ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン

【ろまんしんぐ さがつー りべんじおぶせぶん】

ジャンル RPG


対応機種 Nintendo Switch
プレイステーション5
プレイステーション4
Windows(Steam)
発売元 スクウェア・エニックス
開発元 ジーン
発売日 2024年10月24日
定価 6,820円
コレクターズエディション:22,000円(全て税込)
レーティング CERO:C(15才以上対象)
判定 良作
ポイント 初めてでも遊びやすい現代版『ロマサガ2』
原作リスペクトの数々で圧倒的好評のリメイク
メディアミックス作品の設定もフィードバック
サガシリーズ


概要

1993年にSFCで発売された『ロマンシング サ・ガ2』の3Dフルリメイク作品。通称は『リベサガ』や『RS2RoS』など。
原作同様プレイヤーはバレンヌ帝国の皇帝となり、領土を拡大しつつ永きに渡る七英雄との戦いに挑むこととなる。
ゲームとしての骨子は原作に準ずるが、発売から30年以上の月日が流れたこともあり、リメイクに際して全面的なリファインがなされている。

開発を務めるのが同じく3Dフルリメイクの『聖剣伝説3 TRIALS of MANA』(以下『ToM』)で大好評を得た田付信一プロデューサー&株式会社xeen(ジーン)という組み合わせで発売前の時点から期待の声も大きく、
結論から言うと見事そうした期待を上回るほどの良リメイクとなった。

なお、本項内では便宜上、1992年にSFC向けソフトとして発売されたオリジナル版を「原作」、
2010年に発売された携帯アプリ版をベースとして2016年以降に発売されたCS・PC向け移植版を「リマスター版」と表記する。
厳密には携帯アプリ版とリマスター版で幾分か差異が存在するが、記述の複雑化を避けるため本項では携帯アプリ版時点での変更・追加要素であっても一律に「リマスター版」と表記する。


ストーリー

(公式サイトSTORYより引用)

帝国暦1000年。
恐ろしい魔物が蔓延り、覇を争う国々の戦乱が絶えぬ世界。
人々は混乱の世に現れ世界を救うとされる'七英雄'の伝説の成就を待ち望んでいた。  

ある日、かの七英雄のひとりクジンシーがバレンヌ帝国の都アバロンを急襲。
人々を蹂躙し、帝国の勇猛なる世嗣ぎヴィクトール皇子の命を奪い去ってしまう。  

伝説は偽りだった。その事実が人々を絶望と悲しみに染め上げる中、
ヴィクトールの父である皇帝レオンは、強大な力を持つ七英雄への復讐を固く誓う。
魔道士オアイーブより授かった'伝承法'により、
己の命と引き換えに反撃の活路を見出し、もうひとりの息子ジェラールに自らの力と記憶を伝承した。  

こうして今、帝国の皇帝たちと七英雄との長きに渡る激しい死闘  

-遥かなる戦いの詩-の幕が上がる。


特徴

原作・リマスター版からの変更点

下記内容以外にも無数の変更点があるが、基本操作周りやクラスごとのパラメーターの調整、特定のイベントの進行方法など細部に関する変更点については詳細は省く。

基本的なゲームシステム

  • 難易度選択機能が搭載された。
    • 初周はカジュアル・ノーマル・オリジナルの三段階から選べる。
      • カジュアルはいわゆるイージーモード、オリジナルは「サガシリーズに慣れている人向け」と定義付けられている高難易度モードで、日本語以外の言語でははっきりと難易度「Hard」と表現している。
    • 一度裏ボスを撃破するとオリジナルより難しいベリーハードと最高難易度であるロマンシングで遊べるようになる。
      • 難易度はいずれもゲーム中に変更可能だが、ベリーハードとロマンシングでは一度でも下げてしまった場合は元の難易度に戻せないようになっている。
  • どこでもセーブ機能がなくなり、セーブは特定のセーブポイントで行う仕様に変更された。
    • 原作を知らない人からすると不便になっただけのように見えるかもしれないが、原作ではこの仕様が仇になってラスボス戦で詰みが起こりやすかったので、往年のファンからは妥当な変更と言われている。
    • 1つのセーブ枠にエリア移動時などでオートセーブされる機能が搭載。従来のどこでもセーブの代替となっている。
  • アイテム所持数の制限がなくなり、入手したアイテムは全て手持ちで一括管理されるため倉庫は廃止された。
    • 倉庫を使う攻略テクニックが有名だった石船は、発見の際にアバロンの兵士が回収するという流れに変更されたため、わざわざ低速状態で運ぶ手間がなくなった。
    • 一応アバロン宮殿内の倉庫は本作でも存在し、原作にも存在したとある要素は残っている。
    • 同様に所持金も、ポケットマネーと国庫の区別が撤廃。原作ではポケットマネーの上限(1万)を支払うイベント絡みでいちいち国庫から引き出さなければならなかったが、その必要がなくなった。
  • 武器の装備枠は原作の4つから2つに減少。体術も装備枠の1つを使う形になった。
  • 防具の3つの装備枠の制限がなくなり、各種類を1つずつ装備できるようになった。
    • 全身鎧・体防具と併用して装備できた服は他の体防具と同じ扱いになり併用装備が出来なくなった。
    • 特定クラスの固有装備の固定化が無くなり、クラス初加入時の初期装備扱いとなり外して他クラスにも装備させられるようになった。

フィールド・マップ

  • 原作同様ワールドマップを介することで各地にアクセスできるが、拠点となるアバロンは玉座や各種施設に直接ファストトラベルができるようになっている。一部の広めのエリアでも何か所かファストトラベル先が用意されている。
    • 原作では勢力圏になった地域しか通行できなかったが、本作ではまだ傘下に降っていない地域でも自由に移動できるようになった。
    • その反面、本作では勢力圏内の店舗であっても買い物時には全店一律で有料になった。これには後述する鍛冶屋のシステム変更が関係している。
  • 各街やダンジョンは当然ながら3D化され、新たにジャンプ機能が追加されたため、ジャンプを活用する地形へと構造に手を加えられた箇所もある。
  • フィールドの敵シンボルは系統ごとに共通化されていたが、本作ではエリアごとにどの敵が出現するか固定され、フィールド上での姿も戦闘時と同じものになった。
    • フィールドで気づかれる前に背後から攻撃すると先制攻撃となり、敵全体に小ダメージ+こちらの初期行動順がアップした状態で戦闘を開始できる。
    • 逆に背後を取られてしまった場合は陣形が乱れた状態で戦闘が始まり、開始後3ターンの間逃走できなくなる。原作にあった必ず後攻はなくなっているので少々だが難易度は下がっている。

バトルシステム

  • 行動順が可視化されていなかった原作からあらかじめ敵味方の次ターンまでの行動順が表示されるタイムラインバトルに変更された。
    • サガ スカーレット グレイス(サガスカ)』及び『サガ エメラルド ビヨンド(サガエメ)』のような細かな行動順が変わるテクニック*1やインタラプト技・独壇場等は存在せず、行動順こそ見えど同二作のそれよりは一般的なRPGに近いシステムに簡略化されている。
    • 最初に全員の行動を入力するのではなく、順番が回って来たキャラのコマンドを選択するタイプ。敵が強力な行動を使う場合はタイムライン上のアイコンが光ったり、キャラから警告がとんでくる。
  • 連携(オーバードライブ)
    • サガ フロンティア(サガフロ)』以降、シリーズお馴染みの連携が逆輸入された。
      • サガシリーズでは連携とオーバードライブが別扱いのこともあるが、今作においては「連携の英字表記がOverDrive」という扱いで同一のものとして扱われている。
    • 連携を発動するためには敵の弱点を突くことで溜まるオーバードライブゲ―ジを溜める必要があり、初期は2連携しかできないが最終的には5連携できるようになる。
      • 連携数は連携を使うたびに2連携→3連携→4連携…と増加していく。戦闘をまたぐとリセットされ、再び2連携から順番に発動する必要がある。
  • 原作では自動回復の発生くらいでしか確認する術がなかった地相が表示されるようになった。一部の戦闘では「強地相」となり更に影響が大きくなる。
    • 難易度によっては一部の敵はとんでもない量の自然回復をしてくるので、本作では気を配る必要性が大きくなっている。
  • 戦闘回数に依存し敵の強さが変化するバトルランク制自体は本作でも採用されているが、退却時にはバトルランクが上がらなくなった変わりにBPが一定量没収される。なお、本作では敵勢力レベルとしてメニューから確認可能。
    • 戦闘勝利回数だけでなく、制圧地域数も影響するようになっている。具体的には制圧地域が多いほど上がりやすく、ゲーム後半になるにつれ自然と敵が強くなっていく。
      オリジナルまではLv16が最大だが、ベリーハードでは+16、ロマンシングでは+32されるため、オリジナルの最終盤(Lv16)よりベリーハードの最序盤(Lv17)が難しいという設計。
      なお閃きレベルに関しては敵レベルに難易度補正がかかる前の1~16で計算されるため、この2難易度は「敵が強い割に閃かない」という意味でも難しい設計になっている。
    • 前述の通り、出現する敵が固定されているため敵の強さそのものが変動する。

