兵藤一誠

ひょうどう いっせい


身長:170cm
体重:65kg
誕生日:4月16日
種族:人間→転生悪魔(人間)→人型ドラゴン→転生悪魔(人型ドラゴン)
ランク:「兵士」→「王」

概要

本作の主人公。
駒王学園高等部2→3年生、オカルト研究部所属。現「赤龍帝」。
通称は片仮名表記の「イッセー」。
作中では両親や友人、オカルト研究部の部員たちから呼称され、ライバルたちからは漢字表記で呼ばれている。
元は普通の人間だったが、強大な神滅具赤龍帝の籠手」を宿していたことを危険視され、堕天使レイナーレに殺害される。
リアスの下僕として転生悪魔となったことで蘇生し、転生時には「赤龍帝の籠手」のポテンシャルの高さから、「悪魔の駒」の兵士分8個全てを消費する。
相棒は籠手に宿る「赤い龍」ドライグ

三章の終盤で、敵対する旧魔王派シャルバ戦で「龍喰者」サマエルの呪いを受け肉体が一旦滅んだが、歴代赤龍帝の全員が呪いを防ぐ盾として自ら犠牲になりイッセーの魂を守ったことで完全消滅を免れ、「赤龍神帝」グレートレッドと「龍神」オーフィスの力を借りて新たに肉体を新調して「次元の狭間」から脱出する。
その後「悪魔の駒」にて再び転生を行い、「元人型ドラゴンの転生悪魔」となる。

13周年記念の「D×D」人気総選挙での順位は、「全キャラ部門2位」「男キャラ部門1位」。

外見

体格は中肉中背だが、日々の修行で徐々に逞しく引き締まった体型になる。
髪型は龍を模ったような形をした茶髪が特徴。
学生服の着こなしはブレザーとワイシャツを全開にし、赤色のTシャツがトレードマーク。
桐生の見立てでは、「男に付いてるアレ」は「そこそこある方」らしい。

趣味・嗜好

超重度のおっぱいフェチで、桃園モモという巨乳アイドルのファン。
親友の松田・元浜と共に「変態3人組」の筆頭として学園の女生徒の大半から「スケベで妄想癖ありでキモい」と嫌われていた。
その趣味が善悪問わずに影響を起こすこともある。

奥手であることを熟知している朱乃ゼノヴィアからさえも、その性欲を「(性交渉の)経験が豊富そう」と見られている。また、性的嗜好の細かいところに拘りを持っている。

少年漫画「ドラグ・ソボール」のファンでもあり、単行本と特装版の初版を全巻揃えている。
また、その漫画に登場する主人公の技「ドラゴン波」のモノマネを特技としている*1

幼少期は釣りが趣味だったもののある体験がきっかけとなってほとんどすることがなくなっていたが、両親に転生の事実を受け入れてもらってからは再び釣りに行くようになる。
プラモデル製作も趣味だったが成長とともにあまり作らなくなっている。

食事は乳製品を好み、母直伝のシチューやリアスのクリームパスタ、木場のチーズケーキが特に好物。
これには後述の牛乳にまつわる体質も関係している模様。

性格

自他共に認めるドスケベ。
覗きを平然と行い、伝説の神滅具の力すら性欲を満たすために惜しげもなく行使し、新しく「透過」の能力を手に入れた際は即座に女性に覗き目的で使用する。
反面、女性側から攻められると初心になり押しに弱くなる傾向があり、ゼノヴィアに子作りを実行されそうになった際に抵抗できなかったり、朱乃に告白されて誘導される形で一線を越えそうになったことすらある*2
リアスの婚約破棄後に使い魔として最高の人材と見込んでいた服を溶かす粘液を分泌するスライムの「スラ太郎」と触手生物の「触手丸」を喪ったショックが尾を引いて、「魔獣騒動」後にスキーズブラズニルを紹介されるまで長らく使い魔を持っていなかった。

