このページはVer.1.5.0(2022年8月3日更新)を基準にしています。
パワプロクンポケットR
【ぱわぷろくんぽけっとあーる】
ジャンル
|
野球バラエティ
|

|
対応機種
|
Nintendo Switch
|
発売元
|
コナミデジタルエンタテインメント
|
開発元
|
コナミデジタルエンタテインメント アクセスゲームズ
|
発売日
|
2021年11月25日
|
定価
|
5,995円
|
プレイ人数
|
1~4人
|
レーティング
|
CERO:B(12才以上対象)
|
判定
|
なし
|
ポイント
|
事実上『パワポケ1・2』の再リメイク 全体のボリューム不足や細かい出来の粗さが目立つ サクセスモードの移植内容はそれなりに好評 実在NPB球団は収録されず 不人気で需要がない新モード「サイバーバル」 野球部分などシステム面は『パワプロSwitch』準拠
|
パワプロクンポケットシリーズ
|
ぶっとび! おどろき!
野球バラエティーゲーム!! ぶっ球ゲ~!
概要
2011年発売の『14』以来となる10年ぶりの『パワプロクンポケット』シリーズ作品。
2021年6月のニンテンドーダイレクトにて発表され、一時はTwitterでトレンド入りするほどの話題となった。
レーティングはシリーズ初のCERO:B(12歳以上対象)。
内容は『ポケット』と『ポケット2』のサクセスにいくつかのモードを加えたものとなっており、GBA向けリメイク『ポケット1・2』をSwitch向けに再リメイクしたもの。
サクセスは『実況パワフルプロ野球5』の外伝でもあるが、本家は『7』から世界観を一新したため、現在の本家とはパラレルワールドの関係になっている。
特徴
全体
-
NPBのライセンスを取っておらず、パッケージには「阪神甲子園球場公認」と書かれている。
-
選手の基礎能力、特殊能力の仕様および野球部分はSwitch版『実況パワフルプロ野球』(以下パワプロSwitch)をベースとしている。
-
本作には猪狩兄弟、松倉などパワプロシリーズのキャラが登場するが、本家とは異なる独自のデザインが与えられている。
-
基礎能力ランクのフォントはパワプロの流用ではなく、作り直されている。
サクセス
-
GBC/GBAで発売された『1』『2』をSwitchでリメイクした内容であり、テキストの内容は一部(原作からの変更点参照)を除きほぼそのままである。
その他
-
新育成モード「サイバーバル」を搭載。
-
戦車で敵を倒して野球人形パーツを集め、野球人形を組み立てるモード。
-
「サイバーバル」が本作唯一のオンライン要素であり、野球の対戦はオフライン限定。
+
|
サイバーバルのシステム詳細
|
-
マシンカスタムでは「マシンの種類」「サポーター」「アビリティ」を選択する。
-
マシンの種類は「バード」「グリズリー」「ガウル」「サラマンダー」の4種類があり、それぞれに「アルファ」「デルタ」「オメガ」という下位区分がある。バードのアルファ以外は特定のステージをソロプレイでクリアすることにより解放される。
-
サポーターはキャラごとに攻撃力の強化や体力回復等の「SPスキル」が設定されている。SPスキルはSPゲージが満タンになったときに使用できる。
-
アビリティは進行方向に高速移動する「ブースト」、一定時間無敵になる「シールド」、放射状に衝撃波を放つ「インパクト」があり、一定時間経過するごとに使用可能になる。
-
フィールド上の敵を全滅させることによりステージクリアとなり野球人形パーツに加え「CP」というゲーム内通貨を得ることができる。
-
CPはマシンの強化、サポーターの入手、アビリティの強化、野球人形パーツの購入に使用できる。
-
ステージごとに設定される「サイバーチャレンジ」を達成することで特殊能力パーツを入手できる。
-
ステージは1-1~5-10の50種類があり、X-1~X-10の10ステージを全てクリアすると「エリアクリア」となり、タイムや受けたダメージなどに応じてスコアが決定される。
-
スコアをオンラインで送信することによりランキングを確認できる。
-
マルチプレイの場合、ステージ内で倒した敵の数など、特定の数値が最も良かったプレイヤーはMVPとなりマシンの性能が強化される。
|
アップデートでの主な変更点
Ver.1.1.0(2021年11月25日更新)
Ver.1.2.0(2022年1月6日更新)
-
紀香ループ(紀香が彼女のときに長期間病院から出られなくなる現象)の修正。
Ver.1.3.0(2022年3月15日更新)
-
サイバーバルのオンラインプレイ時のみ、獲得できるCPが増加。
Ver.1.4.0(2022年4月15日更新)
-
元メジャーリーガーのイチロー氏とのコラボを実施。選手データの収録に加え、サイバーバルでサポーターとして使用可能。
Ver.1.5.0(2022年8月3日更新)
-
サイバーバルのオンラインモードに関する規約の改定。
原作からの主な変更点
全体
-
事実上のリメイク元であるGBA版『1・2』には存在した「ペナント」「キャンプ」モードは削除されている。
-
NPBのライセンスを取っていないため実在NPB球団は登場せず、代わりに架空球団が収録されている。また、NPB関連のテキストも修正されている(パリーグ→パワリーグ、セリーグ→ポケリーグ、クライマックスシリーズ→セミファイナルシリーズ、日本シリーズ→ファイナルシリーズ等)。
-
しかしどういうわけか「極亜久高校編」の彼女キャラである「マリコ」のデートイベントで「しんじょー」「広島-阪神戦」「清原」「ジャイアンツ」「まつざか」など、NPBに関して言及される箇所はそのままになっている。
サクセス共通
-
リメイク作品の御多分に漏れず、現代においては問題となる表現に修正が施された。具体的には「冬野」の試合前のセリフが「コロス」→「ユルサン」、畑山のミニゲームが「殺人クワガタ」→「地獄クワガタ」、対戦校の「身砕流北(ミサイルきた)高校」→「美才流喜多高校」など。
-
美才流喜多高校については、キャプテンの「正金」も平仮名の「まさかね」表記となった。
-
高校とキャプテンの元ネタは原作発売当時に北朝鮮の指導者であった「金正日」であるが、漢字のままでは直接的すぎるので修正されたものとみられる。
-
再開時に中断データが削除される仕様に変更されているため、プレイ中に電源を切ることによるリセットは不可能になっている。
-
中断データは各サクセスに一つずつしか作れなくなっている。
-
交通事故イベントの一枚絵(道路でトラックに撥ねられて倒れる主人公)が削除されている。
-
なおドリルモグラーズ編におけるデートコマンドの際の交通事故の一枚絵は健在だが、アルバムには収録されていない。
-
ゲームレベル(難易度)を「エキスパート」「ノーマル」「ルーキー」「フレッシュ」から選ぶことができるようになっている(『1・2』では操作オプションのみが選択可能であった)。
-
ゲームレベル選択自体は原作後期においても導入されていたが、本作は近年のパワプロのシステムを流用しているため、原作後期の仕様とはやや異なる(サクセス共通の問題点参照)。
ドリルモグラーズ編
戦争編
-
ツキの初期値及び帰還時における体力とツキの回復量が増加している。
-
体力とツキの初期値及び回復量を原作に合わせたゲームレベル「クラシック」が追加された(Ver.1.4.0以降)。
俺のペナント
-
本家の「マイライフ」のシステムを流用したため、ペナルティ無しで無限回リセットできるようになっている。
評価点
全体
-
野球部分は『パワプロSwitch』をベースにしているため(ソース)、当然ではあるが原作よりも大幅にクオリティが向上している。
-
キャラのグラフィックとBGMのリメイクについては概ね好評。「ネロ」「木村」「狩村」といった続編で固有デザインを得たモブキャラにも後シリーズのパワターが与えられている。
-
狩村はモブから昇格した11の18年前ということを考慮されてか、その時の顔よりも大分若く作られている(この当時20代と考えると充分老け顔だが)。
-
猪狩兄弟のパワターも本家からの流用ではなく、当時のパワポケのグラフィックに合わせて目付きが悪くなっている。
-
GBA版『1・2』のタイトル画面の絵に合わせて「極亜久高校編」の主人公は目つきも悪くなっている。
-
パッケージやサクセスで挿入される一枚絵を担当したのはパワポケの生みの親と言える藤岡謙治氏が設立したドリル株式会社。氏は既にコナミを退社しており、「仮にパワポケが復活しても当時のスタッフがいないなら」と複雑な心境のファンが多かっただけに最高のファンサービスとなった。
サクセス共通
-
サクセスのゲームレベルを選べるため、野球のプレイスキルが低くても試合に勝つことは容易になっている。
-
ただし、モグラーズ編で「転生」を行うとゲームレベルが強制的にノーマルになる。
-
ランダムイベントの発生率が上がっているため、「アルバム」と「プロフィール」をコンプリートするのは原作よりも容易になった。
-
本作プロデューサーの山本拓氏によると、これは意図的ではなく『パワプロ』のスクリプトのシステムを流用した結果、偶然起きたことであるとのこと。
-
そのため問題点の項目に記されているような予期せぬ弊害も生じた。
-
特殊能力の取得が「コツ」の付与に変更されたため、育成の自由度が上がった。
-
近年のパワプロ作品に比べてサブポジション取得イベントが豊富。