クラス・パラメーター関連

  • 全クラスに陣形実装。
    • 原作では特定のクラスしか陣形を所有していなかったが、本作では全てのクラスに個別の陣形が設定された。それに合わせて、一部を除く陣形獲得時に陣形の説明を行う台詞が追加された。
    • ちなみに後述するスキルと違い、同クラスだが性別が存在するクラスは男女どちらも同じ陣形になっている。
  • 技術消費ポイントを「BP」に統一。
    • 原作では技ポイント(WP)と術ポイント(JP)で分かれていたが、今作では「BP」に1本化された。
    • ボス戦前などの特定のセーブポイントの横にはBP回復ポイントも設置されている。BP回復ポイントは一度使うと消えてしまうが、ダンジョンに入り直すと復活する。
    • 覚えられる枠は技・術がそれぞれ8個、見切りが4個で見切り枠が隔離された。
    • BPは原作のように技・術レベルから計算されるのではなく、HPのように個別に熟練度が貯まると増加するようになっている。
  • 技・術習得レベル。
    • 原作の技レベルのうち「剣・大剣」「斧・棍棒」「槍・小剣」と成長が一括りになっていたものが「弓」「体術」と同様に全て個別成長になった。
    • 道場や研究所から教えてもらう際、本人の技レベルが一定以上ないと上位技・術を覚えられなくなった。
      そのためキャラが固有で持つ「所持技能(後述)」の技・術系統の入手は容易だが、それ以外の系統の入手はそのキャラを鍛えた上で覚えさせる必要があると、一手間かかるようになった。しかしながら「クラスの区別化」としてむしろ好評な部類。
    • 反属性の術を覚えられないのは以前と同様だが、反属性の術を覚えた場合でも元の術レベルを失わなくなった。特に有用なのはやはり皇帝で、継承で多数の術レベルを引き継げるために、次の地域に向けて逐次系統をスイッチしながら進行するという運用が可能となった。
  • マスターレベルが可視化されるようになった。
    • 初めて仲間にするクラスではこのマスターレベルと、このマスターレベルにプラスかマイナスの補正を与える「所持技能」によって技・術レベルが決定する*2。なお所持技能を持っていない系統に関しては下の世代間引き継ぎがなければLv1からスタート。
      原作では隠しパラメーターだったので仲間にしたキャラと所持技能の補正値から推測するしかできなかったが本作は閲覧可能。なお原作では個人レベル50、マスターレベル40が上限だったが、本作では個人100のマスター90へと引き上げられている。
      また原作では使用した行動にしかマスターレベル熟練度の加算がなかったが、本作では少量ながら全く使用していない系統にも熟練度が加算されるようになっている。
    • 合成術はマスターレベルに応じて術研究所が提案する形で習得できるようになっていたが、本作では各地の宝箱に隠されている「合成術の書」を入手すると開発可能に変更された。開発後は通常の術同様、本人が所持している合成術に属する2系統の術レベルが両方とも一定以上であれば習得可能。
    • マスターレベルだけでなく、本作では「そのクラスが稼いだ所持技能外のレベル」が後の世代に引き継がれるようになった。これは所持技能でマスターレベル比例になる分も稼いだ扱いになるため、例えば「軍師」であれば一人目が「水風天術」、二人目が「火地天術」の技能を持っているため、2人目はいきなり冥術以外のすべての術を高レベルで扱えるようになっている。
      しかしながら7人目や8人目に特殊な所持技能持ち*3がいると、そこまで回すために謀殺が捗ってしまうという罪悪感を覚える面もあるが…。
  • 術は戦闘勝利時に閃くことで習得する形になった。
    • とは言え、技や見切りと違い戦闘中にいきなり閃いた技をぶっ放すわけではなく、術を使っていると戦闘勝利時に同系統の新たな術を閃いて覚えるという形のため、「閃き」とは言いつつも従来のシリーズで言う「学習」にかなり近いシステムとなっており、事実上統合されたと見ることも出来る。
    • 一度閃いた術は術法研究所で習得可能になる。以前存在した「術レベルが一定以上で攻撃範囲等が変わる」物については、その術を使い込むと「Lv2」を閃くという形に変更されている。
      そのため枠を別に取られるのと、攻撃系のLv2は「範囲とBPは増えているが威力が変わらない」という点があり、BPを節約しようとLv1を残すと術の枠を圧迫するという点で悩まされることも。
    • 歴代サガシリーズから新しい術・技が輸入されている。特に原作では低レベルでの攻撃術が存在しなかった水術と地術に攻撃術が追加され、育成しやすくなった。合成術にも全体回復術「レストレーション」などが追加されている。

リマスター版独自要素の扱い

  • リマスター版で新たに追加された要素は、一部を除き本作でも採用されている。
    • ヴィクトールに関するサブイベントや施設:アバロンの園などは引き続き存在する。追加クラスだった忍者と陰陽師は加入イベントの変更が加えられる形で本作にも登場する。
      • アバロンの園は一度建設すると年代が進むことで自動的に成長するようになり、追加費用がかからなくなった。
    • リマスター版では元々の難易度もあってプレイ中いつでも「強くてニューゲーム」を行えたが、本作では裏ボスを撃破するまで行えなくなった。
      • 加えて、引き継ぎ対象が「裏ボスを倒した経験のあるセーブデータ」のみに限定されている。なお、前記の条件さえ満たしていれば裏ボスを倒した直後にセーブされるデータ以外も対象なので、裏ボスを倒した後レベル上げも可能。
    • 追加ダンジョンの「追憶の迷宮」は削除されているが、同ダンジョンで入手できたアイテムなどは全て別の場所で入手できるように変更されている。
      • 「追憶の迷宮」の大トリを務めていた裏ボス「ドレッドクィーン」は、新たに追加されたクリア後ダンジョン「恐妃の都」に引き続き登場する。
      • 一方で「追憶の迷宮」で語られていた古代世界の裏側については本作内では言及がないため、この設定自体が引き継がれているのかは不明。
      • また、追加アイテムや装備、陣形などは漏れなく引き継がれたものの、イベントの変更により残念ながら未登場となってしまったリマスター版独自の中ボスもいくつか存在する。
    • リマスター版でも残っていたバグや各種設定ミス、原作にはなくリマスター版で新たに発生した不自然な挙動などは軒並み修正やシステムの大幅変更に伴い消滅している。

新要素

  • クラス別の新能力「アビリティ」
    • 各クラスには独自のパッシブスキルであるアビリティが存在し、戦闘に30回勝利すると効果を発動できるようになる。
      • 陣形とは異なりこちらは性別があるクラスの場合は、男女それぞれで異なる効果となっている。
    • 地域を7つ平定するとアビリティの極意化が解放。
      • アビリティを習得後に30回戦闘勝利するとアビリティの極意を習得し、該当のアビリティを他のクラスへ自由にセットできるようになる。
      • ただしパーティ内でクラスごとに所持している1つ目のアビリティを含め「2人以上が同じアビリティを装備できない」というルールがあり、例えば「帝国重装歩兵(所持アビリティ:オートパリィ)」がメンバーにいる場合、他のメンバーにオートパリィを持たせることはできない。
    • このほか、イベントを達成したり、特定の人物に話しかけると獲得できるアビリティも存在する。
  • 新クラスとして「帝国鍛冶職人」と「踊り子」が追加された。
    • いずれも女性のみのクラス。前者は本作で追加された新規サブイベント、後者は原作にも存在したあるイベントを完遂することで加入する。
    • ちなみにロード中には原作のドット絵が表示されるのだが、踊り子に関しては原作の人魚の踊り子のドット絵の流用で対処しているのに対し、帝国鍛冶職人は原作に存在しなかったこともありわざわざ書き起こしている。
  • 新施設として「鍛冶屋」が追加された。
    • 原作と違って装備品の開発は鍛冶屋を建設するまで行えないが、戦闘回数による開発できる装備品の変化が廃止され、いつでも好きな装備品を同時に開発することが可能になった。
    • 制圧地域を増やして改修し、施設レベルを上げると所持している装備品の改造も可能になった。改造出来る装備品は主に固有技を持つ武器や、ステータス上昇や耐性等の効果の着いた防具等。改造することによって原作では固有技やステータスが上がるものの数値がイマイチといった装備品の使い勝手が増したと言える。
    • なお、素材アイテムが追加されており、開発や改造時に必要になる。この素材アイテムはマップやダンジョンで拾ったり敵からのドロップのほか、一部を除き鍛冶屋内のショップで購入も可能。
  • 原作では軍師を仲間にするだけの施設だった「帝国大学」にどこかで見たような試験(クイズ)が大量に追加されたり、サウンドテストが出来るようになった。
    • 試験を受けるためにはまとまった受験料が必要となるが、合格すれば10倍の金額が戻って来る上、素材アイテムや装備が貰える。
  • 追加エピソード「七英雄の記憶」
    • 世界各地には古代世界で七英雄たちに何があったのか、という断片的なムービーが見れる装置が存在する。
      • エピソードの多くは『LORD of VERMILION II』に七英雄がゲスト出演した際のフレーバーテキストがベースになっている(参考)。
      • それに加え、本作で新たに明かされた設定も存在する。
    • 七英雄の背景補完となっていると同時に、全て観覧した状態で裏ダンジョンに行くと特殊なボスたちと戦えるようになる。
  • 新たな収集要素「せんせい探し」
    • 同開発陣の『ToM』のサボテン君探しに類似した要素で、各街やダンジョンのどこかに『Sa・Ga2 秘宝伝説』に登場した「せんせい」がおり、5回見つけるたびに様々なご褒美が貰える。
    • 全地域を制圧するルート上に出現し、さらに攻略後には入れない場所には出現しないので、基本的には1周で全て揃う仕様になっている。
      • 一応特定の地域を完全に放置して進行するなど*4、凄まじいルート取りをするとコンプリートできない事はあるが、それはもうやりこみの域であり、1周目からそういうプレイをするのは学会レベルのプレイングが要求される。

評価点

遊びやすさがアップ!