性欲を除けば、その精神性は常識的でかつ主君同様強烈に身内への情愛に満ちている。
目的に真っ直ぐで努力を厭わない真面目さ、また、差別のない評価など、仲間思いである人となりはグレモリー眷属の精神的支柱である。
当時、「禍の団」のトップだったオーフィスに対してその「本質」を理解し手を差し伸べて友達として接していることもある。
仲間のために必要とあらば自分の身柄を躊躇なく差し出す献身性は、時に諸刃の剣となるが、そのような自分の危険性を理解できる謙虚さと知性をも有している。
タンニーン他の猛訓練を望んで受け止め乗り越える努力家でもある。
その性格故に、無茶ばかりする傾向がある。
また、悪いことをしたと思ったり自分で許せないようなことがあると、きちんと自分から謝るといった誠実な一面もある。

また「肉体の新調」がきっかけで2体の龍神の影響を受けた結果、彼らが望んでいる「平穏」を愛する気持ちが強く表に出るようになり、「邪龍戦役」を経て「俺の大切なものを傷つける者は何人(なんびと)であろうと、神だろうと、絶対に倒す」という絶対の誓いを覚悟と共に皆に告げている。
その一方で数々の戦いを乗り越えた末に「強さ」に惹かれはじめ、信念を持った戦士たちの戦いに心を躍らせるようになる。
転生してからは常に格上相手の戦いに明け暮れ主人を勝たせるためなどの理由から必死に戦ってきたこともあって、「アザゼル杯」でのデュリオ戦までは「戦いを楽しむ」という感情を覚えたことがなかったため、一時はそのことに関して悩んでいた。

対人関係

どんな相手とも最高の友達になることができる才能を持つ。
上記の松田と元浜とは中学時代からの付き合いである親友であり、2人との関係性を大切に思っている。
一方、学園アイドルたち絡みでそれぞれ「ハゲ」「メガネ」と罵り殴りあうこともしばしば。
また、元浜がロリコンであることを、たびたび忘れている。
自分が悪魔になってからは遊びなどで付き合いづらくなり、「悪魔の特性によって2人との関係が拗れてしまうのではないか」といった悩みも抱えている*3
桐生からは女子がらみでしばしばからかわれており、後に彼女が異能関係者になってからは自宅に招く機会も増えている。

長く子宝に恵まれなかったこともあって両親からは大切にされており、自身も「最高の親」と語るなど家族仲は非常に良好。
ヴァーリと初めて戦った際に両親を殺すと宣言された時には、初めて明確な殺意を抱き、感情の爆発によって圧倒的な実力差があるヴァーリに対して一矢報いている。
そういった事情もあって、悪魔に転生したという秘密を持つことに罪悪感を覚えていた。
20巻にて両親を拉致したリゼヴィムによって事実を暴露されてしまうが、変わらぬ愛情を向けてくれる両親に感謝とより強い愛を覚えている。
両親が生きている間は精一杯親孝行しようと誓っており、2人に危害を加えようとしたハーデスの一派には明確な宣戦布告をしている。

オカルト研究部の女子全員から熱烈な好意を持たれ、毎朝毎晩のように熾烈な争奪戦「地獄のイッセー先輩争奪女子会」(命名は小猫)が繰り広げられている*4
ただし、後述のトラウマもあってか女性から向けられる好意に鈍いところがあり、女性陣からしばしば苦言を呈される。
主の友人からも評価は高く、ソーナには信頼されて名前で呼ぶことを許されており、シーグヴァイラからは同好の士だと思われて親近感を持たれている。
また、グレモリー家からは「若様」と呼ばれるなど将来の婿として扱われ、フェニックス家はレイヴェルをイッセーの眷属にさせることで将来の婚姻への布石にするという思惑があったりする。
その一方で、初めての恋人だと思っていたレイナーレとの一件が、現在でも痛烈なトラウマとして残っている。
無自覚ながら女性不信に陥ることが多々あり、近しい女性と関係を深めるに当たって、たびたびフラッシュバックを起こすなど*5で苦しんでいた。
このため、主従以上の関係を望むリアスとの間に次第にすれ違いが起きてしまうが、当時の事態を知るアーシア小猫、朱乃たちの励ましで乗り越え、2年生の学園祭の時に告白しリアスと恋人関係になる。
プライベートでは10巻から彼女を「リアス」と名前で呼ぶようになったり、17巻からはお互いタメ口で話すようになるなど、少しずつだが関係を進展させ、彼女の卒業式でプロポーズを果たす。
さらに「アザゼル杯」の「雷光」チーム戦におけるバラキエルとの問答を経てハーレム王になることへの覚悟を決め、朱乃、ゼノヴィア、イリナ、アーシア、白音(小猫)、黒歌ロスヴァイセとも婚約する*6
ただ、女性と同衾することはあってもそれ以上の進展はなく、未だに童貞。