-
原作に存在していた固定モブ選手は全員当時の名前とポジションで登録されている。
-
「アンソン&ドナルド」「アクメド」「蛇嶋」といった特徴的な能力のモブにやられたり、「金城」「黒崎」「後藤田」といったモブに助けられたり、先述のようにモブから主要人物になったりモブのまま再登場したりもシリーズの魅力なので、本家のような自動生成モブで済ませず当時のモブ達をちゃんと用意したのは好印象。
極亜久高校編
-
ミニゲームがプレイ方法によっては一部やり易い。
-
「あっちむいてバキッ!」はswitchのコントローラーを逆に持つと表示された方向をそのまま押せるので、難易度が大幅低下したという人も。
ドリルモグラーズ編
-
「転生」が通信なしで可能になったため、原作よりも手軽に行える。
-
原作では隠しパラメータ扱いだった「マニアポイント」の数値がデータコマンドから確認できるようになった。
戦争編
-
ツキの初期値が30→50に、帰還時の体力回復量が30→35に、ツキの回復量が5→6に増加しているため、序盤の難易度が緩和されている。
-
一見すると「戦争編」のコンセプトを損ないかねない措置にも思えるが、ランダムイベント発生率上昇による終盤の難化を踏まえればむしろ必要な調整であったと言える。
-
Ver1.4.0で追加されたゲームレベル「クラシック」では体力とツキの初期値及び回復値は原作と同じになっている。
-
「クラシック」は原作の難易度再現とされているが、実際はイベント発生率の上昇に伴う「爆撃イベント」やツキが低いときに起きる「帰りの船が潜水艦に襲撃されるイベント」「迎えが来ないイベント」といった死に直結するイベントの発生率が上がっているため、原作よりも難易度は上がっている。
-
呪い島に行くとプレイできる「地雷だドッカン」では、後年のシリーズ作品における地雷ゲームで追加された周囲8マスを一気に掘ることが出来る「回転掘り」が可能になっている。
サイバーバル
-
裏サクセスで採用されていたパーツ式育成システムであるため、球速175km/hや総変化量30以上の投手といった本家パワプロのサクセスでは育成しにくいタイプの選手が比較的作りやすい。
俺のペナント
-
マイライフのシステム流用によりリセット回数制限とペナルティが廃止されたため、単純に遊びやすさや育成のしやすさの面では向上している。
-
その気になればリセットを繰り返して最適化することができるが、極度に作業的であるため、それがゲームとして面白いかというと微妙。
賛否両論点
全体
-
実在NPB球団が搭載されていない。
-
パワポケもパワプロ同様にNPBの許諾を得て実在チーム・選手を登場させていたシリーズであり、事実上のリメイク元である『1・2』についても同様である。したがって、本作のNPB要素未搭載を「劣化」と解釈するユーザーもいる。
-
架空なら架空でそれぞれに特徴的な設定を付与するなどの方策も取れたはずであるが、そのような試みは一切なされておらず、単に「NPB要素を削っただけ」にしかなっていない。
-
一方で架空球団のチーム名は『パワポケダッシュ』のものがベースになっており、過去作の要素が活かされていることには評価の声もある。
-
「サクセス重視だから実在選手や球団には興味ない」という意見がある一方、「パワポケのチームやキャラを実在の選手と試合で戦わせたかった」「全く知らない架空の選手を操作して何が楽しいのか」という意見も少なからず出ている 。
-
なお、各架空球団とそれに所属する選手の中身は『パワプロ2020』の2021年度版11月時点での各NPB球団と同一であるため、選手能力を確認しつつ実在選手に紐付けて脳内変換すれば、一応プロ野球要素として味わうことは可能。しかしそれができるほどプロ野球に興味があるユーザーであれば、なおさら実在球団があった方が喜ばれたのではないだろうか。
-
原作の洒落がきいた特殊能力アイコンがなくなっている。
-
単純な見易さなら本家よりわかりやすくなっている他、アイコンには割と不謹慎なネタ(ミサイルの「牽制○」、キノコ雲になっている「一発」、サブマシンガンの「アベレージヒッター」など)や直球な下ネタ(「勝ち運」「負け運」、ここでは説明しない)も多かったので、そっち方面で配慮した可能性もある。
-
サブポジションを持つキャラのサブポジの守備適性がメインポジションと同等の性能になっており、幅広いポジションを守ってくれるようになっている。一方で「キャラの個性が薄れていて違和感がある」という意見もある。
サクセス共通
-
テキストの内容が一部微修正を除き原作から変わっていない。
-
GBA版のリメイクでは、GBC版から時代に合わせた内容に修正をされている箇所(64→ゲームキューブ)があったが、本作はGBA版そのままである。
-
ただし、ゲーム機をSwitchに変更するなどしてしまうと、他の古臭い描写(固定電話での連絡・ガングロギャル等)との整合性が取れなくなり、かえって不自然さが増すので「昔の話」として割り切っているほうが良いという意見もある。2021年の作品にガングロギャルが登場することについて公式は「極亜久高校編は当時の話なのでOKということになりました。」と述べている(Nintendo DREAM 2022年 2月号 しつもんコ~ナ~Rより引用)。
-
良くも悪くも「原作に忠実」なテキストであるため、『パワプロSwitch』のサクセスリメイクのような露骨なテキスト改悪が無いとして評価する声もある。一方で「追加イベント等が欲しかった」という意見もある。
-
パワポケシリーズの末期は本家とは違った独自要素が前面に押し出されていたが、本作でリメイクされた『1・2』はパワポケの中でも本家キャラが登場する数少ない作品であるため、無理に独自要素を押し出してファン層の分断をするよりも『パワプロ6』以降に登場したキャラの新規イベントなどで外伝らしさを出した要素はあってもよかったとする声もある。
-
ただし表サクセスには正史との兼ね合いがあるため、例えば早川あおい等の女性選手を表サクセスの高校野球編やプロ野球編で選手として登場させると『13』の「澄原」のストーリーが成り立たなくなるなど、各所に地雷が存在するため、表サクセスに追加シナリオを入れるのは慎重にならざるを得ない事情がある。
-
とはいえ裏サクセスなどでパワプロキャラとパワポケキャラを絡ませるなど他にやりようはあったのだから、本作でこうした取り組みがなされていないのは残念との声もある。
-
サクセスのイベントでは最新のパワプロシリーズと同様に効果音とエフェクトが挿入されている。
-
これにより真面目な場面で主人公の顔をキラキラさせるエフェクトがあり、こういうのはやめてほしかったという声も。
-
とはいえ元々そのシーンは多少コメディチックな部分も含まれているため、製作者としては最初からそういう意図で作っていた可能性はある。
-
内容としては仕方ないのだが、近年のパワプロのサクセスでは育成期間が1年にされることが大半で、1人あたりの育成期間が大幅に短くされているのが当たり前なのに対し、本作では原作同様1年目の入部から卒業まで3年間フルに育成させるので、近年のパワプロのサクセスに比べると一人の選手を作成するのにかかる時間が長い。
-
「パワポケはストーリー重視なのでこれで良い」「選手を1人作るだけでこれだけ時間がかかるのはどうなのか」と色々意見が割れている。
-
元々本家パワプロも初期シリーズはパワポケ同様3年制でストーリー性を重視していた時期があり、現在の1年目や2年目がカットされる仕様は「没入感がない」「キャラの魅力が薄くなる」といまだに昔の方を支持するファンも多く存在する。事実『パワプロ2018』では1度だけ3年制のサクセスも採用されており、ここは前から賛否両論の部分である。
-
極悪久高校編のサクセスは比較的短いものの、後述のミニゲームが高難易度なために結局手間がかかってしまう。一応会話のスキップやイベント自体を省略可能なコマンドはあるものの画面に表示されているのは早送りのコマンドのみであり、イベントの省略コマンドは表示されていないので、不親切である。
-
本作では短時間で弱い能力の選手を作れる「戦争編」も収録されており、一応こちらを利用すればある程度の問題は解消できないこともない。
極亜久高校編
-
投手メンバーの「武田」の初期能力にカットボールが追加されている。
-
原作では2年目秋季大会2回戦勝利後か2年目3月の特別試合勝利後に変化球を取得するまでは武田は変化球を覚えていなかったため、原作と比べて扱いやすくなった。
-
一方で、武田が変化球を覚えていないことを前提とする会話との矛盾点も見られる。この手のテキストミスについてはドリルモグラーズ編でも多数存在しており、チェック漏れが指摘されている。
戦争編
-
ランダムイベント発生率の上昇により、終盤での「爆撃イベント」やツキが低いときに起きる「迎えが来ないイベント」の頻度が上がっている。また序盤に水木やドミオのプラスイベントが発生しきってしまうことが多く、終盤にマイナスイベントが集中するようになっている。
-
「終盤がキツすぎる」という意見もあれば「戦争編のコンセプト的にこれでいい」という意見もある。
問題点
全体的な問題点
-
基本的にGBAの『1・2』がベースで、そこから更に「ペナント」「キャンプ(練習)」モードを削除したような設計であるため、Switchのソフトとしてはボリューム不足感が否めない。