  • 公式の広告でも「かつて、ロマサガ2を途中で諦めたあなたへ 遊びやすくなったリメイク、はじめませんか?」と謳っているほど、原作で不親切だった部分が軒並み改善されている。
    • 重要なシステムの説明不足・詰み要素はほぼなくなったと言ってよく、悪い条件が重なってしまうとラスボスに挑戦すら出来ないといった事も起きなくなった。
      • 一部の状況においてはゲームオーバーになる事はあるが、そういった状況でセーブ等は出来ないので、原作のような詰みセーブが出来てしまう心配はない。
      • ただしイベントの発生に年代ジャンプが必要な場合だけは最終皇帝が出てしまうとどうしようもなくなる場合はある。とはいえ、一部のイベント進行が不能になるだけでゲームクリアが出来なくなるという事はない。
    • 各種仕様変更のおかげで逃げすぎて敵に太刀打ちできない、育成不足のまま最終皇帝の代になる…等の原作で起こりえた詰みに近い状況は起きないようになっている。
      一応地域制圧が不能になる、小イベントが途中で失敗扱いになり一部のクラスが加入しないなど原作から残っている物はある。
  • ひらめきの可視化・技枠制限撤廃。
    • 戦闘中、ひらめきが発生する攻撃に電球マークが表示されるようになり、新しい技を習得できるか一目で分かるようになっている。
      • なお、この電球マークの表示や敵のHPゲージ、弱点表示などはオプションからオフにすることも可能で、細かくカスタムできる。
    • また、メニュー画面ではひらめき派生を確認することも可能で、キャラのひらめきタイプによって習得できない場合も確認できるようになった。
    • 原作では技枠が8つ全て埋まっていた場合、武器固有技を除いて新規にひらめきが発生しなくなっていたが、今作ではひらめきが可能になった。
      • 技枠をオーバーして習得した技は戦闘終了後に所持済みの技を含めた中から選んで封印することになる。術・見切りも同様。
        これを利用して必中次元断(即死技)を延々と使い回すというテクニックも存在する*5
  • アバロン宮殿や各街の酒場でパーティメンバーを自由に入れ替え可能になった。
    • 原作・リマスター版では一度加入させたパーティメンバーはLPが尽きない限りは入れ替え不能で、加入の際にも点在する各地へ一々行く必要があった。(新市街を作ればアバロン内に集める事は可能だが、それでもアバロン内を歩き回る必要がある。)
      • これが入れ替え可能になった事で大量にいるクラスを試しに使ってみたり、探索用メンバーとボス用メンバーで入れ替え等、色々なプレイをしやすくなった。
    • また、原作では一部クラスの固定装備だったものが外せるようになったので、より強い装備品で手軽に強化したり、他のクラスに渡して有効活用したりと柔軟な運用が可能になった。
      • その代わりに限定装備が手に入るのはそのクラスの初回加入時に装備している1つのみとなっており、同クラスを再び仲間にする際には手持ちから自動で選ばれるおすすめ装備に変更されてしまう。もちろん、周回プレイで仕切り直せば限定装備を増やすことは可能。
      • 元は限定装備だったものが誰でも使える汎用化された件と、前述のおすすめ自動装備が組み合わさった結果、いかつい姿の格闘家が勝手に「プリマチュチュ(コッペリア)」や「ヒールのサンダル(シティシーフ女)」を最初から着けているなんてシュールな絵面にもなり得る。また、本来はサラマンダーの皮膚であろう「赤熱の鱗」ですら今作では剥がせて使い回せてしまう。
  • 皇帝の生前退位が可能になった。
    • 例えば新皇帝が持つクラス固有の陣形だけ入手して次代に引き継ぎたいときなどに、プレイヤーの心を痛めて皇帝を謀殺する必要性が減った。
    • 継承候補は退位するタイミングでのPTメンバーから選ばれるので、特定のクラスを確実に皇帝にできるためリセットを繰り返す必要がなく、とても便利。
    • ただし二代連続での生前退位はできないため、何人も皇帝を取り替えたい場合は生前退位と謀殺を交互に行う必要がある。
  • 進行中イベントのガイド機能*6や帝国記による進行中・完了イベントの詳細な記録が参照できるようになった。
    • 複数のイベントが進行中の場合、1つのイベントにガイド機能を絞り込むことも帝国記で可能。
  • 修得した技・術・見切りや入手したアイテム、遭遇した敵の情報をいつでも閲覧できるライブラリ機能の搭載。
    • 「せんせい探し」の経過確認やチュートリアルの確認も可能。
  • ダンジョン内を含むほぼ全ての場所からボタン一つでワールドマップに戻るファストトラベルが可能になり、探索の快適性がアップした。
    • イベントスキップなどの機能ももちろん搭載されている。
  • バトルは敵が増えた時や全体に地相のエフェクトがかかるような場合でも常に動作が軽く、スピーディーでサクサクと進む。
    • 大技でも大体はほんの数秒のエフェクトで終わるため、演出で待たされることがない。『サガスカ』及び『サガエメ』のようにターン開始時のローディングシーンも存在しないため非常に快適。
  • 最終盤でのひらめき・開発による継承不可能問題も解決された。
    • 原作ではゲームがある段階まで進んだ後でひらめいた技は継承不能、開発した武器も出回らないといった問題があったが、本作では条件を満たす事でひらめき・開発した段階ですぐ登録されるようになった。
    • 最終盤にならないと使えないとはいえ、万一の詰み要素は和らいだ。
  • 面倒だった要素の改善
    • 原作においてはそこそこの頻度でキャラの入れ替え等がある割には一々装備や技術の習得をし直す必要があったため、かなり面倒な作業になっていたのだが、これもかなり改善された。
      • 同じクラスでは次のキャラにも技や術が引き継がれるようになった。
      • 装備はある程度各クラスにあった方針で初期選択される他、攻撃重視や防御重視等のオート装備機能が追加され一気に楽になった。とはいえ、後述の通りオート装備には難点もある。
    • 原作の装備開発は基本的に高額で開発品の取捨選択が求められたが、本作では素材の制限がついたものの一つ一つの開発費用が抑えられ、帝国の収入や各地で手に入るお金も原作から増えたため、ほとんどの装備を無理なく開発していけるようになった。
    • 合成術の開発の仕様変更によりゲーム序盤から積極的に使っていけるようなった。「サイクロンスクィーズ」「太陽風」など原作から使い勝手が大幅に向上した合成術もある。
    • ボクオーンの地上戦艦に潜入するための「いい仕事」、ワグナスの浮遊城に乗り込むための「人力風起こし」は現在の皇帝のクラスではなく腕力値が条件となった。
      • 一部の装備品による上昇補正も適用されるため、純粋に腕力が低い皇帝でも水増しして条件を満たせるという抜け道も用意されている。また、原作では「いい仕事」受注後はボクオーンを倒すまで所持品がすべて奪われた*7状態になるが、本作では地上戦艦にある宝箱を調べることですぐに装備を取り戻せるようになった。

バトルの面白さ

  • あらゆる人にほどよい難易度調整
    • 特によく出来ているのがカジュアル。キャラクターが死なないような救済措置はないものの、大きく被ダメージが抑えられるのでゲーム初心者でも遊びやすい。
      • 近年のゲーム業界は初心者救済を考えるあまり反則的なサポート機能をつけてしまうこともあるが、
        本作のカジュアルモードはキャラロスト自体はありうるが回復を怠らなければ負けることもない程度によく調整されており、あからさますぎる救済措置を使うことによる引け目を感じにくい。
    • 一方オリジナルはサガシリーズや高難易度のRPGに慣れた人向けに理不尽ではないが歯ごたえを感じられる程度にまとまっており、一周目から選んでもちょうどいいぐらいの難易度になっている。
      • 原作に比べると僅かに今作の方が難易度が高く調整されているが、戦闘回数が敵の強さに与える影響が減ったので積極的に戦って育成していけるバランスになった。
    • 実績はベリーハードまでで全部埋まるようになっており、ベリーハードも1周目をカジュアルで制作した2周目のデータだと「最強に近い防具なのに、序盤からタンク役以外に攻撃が飛ぶと600~700程度のダメージを受けて一撃で転がる可能性がある」という大概な難易度ではあるが、実績コンプするために極端な難所をクリアしなくてもよい。それでも満足できない人に対してロマンシングが隔離所として機能している。
      • そのロマンシングに至っては開幕の雑魚が「最大HPが2000なのにタンク役にすら1000以上のダメージを叩き出してくる」等吹っ飛んだバランスになっていて、開発陣が試しにプレイしたところ200人のうち1人しかクリアできないと言われるなど超々高難易度調整なのだが、実際は試行錯誤を繰り返すことできちんとクリアできる絶妙なバランスとなっている。
    • サガシリーズと言えば基本難しい、とされる中で本作はシリーズ未経験者からコア中のコア層まで広い層に適合する難易度調整がなされており、初めての人にも薦めやすい。
  • 同じ相手でも戦略を練れば勝てる絶妙なバランス
    • 原作でも「ゼラチナスマターの横列攻撃に対抗するために縦列の陣形に変える」等、工夫を凝らすことで楽に勝てるようになる場面が存在したが、本作では陣形や戦法が増えた事により更に多彩になっている。
    • 本作では原作同様特定の状態異常耐性の穴がある敵が多く、種族特攻技などもあるため無対策だと一見難しい場面も構築を組み直すだけであっさりと突破できたりと、プレイヤー自身の戦略が上手くいったという実感を感じやすい。
  • 以上のようにあらゆる層が遊びやすくなっているが、だからと言って決して生ぬるいゲームになっているわけでもない。
    • 各地の七英雄たちは対策なしでは簡単に勝てないようになっているだけでなく、ラスボスが段違いに強いというサガのお約束はしっかり守られている。
      + 特にラスボス戦では・・・( ラストバトルの重大なネタバレがあるので注意!
    • ラスボスは順番に一人ずつ出てくるところまでは原作と同じなのだが、その後突然画面上部の危険予知アイコンがまとめて7つ表示されるという衝撃の展開が待っている。
      • そこからなんと自軍のみと思われていた連携を繰り出し、驚異の七連携「 サイコくしテンプポセイドンマリオソウル赤竜波 *8」をぶちかましてくる。
        • よもや敵側がこんなものを繰り出してくるとは読めず、あまりにもサガらしい破天荒さMAXの連携名もあって驚嘆したとの感想も多い。
      • 一度七連携を使用した後は連携攻撃を仕掛けてくるようになるので、耐えても長期戦は厳しい…が、だからこそそこから逆転した時はしっかりとやり応えを感じられるようになっている。
        なお術やアビリティ、見切りを駆使すると「初段のサイコバインドさえ凌げば後はノーダメージに押さえて*9、ダメージも全体回復魔法ですぐにカバー。更にはそのサイコバインドも引き付けパリィで受けて無害化」まで詰められる。このあたりは事前準備が重要な『ロマサガ2』らしいというところである。
  • ベリーハードやロマンシングは最初のチュートリアルですら突破するのが困難な難易度のため、開発側も強くてニューゲームを利用して徹底的に鍛えてから挑戦することを推奨している。もっともこれに関しては後述する引継ぎの難点が絡むわけだが…(後述)。
  • すべての武器、術にきちんとした役割、存在意義が生まれた。
    • すべての敵に弱点属性が付加され、ダメージが上昇する以外に連携ゲージが上昇するという恩恵が用意された。感覚としては『OCTOPATH TRAVELER』の戦闘システムに近く、一度弱点を突けば攻撃前に表示される点もそのままとなっている。
    • これに伴い、すべての武器種をまんべんなく用意するメリットが生まれた。装備枠が2枠に減ったのもあり、パーティで誰に何を持たすかを考えるだけでも楽しみが生まれる。
      技に関しても「槍+地属性」等の複合属性技が大幅に増加し、威力は低いが弱点を突くために持たせる選択肢が増え、原作より格差が大幅に縮まった。
  • 新クラスの使い勝手が非常に良好。
    • 原作では問題点として、小剣、棍棒、体術、冥術に適性のあるクラスが少ないという点が挙げられていた。このうち、リマスター版の新職である忍者、陰陽師の登場によって体術、冥術の使い勝手がよくなったが、小剣、棍棒に関してはテコ入れがなされていなかった。
    • 本作では、棍棒は帝国鍛冶職人が、小剣は踊り子が適しており、彼女らに使わせることで大いに活躍させられるようになった。また、帝国鍛冶職人は力が、踊り子は器用さが非常に高く、もう一つの得意武器である斧、弓も使いやすくなっている。
    • アビリティの追加で既存クラスの使い勝手も向上しており、例えば帝国重装歩兵(いわゆるベア族)はパリイを使わずともパリイできる「オートパリイ」の追加と、体力がそのまま防御力にも反映されるという調整の結果、見た目に違わぬ鉄壁の防御力を発揮するようになり好評を得た。
      原作経験者の多くからベア=パリイ*10とネタにされることが多かった帝国重装歩兵達が、まさにパリイの達人と言える様になった面白いところである。

