【じょじょのきみょうなぼうけん おーるすたーばとる】
ジャンル | 対戦格闘 | ![]() |
対応機種 | プレイステーション3 | |
発売元 | バンダイナムコゲームス | |
開発元 | サイバーコネクトツー | |
発売日 | 2013年8月29日 | |
定価 |
通常版 / ダウンロード版:7,980円 限定版『黄金体験BOX』:16,980円(*1)(いずれも税込) |
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判定 | クソゲー | |
ゲームバランスが不安定 | ||
ポイント |
キャラモデリングと細かいモーションの再現度は高い しかし格ゲーとしてもキャラゲーとしても穴だらけ 悪い意味で前代未聞のキャンペーンモード ストーリーがキングクリムゾン 疑わしきファミ通の40点と発売前後の企業の対応 |
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ジョジョの奇妙な冒険シリーズ |
東京ゲームショウ2012の「ジョジョの奇妙な冒険 連載25周年記念発表会」にて発表された、荒木飛呂彦氏の人気バトル漫画『ジョジョの奇妙な冒険』を題材とする3D対戦格闘ゲーム。
略称は『ジョジョASB』または単に『ASB』。
『.hack』『NARUTO ナルティメットヒーロー』シリーズで有名なサイバーコネクトツー(CC2)が開発を担当。
同社は『ナルティメット』の原作再現で高い評価を得ていた上、本作ディレクターを務める同社取締役の「ぴろし」こと松山洋氏が原作の大ファンを自称。
豪華なグラフィックや声優陣による再現度の高いPVを用いた積極的な広報活動に加え、2012年秋~2013年春にテレビ放送されたアニメ版ジョジョも好評。
巷ではジョジョ熱の過熱と共に本作への期待も高まっており、2013年夏季における最大のキラータイトルと目されていたのだが……。
長寿漫画である原作は『部』と呼ばれるパート分けで登場人物の大半が入れ替わるが、本作では連載中の第8部を含む全作品からキャラクターが登場している。
+ | 参戦キャラクター一覧 |
+ | スタイル簡易解説 |
そもそも『ジョジョ』のキャラゲーとして以前に、格闘ゲームである以上ゲームバランスの調整が重要なことは説明するまでもない。
それこそプレイヤー同士での対戦がメインとなるこのジャンルでは特に重視される部分なのだが、残念ながら本作のシステム・バランス調整はかなりの荒削りである。
ゲームバランスが凄まじく不安定な格ゲーは『北斗の拳 (AC/PS2)』を発端に「世紀末」と俗に呼ばれることがあるが、本作もそれと同等の代物である。
+ | 以下ストーリーモードの奇妙な展開 |
+ | 参考動画・20分でわかるはずがない第1部ファントムブラッド |
+ | 以下、不満の多い点の例 |
まとめると、原作再現とは言っても、ただただネタを原作から拾ってくることに終始しているだけである。
そのため個別のモーションなどに問題はなくても、全体で見ると綻びが生じていたり、原作のセリフや言葉の誤用があったりする。
ここまで格ゲーとしての問題・キャラゲーとしての問題双方について上げてきたが、「これだけの数がいるキャラゲーならバランスは二の次でも仕方ない」「原作にそっくりなキャラを動かしているだけで楽しい」と言う層も存在しており、後述通りグラフィックと演出のクオリティは高いためあえてこれらに目を瞑るというプレイヤーも決していなかったわけではない。
しかしそんなプレイヤーからすらも不評なモードがあった。それがキャンペーンモードである。
+ | 検証動画 |
キャラクターの外見面(モーションやモデリング)の再現度や小ネタの数々、質の高い演出や台詞の少ないサブキャラクターにも予算を惜しまず実力派声優をキャスティングしたことなどは確かに評価できる。
しかし、キャラクターの内面の再現度に微妙な部分が目立ったり、肝心の格闘ゲームとしてのバランスが崩壊してしまっている点などを踏まえると、
力の入れ所が余りに偏り過ぎていて、格闘ゲームとして見てもキャラゲーとして見ても歪な代物になってしまっていると言わざるを得ない。
一応、発売してすぐこまめなパッチの更新が行われており、ゲームバランスは「初期バージョンに比べれば」かなりまともになっている。しかし技のモーションなどのパッチで改善できない点の問題はどうしようもなく、未だ壊れ性能と言われているキャラクターの修正が無いこともあり、純粋に格ゲーとして見ればやはり出来の悪い作品となってしまっているのも確かである。これらの事から本作は結果的に非常に厳しい評価となってしまったと言わざるを得ない。
また『ジョジョ』の格闘ゲームとしては好評を得た先駆者がいるため、比較対象として挙げられることも多く、その点もより評価を厳しくしている要因であろう。
ゲームではなくキャラクター鑑賞用ソフトとして割り切るなら、それなりに価値はあるかもしれない。
本作は海外向けにも発売されている。
Ver1.04から更にゲームバランスが調整され、ホルホースの一部の技がゲージ消費するようになったり、川尻の強化がされた。