-
本作のメーカー希望価格は5,995円であり、これは『パワプロ2020』(7,678円)の約78%である。両作品のボリュームを比較すると、明らかに『パワポケR』は割高であると指摘されている。
-
サクセスで作った選手の使い道は「俺のペナント」と「対戦(オフライン限定)」のみと本家と比較して極めて乏しいものである。
-
野球のオンラインモードを実装しなかった理由について、公式は「今回はみんなで「サイバーバル」のオンラインモードを遊んでほしいと考えて、野球のオンラインモードは搭載しませんでした。」(Nintendo DREAM 2022年 2月号 しつもんコ~ナ~Rより引用)という、なんとも要領を得ない回答をしている。
-
あえて解釈するならば「今回パワポケRに割り当てられたリソースではオンラインモードはサイバーバルしか実装できませんでした」という意味であろうか。
-
新要素である「サイバーバル」を楽しめるかどうかで本作への印象は大きく変わる。しかし後述するように、このモードを楽しめる人はかなり限られる。
-
野球操作の「練習」モードが存在しない。
-
そのため操作練習は通常のCPU戦でやるしかない。
-
動画サイトで彼女候補関連の紹介動画くらいしか見たことがない層からは「野球しない野球ゲーム」「シナリオがメインで野球はただのオマケ」と言われることもあるパワポケシリーズだが、実際は表サクセスに限れば試合での活躍や勝利が絶対条件であるケースがほとんどであり、下手すると本家以上に野球操作が要求されるゲームである。
-
パワポケとパワプロは操作性にかなりの違いがあり、特にアナログスティックでの操作は慣れるまではかなりの難関。
-
「野球に興味がない人にもパワポケを入口として野球に触れてもらう」という本作のコンセプト(ソース)と照らしても練習モードが存在しないのは不可解な設計だと言わざるを得ない。
-
また、余談の項にあるが本作の開発経緯は元々『パワプロアプリ』でのパワポケコラボが好評であったことがきっかけであり、家庭用パワプロの新規層が入ってくる可能性が考慮されていないことにも疑問符が付く。
-
オリジナル選手の移動はローカル通信のみであり、パスワードやオンラインによる移動はできない。
-
初心者向けの機能として「フルダケ」があるが、あまり精度が良くないため頻繁にフライを打ち上げてしまう。
-
ゲーム中で活かしにくい特殊能力が見当たる。
-
俺のペナントが初期時点で搭載されておらず、ペナントに該当するモードが存在しないことから、「回復」能力が実質的に意味のない存在と化してしまっていた。後に俺のペナントが追加されたことで辛うじて存在意義が与えられている。
-
「国際大会〇」を取得できるが、本作中に国際大会に相当するモードが存在しないので試合で活かせる可能性がない。パワプロに移して初めて意味があるものとなる。
-
GからAのランク分けがされている特殊能力は、過去作で○や4の特殊能力を所持していたキャラは本家パワプロではBランクになっていたが、今作ではCランクになっている。
-
CランクはDと比較してほんの少し優れている程度で特殊能力としてかなり地味であり、原作に比べてキャラの能力の個性が薄れてしまっている。
-
球場データの選択肢が少ない
-
本作では使える球場は実在球場の阪神甲子園球場、福島県営あづま球場、倉敷マスカットスタジアム、松山坊っちゃんスタジアムの4球場と市民球場や河川敷などの架空球場の5つという計9つとなっている。
-
しかし、ドームタイプの球場などは一切収録されておらず、バリエーションに欠ける・あるいは偏っているという意見が多い。
-
特にドリルモグラーズ編ではプロ野球チームの試合なのに地方球場ばかりで試合をするため、不自然さを感じるという声も。
-
俺のペナントでも市民球場や地方球場のみで延々と試合をさせられるため、プロ野球が舞台設定の試合光景としては華やかさが殆どない違和感のある状況を作り出してしまっている。
-
本作はペナント等の作った選手を活かすモードが原作よりも削減されているため、実質的にメインの遊び方は「アルバム」と「プロフィール」を埋めていく作業になるが、これを強調してユーザーを誘導する工夫が見られない。
-
当時「携帯機版パワプロ」として売り出していた原作では、アルバム収集はあくまでもやりこみ要素であったため、あえて目立たせる必要はなかったのだが本作はそうではない。
-
ライトユーザーからは「サクセスを1周したらやることがなくなった」などと言われてしまうこともしばしば。
サクセス共通の問題点
-
パワプロシリーズの影響がまだまだ色濃い時代の『1・2』のみのリメイクであること自体が、パワプロとの差別化を前面に押し出した本作の広告・宣伝戦略と合っていないという指摘がある。
-
『1・2』はパワプロから派生して間もない黎明期かつ元がGBCソフトであるため、テキスト量も内容もまだまだ控えめであり、パワポケRのキャッチコピーである「ぶっとび!おどろき!」というほどのインパクトは無いのは事実である。
-
そういう意味で「パワポケシリーズの独自路線を決定付けた『3』のリメイクも入れてほしかった」という意見もある。
-
パワポケR発売直前のインタビューにおいて、原作の主要開発者の一人であった西川氏は「初代『パワポケ』と『パワポケ2』からリメイクされることに危惧はありましたね。『パワポケ3』以降のほうが一般受けするんちゃうかと。」と述べている(ソース)。
-
本作プロデューサーの山本拓氏は発売前のIGN Japanのインタビューでは『3』の未収録を指摘された際に「おっしゃる気持ちは痛いほどわかります。ただ今回は制作の関係から収録ができなかったという感じです。」と述べている(ソース)。一方でエンタジャムのインタビューにおいて『3』をDLCで追加する可能性について問われた際には「技術的にはできます」と述べていることから(ソース)、前述の「制作の関係」とは予算と開発期間の問題のことであったと考えられる。
-
そもそも『1・2』だけでは本家との差別化はできないという意見もある。
-
が、実際問題としてパワポケ3自体は他シリーズの中でも飛び抜けて野球をやらず、常に金稼ぎのための運ゲーを強いられること、登場するブラックジョークが現代日本では洒落にならない原子炉からの放射線漏れネタであったり、厳密にはヒロインではないがほぼヒロイン枠の女子小学生キャラなども登場するため実装には大幅なリメイクが必要になり難しいのではないかという声もある。
+
|
詳細
|
-
パワプロシリーズも『パワポケ1』の時に出た『パワプロ6』で大豪月などのぶっ飛んだキャラを出し、『パワプロ7』で麻薬やラブホテルネタが存在し、サイボーグを題材とした『パワポケ3』と同じ時期の『パワプロ8』ではアンドロイドの選手と対決をする等パワポケ初期作と似たような展開があるので、旧作の本家パワプロファンの中には本作のリメイクについて「何がパワプロと違う要素なのか分からない」という印象を抱く人も。
-
つまり本作でリメイクされた『1・2』の「ぶっ飛んだ要素」は本家パワプロと明確に差別化できるほどのものではなく、パワポケに詳しくないユーザーには本作が単純に本家パワプロの劣化と受け取られてしまう一面がある。また近年のパワプロは初期に比べるとストーリー性が濃くなり、テキスト量はパワポケに引けを取らないほどになっている。特にパワポケRでリメイクされた『1・2』に関しては元がGBCソフトであるため近年の本家よりテキスト量が少ない。そういう意味でも本作はボリューム不足と言える。
-
一方で『3』以降も含めると以下のような作風の違いは確かに存在する。
-
パワポケシリーズは全ナンバリングタイトルで統一された「正史」を軸とした世界観の展開やミニゲーム、彼女候補などの主にサブキャラの掘り下げを重視している。同一世界線で時間が経過していくため、シリーズ全体を通してメインを張り続けるキャラは存在しない。内容は基本的に本家同様コメディ調であるが、登場人物が頻繁に死亡するなど残酷な展開も割と多い。また、サクセスにおける主人公の目的が野球ではないところにあり、野球はその目的を達成するための手段として位置付けられる作品が多いことも本家とは異なる特徴である。一方で原作プロデューサーの藤岡氏が部活で野球をやっていた経験から野球についてはリアリティを重視しており、「プロ野球編では女性選手は出さない」など、「魔球」が登場した『14』を除けば野球そのものについては本家より硬派なところがある(ソース)。育成面はうろつきなどのコマンドを駆使して迫りくるトラブルをうまく切り抜けるという「リスク管理型」のゲーム性であり、『3』を起点とした独自要素である裏サクセスの「パーツ式育成システム」もある。
-
一方のパワプロシリーズは正史の話を『パワプロ14』で最後として以降はパラレル要素を強くしている。早川あおいなどのヒロイン、猪狩守などのライバルがおり、それらのメインキャラを掘り下げていくストーリーが多いのが(近年ではやや例外もあるが)特徴的である。代わりに彼女候補などサブキャラの扱いは悪い。野球においてはマリンボールなどの「魔球」が早く登場するなど設定面のリアリティはあまり重視されていない。代わりにストーリー面はキャラの死が基本的になく、怪我、失恋など現実的なシリアス要素が主に旧作では多く存在する。育成面では「友情タッグシステム」があり、「好条件が揃うのを待つ」ゲーム性である。
|
-
