揺れる


概要

ウルグアイのデベロッパー「Seba Games Dev」からリリースされたベルトスクロールアクション『Fight'N Rage』*1の日本語ローカライズ版。

オリジナル版は2017年にWindows(Steam)でリリースされ、2019年には海外でPS4/Switch/XboxOne(Microsoft Store)の3機種に移植。
日本語ローカライズが望まれる中、2020年にeastasiasoftによるコンシューマ機への移植及びローカライズが実現。
これに伴い、Steamで配信中のPC版も日本語対応となった。

90年代のベルトスクロールアクションをリスペクトしたインディーゲームであり、随所にそのこだわりが見て取れる。
加えて爽快感のあるコンボ、多様なゲームモードやアンロック要素、豊富なマルチエンディングなどプレーヤーを飽きさせない工夫が多数盛り込まれている。

ストーリー

遠い未来、「ビッグパルス」と呼ばれる地球規模の電磁障害が発生し文明は崩壊。
弱肉強食を掟とする「ボス」率いるミュータント(動物をモチーフにした亜人)達により人類は支配され、
奴隷はおろか家畜以下の扱いを受けていた。
3人の主人公は、ボスを倒してミュータントによる支配下からの解放を目指す。

アクション

  • 移動以外に使用するボタンは攻撃、ジャンプ、SPの3つ。
    方向キーを横に2回入力でダッシュ、縦に2回入力で無敵のあるステップを行う。
    • 通常攻撃の最後に方向キーの上または下を押しながら攻撃すると、相手を投げ飛ばすターゲットスローが発動。
    • 敵に掴まれてから投げられるまでにジャンプボタンを押すとジャンプ攻撃で反撃できる(一部例外あり)。
    • SPボタンを押すとSP技が発動。使用時はSPゲージを消費するが、SPゲージが足りない場合は体力を消費する。
      • SPゲージは時間経過で回復するほか、後述するガードを成功させると満タンになる。回復速度はキャラによるが概ね10秒以内でMAXになる。
      • 自身の攻撃モーション中だけでなく攻撃を食らっている間や吹っ飛ばされている時、掴み技を受けた瞬間(一部例外あり)などほとんどの場面で使えるため、緊急回避、割り込み、コンボへの組み込みなど用途は様々。
    • ↓↑+攻撃と入力すると飛び上がりながら対空攻撃を繰り出す。上昇中は無敵のため、攻撃を食らっていなければこれで窮地を脱することもできる。
      • しかし落下中は無防備なので、状況によっては隙をSP技でフォローするといった判断も必要。
    • HPが0になった敵に更に攻撃を続け、点滅してから特定の攻撃を当てるとオーバーキルが発動。
      敵が白骨化して爆散し、ボーナス点が得られる。
    • 敵の攻撃を食らう直前に方向キーを左右どちらかに入力するとガードが発動、敵の攻撃を防ぎSPゲージが満タンになる。
      ただしタイミングはシビアで、連打や押しっぱなしでは反応しない。
    • なお、ファイナルファイト等で有名な「パンチハメ*2」は空振り時の隙が大きいため不可能。

