【そうるすてぃす】
ジャンル | ダークファンタジーアクションアドベンチャー |
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対応機種 |
Windows(Steam) Xbox Series X/S PlayStation5 |
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発売元 |
Modus Games H2INT(PS5日本版) |
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開発元 | Reply Game Studios | |
発売日 |
【Steam/北米版】2022年9月20日 【PS5日本版】2022年11月24日 【PS5ダウンロード版デラックスエディション】2022年11月29日 |
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定価 |
Steamダウンロード版:4,100 円(*1) 北米ダウンロード版:$39.99 北米デラックスエディション:$49.99 日本ダウンロード版:5,192円 日本デラックスエディション:6,490円 |
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プレイ人数 | 1人 | |
レーティング |
ESRB:M(Steam,XSX,海外版PS5) CERO:D(日本版) |
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備考 |
一部シーンにヌード描写あり 通常版はダウンロード専売 XSX版は日本未発売 |
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判定 | なし | |
ポイント |
派手で多彩なアクション 粗の多い戦闘システム 自由度を阻害する強化要素 |
REPLY GROUP(*2)傘下のインディーズメーカー、REPLY GAME STUDIOS開発のハック&スラッシュ形式アクションアドベンチャーゲーム。
ダークファンタジー要素で構成された世界観は漫画『ベルセルク』『クレイモア』から、ゲーム性は『デビルメイクライ』『ベヨネッタ』『ニーア:オートマタ』といった作品からの着想を得て作成されている(*3)。
騎士として直接戦闘、それを補助する霊体とのコンビ『キメラ』姉妹を操作し、騎士本体は様々な武器によるコンボ、霊体は霊力によるサポート、さらにキメラをも超越した力を解放し、聖王国を蝕む邪悪な存在を駆逐していく。
主人公像、登場人物と敵のデザイン、様々な有名タイトルからインスパイアされた舞台設定やデザインコンセプトはインディーズメーカーの中では抜きん出て高品質であり、ビジュアル面での評価は高い。
一方で戦闘・移動・敵・成長要素といった多くのシステムバランスに歪な点が目立ち、手放しで優れたゲームと断言するのは憚られるゲーム性となっている。
イルデン、レイム、ドランの三大都市からなるケイダス聖王国の遥か上空、ベールと呼ばれる時空の裂け目を通じて侵入してきた邪悪な存在『レイス』。
人間界において物理的な有機体でないレイスはあらゆる生命体に憑依して対象の肉体を蝕み、『腐食者』や『憑依者』と形容される怪物へと変貌させて際限無く現世を浸食していく。
人類を脅かすレイスに対抗出来るのは、レイスを実体化させる霊力を宿した『シェード』と白兵戦に長けた戦闘技術を持つ騎士の両者の魂を結合させて誕生する戦士『キメラ』のみ。
ブライアーとリュートの姉妹は突如出現したレイスによって故郷を滅ぼされ、レイスに切り付けられたブライアーは腐食者になる瀬戸際でリュートに重症を与えてしまう。
そこに現れた灰剣騎士団のキメラ騎士ドノヴァンの手でブライアーは制圧され、団長デュガル卿の施しにより姉妹はキメラへと転生する。
灰剣騎士団に所属したブライアー、彼女のシェードとして霊体に生まれ変わったリュートの2人は、キメラとしてレイスに浸食された街を再生する任務を与えられ三大都市のひとつイルデンへと赴く。
イルデンに到着した2人は、レイムより派遣された灰剣騎士団の『監視者』レイトンの導きでもう2人(実質として4人)のキメラが姉妹の到着を待たずに先に行った事実を知らされる。
その後ドノヴァンと再会した2人は、彼がキメラでありながらシェードを封印して戦う事に疑問を感じつつ、
裂け目の影響でキメラは『超越』の危機に晒されている事、『超越者』と化したキメラは腐食者や憑依者を遥かに凌駕した力を持った化物となってしまう事を忠告される。
