御伽活劇 豆狸のバケル ~オラクル祭太郎の祭難!!~
【おとぎかつげき まめだのばける おらくるさいたろうのさいなん】
|
ジャンル
|
3Dアクション
|

|
|
対応機種
|
Nintendo Switch Windows(Steam)
|
|
発売・開発元
|
グッド・フィール
|
|
発売元【Win】
|
スパイク・チュンソフト
|
|
発売日
|
【Switch】2023年11月30日 【Win】2024年9月3日
|
|
定価
|
5,280円(税込)
|
|
プレイ人数
|
1人
|
|
レーティング
|
CERO:A(全年齢対象)
|
|
判定
|
良作
|
|
ポイント
|
元『ゴエモン』スタッフによる和風アクション
|
|
コロコロコミックシリーズ
|
概要
グッド・フィールが開発し、自ら販売した和風アクションゲーム。
グッド・フィールといえば創業時からの主要メンバーは、かつて『がんばれゴエモン』シリーズを作っていたスタッフとして知られる。
そんな彼らが作った「新作和風アクションゲーム」という事で、本作は発売前から「ゴエモンの精神的続編」と見られていた。
Steamではタイトルが削られ『豆狸のバケル』として配信されている。
特徴・システム
-
主人公「バケル」の武器は「払羅太鼓(はらだいこ)」。攻撃は両手の「バチ」を使う。
-
攻撃ボタンはL、Rボタンを使うちょっと珍しいスタイル。左右で使い分けたり溜め打ちもできる。
-
なお発売初期は溜め打ちは1種のみだったが後にアップデートで新たに2種追加された。ゲームをある程度進めると解禁される。
-
ZRボタンを押すことで、太鼓によるガードが行える。タイミングよくガードすればジャストガードで攻撃をはじき返せる。攻撃を受けすぎると一定時間ガード不可になってしまう。
-
Yボタンでドッジロール(前転)による回避もできる。これもタイミングよくやればジャスト回避で間合いが取れる。
-
Yボタンを押しながら移動でダッシュもできる。
-
ゲームを進めていくと「変化(へんげ)」が使えるようになる。全4種類。
-
イッスン変化:体が小さくなり、狭い所を通れるようになる。軽い体を活かしたホバリングもできる。ただし攻撃はできなくなる。
-
キンタロウ変化:攻撃力が高くなる。硬い敵に効果的。
-
ウラシマタロウ変化:釣り竿による中距離攻撃。圧倒的手数による連続攻撃で多数の敵に効果的。
-
モモタロウ変化:銃による遠距離攻撃。変化中は移動スピードが上がる効果もある。
-
変化には「バケルギー」が必要で、変化中に減っていく。バケルギーは敵を倒すと落としていく。
-
各ステージにはゴール地点となる「お祭りタワー」が存在するが、最初はバリアが張られていて近づけない。
-
そのためステージ道中にある「邪気提灯」と呼ばれる大きな提灯(ちょうちん)を破壊しないといけない。3個壊せばバリアが消える。
-
ちなみに提灯はステージに3個より多く用意されている事も多く、4個目からは破壊するとお金が手に入る。
-
最後にお祭りタワーの太鼓を叩きまくればステージクリア。基本はこの繰り返しである。
-
なお現在はアップデートで大型の敵「提灯ボス」が追加されている。中ボスのようなもので、倒すと邪気提灯を落とす。
-
ステージは通常のものに加え、特殊なステージも多く用意されている。
-
レース:制限時間内にゴールするのが目的。
-
シューティング:奥に向かって進行し、現れる敵をショットやビーム、ボムで撃退する。
-
巨大ボス戦:巨大ロボ「文福(ぶんぶく)」を操縦して巨大ボスとのタイマン勝負。
-
コロコロ島:アップデートで追加された、コロコロコミックとのコラボステージ。やる事は通常ステージと変わらないが、敵がコロコロのキャラお面をかぶっている。ゲームクリアには関係ないおまけ要素。
-
なお高難度版の「コロコロ島・極」も存在。今作最高難易度の極悪ステージだが、ゲームクリアには関係ないのでやりこみプレイヤー向け。
-
ステージには色々隠し要素も存在する。
-
おみやげ:1ステージにつき3個隠されている各地の名産品。
-
うんちく:「ウンチク」というキャラが1ステージに5か所隠れている。話しかけるとちょっとした知識を教えてもらえる。
-
隠れタヌキ:ある程度ゲームが進むと解禁される。いくつかのステージにタヌキが隠れているが、タヌキも化けているため見つけるのは難しい。
評価点
-
明るくコミカルな世界観。仕掛けも多く用意されており、見ているだけでも楽しい。
-
操作性も良好で、単純な操作でいろんなアクションが出せる。
-
純粋なステージ数は多めで、なかなかのボリュームを誇る。
-
ステージのほとんどは実在の47都道府県がモチーフ。各々の地域をイメージした個性豊かなステージも多い。