こだわりの原作再現

  • 重大な伏線が仕込まれている冒頭の詩人パートから始まり、「ここはリメイクでは変わってしまうのではないか?」と不安視されていた箇所も概ねそのままになっている。
  • 原作でバトル画面のシステムを利用して演出されていた「ヴィクトール対クジンシー」の場面は、ムービーシーンなのにもかかわらずわざわざメタ的なシステム上のLPや技名が出るなど原作を意識している。
    • 「キャットに手引きして貰う算段だったのに何故か門を強行突破しようとしてクエスト失敗」など特にメリットのないような進行ルートもちゃんとできるようになっている。
      • 本作では道中でアイテムが拾えるので、ハズレルートに行ってしまってもそれらを回収できるという新たなメリットも生まれている。
    • 世代が進むたびに徐々に発展していくミラマーの建造段階の細かな違いも、しっかりと3Dで再現されている。
  • とにかく製作サイドの原作愛が伝わる本作だが、中でもボス敵の戦闘前カットイン演出は高い評価を得ている。
    • 七英雄及び一部のボスと戦う際、戦闘開始時に敵の名称(七英雄なら「七英雄 ○○」)の表示を含めたカットインが入るのだが、その時に原作のドット絵と同じポーズをとって戦闘開始という実に「分かっている」演出がある。
    • 原作愛を抜きにしても演出として格好良く、七英雄専用の戦闘BGM「七英雄バトル」のイントロがちょうど終わりかけの盛り上がり始めるタイミングでカットインとなることが多い。畳みかけるようにテンポアップしていく曲調、画面いっぱいの堂々たるカットインに加え、鋭いSEと共に金文字で流れるように出てくる名称表示と、それぞれの演出が大いにマッチして大ボスの特別感、緊張感を高めてくれる。
    • こうした原作愛が溢れる部分としてはEDも素晴らしいのだが……ネタバレになってしまうのでぜひ自分の力でクリアして見て欲しいところ。
  • キャラクターボイスが導入されたことで、珠玉の名言・迷言たちもついに声付きになった。
    • 「流し斬りが完全にはいったのに‥‥」「はい、はい」→「違う!もっと真剣になるのだ!」「皇帝陛下の御出陣!御出陣!」「アリだー!」「まさか こ う て い ?」など長年語り継がれた伝説のセリフ群が聞けるのは喜びもひとしお。だが…(後述)。
    • さすがにモブキャラはボイスがないものの「アーバロン、アーバロン、うーるーわーしーの~~」「敬礼い~っ!*11」「うりうり、ビチグソだぞー!」など、印象的なものはしっかりと残っている。

丁寧な原作補完

  • 本作同様にXeenが制作した『ToM』は大好評を得た一方で、90年代に製作されたテキストや展開をあまりにも忠実に再現した結果違和感が生じてしまっていた場面が少なからず見られた。
    これに対し、本作では大筋は変えずに違和感部分のみを解消したり、元からあったテキストはそのままにそこから膨らます形へ手が加えられている。
    • 例えば冒頭のレオンがクジンシーに倒される場面。原作では突然王宮での会話に場面転換していたが、本作では戦闘後に慢心したクジンシーがレオン一行を見逃すというくだりが挿入され、自然な流れに変更された。
    • 他にも、運河要塞のボス・ヴァイカ―は原作で皇帝一行を「日の出の勢い」と評していたが、本作ではこのセリフの後「昇った日は必ず沈む、故に私が沈めてやる」という旨の新規セリフが挿入されており、久々に遊んだ人では気づかないような付け足しが行われている。
      • なお、ヴァイカーは原作では雑魚敵の流用だった(原作では中盤辺りに雑魚敵として何体も遭遇出来た)こともあり、態度は不遜だがお供のパイロレクスの方が強いとイジられることが多かった。しかし本作ではイベントボス限定の固有キャラに昇格しており、上述の力強いボイスが入り、見た目も似た外見の雑魚敵から差別化され、かつての漫画版のヴァイカー*12を意識したような武人の様な顔つきになったため、これらのネタが過去の物になりそうなほどボスキャラとしての威厳が増した。
    • セキシュウサイのイベント時にイーストガード(ジュウベイ)が登場する様になり、祖父と孫という関係がより活かされたイベントになった。原作だとうっかりイーストガードの存在を見逃してしまい、仲間に加えられないままクリアしてしまう可能性もあったので、イベントを完遂すれば加入する様になったのもありがたいところ*13。また、セキシュウサイとの戦いで勝っても負けてもイベントが進むのは原作通りだが、本作ではセキシュウサイに勝利することで専用のアビリティを習得できる。
    • 原作で盛んに行われていた縛りプレイにも一部対応していて、有名どころの「いきなり最終皇帝」でもクリア可能なほど。なお最終皇帝出現条件が変更になったために原作ほど謀殺の必要はなくなっている。
  • キャラクターの外見にも当然手が加えられており、リマスター版でも戦闘時は雑魚敵のグラフィックが流用されていたギャロンやサイフリートなども原作のフィールドドット絵を元に改めてリデザインされており、戦闘時はちゃんと独自の3Dモデルで戦うことになった。
    • 特筆点としてテレルテバの塔で戦える「ノエルの部下」は河馬人間に固定された。
      • 原作ではバトルランクに応じて獣系の敵が出てくるのだが、この際河馬人間が出てきた場合のシュールさ*14がプレイヤー間でネタにされており、ファンアートなどでもノエルの部下≒河馬人間というのは半ば定着していた概念だった。
        本作ではついにこれが公式化されたことになる。これに合わせバトル前のイベントもコミカルなものとなっている。
    • このほか、イベントで戦うボス戦は戦闘シーン以外でもきちんと固定化されており、戦闘前のやりとりで再現されている。
  • 追加イベントである七英雄の過去も、メディアミックスやゲスト出演作での設定を意識しつつ改めて設定整理された。
    • とりわけ一部メディアミックス作品の設定は原作の内容と大きく逸脱するため賛否を招いた物もあったが、本作では原作からあったイベント部分が別物にならない程度に調整されている。
    • また、人間だった頃の七英雄のデザインもそれらに準拠したものとなっており、メディアミックス作品を追っていた人へのファンサービスになっている。

細部への気配り

  • 以上のようにゲームプレイ・シナリオ双方改良されているのだが、そういった部分と直接関係ないような部分も手が込んでいる。
    • 術研究所は利便性を重視し受付で全ての術を習得できるのだが、原作・リマスター版では系統ごとに部屋が分かれていたことを考慮してか、わざわざ各属性をイメージした部屋がちゃんと造形されている。
    • コッペリアの製作段階が世代ごとに細かく異なる&人形故に特定条件を満たさない限りは世代を超えて何度でも(たとえLP0でキャラロスト扱いになろうとも)パーティイン可能。ボクオーン撃破前にステップで戦闘した場合バトル中背景にもちゃんと巨大な地上戦艦が動き回っているなど、こうした期間限定の演出が存在する。
    • 平定した地域の種族やモブキャラがアバロンの城・町のいたるところに配置されるようになっており、ゲームが進行していることや帝国が発展してるということを肌で感じやすい。
  • 先帝が天命を全うor退位した場合、次代皇帝が発するセリフは原作では共通して「やるぞ!」だったが、本作ではクラスごとに個別のセリフになった。
    • もちろん道半ばで亡くなった時の本作の象徴たる「先帝の無念を晴らす!」はきっちり残っているのは嬉しいところ。
    • 最終皇帝のLPがなくなった時やコムルーン噴火時の強制退位時に発生する専用イベントも再現されている。
  • BGMは原作を担当したイトケンこと伊藤賢治氏を中心にリアレンジされていて、原作ファンも納得の出来。
    • 聞く回数が多くなる通常戦闘曲やゲームのハイライトとなる「七英雄バトル」はフレーズが追加されており、よりバトルを盛り上げてくれる。
    • 『ToM』は追加シナリオ部分でも元からある曲のみを流用していたが、本作では七英雄の回想シーンでは舞台『SaGa THE STAGE 〜七英雄の帰還〜』からの流用曲が用いられている他、裏ボスは完全新規曲が用意されている。
    • もちろん『ToM』同様原曲切り替え機能も搭載しているので、ちょっと気分を変えたい時があればそちらで原曲も楽しめる。原曲もかなり生音に寄せた音作りをしていたため、この映像で流れてもほとんど違和感がなかったりする。