ゲームモード

  • アーケードモードは通常のベルトスクロールアクション同様、全ステージのクリアを目指すモード。
    • 各ステージはいくつかのマップで区切られており、残機を全て失いゲームオーバーになるとそのマップの始めからリスタートとなる。
    • 一部のステージは「マップ上の横道を通る」、「NPCの提案を受け入れる」、「ボスが取った人質を救出する」などでルートが分岐する。次のステージやイベントシーンが変化するが最終ステージは共通となる。
    • エンディングはマルチエンディング制で、辿ったルートにより8通りに分岐。
      さらにプレイヤーの人数や組み合わせでも変化するため、実質的なエンディング数は56通りとなる。
  • 3人までのマルチプレイに対応。ただしローカルプレイのみで、オンラインは未対応。
    • 味方に攻撃が当たるかどうかや当たった際のダメージ量の設定も可能。
    • マルチプレイ時に片方の残機が0になるとしばらく操作不能になったあと、低HPで復活する。
      復活までに全員の残機がなくなるとゲームオーバー。
  • ゲームオーバーまたはゲームクリアで、難易度に応じてポイントがコインに変換される*3
    このコインを使って、ショップで追加コスチュームや追加モード、追加キャラクターなどをアンロックできる。尚、条件を満たさないと必要コイン数を満たしていてもアンロックできないので注意。
    + アンロック要素の一部
  • トレーニングモード
    • トレーニングと言っても動かない相手を攻撃するのではなく、提示されたお題をこなしていくチュートリアルのようなもの。
      「BASIC」、「ADVANCED」、「EXPERT」の3種類の難易度が存在。
    • BASICは基本操作が中心だが、EXPERTは実戦では役に立たないような高難度コンボまで出題される。
      • 全てクリアするまでにかかった時間が記録され、タイムアタック的な意味合いも持つ。このモードで黒帯を取得するとアンロックできるコスチュームもある。
  • ステージプラクティス
    • ステージや条件を選択してアーケードモードの練習ができる。
  • バトルモード
    • 好きなキャラ同士1対1で対戦ができるモード。
      • プレイヤー対プレイヤーだけでなくプレイヤー対CPUや、CPU同士の観戦もできる(観戦時は任意で終了させるまで自動的に連戦となる)。
  • タイムアタック
    • 固定配置の敵を全滅させるまでのタイムを競う。
  • スコアアタック
    • 固定配置の敵と戦い制限時間内に稼いだスコアを競う。オーバーキルが鍵。
  • サバイバル
    • 敵の群れが出現するエレベーターをどこまで上れるかを競う。
  • モード以外の追加要素
    • 追加コスチューム
      • 色だけが変わるものもあれば、帽子やリボン、ニーソックスや覆面など有無のアレンジもある。
        中にはケモノ化するものも*4
    • 追加キャラクター
      • ゲーム中で登場するザコやボスを購入できる。
        バトルモード、タイムアタック、スコアアタック、サバイバルで使用可能。
        各モードの敵の配置やノルマも各キャラの性能に沿った設定がされている。
        それぞれのキャラに短い紹介文があり、読むだけでも楽しい。
    • CPUパートナーズ
      • アーケードモードなどで、CPUをお供として同伴できるようになる。
        これにより1人でも2~3人プレイ専用のエンディングを見ることができる。
        また、純粋に戦力が上がる*5ので、
        アクションが苦手なプレーヤーのサポートとして使ったりゴリ押しプレイでストレス発散できたり何かと嬉しい機能。
        AIもそれなりに賢く、コンボはしっかり決め、アイテムはプレイヤーのHPに余裕がありかつCPUが瀕死の時に回復系のみ拾うため横取りに悩まされることもない。
        ただし、敵の起き上がり攻撃を回避しないのが難点。
    • 永遠にぼっちモード*6
      • アーケードモードで、2人ないし3人のキャラを1人で同時に操作できるようになる。
        全員同じ行動をとるがそれぞれ移動性能や技のモーションが異なるため、高度なマルチタスクを要求される。
    • この他にも追加の難易度やゲームの高速化などいくつかのアンロック要素がある。
  • ゲーム中のBGMは一度聴くとミュージックギャラリーに保存される。
  • ゲームをスタート(ゲームオーバー含む)するとTips(ゲームに関する豆知識)が1つ解放される。