親友となった木場の積極的な(?)アプローチや、時折膝に座ろうとするギャスパーの行動から困惑することもあるが、グレモリー男子との仲は良好。
恩師であるアザゼルによって頻繁に人体実験の被害者となっているが、教師として非常に信頼しており仲間に対してはできないような相談事を持ちかけることもある。
当初は敵対関係にあった現白龍皇のヴァーリとも、今ではライバルとして修行・共闘する仲であり、シトリー眷属とは良好な友人関係を築いているほか、ライザーやサイラオーグとも時折連絡を取り合っている。

相棒であるドライグとも確かな信頼関係を結んでいるが、自分の性癖が彼を苦しめていたことは理解しており、直すつもりはないものの申し訳ないと思っている。
なお歴代赤龍帝ではドライグへ語りかける頻度が最も多いらしく、きちんと1つの存在として認識していることを感謝されている。後に「簡易版のアムリタ」を服用したことで、一時的だがドライグを顕現化させることができるようになり、生身での対面を果たしている。

ドラゴンとしての師匠であるタンニーンを理想の「ドラゴンの王様」と目標にしており、その他にもアーシアを守るために全力で戦ったファーブニルや本来の姿をとったクロウ・クルワッハも目標と考えている。
また消滅した肉体を新調してくれたオーフィスとグレートレッドのことはもう一組の両親のようなものと認識しており、オーフィスの方からは「はじめての友達」ということで懐かれて(憑かれて)いるだけでなく、力を与えて「第3の龍神」に成長させようとしている可能性があるとのこと。

周囲からの印象・評価

リアスたち学園のアイドルと親しくなってからは男子生徒(とくに松田と元浜)からも嫉妬と敵意を向けられ、女生徒たちからはリアスと登校中に「あんな下品な奴と!」と陰口を叩かれ、視界に入っただけで「見られただけで謎の催眠術にかかって好き放題される」「それで学園のアイドルをみんな手篭にした」などと評判は最悪の一言に尽きる(大半は松田と元浜が嫉妬して流布したガセ)。
だが、話が進むにつれて逞しく成長してきた結果、その評価が少しずつだが変わりつつあり、次第に野性的だと好意的に見る女生徒も現れ始めている。
教会の戦士たちのクーデター後は、紳士的で朗らかな木場の言葉のおかげで女子から以前ほど毛嫌いされなくなる。
また、アーシアたち外国人の転校生に親切にしていることもあり、意外と面倒見がいいという評価も受けているが、それでも未だにスケベすぎると教師に苦情は来ているらしい。
なお、アニメ版では、あまり話題になるほど噂は広まっている様子もなく、周りから酷く叩かれる日々は送っていない。

また、それ以前にリアスの使いできた木場との会話場面を目撃した腐女子たちから「イッセー×木場」の組み合わせが流行りだし始め(小説2巻)、なおかつ小説3巻のエピローグで桐生のイタズラによりカラオケで木場とデュエットしている場面を撮られた写メールを学園中に流布されたことで自身と木場との同性愛説が強調され、くわえて彼と一緒にいたり、歩いている場面を目撃されると「木場君が汚れる!」→「“兵藤×木場きゅん”は鉄板」と認識を改められて妄想されるようになっており、漫画「野獣兵藤×木場きゅん」や同人誌「プリンス×ビースト」のモデルにもされている。