また、国内版にはなかったアーケードモードが追加されている。
それ以外の欠点は国内版そのままで、ジョニィが無敵化するバグ等は直されていない。
パッチVer1.05はこの海外版をベースとしたものである。
*1 空条承太郎&スタープラチナフィギュア・荒木飛呂彦描き下ろしイラスト入りプレート・サウンドトラックCD付属。
*2 ロは王に路
*3 当初は有料の予定だったが第1弾パッチ配信決定と共に無料DLC化。
*4 バオー来訪者の主人公。
*5 デメリットとして、後述のハートヒートゲージの上昇量が低いという点がある。
*6 キャラ右向きの時で、PCのテンキーの数字に沿った方向入力(5がニュートラルで、2が下、6が右)。236は下、右下、右の順で、いわゆる波動拳コマンド。
*7 ホル・ホースやミスタなど切り替えのないキャラも居る。
*8 地面に記録された出来事を掘り起こして再現する能力。例えば「数分前その場に居た人物」など。
*9 例外として8部に関しては一貫して0個。
*10 プッチ神父は高速化、相手は低速化というワンサイドすぎる効果を持つ。
*11 立ちガードは可能だがしゃがみガードできない攻撃
*12 しゃがみガードは可能だが立ちガードできない攻撃
*13 格ゲー用語。バッタのようにジャンプを繰り返す挙動の事。
*14 カプコン版では空中ではほぼ硬直なしでスタンドを出せた。更にスタンド出現時の専用攻撃まで存在した。
*15 1部・2部・7部・8部から1つ、他は2つ。
*16 こちら側が不利な状況下での戦闘を再現するためか、予めプレイヤーサイドのHPが半減の状態で戦うことになる。
*17 特に5部のトリッシュがDLCどころか名前すら出てこないあたりが顕著。
*18 荒木氏が設定集でお気に入りのキャラとして挙げており、また吉良に初めて立ち向かった「仲間キャラ」である事は間違いないのだが…。
*19 事実、発売前に松山氏が音石への贔屓を公言している。
*20 「だが断る」は相手の「自分にとっては受けたほうが得な提案」に一度は乗ったフリをした上で、矜持のために断るというシーンのセリフである。ただ単にどちらかを選ぶだけの場面には相応しくない。
*21 ちなみに実際には全く別の意味を持つため、原作のイタリア語版の該当箇所は別の言葉に差し替えられている。
*22 一応、プロフィールで設定できる名言にてちゃんとウェザーが言っているものもある。
*23 第1部「ディオ」vs第3部「DIO」など。
*24 「女を尊敬している」という設定によるもの。また本作では対戦時の性能も若干変化する。
*25 他のキャラのラッシュ時台詞と違って「無駄無駄…」と呟くような言い方になっている。
*26 ゲーム3作から1人づつ挙げると、小山力也氏(ファントムブラッドのツェペリ⇔ASBの吉良)、真殿光昭氏(3部格ゲーの花京院⇔ASBの定助)、朴ロ美氏(黄金の旋風のジョルノ⇔ASBの康一)など。
*27 何度もアニメ化・リメイクされている「サイボーグ009」「宇宙戦艦ヤマト」など。
*28 第4部のキャラ・岸辺露伴を語り部ないし主人公とした短編集。
*29 上遠野浩平氏の第5部の外伝小説。
*30 西尾維新氏のDIOの視点で描かれる外伝小説。
*31 舞城王太郎氏のジョセフの父ジョージ・ジョースター2世を主役とした小説
*32 本来なら離脱後敵として再登場の予定だった
*33 「親指を!こいつの! 目の中につっこんで!殴りぬけるッ!」
*34 ただし、髪型を貶されてキレた仗助が特殊モードに入る「けなすやつァゆるさねぇ!」を発動した上でスタンドON状態であることが条件。
*35 4部の仗助と億泰は、1・2部アニメ枠内で放送された『ウルトラジャンプ』のCMで同一キャストで出演しており、その時からはまり役と好評であった。
*36 余談だが、アニメ版第一部においてもタルカス戦でプログレッシブの名曲「Tarkus」を意識したような楽曲が使用されていた。
*37 恐らく、3部メンバーで唯一の純日本人であることからの発想と思われる。
*38 公式ページなどでモードの詳細が明かされたのは発売日前日。当然予約などはとっくに終了しており、こんな遅い時期に説明されたところでどうにかなるわけがない。
*39 メーカーが想定する、ゲームの大体の「ターゲット層」と「平均プレイ時間」が載っている項目。別にきっちり答える必要はないらしく、任天堂などは「誰でも楽しめます」「プレイ方法により異なります」とぼかした答えを返している。
*40 ターゲット層も二極化している現状を踏まえるならばありえない話ではないが。
*41 シーザーとエシディシの戦闘は、原作ではジョセフに肉体を破壊され脳だけになってスージーQにとりついたエシディシを、ジョセフとの連携で撃破したのみ。直接対決したことは一度も無い。
*42 ドラゴンボールZシリーズが顕著。原作再現の意図的に、キャラ性能に大きな差をつけた仕様がある(ヤムチャのみサイバイマンの自爆で残りライフに関係なく一撃死するなど)。
*43 JR東日本の企画以外で全面ラッピングを施したのは、2009年の「明治ミルチトレイン」のみ。
*44 本作の他に『ラブライブ!』や『相棒DS』等がこのタイプだった。