登場キャラクター

+ ギャル
  • ギャル
    • 作品の顔を務める女性キャラクター。とてもよく揺れる。この子目当てで購入した人は多いのでは?
    • ボスへの献上品として捕らわれるも、脱走し反旗を翻した(微ネタバレ→*7)。ドット絵のかわいらしい見た目に反し強気で男勝りな性格。
    • 素早さとコンボ性能の高さがウリのスピードキャラ。技も癖がなくコンボを繋げやすいうえ、SPゲージの回復速度が最も速い。
    • 欠点はリーチの短さと火力の低さ。
      • コンボを積極的に狙わないとダメージが出ないが、コンボの要である対空攻撃はリーチが短く隙が大きい。
        その隙をSP技で消しつつダメージを伸ばすか、SPゲージを温存するか……という判断が求められる。
        時には逃げ回りSPゲージの回復を待つことも重要。
      • 火力の低さゆえオーバーキルも起こしにくい。ポイント稼ぎの面でもコンボが重要になる。
      • さらに非力なためか投げられない敵が多く、後半のボス戦では攻め手が限られてしまう。
    • 武器を持つとリーチと火力不足をある程度補える。
      また、鉄パイプや刀を入手した場合のコンボのフィニッシュの蹴りがオーバーキル対応技なので、刀による連続攻撃で唯一オーバーキルを起こせる(鉄パイプは全ての攻撃がオーバーキル対応技)。
+ リカルド
  • リカルド
    • 牛型のミュータント。ミュータントでありながら人間との共存を望んでおり、レジスタンスのリーダーを務めている。
      最もセリフが多く、操作キャラに選ばなかった場合にも登場するなど、ストーリー上のメインキャラクター。
    • 攻撃力と防御力が高い、見た通りのパワータイプ。
      コンボは伸ばしにくいが少ない攻撃で大ダメージを叩き出し、オーバーキルも起こしやすい。
      大半の敵を投げることができ、攻撃中はアーマー状態で仰け反らないためゴリ押しが効きやすく総じて初心者向き。
    • 欠点はスピードの無さとSPゲージの回復の遅さ。
      • 唯一左右のダッシュがステップなので位置取りが難しく、ダッシュ攻撃も存在しない。
        ステップジャンプを使えば長距離を移動できるが小回りが利かない。
        リーチの長い攻撃を持つ敵や距離を取るように移動する敵、ボス戦が苦手。
        後述の通りゲームレベルが上がると敵が背後に回り込むなどの行動を増やすため、高難度では厳しくなってくる。
      • SP技は非常に広範囲で使いやすいが、ゲージ回復が遅いため乱発はできない。
        SP技を使わずとも火力は出るので、コンボよりも緊急回避や割り込みに多く使うことになる。
    • 鉄パイプや刀を持つと大振りなモーションで振り下ろす。隙は大きいが背後の敵にもヒットする。
    • ボディブロー×2~ハンマーナックルのコンボ、ドロップキックやフライングパワーボムやダブルラリアット、緑色のズボンにサスペンダーなど、超犯罪都市の市長を連想させる。
  • + F.ノリス
  • F.ノリス
    • 謎が多い老齢の忍者。ミュータント側の秘密組織「エンシェント・オーダー」所属の忍者と似た格好をしているが、経歴は不明。
      腕が立つ雰囲気を醸し出しているが、加齢による衰えを自虐したり、ギャルに「オッサン」呼ばわりされて戸惑うなどコミカルな一面も。
    • コンボ性能・火力・スピードを兼ね備えたバランスタイプ。
      ギャルと比べてスピードは劣るがリーチや火力に優れ、オーバーキル対応技も豊富。
    • 弱点は守りの弱さと技の癖の強さ。
      • 防御力が一番低く、一発のダメージが後に響くため慎重な立ち回りが要求される。
      • SP技は火力やヒット数は優れるものの範囲が他のキャラに比べて狭いので緊急回避用としてはやや頼りない。
        また、空中SP技は発動時のベクトルが乗る仕様があり、吹っ飛ばされた時に使うとそのままの速度で吹っ飛んでいく。
        この仕様のせいで、狭い足場で戦う際に他の2人のように空中SP技を使って落下を防ぐことができない。
        この他、当てるタイミングで敵の吹き飛び方が変わるダッシュ攻撃、前方と後方で性能が変わるターゲットスローなど、技の仕様を把握しないとコンボを繋げにくい。
    • 武器の扱いは最も手慣れており、鉄パイプや刀を持つとフィニッシュで広く薙ぎ払うため背後の敵を巻き込める。
      また、唯一ブーメランを投げずに手持ちの武器としても扱える。とはいえ投げた方が強いが。
    • 手で印を結びながら回転蹴りを繰り出すなど、こちらもどこぞのスニーカーを履いた忍者を連想させる。
  • 評価点