身体機能は一般人レベルで先天的に有する魔力に乏しく、禁手に至るまでも他の赤龍帝に比べると長い訓練期間を要していたことなどから、当初はドライグに「歴代最弱の赤龍帝」と評価され、敵から軽くみられることも少なくなかった。
しかしその一方で自身の非才を素直に受け止め日々の修行に愚直に邁進する姿から、一部では「歴代で最も力の使い方を覚えようとしている赤龍帝」として高く評価され、強者たちからは興味を持たれ、意識するしないにかかわらず、存在と成長を見守り誘おうとさせる何かを持っており、特にアザゼル、アジュカ闘戦勝仏帝釈天からは直接指導や助言を受けている。
帝釈天からは「普段も本気もB級なのに、決める時にはSSSな奇跡を叩き出す未知の産物」と評されており、それゆえにアザゼルたちも明確な育て方を見つけられず、基礎体力やパワー配分の訓練を除けば、とにかく「切っ掛け」を与え続けて壁をこじ開け力の解放を進めるという手探りの育成方針を取らざるを得なかった。
前述の通り肉体が完全消滅しながらも再び蘇るという奇跡を成し遂げたことで、その異常なまでの復活劇により冥界の現政権の対立派閥からは畏怖されはじめている。

禁手「赤龍帝の鎧」に覚醒してからは、「身分は下級悪魔でも実力は最上級悪魔にも匹敵する」と周囲から言われるようになり、アジュカに「多くの者に認められた奇跡のような存在」と評される様々な強化を経て遂には「龍神の力」を解放し、「神の奇跡」に匹敵する力を得たことから「歴代最強の赤龍帝」と認められる。
リゼヴィムは近い将来「超越者」の1人として数えられるだろうと予測して「龍神化」状態から「龍の魔王(サタン)」と評し、「邪龍戦役」での活躍により「燚誠の赤龍帝*7」の二つ名で呼ばれるようになる。ヴィーザルからは「駒王学園の赤い龍(ハイスクールD×D)」と呼ばれており、「神クラス」として見られている。

サーゼクスからは「冥界の希望」、グレイフィアからはリアスと共に「冥界を背負えるほどの逸材」して大きな期待を掛けられており、「邪龍戦役」後はいずれ魔王になってほしいと思われている。
「アザゼル杯」でベスト4以上に入れば魔王に推薦されることが検討されており、サーゼクスからは「七大魔王」の8枠目としてドラゴンとも同一視されることのある「サタン」を襲名することを提案され「真紅の魔王(クリムゾン・サタン)」を継承してもらいたいと考えている。
ただ、本人には魔王を目指すという意識は薄く、アザゼルのようなポジションに憧れている。

冥界政府では、2代目ルシファーのサーゼクスの将来の義弟であることから、初代ルシファーの子孫であるヴァーリと共に冥界政府の新旧のルシファー派を合流させ得る重要人物と目されている。
それだけでなく、イングヴィルドの主であることから、レヴィアタン派を合流させることも不可能ではないと考える者も現れている。
異世界「E×E」の高位精霊神である乳神からも注目され、アムリタを飲んで乳に対する力が神性を帯びてからは、たびたび交信を受けている。

学力・特技

偏差値が高く、入学も難関といわれている駒王学園に入学できたのは、「元女子校で、女子の比率が高い」という理由からスケベ根性による猛勉強をした成果が実を結んだためである。
もともと学力は低く、勉強もダメでテストでは赤点を免れるのがほとんどで、成績は同級生の松田と同レベル。
悪魔の体質的に完璧にこなせる英会話を除くと唯一国語は得意なようで、期末テスト平均90点以上のゼノヴィアとも張り合える(ただし、ゼノヴィアの一番点数が低かった科目は国語)。
しかし悪魔関連で起こった事件の連続で忙しくしている中で、リアスに勉強を見てもらったことで付焼き刃とはいえ学園での期末試験も乗り切っていることもあり、勉強が全くできないわけではない。