キャラクターが良くも悪くも個性的
-
当時としてもかなり癖のあるキャラ付けの登場人物が多かったことから、現代ではヘイトを集めやすいキャラ設定が目立つ。特にチームメイトとなる「荒井三兄弟」「三鷹」などはイベントにて主人公のやる気や体力を奪う場面があるせいで、プレイヤー目線では悪い印象が残りやすい。
-
ここに関しては、意図的に厄介な存在として描写されている極亜久高校の「先輩」や「教頭先生」、彼女候補の「紀香」などの存在が大きいとも言えるか。
システム
-
GBA版がベースであるがゆえにGBC→GBAのリメイクで改悪された内容をそのまま引き継いでいる箇所がある。
-
それゆえに、GBC→GBAのリメイクでオミットされた要素は本作では再現されていない。
-
GBA版と同様プレイヤーが直接采配を行えない。
-
GBC版は「極亜久高校編」は全試合で、「モグラーズ編」は3年目の試合で、選手の交代、守備位置の変更が可能であった。
-
後述のモグラーズでは迷采配が頻発するようになっていた。
-
サクセスのリセットができなくなっている。
-
試合の難易度は大きく下がっているため特に問題ではないという声もあるが、一方で以下のような問題点が指摘されている。
-
サクセスをプレイ中に事故で電源が落ちるなどした場合でも一撃でファイルごと消し飛んでしまうため特に「転生」システムとの相性が悪い。
-
一部のアルバム取得のために世間評価を調節し辛い。
-
「極亜久高校編」では3年目の夏の大会期間中にケガをするとリセット機能がないため、その時点でサクセス終了になってしまう。
-
原作はリセット機能のおかげで、サクセス中の難所に1プレイあたり最大5回挑戦でき、ゲームにやりごたえが生じていた。本作では難易度エキスパートがそれにあたるのだが、リセット機能がないため再挑戦するにはサクセス自体を最初からやり直さなければならない。パワポケのサクセスは1周にかかる時間が長いため最初からやり直すのは手間がかかる。原作はリセット機能のおかげでこの欠点が補われていたとも言える。
-
本作でもオンラインストレージを利用すれば途中から再挑戦できるが、原作のような回数制限とペナルティが無いので緊張感は損なわれてしまう。
-
本作プロデューサーの山本拓氏はインタビューにおいて「「極亜久高校編」や「ドリルモグラーズ編」はまだリセットがない時代でした。シリーズの後期に入ると5回までリセット可能になりましたが、今作ではそれも無くなったので「初作に近くなって難しくなった」という声も聞いており、難易度調整は大変だなとは思いました。」(ソース)と述べているが、この言い方は厳密には不正確である。
-
『6』以前ではゲームオーバー時にファイルが削除されるが、『7』以降はリセット扱いになるように仕様が変更されたため、そのことを言っていると思われる。しかし『6』以前から電源を切ってリセットすることは可能であったため「リセットが無かった」わけではない。
-
山本氏は『7』より後の『パワポケダッシュ』から参加した開発者であるため、把握していなかったのかもしれない。
-
本作はランダムイベントの発生率が上がっているが、前述のように一律に上がっているため、当然ながらマイナスイベントの発生率も上がっている。
-
これにより彼女キャラである「紀香」が「入院中に傷んだ弁当を主人公に食べさせて入院期間を延ばすイベント」が何度も起きて、サクセス終了まで入院し続ける現象(紀香ループ)が報告されている(Ver.1.2.0以降解消)。
-
本作はサクセスの1プレイごとにミニゲームをプレイすることになるため、テンポの悪さが指摘されている。
-
後述するが、原作から難易度が上昇・プレイ時間の増加といった改悪が見られるミニゲームも存在するため、面倒臭さに拍車をかけている。
-
原作通りの仕様とはいえ、各ミニゲームのクリアには動体視力・反射神経・正確な体内時計などといった能力をプレイヤーに要求してくるため、苦手な人はとことんやり辛い。下記のようにゲームレベルでの緩和もされない。
-
一部のミニゲームに関しては、コントローラーを逆さに持ったり、スマホによる動画撮影やストップウォッチ機能を活用すればある程度は対策可能ではある。とはいえ正攻法とは言い難く、どちらにせよプレイ時間の短縮やテンポの悪さを解消するには至らない。
-
一定回数クリアなどの条件や得られる経験点に制約を設けた上でサクセスのミニゲームはスキップ可能にしてもよかったのではないか、という意見もある。
-
ゲームレベルの仕様は本家のシステムを流用しているため、調整できるのは野球の難易度のみである。したがって原作後期のようにミニゲームの難易度を調整することはできない。
-
また、原作後期ではゲームレベルと操作設定を別々に選ぶことができたが、本作では守備と走塁のオプションがゲームレベルごとに固定されてしまう。
-
したがって、本作のゲームレベルの仕様はリメイク元の『1・2』よりは改善されているが、原作後期よりは劣化していると言える。
-
ケガをして入院していると試合に出られなくなる仕様はそのまま。
-
原作後期ではケガをしていてもペナルティは付与されるが出場可能になっていた。
-
イベントの選択肢において、選択中の項目とそれ以外の項目の配色が似通っており、どれを選んでいるのかわかりにくい。
-
サクセス内のイベントでポジションをコンバートすると、コンバート後のポジションの守備力がGになってしまうバグ(Ver.1.2.0以降修正)。
-
時代錯誤の仕様
-
昔のパワプロやパワポケは非常に病気になりやすかったのだが、それらの仕様が一切直されていない。一回のプレイで発病数が二桁に達する事も珍しくない。
-
やたら体力・やる気が下がるイベントが多く、プレイヤーのモチベーションを大きく減らす。
-
ドリルモグラーズ編においては転生を繰り返すことによるアイテムのストックにより大半は対処が可能であること、単純に頻度を下げてしまうと難易度の極端な低下及び転生システム自体の意味も消失しかねないため賛否両論がある。
-
しかしながら極亜久高校編においては話が大きく変わり、転生が存在しないこと以前に心の病に対する治療がランダムイベントor彼女(候補)への電話やデートor特定場所へのうろつきでしか対応できず、マイナス効果を持つランダムイベントの発生率が高くなっていることも影響して難易度が上昇する原因となっている。
-
テンポが悪い。
-
原作と同様ではあるが、ターンが進むときの待機時間が近年のパワプロのサクセスと比べて長いためテンポが悪い。
-
シナリオのショートカットも共通イベントをカットできてないことが多く、プレイ時間の増加に繋がる。
演出
-
キャラの一部の表情が無くなり別の表情に挿し替えられている。
-
本来なら主人公がニヤケ顔でネタセリフを言うシーンで無表情になっていたり、亀田が殴られてのけぞるシーンが喜ぶ表情に差し替えられている等。
-
公式ガイドブックでは主人公のニヤケ顔のイラストが紹介されており、用意まではされていたことが推測できる。しかし、何故削除に至ったのかは理由が公開されておらず不明。その後のアップデートでも一向に改善されていない。
-
他にも公式ガイドブックでは「進藤明日香の虚無顔」という表情も掲載されている。しかし、このような表情は原作には存在しておらず、結局Rでも使われていないので謎の表情と言える。
-
本家シリーズ同様に監督のパワターがモブになっており、サクセスでホームランを打つとベンチでモブがガッツポーズをする点が直されていない。
-
特に『極亜久高校編』では自チームにモブ選手が居るはずがないので違和感を覚える。
-
ちなみにホームランを打った選手が謎の三塁コーチャーのモブとハイタッチする演出もある。
-
サクセスにおける終盤まで展開が固定された試合のスコアの動きが速すぎる。
-
そのためベンチのキャラが一喜一憂する様子がわかりにくくなっている。
-
タイトルや2のスタッフロール等、GBC版のみで使用されていたBGMが収録されていない。
-
今作は展開固定試合においても試合開始時からの成績が確認できるが、その数値が通常の試合ではまずあり得ないデタラメなものになっている。
-
例えば、『極亜久高校編』の2年目5月の練習試合の猪狩守の成績は「投球回7回、投球数42、対打者31、四死球3」と投球数が少なすぎるため、大半の打者との勝負が1球で終了していることになる。さらに四死球3の内訳は極亜久高校の打撃成績を確認すると全てフォアボールなのだが、猪狩守が投じたボール球は9球というあり得ない数値になっている。
-
試合
-
パワプロでは試合形式を選べるようになったが、本作は「ピンチの場面」「打席」「○回から操作」の三つであるが、プレイヤーからは選べない。
-
特に投手は昨今のシステムで打高気味なので自分で投球するプレイは難易度が高めということもあるので、プレイに不利である。
-
また、打線の入れ替え、継投、守備シフト変更もをできない。CPCの首をかしげる采配に対応できない。
「極亜久高校編」の問題点
システム
-
GBA版の仕様を引き継いでおり、意図的に動かないと仲間評価を上げにくい。
-
うろつきコマンド等を利用して効率的に上げる方法はあるのだが、原作同様ノーヒントであるため、知識のないユーザーはめったにそこにたどり着けない。
-
原作には存在しなかった「自動生成モブ」が敵チームに追加されている。
-
このため原作と比べて敵の戦力に若干の変化が生じている。