キャラモデリングのクオリティの高さ

  • 『ToM』でも評価が高かったキャラモデリングの質の高さは今作でもしっかりと受け継がれている。
    • 男性キャラは美形から強面まで、女性キャラも可愛い系から美女系まで幅広いジャンルの人物の魅力がしっかりと表現されている。 女性キャラはクラスによっては胸もしっかり揺れるが鎧を装備してるとされるキャラは揺れない。だが胸当ての帝国猟兵(女)は片方だけ揺れるという無駄なこだわり。『ToM』でも一部のキャラに見られた、色気ほくろも完備である。
      • そこまで大きな差異ではないが、各クラスの世代交代キャラ毎に髪型や服装の色調が変わっていたりもする。これによって原画とドット絵で髪型が違うので別人に見えると言われていたホーリーオーダー(男)等の様に、両方とも上手く取り入れられた様なかたちになったキャラもいる。原画派もドット絵派も安心である。
    • 対する七英雄の方も人間態・魔物態それぞれのモデルもしっかりと気合が入っている。
      ロックブーケのテンプテーションにも説得力が出て、その魔力の凄まじさを実感したプレイヤーも多いのではないだろうか? むむっ、これはたまらん
    • 流石にそれらのモデルと比べると質は見劣りするが、敵のモデルも原作ドット絵の特徴的なポージングやデザインを上手く3Dに落とし込んでいる。

ちょっと楽しいせんせい探し

  • やっていることは子供の宝さがし遊びのような至極単純なことなのだが、配置に遊び心が効いており今度のマップではどこにいるんだろう?と新エリア来訪時のちょっとした楽しみにも繋がっている。
    • 各地でせんせいは、景色を楽しんでいたり、宿屋で寝てたり、料理に舌鼓を打ったり、休憩中の兵士に混じっていたり、学校の中で文字通り「先生」をやっていたり、何故か壺の中にいたり…と様々なパターンがあり、発見したときのリアクションも毎回異なり非常にユニーク。
      飽きさせないと同時に発見した際には満喫ぶりに思わずちょっぴり笑顔になれる要素で、引継ぎの都合で二周目以降は楽しめないのがもったいないとするユーザーもいるほど。

賛否両論点

  • 一新されたキャラクターデザイン
    • 本作では『ToM』の衣装デザインなどを手掛けたあんべよしろう氏がキャラクターデザインを行っており、同作のようなアニメ調の絵柄になった。
    • しかしながら、SFC以降のサガシリーズと言えばデザイナーの小林智美氏の耽美な絵柄の世界観というイメージを抱いているユーザーも存在し、そうしたユーザーからはライトな作風への変化に戸惑う声もある。とりわけ女性陣はアニメ・ソーシャルゲームを彷彿とさせるデザインに改変されられたキャラもおり、こうした要素が苦手な人からは批判もある。
    • 一方でフリーメイジ男*15や武装商船団のようにオリジナルデザインに忠実なキャラも多いほか、男版デザインと似たような老婆から淑女のようなデザインとなったフリーメイジ女など良い意味で印象を崩さずに落とし込めたキャラもいる。
    • スタッフインタビューでは「絵」だからこそ映える小林氏のデザインを3Dに落とし込むことに難しさがあったことや、『ToM』の製作で得た知見を落とし込んだ結果と語られている。
      • ただ、小林氏は『サガスカ』の発売後から表舞台に現れなくなり、本作と同年発売の『サガエメ』にも参加しなかったことから、体調面の都合で監修作業などを行うのが難しかったのではないかとの憶測がある。仮にそうであるならばどのみちアートディレクション担当者が代わるのはやむを得ないだろう。
    • 原作では髪色を変えることでクラス別の世代交代キャラクターを区別するパターンも多かったが、本作ではベースとなる1人目からかけ離れた奇抜な髪色はほぼ無くなり、代わりに衣装や髪型の変化で区別がされるようになった。
      • その結果、原作から外見の印象が大きく変わってしまったキャラクターもいる。
    • 絵柄の変更とは別の話になるが、ネレイドは製作コスト面*16の事情から仲間入り後は二足歩行するように変更された。
      • もっとも本来は人魚のような体型という設定は本作でも残っており、初登場時はそちらの姿で登場し、月光のクシの力で陸上でも活動出来る様になるという流れになっている。
      • 原作では人魚状態で陸上でもビチビチ進むというドット故のごまかしが効いていた表現だったので、3D化する上ではやむを得ない変更点か。
      • 本作での見た目も元の要素を残しつつ扇情的なデザインなので、これはこれでよいという意見もある。
    • 他に原作と性格が変わってしまった様なキャラやクラスも何名か存在。例を挙げると原作ではお淑やかな口調だったアマゾネスやインペリアルガード、最終皇帝(女)等が玉座に座る時に足を組む様な、所謂原作でいうところのワイルドなタイプの様になっていて原作経験者からは違和感があるという声も聞かれた。*17
      • 特に最終皇帝(女)は原作のドット絵と小林氏のデザインで大きな差異が存在したが、本作では小林版のデザインがべースとなっている。このためドット版の方も選択式にしたり一部のソシャゲイラストのように上手く折半したデザインにして欲しかったとの意見もある。ただし、リメイク版のデザインも凛とした見た目と口調の、正に「女帝」らしいデザインなので好みの問題とも言えるだろう。
    • 上述の様にロード中に原作のドットキャラが登場するのだが、原作のドット絵と乖離の激しいキャラは「誰!?」となってしまうかもしれない。
    • 後述のボクオーンの件もそうだが、キャラデザのあんべよしろう氏は河津秋敏氏や開発スタッフと綿密に相談を重ねてデザインを起こしており独断で変更しているわけではないことに留意。
  • どうしてもシステムやパラメーターの変更に伴い使い勝手の変わったクラス・技・術・陣形などが存在する。
    • 概ね原作・リマスター版で強かったものは下方修正、弱かったものは上昇修正されているが、「クイックタイム」や「ラピッドストリーム」等の突出した強さに愛着を持っていたユーザーからは不満の声もある。
      • 特に強化・弱体効果は永続だったものがターン経過で切れるようになっている。
    • 極端すぎる格差が無くなっているという観点では確かに本作のバランスは優れているが、従来の尖った部分こそが『ロマサガ2』と言う意見も多く、上記のキャラデザの変更とも相まって 「良くも悪くも普通のJRPGになってしまってサガシリーズらしくない」 という声も聞かれている。
    • この辺りはなかなかリメイク作として万人から納得を得るのは難しいところと言える。
  • 周回プレイの際に、技・術を覚えなおす必要がある。
    • リマスター版では、技や術の研究施設を解放すれば、前の周回で覚えたものを即座に習得可能だった。これに対し、本作では前作で覚えた技、術を再度覚えなおす必要があるため、人によっては面倒という声も。
      • 技も術も習得の判定が敵勢力レベルに依存するので、強力な技や術を覚えるには積極的に戦闘をこなし、敵勢力レベルを意図的に上げていくプレイが必要になる。
    • その一方で、最初から使える専用技がセットされた「ヒールのサンダル」等の装備品の価値が上昇するなど、原作やリマスター版とは違った独自の視点で攻略を楽しめる調整になっており、こちらは好評。
  • セーブに制限が付いた
    • 上述のように詰み防止目的でセーブポイント形式になったが、『サガフロ』のクイックセーブのような手軽なものを搭載して欲しかったという意見もある。
  • サラマンダーと陰陽師(冥術)が排他関係になった
    • リマスター版ではサラマンダー・冥術の問題とは関係なく陰陽師を加入出来、サラマンダーを加入しても合成術以外の冥術だけなら陰陽師を加入すれば使う事が出来た。本作ではこれが完全な二択となり、サラマンダーを救うと陰陽師はいつまでも古代魔術所を探し続ける事となり加入はしない。
    • リマスター版において合成術なしで陰陽師だけが冥術を使える状況は正直実用性としてはかなり低めで、一応使えるだけとしか言えない状況だったので、それならいっそ本作のような形にするのも分からなくはない。とはいえ、加入に制限がかかった事への不満も当然ある。
      • 本作で冥術を取るにはどうしてもサラマンダーの滅亡シーン(サラマンダーが絶滅してしまうわけではないので一応生き残りはする。コムルーン島は滅んでしまうが)を見なければならず、ボイスが付いた事でかなり胸の痛むシーンとなった。そういった状況も含め、サラマンダーを救う事の利点はある。とはいえ、後述の問題のように冥術入手は強力すぎるのだが…。
  • 小ネタの域だが「シーフギルドにいる何度も話しかけると壁にめりこむモブ」は本作では壁に埋まらなくなった。
    • もしも忠実に再現した場合、初見プレイヤーからしたら不具合か何かだと思われかねないため妥当な変更点ではある。
    • 同じく小ネタの域だが「原作ではクラスごとに様々なポーズを取っていた*18コマンド待機ポーズが武器ごとに固定になった」のがさみしいという意見も。
  • 衝撃度の増した「アリだー!」イベント
    • 最終皇帝時に発生する「クイーンの復讐」(リアルクイーンのイベント)。対処が遅くなるとアバロンがアリに占領されるのは原作通りなのだが、イベント中に一部を除いた*19キャラに話かけるとアリに変化して戦闘になるという内容だったものが、リメイク版では「アリに身体を内側から食い破られて死亡する」というショッキングなイベントとなっている。
    • 加えて本リメイク作では話しかけてアリの被害にあったクラスは次の世代のキャラが登場する様になっている。つまりリメイク版では 本当にアリに食い殺されてしまう というものになってしまっている。
    • 原作ではイベントが終了すればアリになってしまったキャラも普通に復活していたのでネタとして取り上げられることも多かったが、上の様にある意味リアルになってしまったので笑えないイベントとなってしまった。
    • 幸い食い破られる演出は、ホラーゲームの様にはっきりと描かれてはいないのでグロテスクな演出にはなっていないが、こういったものが苦手な人にはかなりキツいイベントとなってしまった感は否めない。
    • プレイヤーの中にはアリの脅威が増した良い演出だと言う人もいたり、アリにやられたクラスは次のキャラに交代になるので謀殺に使える(ただしアリの被害にあったクラスはイベントが終わるまで登場しなくなるので使えるのは一回のみだが)といった意見もあるので好みの問題とも言えるが、かなり衝撃度が増したイベントになったのは間違いだろう。
    • ちなみにイベント中に苦しそうにしている仲間キャラに話しかけなければ、イベント終了後には元通りにピンピンした状態に復活する。大丈夫なのだろうか?
    • リメイク版では新市街がなくなった為に、そこの下水に待機しているモール族との絡みが無くなってしまった。アリとの因縁があるキャラのイベントともいえたので、残念に思う人もいるとか。
    • 原作ではイベント中アリに占領されてしまうとアバロンの人が一人もいない状態になってしまっていたが、リメイク版では救済措置ということもあってか、酒場のマスターのみ無事な状態で通常通り編成が可能となっている。このおかげで このゲームで最強なのはアバロンの酒場のマスター と新たなネタとして取り上げる人もいたりする。
    • 「あくー」や「ほぎー」といったネタとして愛されていたアリの被害者が発していた台詞なのだが、ついにボイス付きとなった。