また、ライザー戦に向けたトレーニングの座学にて木場の手解きを受けたことや、リアスの実家であるグレモリー家において、リアスの母・ヴェネラナから帝王教育*8を仕込まれて以降は毎日復習・暗記していること、中級悪魔試験に向けて猛勉強して無事合格を果たしていることなどから新しい知識に対する吸収力も高い。
また、学園での球技大会に向けて体操着に不器用ながらもゼッケンを刺繍したり、学習した悪魔文字をヴェネラナに見られた際にも「懸命に覚えようとしている」ところを高く評価されている。
このことから「やればできるタイプ」であり、サーゼクスやグレイフィアからも「何事も一生懸命に取り組む」と高く評価されている。
3年生に進級して3年B組のクラスになる。

能力・使用技

戦闘への最大の原動力はその「エロ」「おっぱい」といった旺盛な性欲であり、乏しい魔力の才能の大半を費やして2つだけだが非常識かつ女性限定の強力なエロ技を開発する。

1つは女性に触れて身につけている衣服などを粉砕する技「洋服崩壊(ドレス・ブレイク)」。
当初は女性が身に纏うあらゆる物を崩壊させる「B(ボディ)バージョン」のみだったが、後に女性が身に宿すあらゆる術式を崩壊させる「A(アストラル)バージョン」を編み出している。
一見するとAバージョンに比べてBバージョンは防具の破壊程度の効果しかないようにも感じられるが、「魔人化」したジャンヌのように武器を直接体に纏っているような場合は武装を丸ごと破壊できるなど場面によってはかなり有効に作用する。
さらに「龍神化」状態の強大な力を使うことで直接触れずに遠距離から女性の衣服を吹き飛ばす、「洋服崩壊・龍神式(ドレス・ブレイク・ディーディー)」も開発している。

もう1つは女性の胸の内を盗み聞きする(本人曰く「おっぱいの声を聞く」)技「乳語翻訳(パイリンガル)」。
これは胸に直接語りかける技なので読心の対策をしていても防ぎきれないことが多い。
これらの技はどちらも並みの防御なら無視して作用するため、ジークフリートからは「恥辱にまみれても戦い抜く鋼の精神が必要」とまで言われており、実戦では敵の女性陣をほぼ無力化するなど有効に機能するが、あまりに卑猥な技であるため、レーティングゲームでの使用を原則禁止されている*9
後に祖父・十蔵の協力で新たに2つの乳技を開発、後述の「超乳波動砲」に加え、乳房に触れることで離れた場所にいる女性と会話する発展型の「乳語電話(パイフォン)」により、乳通信者(キャリア)次第で通信速度や回線の状況が変化するものの相互の対話が可能となる。
さらに、「乳語電話」に「龍神化」の「譲渡」とイングヴィルドの神滅具「終わる翠緑海の詠」の力が組み合わさることで、周囲の女性のおっぱいをスピーカーにして味方全体を強化する「乳音拡声(パイポッド)」となる。

元が全く一般人の人間であり、魔術その他の能力への理解が欠如していた。そもそも魔力が少ない体質で、転生したての頃は悪魔の仕事で転移魔法陣から依頼者のもとに転移できないほどに魔力が弱く(リアス曰く子供並みかそれ以下)、自転車で依頼者のもとに赴いている。
なお冥界での合宿後は自身の成長もあって転移も可能なまでに魔力が増えているが、悪魔に成り立ての頃から縁がある依頼者からは「イッセー=自転車」のイメージが定着しているため「王」として独立してからも自転車で通っている。