    • シンプルな操作性と爽快感
      • 使用するボタンは3つとシンプルながら、技の組み合わせで様々なコンボが繰り出せる。
        技のモーションをダッシュや対空攻撃、SP技などでキャンセルできるので格闘ゲーム並みにコンボの自由度が高い。
      • オーバーキルの存在もコンボを積極的に狙いたくなる動力源。
        敵が骨になって飛び散る派手な演出に加えて、残機の増加やコイン稼ぎといった実利もある。
    • 描き込まれたドット絵
      • SD調で描かれたキャラは敵味方問わず個性的でよく動く。
        • 特に女性キャラの描き込みは凝っており、セクシーかつよく揺れる。
        • ベルトスクロールでは定番の女ザコも登場。人間だが、ミュータントに寝返り人間を支配することで地位を得たという設定。
          彼女らもオーバーキルを決めるとしっかり爆散する
        • また、ショップ店員のお姉さん「ジェイド」もセクシーな格好や狐耳といった要素から人気。
      • 背景もドット絵ながら細部まで描き込まれており、ダークな雰囲気を醸し出している。
        • 演出も良好。闇夜の廃墟がステージ進行とともに夜明けが訪れ明るくなるシーンや、地下水路をイカダに乗って奥へと進んでゆき、出口で大海に出るシーンは必見。
    • よく練られたゲームバランス
      • 本作の敵は、一体一体はそこまで強くないが個性的な特徴と数でカバーする形となっている。
        SP技を除き攻撃範囲は控え目なので、敵の集団に突っ込んで暴れようとすると簡単に袋叩きにされる。
        敵配置が全編通して絶妙に仕組まれており、一見理不尽と思える配置でも立ち回りを考えれば乗り越えられるため、やり込むほど腕前の上達を実感しやすい。
      • 難易度を上げると、単に敵のHPや攻撃力が上がるだけでなく、無防備に歩いてこなくなる、攻撃頻度が増すなどAIが賢くなる。
        上位の難易度となると敵の反応速度が上がり熾烈な戦いになる(特にHardest以上)が、ガードなどの難易度が高いテクニックを使いこなせばノーコンティニュークリアも可能。
      • ステージ進行における難易度曲線も順当であり、序盤は比較的楽に進むが後半から徐々に残機を削られやすくなっていく。
        必然的に終盤のステージでゲームオーバーになりやすいためコンティニューの意欲を唆られ、モチベーションを維持しやすい。
    • 特大のボリューム
      • 本編・おまけ要素の両方が充実しており、長く楽しめる。 ベルトスクロールに限らず2Dアクションは「一度クリアしてしまうとそれ以上やることがない」ということも少なくないが、本作においてその心配は皆無。
        • 本編はルート分岐やエンディングが非常に豊富で、さらに難易度が6段階存在するためこれだけでも中々のボリューム。
          加えて多数の追加モードがあり、一部のモードでは敵キャラクターも使用可能であるため、遊び尽くそうと思えばかなり遊べる。
    • 90年代のベルトスクロールアクションに対する多数のオマージュ
      • キャラデザインや技、ステージ構成などに90年代のベルトスクロールアクションのオマージュが多数仕込まれている。
        特にカプコン製の作品やベア・ナックルシリーズのオマージュが多く、知っている人ならニヤリとなる場面が多数。
      • コンティニュー画面は、挑発するラスボスを背景に10カウントの演出が入るというアーケードゲームを意識したもの。
        制限時間を設ける必要は特になく、コンティニュー回数は無限でクレジットを入れる必要もないのだが、アーケードで100円玉を追加投入するような気分になれる。
        • コンティニューするとラスボスが「何だとぉ!?」などと大げさに驚くのでコンティニューするだけでも楽しく、
          ゲームオーバーによるモチベーションの低下をまるで感じさせない。セリフは数パターン用意されている。
      • ディスプレイオプションが充実しており、ブラウン管モニターのように走査線をかけたり、画面中央が膨らむような歪みをかけることができる。