問題点

シナリオ・演出面

  • 皇帝の交代が自由になったタイミングで皇帝のイベントボイスがなくなる。
    • 全ての皇帝に全イベントのボイスを追加するのは流石に無理があったようで、皇帝が固定でないタイミングでは皇帝のセリフを文官が代わりに話す、皇帝しか話せる人間がいない場面では字幕表示や選択肢の表示だけでセリフが入らない、といった描写になっている。上にある様に正に大人の事情ということなのだろうが残念なところである。
      • 特に序盤はレオン・ジェラールを演じる堀内賢雄氏と小林裕介氏の演技がストーリーを盛り上げてくれるため、皇帝変更が可能になると急に声がなくなるという違和感を感じやすい。
      • 「アバロンのダニが一匹減ったな」等皇帝も迷言が少なくないだけに、音声で聞ければ…と残念がる人も少なくない。
    • 上記の通りゲーム終盤は必ず最終皇帝が即位するように固定されたため、終盤ではまたイベントボイスで盛り上げてくれる。
    • イベント音声が無い一方、帝国大学の試験では皇帝のクラス毎に異なる合格、不合格のボイスとリアクションが用意されており、その点は好評。
  • 原作・リマスター版で可能だった最終皇帝以外でのクリアが出来なくなった。
    • ストーリーとしては最終皇帝が即位するのが正史ということなのかもしれないが、原作でもわざわざワイルド皇帝限定でクリアした際の台詞が存在していたり、リマスター版では実績に採用され明確な正規ルートとされていた「仕様」である。
    • こちらも全クラスでの音声収録や、不具合が生じないようにデバッグする手間がリソース的に厳しかったとは思われるが、あらゆる点で再現度・原作への理解度が高いだけに惜しいところ。

戦闘面

  • 原作では使いにくい部分があった冥術だが、サラマンダーとの選択制にしてはいささか強化しすぎなのではと思わざるを得ない部分もある。
    • 癖の強さが目立っていたが、性能が改善され使い勝手に優れる合成術が追加された結果、総じて優秀な術系統となった。
      • 特に原作においても有用性があったシャドウサーバントが更に強化され、2倍のダメージを与える効果が別途もう1回攻撃を与える形に変更。つまりダメージの上限を超えて倍化が可能であり、連携も絡めれば上限到達も可能になる本作ではこれがあるかどうかで敵の撃破ターンに大きく響いてくる。加えて即死の多発する高難易度において1回物理攻撃を無効化出来る点も優秀。
      • 毒状態が割合ダメージとなった事で、敵を毒に出来る唯一の方法である冥術の地位が上がった。特に高難易度では下手な攻撃より余程ダメージを稼いでくれる。
      • 即死付きの全体攻撃魔法も追加されており、高難易度の雑魚戦では確率とはいえ敵の数を減らせるだけでかなり助かる。単に攻撃魔法としても威力が高めで優秀。
      • 上記のような状況から、高難易度では冥術があるかないかでゲームバランスそのものが変わってくる。「難易度ロマンシングでサラマンダーを助けてクリア」はプレイヤー間で「サラマンシング」との俗称が産まれるほどの縛りプレイ扱いされている。
    • しかも、冥術入手の際に訪れる浮上島で入手できるアイテムも強力。特に火神防御輪はサラマンダーと同様の火耐性を得られるので代用的な運用が出来てしまい、サラマンダーの地位は尚更危うい。
      • サラマンダー自体は原作から引き続き優秀な前衛クラスであるのだが、上記のような冥術のメリットとトレードオフになってしまうことを比べるとどうしても見劣りする。
      • 加えて、一度サラマンダーを加入させ独自装備や陣形、アビリティを取得してしまえば次周以降はこれらは引き継ぎ可能なので、更に加入させる意味が薄くなってしまう。
      • 非常に大きな犠牲を伴う、そして邪悪な人物が狙っている、と言う点を鑑みればこれくらい強くても順当と言えるかもしれない。原作だと大きな犠牲を払ったにしては微妙な術すぎたことも大きいのだろうが。
      • もっとも冥術と同時に覚えられない天術にも優秀な技はあり、オリジナルくらいの難易度までで遊ぶ分には冥術なしでもそこまで問題にはならず、上記のサラマンシングでもクリアはされているので、どの難易度でも習得しないとクリアできないという事はない。
  • アビリティの性能格差
    • 新たに導入されたアビリティだが、使い勝手が悪い物も存在する。
    • 特にノーマッド男の『傷薬節約術』(確率で傷薬無消費)、ノーマッド女の『薬草の知識』(傷薬の回復量アップ)、帝国軽装歩兵(女)の『クイックターン』(30%の確率で行動順が最初になる)等は使いづらい物の筆頭として上げられやすい。
      • 傷薬についての2クラスは本作で回復アイテムに頼るのが主に序盤で中盤以降は回復アイテムの出番が減るのにノーマッドの加入が中盤以降になりやすい事、加えてノーマッド男の方が確率なために頼りにしづらい、女の方は回復量を上げても鍛えた術には劣り使用回数も(ノーマッド男のアビリティも併用しないと)最大2回で恩恵を受けにくい事等もあって、1周目で早々にノーマッド加入させた場合くらいにしか役立つ事はない。
      • 帝国軽装歩兵(女)のアビリティは確率故の不確実性が目立ち、いざ欲しい場面では頼れなかったりするので素直に他の使いやすいアビリティを使う方がよっぽどいい。
  • 極意化アビリティの着脱仕様の問題点
    • 極意化したアビリティは元の所持クラスを含め2人以上が同じアビリティを装備できないという仕様上、「特定アビリティを他クラスに装備させるためアビリティ所持元のクラスの起用を断念せざるを得ない」状況が起こりやすい。
    • 攻撃系・防御系のアビリティを1人に集中させたい場合などでアンチシナジーとなるクラス同士の組み合わせもあり、アビリティ装着を見越したパーティ編成の自由度に制限がかかってしまっている。
    • 複数のキャラでアビリティを常時使いまわしたい場合、極意化後の起用が躊躇われるクラスもある。特に自らと相性が悪い上に物理アタッカーとの相性が良すぎる「BPチャージ」を持つフリーメイジ男が顕著。
  • 盾とガーダーの性能差が大きい
    • 原作同様、本作でも盾は「確率で防御力上昇」、ガーダーは「確率で攻撃を完全に防ぐ」というものになっているのだが、それぞれの最強の物を比較すると発動確率が同じなので完全に防ぐガーダーが完全に上位互換である事、難易度を上げる程防御力を上げるより完全に防ぐ方が重要になってくる事などから、最終的にはガーダー一択になってしまう。
    • 高難易度ではしっかりと防御力を高めたユニットであれば盾の発動である程度耐えられはするが、それ以外へ攻撃が飛んだ場合には盾が発動しても一撃で戦闘不能になることがほとんど。
      • それもあってガーダーを使えない両手武器や格闘のリスクが高まっており、特に壁役は高難易度では片手武器にする事がほぼ必須。両手武器(体術)は全体的に高火力にはなっているのでそれでも選択肢には入るものの、難易度を上げる程肩身が狭くなっていく。
  • 全身鎧が不遇。
    • 原作では服との重ね着で欠点を補い合ったり、3枠しかない防具枠を1つ取るだけで得られる総防御力が利点だったが、本作では重ね着できなくなり装備するだけで頭・身体・腕・脚の4枠が埋まってしまうのが難点。特に装備部位ごとの防具によるステータス補正が得られないのが、かなりの向かい風。
    • 開発で作成可能な全身鎧がはっきり言って弱い。開発にはそれぞれの土台となる頭・身体・腕・脚の防具を使用して作成するのだが、なんと完成品の全身鎧を一つ装備するより、土台となった防具をそれぞれ別個に装備した方が強いのである。これによって原作で頼りになったハルモニアスーツの立つ瀬がまるでなくなってしまった。
    • 辛うじて個別のステ補正つき防具がない時期や、一部の耐性等を備えてる物はそれの活用、重さを活かして順番操作…などで局所的に使えなくはないが、優秀なステ補正防具や状態異常対策が充実した中盤以降はアイテムコンプ目的以外では立場が厳しい。
  • 大技の演出について
    • 技・術の演出は上述の通りほんの数秒のエフェクトで終わるものが大半だが、剣技の「不動剣」大剣技の「乱れ雪月花」と「無明剣」、体術の「千手観音」等、最強クラスの技には演出時間が長めの物が割とある。
      • 演出自体は悪い物ではないのだが、高威力の技は終盤に使用する機会も多くなるので、何度も使用していると演出時間の長さが気になってくる。
      • 一応、「無明剣」等の一部の技は、連携に組み込む位置によっては演出が短くなったりはする。
  • 陣形に関する問題
    • 大量に増えた陣形がほとんど意味がない。
      • 全クラスで陣形を入手できるようになった事で選択の幅が広がってはいるが、それはオリジナルまでの話。
      • ベリーハード以上は敵の攻撃が激しくなりすぎるため、受け性能の優秀な鳳天舞の陣など数える程度の優秀な陣形から選択する程度になってしまう。
    • 既存の陣形の調整もややきつめの物が目立つ。
      • ムー・フェンスはすばやさが落ちる問題はなくなり体術等も使いやすくなったかと思えば、行動前防御ではなく防御力上昇という形になったため、受け性能が重要な場面で起用したい陣形なのに高難易度になる程敵の攻撃が激しくなって防御力の上昇では耐えられなくなるという本末転倒な結果になってしまっている。ただ行動前防御だと「ガーダーと組み合わせると75%程度の確率で防御可能な攻撃がノーダメージ」になってしまうので仕方ない部分もあるが。
      • ラピッドストリームは全員最速で行動し素早さも上昇する陣形になったが、アップするのは素早さだけなので体術以外の攻撃力が上がらず、デメリットも行動後スタンから盾発動率低下まで緩和されたがそれでもやはり防御面が甘い。
        行動順固定かつ攻撃力アップの能力を持つ龍陣や稲妻の先頭に必ず先制の取れるアビリティ「先手必勝」を装備させた上に次ターン初回行動になる「瞬速の矢」を使い続ける事で疑似的にラピッドストリームを実現できるというコンボがあり、こちらなら攻撃力アップと先頭以外はガーダーが使えるという都合上、ラピッドストリームはかなり利点の薄い陣形になってしまった。
        一応、メンバーのステータスに寄らず確定で先制を取れる、先頭の武器種を選ばない、BPを常時すり減らさないなど、雑魚戦において安定して先制して有利を取る使い道自体は出来るので陣形の少ない1周目であれば出番はあるものの、陣形が揃った後では「敵がラピッドストリームの陣形を使用してくる時にこちらもラピッドストリームで対抗する」という使い方くらいしか出番はない。
  • 調整されてもなお使い道の薄い一部の術
    • 術は全体的に調整が入り、ある程度の使い道が出来たものが多いのだが、やはり使い道がほぼないままの術もいくつかある。
      • 原作で特に使い道のなさが目立ったヴォーテクスは、ノエルが消去対象である幻体戦士法を使用するようになったのでそれを一発で消せるという使い道は出来た。しかし、逆に言えばそれしかなく、幻体も普通に倒す事で対処も可能。味方の強化効果も消すというデメリットもそのままなのでノエル戦限定の使いづらい対処法にしかなっていない。
      • 風神剣等の武器を作る術は装備欄圧迫の解消も含め、使用ターンは武器を作り出し通常攻撃、以降は技欄から専用の技を使用可能という効果になったのだが、短いターンで終える雑魚戦においてはわざわざ1ターンかける手間のデメリットが大きく、ボス戦においては1ターンかけてまで使用したい技がほぼないという物ばかり。いっそ以前までの作ったらそのままの方がいくつかの技は雑魚戦で使えたら便利だったのだが…。
      • 混乱を与えるのみのプリズムライトは混乱効果の仕様変更(確率でランダム対象にランダムな行動をする)により、味方側が使っても行動阻害の面では頼りなく、むしろ敵勢力レベルが低い時には自重する攻撃を使う危険まで出てくる。
      • 他に原作では使い勝手の良かった「金剛盾」等、調整されてしまった結果、逆に使いにくくなってしまったという悲しいものも存在する。