-
原作ではスタメンを張っていたキャラがベンチに追いやられる現象が起きる。
-
特に原作では選手の能力に個性が無いことが特徴であったはずの「みさいる北高校」に個性的な能力の自動生成モブが紛れ込んでしまっている。ひらがなの名前の選手が並ぶ中に漢字の選手が混じってくるため非常に浮いている。
-
原作にもいた固有の顔が存在しないモブ選手は全員ザコプロ顔で統一されているのだが、この自動生成モブは編集されたパワターで出てくるためここでも浮いてしまっている。
-
また、この自動生成モブのせいで高校野球のベンチ入り人数の定員を超過してしまっている。
-
本家シリーズでは固定キャラの数が限られるため自動生成モブも必要なのだが、今作はちゃんと原作の固定モブ選手も全員用意してあり選手の数も最低限揃っているため、そもそも自動生成モブが存在する意味がない。
-
ランダムイベント発生率の上昇により、彼女関係で新たな問題点が生じている。
-
総じて明日香の好感度が上がりやすくなったが、好感度が高くなることで彼女のランダムイベントの続きが発生しやすくなるため、必然的にその他の彼女候補のランダムイベントが発生し辛くなってしまっている。結果として、他彼女を攻略したい時にはお邪魔キャラにすらなり得る。
-
原作同様に仲間評価が一定値以上ないと紀香の告白を断れない仕様であるのだが、イベントの発生率が上がっているせいで紀香の告白イベントの来るタイミングが早い傾向にある。そのため、仲間評価を効率よく上げるノウハウを知らないと、大抵の場合で断ることに失敗する。
-
紀香と交際する事自体は育成上有用なのだが、それ以上に多くのプレイヤーが不快感を覚えるキャラでもある。こちらも他の彼女キャラ攻略の妨げになるため、任意で回避可能にする措置がほしかったところである。
-
敵AIのレベルが試合ごとではなくゲームレベルごとに設定されているため、チームメイトの能力が上がりきっていない序盤の試合のほうが難しい。
-
チームメイトの能力上昇において、なぜかパワーだけが低く抑えられている。
-
GBA版ではチームメイトのパワーが上がらず、代わりに肩力が上がってしまうバグが見られたので、原作再現のつもりなのかもしれない。
-
このことからも基本的に本作のゲームデザインはGBA版の見た目を真似ることしか考慮されていないことが見て取れる。
-
原作と同様の仕様であるが、捕球(耐エラー)が一切上がらない。捕球の影響が強いシステムになっているため改善は必要であったと思われる。
-
実際、捕球がGである「佐藤」「鈴木」「田中」はエラーを連発する。
-
投手キャラの弱体化。
-
平山がシュートを取得しなくなった。
-
GBA版では160km/hに総変化量10越えにまで成長することさえあったのだが、今作では三鷹や武田に到底及ばなくなってしまった。設定を考えればある意味正しいのかもしれないが…。
-
原作と異なり投手キャラの野手能力が低くなり伸びなくなった。三鷹や武田はそこそこパワーも高く打者としても貢献できただけに残念。
-
亀田のキャッチャーの特殊能力がEになっている。
-
今作はキャッチャー○以上の能力を持たなかった捕手適性持ちの選手がキャッチャーE持ちになる仕様がある。
-
だが、亀田のようなメインポジションが捕手であったキャラも何故かEになっている。
-
亀田はパワーアップイベントにより原作ではキャッチャー○を取得するが、今作ではキャッチャーDまでしか伸びない。原作でキャッチャー○を取得していたキャラはキャッチャーCになっているためこれも違和感を覚える。
-
GBA版で送球○を取得していた荒井三兄弟だけはなぜか送球Aを取得する。
-
GBA版と同様に、対聖皇学園戦後の味方の能力アップは意味がない。
-
原作では「妨害コマンド」を実行すると敵チームの調子を下げる効果があり、テキストにもそのように記載されているが実際には効果は確認できない。
-
原作と同様ではあるが、1年目のクリア条件が地味にわかりづらい。
-
実質的なクリア条件は「野手を8人集めること(定期イベントで亀田、平山、荒井三兄弟が自動的に加入するため、実質3人集めるだけで良い)」なのだが、テキスト中のメッセージは「ピッチャーもいなければダメ(主人公が野手でも平山がピッチャーとして定期イベントで加入するのでピッチャーがいなくなることはありえない)」「9人集めないと廃部(9人集めても野手が8人いなければ廃部)」とクリア条件が読み取りづらいものになっている。
演出
-
上述のように固定モブ選手はザコプロ顔で統一されているのだが、大東亜学園の「アンソン」「ドナルド」といった肌の色が違っていた選手も同じ肌の色になってしまっている。
-
「三鷹」の一部の表情が原作から変化しているシーンがある。
-
原作で笑顔のシーンで怒った表情が使われている箇所がある。理由は不明。
-
ちなみに原作では怒った表情は未使用グラフィックであった。
-
2年目の地方大会決勝前のイベントで智美のセリフに変化がある。
-
原作で鋼をおだてる箇所が心理描写になっており、鋼に好意を持っているかのような描写になっている。
「ドリルモグラーズ編」の問題点
システム
-
「転生」するとゲームレベルが強制的にノーマルになる。
-
本作の評価点である「ゲームレベルを選べる」というところが台無しになっており、それなりに重大な欠陥であるはずなのだが、Ver.1.5.0においてもなお放置されている。
-
3年目の試合の采配は自動で行われるが、なぜか能力の高い固有キャラをベンチに追いやるなど不可解な動きをする(Ver.1.3.0以一部のみ降解消されたがVer,1.5.0でも根本的には改善していない)。
-
キャッチャーCを持つ「古沢」を捕手に起用しない、高い捕球を持つ「倉刈」をベンチに追いやる等、酷いものが多い。
-
謎采配はプレイヤーキャラに対しても頻繁に発生するため、投手の育成が非常に不利になっている。
-
特に1〜2年目については、抑え選手を育成しようとしても先発登板させられるため、スタミナ切れで降板させられ自責点ゼロにもかかわらず世間評価やステータスにマイナスが入る等、もはや試合自体がペナルティとなっている。
-
普通に先発向け投手を育成しようとしても、モグラーズ側の攻撃で試合が負けている、もしくは得点圏にランナーがいる状態でプレイヤーキャラに打順が回ると即座に代打で交代させられるため、一切の操作が無いまま試合が終了し監督に叱責され世間評価が落ちるという展開もしばしば見られる。
-
一応の対策として、転生システムを利用し極亜久高校編の甲子園優勝のデータを持ち込むことによる初期世間評価+20が有効となるが、初期データでプレイする場合は練習漬けが必須となるため彼女攻略等に制限が発生してしまう。
-
3年目に至っては、本来であれば三振の数や成績にによってステータスが直接上昇するボーナスが得られるのだが、DH制が採用されていないこともあり、開始時にどのチームを希望として選んでいたとしてもプレイヤーキャラに打順に回った途端にほぼ確実に代打に入れ替えられるため、野手育成と比較してあまりにも不遇。
-
リーグ最終戦の日本シリーズ戦についてはそもそも負けている状況の下位打線から始まるため、通常の育成環境においてはプレイヤーの投球機会は確実に失われる有様で、8月の誕生日イベントで超特殊能力に加え大量の経験値及び優秀な能力を得た場合でもサクセス中に発揮することは一切不可能であり、それまで育成したキャラクターの性能を一切発揮できないという育成ゲームとして致命的な問題を抱えている。
-
原作にあった仲間評価によるチームメイトの能力上昇補正がなくなっている。
-
本作において「チームメイトの評価が高いと試合が勝ちやすくなるぞ」というゲームオーバー時のヒントは全くのデタラメである。
-
しかしながらこれは彼女攻略の一環としては有効であり、紀香を気兼ねなく凡田の部屋に連れていくことができるため、危険な公園デートや事故の可能性を含んだドライブを避けることが可能。
-
一方、敵チームの選手の能力は実在NPB球団をベースにしているため、3年目の試合は非常に大きな戦力差で挑むことになる。
-
3年目のモグラーズは万年最下位チームの2軍選手だけで構成されているという設定なので、ある意味リアルとも言えるがゲーム的には理不尽でしかない。ネームドもモブも含めて特に守備能力に極めて大きな格差が存在するため難易度ノーマルでも打たれるたびに三塁打はザラ、必然的にバッティングで失点を上回るくらい打ちまくり勝利を掴む以外の勝ち筋がほぼ無い。
-
Ver.1.3.0以降は試合後に固有キャラの能力のみが上昇するようになった(モブ選手には適用されない)。
-
何らかの技術的な問題により原作のような仲間評価によってモブも含めたチームメイトの能力を一律に上下させる仕様が実装できなかったとみられる(代替措置としてなのか後述のように一部のモブ選手の初期能力が引き上げられている)。
-
モブ内野手である「金城」の守備がとにかく酷い(Ver.1.3.0.以降調整)。
-
「金城」は原作でも打撃能力が高い代わりに守備能力が最低値という偏った能力を持つモブキャラであった。
-
本作の野球は守備範囲が能力値に大きく依存する仕様であり、前述のチームメイトの能力が上がらない仕様(バグ?)と相まってプレイヤーを苦しめる一因になっている。
-
Ver.1.3.0以降は金城の守備力が6→41に捕球が7→27に引き上げられている。