    賛否両論点

    • 暗くハードな世界観
      • ストーリーにもある通り文明が滅びた世紀末な世界観のため、雰囲気は終始暗く好みが分かれる。
        • 人間は食肉として養殖されたり殺戮ショーの出し物にされるなど奴隷以下の扱いをされており、ストーリー中でも容赦なく殺される。
          プレイヤーの行動で回避できる場合もあるが、選択の余地もなく死ぬ場面も多い。
        • 直接的な描写(殺害の瞬間など生々しいもの)は少ないが、血が流れる死体、ハエが集っている死体の山、人肉料理*8といった描写はある。
          また、デフォルメされたドット絵で細かく描写されないせいで逆に想像力を働かせてしまい、精神的にキツいというプレーヤーもいるかもしれない。
    • 極めようとすると非常に難易度が高いコンボ
      • 評価点にある通りコンボの自由度は高いが、上を目指すとなると非常に難易度が高く、それこそ格闘ゲーム並みに複雑となる。
        特にトレーニングモードの最高難易度では、複雑すぎて実践では役立たないものや目押しを要求されるものも多数存在。
      • とはいえ、コンボよりは攻撃を当てるまでの立ち回りが重要なバランスのため、簡単なものだけ覚えていればクリアに支障はない。
        コンボが最も重要なギャルでも、通常攻撃→対空→空中SPがこなせればそれなりのダメージが出せる。
    • 追加キャラクターのコマンド表が存在しない
      • 追加キャラクターのコマンドはどこにも記載されていない。
        地上攻撃と空中攻撃しか持たないものからコマンド技を持つものまで多種多様なため、一体一体試すとなると時間がかかる。自力で見つける楽しみはあるが。
      • 大半はメインキャラと同じコマンドが使えるが、メスケモのボス「ダイアン」はメインキャラにないコマンドの技も持っている。