その他システム面

  • 周回プレイでの引継ぎ要素の選択が不可能
    • 周回プレイでは引き継げるものは全て引き継いだ状態でしか始める事が出来ず、図鑑だけ引き継いで難易度オリジナルをやり直すといったプレイが出来ない。
      • 元々、原作には周回プレイはなく、リマスター版でも簡易的な物しかなかったが、近年のサガシリーズの周回プレイ時はある程度引き継ぐ項目を選んで周回プレイ出来ただけに本作で不可能なのは不便に感じやすい。同年発売された『サガエメ』は引き継ぎするものを細かく選べる様になっていたので残念なところである。
    • 特に高難度になって来ると見切りに関しては覚えていないとかなり辛い戦闘も多く、覚えるのを期待して戦闘を行い返り討ちにあってしまうこともままある。
      • 見切りの習得は敵依存の要素が絡み習得に手間がかかる都合上、任意に引き継げるかどうか選べる様にしても良かったのではないかと思われる。
  • フィールドマップのアクション要素
    • 本作では昨今の3DマップのRPGのように走り回り、ジャンプで飛び越え、梯子等を登るといったアクション要素があるのだが、一部の宝箱の入手やギミックの解除には狭い足場をジャンプで渡っていく必要があり、アクション要素が苦手な人にはきつい要素になっている。
      • モンスターを避けながら行うのは大変でも一度周囲のモンスターを一掃してしまえば解決はするし、ゲーム進行に必要な箇所でアクション要素を求められる事はほとんどないが、魔道士の砦等、狭い足場でダッシュジャンプを行わないとギミック解除できない場所等もあり、何度もやり直させられた人も多い。
      • 他にも焦った操作での滑落を狙うような狭い足場を渡るような場所もあり、落ちると結構な距離を再度やり直しさせられる。
    • また、3D化した事で繋がりが分かりにくくなっている箇所等もあり、立体的な視野も求められる。何度も繰り返し落ちて覚えるのも可能ではあるが。
  • オート装備の不便な点
    • オート装備はある程度は方針に沿った装備に変えてくれ、かなり信頼できる機能ではあるのだが、一部の装備品は使いづらい割に優先的に装備されるため、ある種呪いの装備のような扱いを受けている。
      • 特に名指しされやすいのがワンダーバングル。弓攻撃のみ100%無効化するガーダーで、その100%という数値だけが重視されてかなり優先度の高い装備になっているが、防げる対象が限られる上に重量も5と重いため常用したい装備ではない。オート装備をする度に付け替える事になるためかなり邪魔な装備だが、状況次第では有用な装備で店売りもしていないので売り払う事もしにくい。
    • こういう問題点もある以上、オリジナルの倉庫機能を残して欲しかったという声も聞かれる。
  • Switch版のみ読み込み時間が長い
    • 本体の性能の問題で他のゲームでも良く起きる事だがやはり本作でもSwitch版は読み込み時間が気になるくらいにある。
      • 敵との戦闘開始時等は多少引っかかりを感じる程度で済むのだが、別のマップに入った際の読み込み時間は数十秒待たされるのでかなり気になる。大抵の場面では一度読み込めばそのマップにいる限りそこまで長い読み込みもないのであまり困らないのだが、各地を転々とするような場面では頻繁に待たされる事になる。特にレアアイテムのドロップや図鑑埋めの為に何度も同じマップに入りなおす際には一度別のマップへ行き、その後入りなおす2回共に読み込み時間が発生するのでかなりきつい。
  • フリーズ・強制終了関連
    • ハシゴやツタを登っている最中にエラーによる強制終了が発生することがある。
      • とりわけ、アバロン内のシーフギルドの墓地側に戻るハシゴで強制終了が発生しやすい。ファストトラベルの都合上このハシゴを利用することはまずないが。
+ アップデートで改善された問題点
  • 一度でも仲間に加入させて、年代ジャンプ前に仲間から外した状態の各クラスのキャラクターが一巡して再登場したとき、パーティー外成長とマスターレベル反映が二重に適用されてしまい、HP・BP・武器レベルが通常より大幅に高くなってしまうバグが存在した。
    • ステータス上限のHP2000・BP500を超えて成長することもある。
    • 外した時に減少していたLPも反映されてしまっていた。

その他軽微な問題

  • 帝国試験に投了機能がない
    • 帝国大学で受けられるクイズだが、途中で諦める機能がないので、早々にノルマ未達成となった場合にすぐやり直しが出来ず、すべて終わるまで待つかゲームを再起動するしかない。
      • 最初の内は全7問なのでそこまで問題にはならないのだが、後半になってくると全20問にまで増えるので、これで早々に3問間違えた場合、かなり待たされる事になる。

総評

原作リスペクトと大胆刷新という一見両立困難な要素をハイレベルで実現した一作。
幅広い難易度設定や豊富なやりこみ要素から周回プレイの楽しさも生まれており、シリーズファン、新規プレイヤーの両方から圧倒的な高評価を産むに至った。
ある意味原作の持ち味だった尖った部分を調整された件については批判的な意見もなくはないが、総じて原作ファン・新規層どちらにも強くお勧めできる傑作リメイクといえるだろう。