破滅の危機と偽りの記憶を背負い、歩みを進めていくキメラ姉妹。その裏では、灰剣騎士団の陰謀が渦巻いていた。
ゲームの流れ
基本操作
戦闘システムは直接戦闘を担当するブライアーを操作し、シェードの力を駆使して戦闘の補助を担当するリュートとのバディアクションが肝となる。
コントローラーの入力で繰り出すアクションの略々全てはブライアーの行動に宛てがわれ、リュートのアクションは3つのボタンのみに対応。
以下にそれぞれの特色を記す。各ボタン名称はSteam版の「設定」→「操作」項目の「コントローラーアイコン:タイプ1」基準でのデフォルト配置による表記。
攻撃
ブライアーの行動で行われる基礎戦闘システム。
戦闘補助効果
リュートのアビリティスキル(後述)による半自動的に繰り出される攻撃/防御行動。
リュートのアビリティスキルはアンロックした種類により自動的に切り替わる4種類の外部属性『アスペクト』の何れか1つが選ばれ、この属性により一部のシステムが影響を受ける。詳細は後述。
その他システム
連携度
ブライアーとリュートの戦い方の移り変わりにより、『連携度』が上下する。
かいつまんで説明すると、攻撃を当てる事で増加し、被弾及び一定時間攻撃せずにいる事で減少。被弾時の減少率は極端に大きい。
一定以上の連携度に到達すると前述の高連携度専用シナジー攻撃が繰り出せる他、最大値まで蓄積されると以下のシステムが発動可能になる。
連携度は最大値まで蓄積された状態から一定時間経過すると自動的に初期値に戻されるため、高連携度専用シナジー攻撃も狂喜状態も発動しない選択肢は存在しないと言って差し支えない。
例外的に狂乱状態は封印する事が推奨されるため、体力の管理には気を配りたい所。
+ | VER1.1.0での追加システム(終盤~エンディングと密接に結びつくネタバレを伴うので折り畳み) |
クオリティの高いコンセプトデザイン・キャラクター像
武器の使い分けとコンボのカスタマイズ
充実した設定項目
特定状況でのカメラワーク
インタラクトとジャンプの入力統合
ブライアーの武器の専用技の価格の高さ
リュートのアビリティスキルの自由度の無さ
突破口としての活用に真っ向から反する連携度システム
狂乱状態の説明不足
代り映えの無い記憶パート
一部の敵の動き
21章でのタイムリミット
+ | VER1.1.0での追加システムの難点(終盤~エンディングと密接に結びつくネタバレを伴うので折り畳み) |
キャラクター、世界観、設定、それらを統合したビジュアルシーンのどれもが高いクオリティーで描かれ、
基本システム面においてもで頑健に造られたコンボアクション+痒い所に手が届く半自動カウンターの相性は抜群。
根柢の部分でインスパイアされた作品の影響が色濃く表れている事もあって日本のユーザーにも受け入れやすい作品ではある。
それ故に、救済措置になりえずに腕前の格差を増やすだけとなる連携度システムが1つのゲームとして無視できない程にマイナスの印象を与えてしまっているのは勿体ない所。
全体傾向として初心者を脱却した上で様々なシステムを併用して初めて評価或いは批判出来るといった仕様が多く、練り込み不足のシステムの仕様を理解する程にモチベーションを保つのがしんどくなるゲームとなっている。
細かい部分から大きな部分まで粗は多い作品だが、そういった点も含めて『割り切って楽しむ』のが一番と言えるだろうか。
*1 CS版デラックスエディション相当にアップグレードできる『Deluxe Upgrade』が別売りで存在。Steam版はバンドル仕様の3アイテム合計で1,140円。
*2 イタリアを拠点に各国で事業を経営するコンサルティング、システム統合、デジタルサービス専門会社。日本の山形県・寒河江を拠点とする株式会社リプライ・グループとは無関係。
*3 Unreal Engine公式ページ内のインタビュー記事より抜粋→https://www.unrealengine.com/ja/developer-interviews/soulstice-s-dark-fantasy-is-fueled-by-unreal-engine
*4 攻撃力はトリッキーより高いがフィニッシュが前方一点集中で乱戦で活かされ難いアスペクト『マスタリー』はカメラワークの難点もあって相対的に実用性に乏しく、『狂喜フィニッシュ後に連携度を保つ』という技能が機能していないため実質的に意味の無い死に技能。時間差での爆発による破格の攻撃力を引き出せる『カオス』はリュートのエントロピーが過剰に蓄積されるのに加え、狂喜フィニッシュが体力消費を伴うために余計に危険を招く結果になりネガティブな意味でフィニッシュを使わない理由が生じており使い辛い。
*5 定期的にリュートが近付いているか遠ざかっているかの台詞を発するが、リュート自身断片的に感じているだけなので、正確な方角までは分からない。