-
モブ投手の能力も球速が+10km/h、変化量が+1と一律に引き上げられている。
-
技術的な問題で仕方がなかったのかもしれないが、仲間評価に連動してモブキャラの能力も変化する原作の仕様を踏まえると少し雑な手法にも思える。「モブキャラもチームを支える仲間である」という原作の精神が継承されていないような印象を受ける。
-
主人公が投手だと凡田が野手になるようになった。
-
4以降の投手の相棒メガネは主人公が投手の時には野手となるのが通例となる一方で、凡田は主人公が投手でも変わらず抑え投手として投げるのが特徴だったのだが、その特徴が失われてしまった。
-
野手になること自体は必ずしもマイナス要素ではないのだが、何故かメインポジションは古沢や木村がいるにもかかわらず捕手であり設定の雑さを感じられる。そのためサブポジである外野を守ることになるが、凡田の初期能力の捕球は金城と同じ7であるため、Ver.1.2.0以前はエラーを連発していた。
-
その後のアップデートで多少は改善されたがエラー率の高さは据え置きであり、外野フライを打たれると高確率で捕球ミスをする、ヒットでもトンネルを連発ことから捕手に据えたほうがマシであり、投手を育成する際は古沢を3年目に連れて行かないことが安定する有様となっている。
-
原作のドリルモグラーズの凡田はマスクデータで捕手と外野のサブポジを持っており、その再現だと思われる。
-
凡田が投手であることが前提となっているイベントがあるのだが、凡田が野手であってもそのままになってしまっている。
-
また、1年目と2年目は秋季キャンプ時に槌田コーチによる視察イベントがあるが、投手の場合でステータスが低いコマンドを選んだ際でも「凡田のほうがマシだな」というテキストがそのままとなっている。
-
投手凡田がパワーアップすると球速+3km/h、コントロール+4、さらになんと総変化量+4と大きく成長するのだが、野手凡田は守備が7しか上がらない。元々の守備の数値は26と非常に低いので焼け石に水である。
-
ミニゲームイベントが仲間の部屋のうろつき回数にカウントされなくなっている。
-
パワーアップイベントなど起こしたいイベントがある場合に必要なうろつき回数が実質1回増えてしまっている。
-
ただし、水木の部屋うろつき一回目のイベントで原作では見ることが不可能であったセリフを見ることができるようになった。
-
3年目のゲームオーバー時に発生するアルバム(再就職や海外挑戦などのアルバム)が相変わらずランダムとなっている。
-
デートコマンドを実行すると、恋の病やサボリ癖になりやすい。
-
「さおりちゃんフィギュア」が呪いのアイテムと化している。
-
原作及びGBA版では「毎週マニアポイントが自動的に+1される」という微々たる効果しか無かったが、今作では増加量が増えた上に他のマニアポイント上昇アイテムとの効果が
乗算
されるため、「ガンダーロボ」や「ゴメラ人形」といった他のマニアアイテムと一緒に所有してしまうと毎週マニアポイントが+20といった勢いで増えて即座にマニア状態に陥ってしまうという、極めて凶悪な効果を発揮するアイテムと化した。
-
デートコマンドで確率で削除することは可能だが、マニア状態で毎月の4週目を迎えるとマニアショップで高確率で再度入手してしまうため、特定イベントでのマニアポイントの大幅な減少や神様による低確率でのマニア状態の解消を重ねない限り脱出が不可能な無限ループに陥ってしまう。
-
最悪のパターンは彼女が居ない状態でこのアイテムを所有したまま転生してしまうことで、4月の段階でマニア状態に陥ってしまうため削除する方法も無くプレッシャー値が極めて高い状態を維持してしまい故障のリスクが極端に高くなること、2年目までに彼女を作るための行動も確保できず、事実上の詰み状態に陥る事がある。
-
対応策としては、彼女がいる場合は2年目のマニアショップの連続イベントを利用して2年目開始直後にデートコマンドで削除を行い、連続イベントが完了する前にマニア状態を脱出すること。彼女がいない場合は3年目までにどうにかして彼女を作った上で最終月にデートコマンドで削除に成功できれば、次回の転生で無限ループからの脱出が可能。
-
本作ではラブダイナミックスも複数個所有できるようになり、複数個所有している場合は効果が乗算される仕様になったことで、マニアポイントも乗算されてしまうために発生するようになったと思われる。
-
1~2年目の自動進行の試合の速度は3段階中の2で固定されているため、これは3年目の展開固定試合とは逆に遅すぎてテンポが悪い。
演出
-
モグラーズのモブのパワターがなぜか「パワプロくん」の顔。
-
本作プロデューサーの山本拓氏によると「深い意味はなく、元々汎用キャラクターとしてのパワプロくんなので採用しているというだけ」とのこと(ソース)。
-
固有パワターが導入される前の原作では全キャラがパワプロくんだったが、固有キャラのパワターが導入された今となっては「パワプロくん」という一キャラのグラフィックであるため違和感を覚える。極亜久高校編ではモブ選手は全員ザコプロの顔になっているので、こちらもそれでよかったのではないかと思われる。
-
深い意味がないのであれば修正してほしかったところであるが、Ver.1.5.0においてもなおパワプロくんのままである。
-
固有選手が全員解雇された際に加入している「冬野」の顔もモブと同じパワプロくん顔になっている。
-
冬野は極亜久高校編にも登場し固有顔も存在するので、それをそのまま使えばよかったはずである。
-
プロ野球なのになぜか背番号がポジション依存。
-
「アレンジ」でモグラーズの固有キャラが使用可能だが、ここではモグラーズのキャラは全員背番号18になっている。
-
原作においてライバルとなる「小角雄二」は、プレイヤーが選択した球団(主人公が本来入りたかった球団であり、クリア後に移籍する球団)に所属しており、三年目の日本シリーズで対決することになるが、今作ではキングス(実在球団で言う埼玉西武ライオンズ)かフィッシャーズ(広島東洋カープ)固定になった。
-
展開によっては物語の最後で主人公が本来入りたかった球団にトレードされ、代わりにハイパー亀田がモグラーズに来ることになる。しかし本作ではファイナルシリーズ(日本シリーズ)時点でハイパー亀田が所属している球団はキングスまたはフィッシャーズで固定されているため、それ以外の球団を選んでいると矛盾が生じる。
-
原作では抑え投手であった凡田が本作(野手プレイ時)では先発で固定されているため、モグラーズの先発投手である「狩村」が3年目の試合で登板することはほとんどなくなってしまった。
-
凡田の打撃能力をもとに初期オーダーが設定されるため、上述のモブ選手の能力が上がらない仕様も影響してか、投手凡田が1番やクリーンナップに配置され、事実上の二刀流になっている。
-
本作では『2』当時はモブキャラであった「木村」にパワターが与えられているが、打席でヘルメットをかぶらず、キャッチャーの守備に付いているときもマスクをかぶらないという、野球を舐めているかのような姿で登場する。
-
チームメイト「水木」のデザインがDS以降の作品準拠になっている。
-
原作の『2』における水木のデザインは以降のシリーズに比べ明らかに目つきが悪く隈のある見た目をしていて、当時の不真面目なキャラが強調されたものであったため、原作プレイ済みのユーザーの中には違和感を覚える人もいる。
「戦争編」の問題点
-
「地雷だドッカン」において、アイテムが取得不可能な地雷の配置になることがある。
-
「地雷だドッカン」で獲得した経験点が一定値を超えるとオーバーフローを起こし、正常に取得できなくなるバグ。(Ver.1.2.0以降修正)
「サイバーバル」の問題点
-
戦車を操って敵を倒していくTPSだが、TPSとしてのクオリティは低く、特にフィールドのグラフィックやエフェクトは数世代前のレベルである。
-
セレクト画面のうち、ゲーム起動時にカーソルが合っている左上に配置されているため本作のメイン要素と位置付けられていたと考えられるが、メイン要素としては明らかに厳しいクオリティである。
-
原作では左上に配置されていたのはいつもサクセスであったため、この配置は原作と比較して異質であると言える。
-
パッケージ裏や公式サイトのアップデート報告でもサクセスより上に配置されている。
-
原作要素が敵キャラのグラフィックぐらいしかないので、原作ファンがわざわざこれをプレイする理由に乏しい。
-
このようなモードをサクセス以上のメインコンテンツのように扱う公式の姿勢に疑問を投げかけるユーザーもいる。
-
選手を作成することはできるが、本作は選手を作っても使い道がほとんどないので、やはりプレイする理由がない。
-
ストーリー性がない、ひたすら戦車で敵を倒すだけのゲーム。
-
「ここは電脳世界。主人公はこの世界の戦車乗り。仲間とともに敵を倒し、野球人形のパーツを集め、高性能な野球人形を作ることで生計を立てている。」という、取って付けたような設定は存在する。
-
『8』の裏サクセスのような短いストーリーを用意し、『1・2』時点では登場しない先の作品のキャラを出すことも可能であったと思われるので残念な限り。
-
サーバーが貧弱であるためか、オンラインプレイだと処理落ちや接続不良が頻発する。
-
マルチプレイ前提のバランスなのか、ソロプレイだと敵が固すぎて単なる苦行になっている。