余談

  • 七英雄の中で、ロックブーケの攻撃時の台詞に「にゅっ!」という音声があるが、これは担当声優の早見沙織氏によるアドリブとのこと。台本では「やぁっ!」だったらしい。
    • 同様に、Lynn氏演じる最終皇帝(女)のセリフの1つが「終わりや!」と関西弁のように聞こえると話題になったが、こちらも台本では「終わりよ!」だったとのこと。
  • メニューを開くと毎回皇帝が玉座に座り直すシーンがあるが、実は元々はバグであり、本来はメニューを開いた時点で最初から座った状態になるはずだったとの事。しかしテストプレイで好評だったため、仕様として残すことになったらしい。
    • 両方とも結果的に好評な要素となった。
  • 公式X(旧Twitter)では一日一回ずつゲーム中に登場する要素を紹介する#ロマサガ2Rしりとりゲーム紹介が投稿されている。
  • 実績にルドン高原で皇帝が死んだ場合に解放されるものがあり、名実ともに「ルドン送り」が公式化された。
    • ただ、本作ではダンジョンをクリアしても敵が残ることが多くなったため、わざと謀殺して継承する際はルドン高原に向かうよりも、近場のアバロン下水道に送って謀殺する通称「下水送り」が効率が良いとされる。 ルドン送りより余計酷い俗称である…。
    • 同じ様に原作でネタにされていた要素を実績として搭載されたものに「んらん?」なんてものもある(原作で本来「こんらん」と表示されているところが、フォントの癖のせいで「とんらん」に見えるとよく言われるネタ)。ご丁寧に実績の画像にはその古いフォントで「こんらん」の文字が入っている。
  • 原作では攻略本に覚えることが可能と書かれてしまっていた為に、多くの悲劇を生んだ技「ライフスティール」。なんと本リメイク作において遂にこちらも使用可能な技となった。最終盤にならなければ入手出来ない武器の固有技ではあるが成功すればLPを吸収出来るという夢の様な技(原作と同じくリメイク版もLPは宿で寝ても回復しない等、後のサガシリーズよりも回復が難しい)を使用出来ることに多くの原作経験者を感動させた(?)と思われる。ちなみに原作の攻略本では小剣技となっていたがリメイク版では弓技である。なお、LP回復は冥属性という扱いらしく、耐性があると回復出来ないという穴がある。そのためアビリティで冥属性耐性が固有になっている陰陽師はこの技でLP回復が出来ない。
    • ちなみに相方(?)のトリプルヒットは残念ながら覚えられないままであり、敵専用の技。
    • 他には一応攻略本の情報通り閃けるのだが、閃くのが異常に困難であり、内部的には「爪技」という括りになっていたらしく、技アイコンがバグって道場に登録出来なかったベルセルクは普通に閃ける様になり、体術扱いになったので道場に登録可能になった。
    • 細かいところでは「地獄爪殺法」の見切りも道場に登録可能となった。原作では有用な見切りだったが、「爪技」のために見切ったタイミングによっては内部的に道場に登録されたという扱いになってしまい、すでに見切ったキャラ以外習得出来なくなってしまうという難点があったが、これにより使い勝手が増した。
    • なお、コレクターズエディションには原作の基礎知識編の攻略本が付属しているのだが、ライフスティールとトリプルヒットは覚えることが可能と誤植されたまま。勘違いした新規プレイヤーがいないか心配である。
  • 本作のボクオーンの人間時代の姿は従来の老人ではなく、『LORD of VERMILION Re:2』に登場した際に別バージョンとして描き下ろされた若い美青年姿の容姿が参考にされているが、企画段階では原作当時に小林氏の描いたものや漫画版を参考にした老人形態も考えられていたとのこと(公開されている設定資料等に老人姿のデザイン案の絵が載っている)。
    • しかし過去編を描くに当たって老人姿では「威厳がありすぎる」とのことで、最終的には青年姿が正式採用された。これは河津秋敏氏のオーダーによるもの。
  • 最終皇帝(女)とアマゾネスのクリームヒルトはよく似た髪型になっているという、狙ってやったのかは定かでは無いが漫画版を知っているとニヤリと出来るデザインになっている。
  • 直近の『サガエメ』にて『ロマサガ2』由来のモンスター等が多く登場していた為に、発売前は本作に使い回されるのだろうと邪推されたが、実際にはモチーフは同じでもそれぞれ別のモデルで作られているので安易な使い回しは行われなかった。サントラのコメントによると、本作と『サガエメ』はほぼ同時に開発していたと思われるので、あくまでも参考にした程度だったのだと思われる。
  • 本作独自の変更点として、メインキャラクターがジェラール(白服)に交代後、クジンシーを倒すまでは次代の皇帝へ継承を行うことはできなくなった。レオン時代と同様に全滅するとそのままゲームオーバーorやり直しになる。
    • 原作ではレオン亡き後、ジェラールに受け継がれた時点で伝承法が機能しており、すぐにジェラールが戦死しても次の皇帝に移行することが可能だった。そのため、序盤の皇帝選択の自由度が少しだけではあるが下がったとも言える。
    • しかし代わりにジェラール時代の演出が強化されており、この間はジェラール自身のボイスも多く、序盤における彼の王道主人公らしさがアップしている。
      • 原作ではドット絵の外見から「パジャマ」と言われがちだった白服も、3Dで表現された本作では同じく白を貴重としながらも王族として遜色ない高貴な衣装となっている。
      • また、詰み防止の為にクジンシーを倒すまではソウルスティールの見切りを封印できないようになっている。
      • クジンシーを倒すと原作通り金鎧にグレードアップするのだが、戴冠式の際に父レオンの幻影が現れ、正式に即位して皇帝の座を受け継ぐという凝ったイベント演出となっている。
    + 一部、ゲーム進行上のネタバレあり
  • ただ、金鎧になってからは皇帝継承が自由となるため、ジェラール自身のイベントボイスがなくなり、さらに本作で追加されたシナリオのガイドライン誘導に従って攻略していくと、運河要塞クリアで突然年代ジャンプが起きるという事態が非常に発生しやすい。
    • これは原作でも普通に攻略していくと起きやすい事態ではあるのだが、前述のように本作では演出面で主人公度がかなり強化されたジェラールがシティシーフのキャットをいざ仲間にする…、というタイミングで突然打ち切りのように時代が飛ぶということになりがちなため、ジェラール関連が演出強化されたことで所謂「ジェラールロス」になる初見プレイヤーが続出することになった。
    • 勿論、金鎧ジェラールになってからは自由度が格段に跳ね上がるため、ガイドを無視して上手くやれば上記の年代ジャンプを起こさずにジェラールのまましばらく冒険を続けることも可能。今作で追加された踊り子を最速で出現させるために「ジェラールを海に沈めて人魚と駆け落ちさせる」というプレイさえ行える。
  • 七英雄の記憶に登場するある人物について
    • 彼らが何故英雄から堕ちたのかが判明し、その内容自体は元からあった設定や各種媒体で設定されていた物をまとめたような形なので大筋は問題ないのだが、ある人物については不快なままで終わるため「有料DLCでもいいからその人物を成敗したい」という声も上がっている。
      + 詳細(七英雄の記憶についてについてのネタバレあり)
    • 問題となるのは「大神官」という人物
      • 平和を取り戻した世界に存在する英雄は自らの立場を危うくするのではと考えた彼は、七英雄を罠に嵌め異次元に追放。七英雄は復讐の為この世界に戻って来た、というのが物語の大筋なのだが、この元凶となった大神官については七英雄を追放したところまでしか描写がない。ゲーム内で描写されている範囲内ではやり逃げに成功して終わりであり、非常にスッキリしない。
        • 一応、各メディアミックス作品を考慮すると大神官(そちらでは「教皇」と呼ばれている。)は複数の強力なクィーンが覇権を争っているというかなり悲惨な世界に転移しているのだが、そちらでもこの人物は暗躍しており、どのような結末になるかはまだ不明なままである。
  • (アップデートで修正済)「デバッグキャラクター」の出現
    • 体験版及びアップデート前のソフトでは、最序盤のオープニングイベントで特定の操作を行う事でデバッグ用の顔以外真っ黒な見た目のキャラクター(通称:ハゲタイツ)が加入するバグがあった。強力な装備や技を所持しており、文字通りデバッグ用に用意されたデータで、開発中のアクセス方法の消し忘れと思われる。
      • このバグを行うと世界中のすべてのマップが解禁されるデバッグモードに突入するが、同時に全てのイベントフラグが進行しなくなり、ボス戦等も一切行えないため、ゲームクリアは不可能になる。つまり、単に世界各地の観光を行えるだけのネタセーブデータと化す。
      • 通常プレイでも起こりうるが誰でも発生するような条件ではなく、バグが発生するのが最初期限定でやり直しも容易、発生後はゲームクリアが不能になるという事もあり、実害はほぼなかった。しかし、その見た目があまりにもインパクトがありすぎたため、ネタ的な意味で広まった。
      • バグには違いないため、1.0.2アップデートの際に名指しで出現しないよう修正された。なお、既に出現済のセーブデータを残していれば一応はその後も使用可能。
  • 受け継がれし(?)プロレスネタ
    • もともと格闘家の名前はプロレスラーからとられている、とプロレスをリスペクトした様なキャラクターであったが、3Dになりアクションが多彩になったことにより、よりレスラーを意識した様なキャラとなった。特に皇帝にした時にフィールドを走っている姿は まさに「獣神サンダーラ◯ガー」の様だ とプロレス好きから好評の様である。
最終更新:2025年02月26日 17:29

*1 強いて言えばクイックタイムを使うと次ターン以降行動順が変化するというのはある。

*2 例えばマスターレベルがすべて10の状況でクラス「フリーファイター男」の1番手である「ヘクター」を仲間にした場合、ヘクターの所持技能は大剣と斧が+2、地術が-6なので、大剣と斧が12、地術が4、他は1というステータスとなる。

*3 8人目のみ弓技能があるインペリアルガード男等

*4 有名なのは運河要塞を開放してミラマーまで発展させないとせんせいが出てこない南バレンヌと、特定条件でイベントがすべて消滅する上に、その消滅するイベントで訪れるダンジョンにせんせいが存在するナゼール。

*5 通常の次元断は一定確率で即死発動だが、閃いた場合は100%即死が発動する。そして「本人が覚えておらず、技道場に登録されない技は閃ける」という条件を利用し「8つ目まで枠を埋めておく→次元断を閃く→即封印」を繰り返す事で、技登場に登録される条件である年代ジャンプを起こすまで使い続けるテクニック。

*6 データロード時のあらすじにも最新の内容が反映される。

*7 厳密には受注した時点でアバロンの倉庫に送られる

*8 ちゃんとサイコバインド→サイコくし刺し→サイコくしテンプテーションと、味方同様にだんだん技名が変わっていく。左のこれは七連携目の物。

*9 くし刺し、テンプテーション、ソウルスティールは見切り、ポセイドンシュートと赤竜波は炎の壁、マリオネットはクイックタイムで無効化。サイコバインドの麻痺は耐性でカバー可能。

*10 しかし原作ではパリイの成功確率が素早さ依存だったため実は相性が悪い。本作は技パリイもオートパリイも一定確率なので相性も上がっている。

*11 原作では多くの兵士が言っていた台詞だが、本作ではある特定の兵士のみが言う隠しセリフ的な物になっている

*12 漫画版でも固有キャラ扱いになっており、かつて傭兵時代にヘクターと関わりがある設定で、彼を監禁・拷問してボクオーンの配下に勧誘するという見せ場を与えられていた。

*13 特定条件でこのイベントが未遂になってしまい加入失敗自体は残っている。

*14 ノエルの部下はノエルから新しい身体を貰ったことを自慢するのだが、河馬人間は文字通り河馬の口の中に人間の顔があるという珍妙としか言いようがない外見。

*15 原作ゲーム内のドット絵が小林氏の絵と乖離しているため、ドット絵しか見ていないと逆に面食らう所はあるが。

*16 元のままだと各モーションをネレイド一人だけのために作る必要が出てくる。

*17 もっともアマゾネスに関しては、キャラ名のモチーフが戦いで強い印象のある歴史上の女性という括りになっているので、違和感がないとの意見もある

*18 ロード中に出てくるドット絵が、ロード完了時に見せるキックっぽいポーズがそれである。

*19 水の中にいるネレイドとタームを知っているモール