    問題点

    • やや不自然な日本語訳
      • 一部の日本語訳に不自然な言い回しが見られる。
        • 一例:Training Mode…すべてのプレイヤーキャラクターのテクニックと最も致命的なコンボの組み合わせをマスターして段位の帯を獲得してみて!
      • 他にもリカルドが突然女性口調で喋る、コンティニュー時のボスのセリフの一つが空白になっているなど、明らかなミスも散見される。
      • 単語の途中で改行するなど改行の入れ方も不自然。
      • 尤も、意味の通じない文章や誤訳は無い。
    • イベントシーンのバリエーションに乏しい
      • エンディングは数こそ多いものの、大半はセリフが違うのみでバリエーションに乏しい。
        使用キャラ別のマルチエンディングを採用しているのにこの仕様では勿体無さを感じる。
      • また、道中のイベントシーンはリカルドが優遇気味で、マルチプレイだとギャルとF.ノリスは一言も喋らないことさえある。
    • 武器の大半が扱いにくい
      • 武器はベルトスクロールアクションにおいて心強い味方……のはずなのだが、多くは使わない方が安定するほど癖が強い。
      • 手持ちで使う刀と鉄パイプはリーチが腕一本ほど伸びる*9のだが、振りが遅すぎるので結果として素手よりも立ち回りが弱くなる。
        威力は高いのだが、素手でもしっかりコンボを決めれば同じぐらいのダメージが出るので、威力面での恩恵も微妙。
      • 飛び道具であるナイフや手裏剣*10は、敵が横軸をずらしながら接近してくることが多いため非常に当てにくい。
        • 特にナイフはステージによっては大量に出るため、うっかり拾ってしまい隙を晒す危険もある。
        • しかし、戦闘状態に入っていない敵を1匹ずつ釣り出す用途には有効。最終ステージにおいて、これを利用しないと非常に難易度が高くなる場面がある。
        • なお刀や鉄パイプは投げて使うことも可能。刀は貫通し、鉄パイプは当たるとその場に落ち合計3回まで再利用できるが当てにくいのは同じ。
      • ブーメランだけは例外で、凄まじく強い。
        • 投げた後に触れてキャッチしないと画面外へ飛んで行ってしまう(つまり極力上下移動を封じた立ち回りが必要になる)ので扱いに慣れがいるが、
          判定が強く飛距離も充分なため、繰り返し投げ続ければ正面に対してはほぼ無敵になる。
    • その他細かい問題点
      • イベントシーンはスキップか早送りしかできず、セリフの文字送りがない。
        • セリフを普通に読むと遅いが早送りでは速すぎる、という場合はボタンを小刻みに押して細かく早送りするしかない。
      • アーケードモードのハイスコアは記録されない。
      • 森のステージの落雷のフラッシュがやや強い。
      • あるキャラクターの死亡グラフィックがギャグっぽい。
        + ネタバレなので格納
      • ステージ1で救出した女性が、ナイフを頭に突き刺されて死ぬという場面があるのだが、
        その際の表情が白目をむいて口を開けたような顔で((゚ロ゚)こんな顔)シリアスな場面に似合わない。
        他の女性の死体は髪で目元が隠れており、このような顔をしているのは彼女のみ。
        • 他のモブキャラは生存中は明るい色で描かれるが死亡すると暗い色に変化するという表現で統一されている。
          彼女にこの表現を使わなかったのは名無しのモブと区別したり死体を目立たせたかったためと思われるが、
          非常にシリアスな場面なので空気を壊しているようにも見えてしまう。

    総評

    1,980円という安さながら、豊富なルート分岐・エンディング・ゲームモード・追加キャラクター・追加要素により、大ボリュームで飽きがこないゲームとなっている。
    加えて細やかなゲームバランス、見ているだけで楽しい演出の数々、描き込まれたドット絵、アクション自体の爽快感などモチベーションを持続させる工夫も随所で光り、
    アクションゲーム、特にベルトスクロールアクションが好きなプレーヤーであれば買って損はない作品である。

    余談

    • 開発を担当した「Seba Games Dev」は、代表のセバスチャン・ガルシア氏が一人で運営しており、本作も音楽以外はほぼ一人で製作を行っている
    最終更新:2024年09月27日 14:04

    *1 短縮表現を使わずに書くと"Fight and Rage”になるので国内版と同じ読みになる。

    *2 連続攻撃の途中で後ろ向きに空振りして連続攻撃を1発目からやり直し、敵を殴り続ける技

    *3 クリア時の方が変換効率が良い。また、難易度が高いほど高効率

    *4 ご丁寧に、キャラ選択画面の大きなイラストではマズル(鼻)などもちゃんと描かれる

    *5 敵の数も増加するが倍増はしないのでこちらの戦力増加が勝る

    *6 作中でこのように表記される正式名称。画面上では「SINGLE PLAYER CO-OP」と書かれている

    *7 人間が家畜化されている世界観でなぜ彼女が格闘技をマスターできたかというと、養殖場で飼われている人間たちとは異なり幹部ミュータントに献上される「天然モノ」だったため。

    *8 外見はアイテムのチキンとほぼ同じで、セリフで人肉料理であることが示唆されるのみ

    *9 ギャルやF.ノリスはこれでようやく一部のザコに匹敵するリーチになる

    *10 どちらも性能は同じ