-
装備の解放のためにはソロプレイでのステージクリアが必須なので避けては通れない。
-
オンラインロビーは極度の過疎状態なので、ソロプレイを強いられることも少なくない。
-
ステージの難易度の並べ方がおかしい。
-
1-1から5-10までの計50ステージが存在するが、難易度は1-1~1-5 → 2-1~2-5 →…→ 5-1~5-5 → 1-6~1-10 → 2-6~2-10 →…→ 5-6~5-10になっているため、多くのユーザーは初期装備のまま1-6に突入し、雑魚敵の固さに絶望感を味わうことになる。
-
初期装備は一発あたりの攻撃力が低く、極めて耐久力の弱い機体であるため、おそらくほとんどのユーザーはやってられない。
-
装備を強化するために必要な「CP」がやたらと高額。
-
初期機体でもそれほど時間をかけずにクリアできるバランスになっている1-1~1-5を全てクリアすることによって得られるCPは計2,200であるが、機体1種類のレベルを1→2に上げるために必要なCPは25,000である。
-
前述の「野球人形を作ることで生計を立てている」という設定に反して、野球人形を作ってもCPは得られない。一方でパーツを売ることは可能。
-
つまりサイバーバル初心者が始めにやるべきことは野球人形を作ることではなく、未完成品であるパーツを片っ端から売り払うことである。
-
Ver.1.4.0以降はオンラインプレイでの場合のみ獲得CPが増加したが、ソロプレイのやりにくさは相変わらず放置されている。
-
エンタジャムでのインタビューにおいて、「サクセス終了時に何かしらCPがもらえる設計だったら流れができて遊びやすくなるんじゃないかなと思います。」というインタビュアーからの提案に対して、本作プロデューサーの山本拓氏は「なるほど確かにそれは良いかもしれませんね。」と前向きな返答をしていたが(ソース)、結局その機能は実装されていない。
-
障害物を乗り越えて自機から逃げていく敵がおり、射程範囲の短い機体を使用しているとフィールドの端まで追いかけなければならない。
-
Ver.1.4.0以降にサポーターとして使用可能になった「イチロー」のSPスキル「渾身の一撃」は強力な攻撃を一発だけ出すことができるため、主にボス戦で有効に機能するが、「自機の残り体力の割合が少ないほど威力が上がる」という仕様であるため、あまりソロプレイとの相性が良くない。
イチローの無駄遣い
-
「イチロー」は初期から使用可能でありCPで購入する必要がないので、初期機体でも序盤の中ボス戦の1-5を短時間でクリアすることが可能になった。しかし1-5をクリアして得られるCPはわずか600であるため根本的な解決にはなっていない。
制作側が「オンラインでプレイしてほしい」という理由からソロプレイのバランスを渋くしすぎた結果、ユーザーが全く寄り付かなくなり当初からの過疎状態がさらに悪化していった。そのため数少ないサイバーバルユーザーはオンラインプレイをしたくても野良ではできない状況になってしまっていた。それがさらなるサイバーバルからのユーザー離れを誘発するという悪循環に陥り、ついには完全に無人化してしまったのだと考えられる。
本モードは「裏サクセス」を意識して作られたものと考えられるが、そもそも原作の裏サクセスの強みは「サブコンテンツとは思えないほどのクオリティの高さ」「表サクセスに登場したパワポケのキャラたちが織りなす独自の世界観やストーリー」であり、その上で選手の育成ができるというモードであった。
一方「サイバーバル」は「メインコンテンツとは思えないほどのクオリティの低さ」「ストーリー性が皆無」であるのに加えペナントすらも消えているため選手を作ったところで使い道がほとんどないという三重苦であった。したがって、ほとんどのユーザーから見向きもされなかったのは必然的な結果だと言えよう。
「ミニゲーム」の問題点
一部ミニゲームの難易度上昇
-
特に『1』でのボブのミニゲーム「てけてけサッカー」の難易度が上がっていると指摘されている。
-
原作より主人公の当たり判定が大きくなっており、ボールを取られやすくなっている。原作では足元のボールにのみ判定があり、多少無茶な動きをしてもクリアは可能であったが、今作ではシビアになっている。
-
原作で有効だった、わざと部員に突っ込んでスライディングさせて誘導させる戦法が使えなくなっている。
-
主人公を追尾するタイプの部員の追尾性能が原作より上がっており原作よりも小回りの利いた動きをする。
-
サクセスでは原作同様に選手登録人数が増えると初回は最高難易度でプレイしなくてはならないため、サクセス攻略時の壁になっている。
-
「クルマでブ~」では、最高難易度に登場する「後ろから自機に体当たりしてくる車」の突進スピードが上がっており、原作より避け辛くなっている。
-
「貧乏ヒマなし」は原作より落ちてくるおもちゃの量が減っているため得点が稼ぎにくく、「難易度が低いほうが目標スコアである1,000点に達しにくい」という逆転現象が生じている。
-
原作からは想像もできない現象であるが、低難易度だとノーミスでも1,000点に達しなかったという報告もある。
サクセス時の問題点
-
水原の「ドレミファ・ポン」は原作と異なりサクセス中でも難易度が上がった状態でプレイする仕様になった。
-
クリア時のスコアが水原の初期能力に影響するためか、原作は失敗すると目標スコアのみ下がる仕様であった。GBA版は他のミニゲームと異なりおまけモードの最低難易度相当でプレイできるゲームであったが、今作では選手登録人数が増えていくと難易度が上がりスコアが稼ぎ辛くなる仕様になっている。
-
サクセス中の「貧乏ヒマなし」は原作ではスコアが1,000点に達した時点で終了であったが、本作では1,000点を超えても時間切れまで続く。
-
おもちゃを落とすとスコアが下がるため、1,000点を切らさないように日の出までプレイし続けなければならない。
複数人対戦機能
-
複数人対戦機能はオフライン限定であり、COMとの対戦もできない。つまりその場に複数人が集まらないとプレイすること自体が不可能である。
-
このモードが実装された2022年1月当時は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により人が集まることが憚られる風潮であったため、そうした時勢にも合っていなかった。
「アレンジ」の問題点
-
ベースチームにサクセスのオリジナルチームを選べず、架空12球団しか選べない。
-
原作では歴代の主人公チームやライバルチームをアレンジチームとして使用できたので非常に寂しい。
-
べースチームを実在12球団からしか選べない当時の本家の仕様を流用したためだと考えられる。
-
固有キャラをアレンジチームに入れることができるが、なぜか凡田は野手バージョンしか選べない。
-
本来のポジションの投手バージョンが選べないのはよくわからない仕様である。せっかくのリメイクなのだから両方を収録してほしかったところ。
-
また上述のオリジナルチームがベースに選べなくなったことに関連して、使用できるのは固有の顔が存在する選手のみで、モブ選手を使うことはできない。
「俺のペナント」の問題点
-
原作通りではあるが、内容は完全に「劣化版マイライフ」。
-
20年近く前のGBAソフトのやりこみ要素として許容されていたものを、完全上位互換である「マイライフ」と同一ハード(Switch)でやってしまっている。
-
コンテンツとして一般ユーザーに訴求するには少なくとも「マイライフ」と同じ内容にするか、独自シナリオの追加などの措置が必要であったと思われる。
-
「天狗レベル」という当時から不評だったシステムはご丁寧に再現されている。
-
特にシナリオや世界観に関わるものではないし原作後期では廃止されているシステムなので、「俺のペナント」に不可分な要素ではない。
-
「天狗レベル」が上がると試合中に主人公の能力の一部が低下する。
-
この処理ができるのであればモグラーズ編において仲間評価とチームメイトの能力を直接連動させる仕様はなぜ実装できなかったのか謎である。
-
イベントでの能力変化後に、能力アップ画面を確認せずにターンを進めると、その能力変化がキャンセルされてしまうバグ。
-
このバグはVer.1.5.0においてもなお修正されていない。
-
レギュラーシーズン終了時のイベントで獲得タイトルに応じて金特が取得できるが、これはゲームレベル「ノーマル」「エキスパート」「プロフェッショナル」のみであり、その他はたとえ「パワフル」であっても取得できない。
-
さらに、これを示すような説明がゲーム中に見当たらない。
-
金特取得後に能力アップ画面を確認せずターンを進めると、前述の能力変化キャンセルバグにより金特が消失してしまうため注意が必要。
-
そもそも、「ノーマル」「エキスパート」「プロフェッショナル」で金特が取得可能で、「よわい」「ふつう」「つよい」「めちゃつよ」「パワフル」では取得不可能という区分は「パワフル」が事実上の最高難易度であることを考えると合理性を欠いた仕様である。
-
推測ではあるが「マイライフ」の難易度選択の仕様を流用したものの、「よわい」「ふつう」「つよい」「めちゃつよ」「パワフル」には金特取得仕様を実装し忘れたと考えられる。
-
どのゲームレベルを選んでもロックオン等の設定は自由に行えるが、ロックオンをつけても獲得経験点は大して変わらない。