-
ちょくちょく挟まれる特殊ステージも、ゲーム進行のいいアクセントになっていて飽きにくい。
-
同じ通常ステージであっても、雑魚ラッシュ、ひたすら走る、ジェットコースターなど変わり種のステージがあり、ステージのバリエーションは豊か。
-
ライフの上限を増やせる「いのちのせんべい」や体力がゼロになった時その場復活できる「みがわりくん」など、強力なアイテムのおかげで難易度はさほど高くない。
-
一方でこれらのアイテムを縛れば、それなりに苦戦する絶妙な難易度バランスとなっている。
賛否両論点
-
作中ではおとぎ話の有名人であるキンタロウ・ウラシマタロウ・モモタロウが登場する。
-
キンタロウは割とイメージ通りのキャラだが、他の二人は世間一般のイメージとはだいぶかけ離れたキャラになっている。モモタロウのセリフから察するに恐らく意図的なもの。
-
良くも悪くも印象は強く覚えやすいキャラではあるが、「好きになれるか」というとそれは別問題である。
問題点
-
Yボタンを押しながら移動でダッシュができるが、同時にYボタンはドッジロールも発動してしまう。
-
ダッシュしようとしてドッジロールが発動→落下死はたぶんこのゲームのプレイヤーなら一度は経験していると思われる。
-
右スティックで視点を変えられるが、一発でバケルの後ろに戻す機能はないため時折面倒な時も。
-
ゲーム中盤から「七草姫」という七人の姫が登場するが、正直影が薄くて印象に残らない。
-
隠れタヌキはある程度ゲームを進めてから解禁されるのだが、解禁以前にクリアしたステージにも隠れタヌキが配置されるため探索が二度手間になる。
-
ボス前には会話イベントと短いムービーがあるのだが、負けて再戦する時にもまた同じイベントが入るので面倒。一応スキップは可能だが…
-
巨大ボス戦は中盤に集中しており、ストーリーが佳境に入る終盤には用意されていない。ストーリーの重要な局面で巨大ボス戦がないのは寂しい所。
-
コロコロ島では敵キャラがコロコロのキャラお面をかぶっているが、実際は『でんぢゃらすじーさん』と『ケシカスくん』の2種のみでバリエーションが少ない。
-
かわりにバケルがかぶるお面には多くのコロコロのキャラお面が用意されている。
|
+
|
ちょっとだけストーリーのネタバレがあるので格納
|
-
ラスボスでもある今作の黒幕にいまいち魅力がない。
-
やたら派手でゴテゴテしていたオラクル祭太郎の後ではあまりに地味。
|
|
+
|
アップデートで改善された問題点
|
-
ステージ内での「おみやげ」「うんちく」の獲得状況を確認したい場合、動きを止めて少し待たないといけないので、テンポが悪かった。
-
現在はステージ内でポーズメニュー画面を開いたときに、獲得状況が表示されるようになった。
-
邪気提灯を破壊するたびにバリアが壊れていく演出がいちいち入るので、テンポが悪かった。
-
Ver2.0.0で最後の3個目を破壊した時のみ演出が入るようになった。ただしチュートリアルステージの徳島は除く。
-
ウラシマタロウ変化が他の変化より明らかに強力で、若干バランスブレイカーだった。
-
Ver2.0.0で各変化の性能が調整され、変化間のバランスは多少マシになった。
-
取ったおみやげの名前と解説を後から確認できなかった。特に巨大ボス戦クリアで獲得したおみやげはその場で見られないため、この仕様は大きな問題だった。
-
現在は獲得済みのおみやげの名前と解説を確認できるようになった。
|
総評
子供にも親しみやすい独自の魅力を作り出す事に成功した作品。
ゲーム性には若干クセがあるものの、初心者を突き放すほどの物でもない。
比較的万人向けの誰でも楽しめる良質な和風アクションとなっている。
余談
-
巨大ロボに乗り込んで戦うボス戦がある事、しかもこちら側の必殺技が「連続パンチ」と「ビーム」になっているあたり、やはりゴエモンを意識したと思われる部分がある。
-
ゴエモンインパクトと違い自分からボスに接近できるという地味ながら大きな改善点もある。
-
一方でおバカなシナリオがメインのゴエモンとは違い、ストーリー終盤は少しシリアスな展開になるなど、ゴエモンとは作りが異なる点もちゃんとある。
-
ゲームに合わせ月刊コロコロコミックにて2023年9月号から2024年10月号まで漫画版が連載された。単行本は全三巻。
-
掲載紙からすると児童向けアレンジ版に思えるかもしれないが、実際の中身はオリジナル展開を交えつつゲーム版のシナリオの物足りない部分を補完したストーリー完全版と言える内容で作画も良好なため、ゲーム版をプレイした人にはぜひ薦めたい。
最終更新:2025年11月05日 00:05