-
したがって野手プレイの場合の最適解はゲームレベル「プロフェッショナル」のロックオンレベル5でひたすらホームランを打ち続ける作業ゲーである。
-
先発投手プレイ時に、登板が無くかつコマンドを選ばずに日程が進む日の試合で日本一が決定した場合、経験点ボーナスを受け取れなくなるバグ。
-
このバグもVer.1.5.0においても修正されていない。
-
ランダムで発生する交通事故で能力値が下がってしまう。「再育成がメインの俺ペナでは不要」という意見もある。
-
ただし、前述の能力変化キャンセルバグを利用すれば無かったことにすることも可能。
その他の軽微なバグや誤表記等
-
モグラーズ編で「ちょっとしたケガ」をすると何故か野手限定で「ミート多用」を取得する。
-
このとき本来取得するはずの「腰痛」を取得しないためプログラムミスとみられるが、ミート多用は投手でも取得できる特殊能力であり真偽は不明。なぜかVer:1.5.0でも改善されていない。
-
ゲームレベルを「フレッシュ」にしていると守備と走塁はオートで固定されるが、モグラーズ編でイベントのショートカットをオフにしていると3年目4月の試合前に野球仙人が「守備はマニュアル、走塁はマニュアル、投球はマニュアルを選んでいたようじゃのう」とデタラメな報告をする。
-
俺のペナントで育成終了後の最終設定で顔設定→選択→オリジナルにカーソルを合わせると「マイライフではオリジナル選手の顔からは選択できません」というメッセージが下に表示される(Ver.1.4.0.以降修正)。
-
システムを「マイライフ」から流用したものの、テキストを直し忘れたとみられる。
総評
発表当初は10年ぶりのシリーズ作品として期待されていた本作だが、サイバーバル等の追加要素は作り込みの甘さや需要の読み違いによりほとんどのプレイヤーから見向きもされず、サイバーバルを除けばGBA版『1・2』よりもボリュームダウンしていたため、「ハイプライスのソフトとしてはボリューム不足」と指摘されることとなった。
サクセスに関してはパッと見の再現性は高かったものの、ディテールに粗が目立ち、今となっては単に不便なだけの仕様はほとんど改善されず、むしろ改悪されたところも見られたため、思い入れのある人からはブームに乗っただけの手抜きリメイクという批判を受けることとなった。一方で、根幹部分には大きな改変はなく、野球部分とグラフィックとBGMについては概ね良質な出来なので、細かいことはあまり気にしないというファンからは好評を得ている。
したがって本作のサクセスの出来はユーザーの趣向によって賛否が明確に分かれる結果となった。一方で、『1・2』だけでは物足りないという点では多くのユーザーの間で意見が一致している。
GBC版の『1』と『2』は当wikiでは良作判定であるが、システム上の改悪点がいくつか指摘されて判定が「なし」になっている『1・2』と同様に、本作の判定も「なし」になっている。
余談
-
早期購入特典として『パワポケダッシュ』がSwitchで遊べるDLCコードが付属していたが、2022年5月26日をもって配信終了。
-
初週のパッケージ出荷本数が10万本程度(ファミ通の売り上げランキングの消化率グラフが20%~40%だったことより推定)だったにもかかわらず、実売3万本で売上ランキングから姿を消してしまったことから急激な値崩れを起こした。2022年3月10日時点でAmazonにおける本作の新品価格は1,800円まで値下がりし、2022年10月時点では1,000円前後で推移している。この価格であれば新規層にとっても「お買い得」かもしれない。
-
なお2022年9月13日時点で、Amazonにおける本作の中古品の最低価格は送料込みで640円(本体240円+送料400円)となっており、リメイク元のパワポケ1・2の909円(本体509円+送料400円)よりも安くなっている。
-
2023年2月時点では8万本程度まで売上を伸ばしている。実はジワ売れしていたとも解釈できる一方、上述の事情から見るに作品内容が好評を得て売上を伸ばしたというよりは急激な値崩れの影響とも考えられる。また、どちらにせよ初週の推定されるパッケージ出荷本数を消化できる売上ではなく、このジワ売れが値崩れを止めるには至らなかった。
-
発売直後から本作に関するアンケートが行われていたが、2022年2月には「パワポケR 今後の展開に関するについてのアンケート」としてシリーズ展開に関する詳細なアンケートが実施されていることから、今後もシリーズ継続の意思があるのではないかと期待する声もある。
-
一方で上述したようにゲーム自体の様々な問題点や激しい値崩れによって不信感を抱いたユーザーもいるため、今後のシリーズの展開について冷めた意見や悲観的な意見も少なくない。
-
「俺のペナント」をそのまま持ってきた場合、単なるマイライフの劣化版にしかならないことは原作プレイ済みのユーザーの間では周知の事実だったのだが、本作は作った選手を活かすモードがあまりにも乏しかったため、いつ実装されるのかと気にしているユーザーは少なからず居た。そのため公式Twitterの実装時期告知ツイートにはミニゲームの複数人対戦機能実装の時と比べると、それなりの反響があった。これを受けてなのか、公式Twitterでは「俺のペナント開幕キャンペーン」が行われた。
-
シリーズで初めて動画投稿ガイドラインが制定された。
-
ブログ等にスクリーンショットを使えないのが難点。
みんな破っている。
-
パワプロ2022でも同様に動画投稿ガイドラインが公開された。
-
発売当初は主にVTuberを起用した宣伝が盛んに行われていた。その後、程なくして急激な値崩れが起こり、ゲーム自体の問題点も多数指摘されるようになったことで、「宣伝だけに金をかけたゲーム」とも揶揄されることになった。
-
2023年4/14(金)~4/16(日)に横浜スタジアムで行われた「横浜パワフルプロ野球2023」では、本作の無料配布が各日4本限定で行われた。
-
流石に全員プレゼントではなく、スタジアム内で催された「カチッと止めてグ〜!」と「さるさるパラダイス」の再現ミニゲームブースの報酬となっている。
-
計12本とはいえ、ゲームの無料配布が行われるのは昨今のプロ野球では異例のイベントで、話題となった。
-
Ver.1.4.0での戦争編のゲームレベル「クラシック」の追加はユーザーにより幅広い難易度で遊んでもらうという意味で有意義なアップデートだったが、当時の国際情勢に配慮したためか公式はこのアップデートについて表立った宣伝を行わなかった。
-
本作の問題点として挙げられた「パワポケの仕様と本家パワプロの仕様を、相性の良し悪しを十分考慮せずにそのまま流用して組み合わせたことによる弊害」は、パワポケR発売に先立って「パワプロアプリ」に実装されたサクセス「花丸高校」にも生じている。
+
|
詳細
|
-
アプリ版「花丸高校」はパワポケ7の「甲子園ヒーロー編」を元にして制作されたものであり、原作同様にヒーローと野球で対決する展開も用意されている。原作における「ヒーロー戦」の仕様は「負けるとゲームオーバー」というものであったが、パワポケの恒例として終盤までの展開は固定されているため勝てるかどうかはプレイヤーの力量次第であった。
-
しかし実装当初のアプリ版「花丸高校」では、このヒーロー戦をアプリ版の「練習試合」に当てはめてしまったため、基本的に試合はランダム進行であり、プレイヤーは主人公の操作しか行えないという仕様になってしまった。
-
さらにアプリ版「花丸高校」は投手育成向けのサクセスであったため、得点圏にランナーがいるときの投球操作しか行えないという状態であり、自動失点と味方打線の無援護が重なると不可抗力による敗戦が頻発する(しかも引き分けは負け扱い)。
-
普段のパワプロアプリの練習試合であればこれでも大した問題にはならないのだが、ヒーロー戦については「負けるとゲームオーバー」という原作の仕様を再現して組み合わせてしまったため完全な不可抗力によるゲームオーバーというパワポケ原作ですらビックリの極めて理不尽な仕様が発生してしまった。
-
当然ながらこの仕様はアプリユーザーから猛批判され、後日のアップデートで監督評価が一定値以上なら全員操作も選べるように仕様変更された。
|
-
『パワポケR』についてはこの件の教訓が十分活かされていないと言わざるを得ない。
その後の展開
-
パワプロ2022には「パワフェス」モードにおいてドリルモグラーズが登場するが、このモードでは凡田・水木・倉刈が本作のパワターを流用して登場している。選手能力はいずれも『2』準拠だが、なぜか倉刈だけは『3』の火星オクトパス所属時の能力値に設定されている。
-
極亜久高校に関しては外藤が本家の極亜久商業を率いて2022以前から参戦しているため参戦していない。
-
『実況パワフルプロ野球'99』の冥球島では極亜久商業にパワポケキャラが加わったことがあったが、当時はパワポケ側もパワプロのキャラを出しており繋がりのあった時期であること、現在はパワプロ版にのみ所属経験のあるキャラも登場しているなど状況が違うことを考慮する必要がある。
-
実際、2020以降の極亜久商業には「善斗薫」という上記のパワプロ版にのみ所属経験のあるキャラクターが加わっており、あくまでパワプロ版のチームであることが強調されている。
最終更新:2025年04月20日 08:20