遠距離攻撃用の魔力行使に関する才能(≒「僧侶」の適性)に乏しく、
  • 「赤龍帝の籠手」の倍増を使った「ドラゴンショット」
  • 「龍牙の僧侶」状態の「ドラゴンブラスター」
  • 「真紅の赫龍帝」状態の「クリムゾンブラスター」
  • 「龍神化」での「∞・ブラスター」
  • 集めた乳力(にゅうパワー)を変換して発射する「超乳波動砲(にゅうトロン・ビーム・キャノン)」
といった単純な魔力砲撃と、
  • 龍王直伝の火種の魔力を増幅して吐き出す「火の息(フレイムブレイズ)」
  • 「龍神化」状態で発動できる強化版の「燚焱の炎火(いつえきのえんか)」
のような火炎放射能力しか持たないため、戦闘では近接での肉弾戦が主体である。
また、サーゼクスの「消滅の魔弾」を参考に訓練して、発射した魔力砲撃の軌道をある程度操作することもできるようになった。
武術の才能があるというわけでもないが、特訓によって不足を補う努力を続けたことで体術に関しては確実に力を伸ばしており、「禁手化」後は眷属でも随一のパワーを身につけている。

一方で「根性」については眷属内でも随一とされ、不屈の精神力を持つ。
適応力とバイタリティも、元龍王タンニーンが吐きまくる火の雨の中の過酷なサバイバル生活に順応するほど高く、アザゼルをして「ある意味悪魔を超えている」「想定外」と言わしめた*10
ゲームでのリタイアはこれまでで一度だけで、その1回も「大量の失血」という身体的なダメージの過多に関わらずゲームのシステム的に強制的なリタイアが不可避のものである。
また頭の回転も悪くはなく、時に相手の意表をつくような奇手を思いついて一矢報いることもある*11

天使・堕天使・悪魔三者の会談前に和平の願掛けとして、天使長ミカエルより「龍殺し」の聖剣アスカロン」を譲り受け、「赤龍帝の籠手」に内蔵している。
そのため、広義の「聖剣使い」ともいえる*12が剣術の心得はまるでないため、自分自身で刃物として扱うことは滅多になく「龍殺し」の力を引き出す道具として用いることがほとんどである。
のちにシェムハザから「アスカロンII」とその試作品も譲渡され、「赤龍帝の鎧」の右手と尻尾の部分に内蔵している。

いざという時には自身の犠牲をいとわない性格で、神器を発現して間もない頃には
  • 禁手を10秒だけ強制的に行使するため自分の左手を代償にする
  • ヴァーリの鎧から外れた宝玉を右腕に埋め込み寿命の一部と引き換えに相反する白龍皇の半減の力を得る
などの無茶をしていた。
しかし、「覇龍」による暴走で1万年ある寿命の99%を失い、余命100年を宣告されたため、以後は小猫の仙術による治療で生命力の回復に努めながら命を削る覇龍とは違ったアプローチで力の向上を模索し始め、神器の奥底へ潜り歴代赤龍帝との対話や、堕天使総督アザゼルからのアドバイス、魔王アジュカによる「悪魔の駒」の調整などの契機を経て「赤龍帝の三叉成駒(イリーガル・ムーブ・トリアイナ)」を会得。
サイラオーグ戦では歴代赤龍帝の怨念を払拭、「覇」を克服したことで「真紅の赫龍帝(カーディナル・クリムゾン・プロモーション)」に目覚める。
この影響か、イッセーの持つ「悪魔の駒」の8個中4個が、後天的に「変異の駒」に変化する*13など、従来の赤龍帝とは違う驚異的な成長を見せる。
それは「歴代でも最も危険な赤龍帝」として敵対する「禍の団」に脅威を与えるなど、冥界・天界のみならず他勢力からも注目されている。

人型ドラゴンになって以降は、グレートレッドとオーフィスの力が加わったことで今後の成長が(それまで以上に)予測不可能となる。
そのせいか生命力が摩訶不思議な状態になっており、「夢幻の龍」であるグレートレッドの影響でいきなり0まで減少したり、「無限の龍」であるオーフィスの影響で無制限に増大したりしている。
そのため即座に命に関わるようなことはないとされているが、生命力の安定を保つために仙術治療は続けている。
さらにオーフィスの呪いにも近しい加護*14によって肉体ごと魂を消滅させない限り倒せないようになっており、最上級死神に鎌で攻撃されても物理的なダメージ以外は完全に無効化できる。
加えて「人型のドラゴン」となったことでオーラを集中すると体の一部を意図的にドラゴン化できるようになったが、この状態になると意識が戦闘型に塗り替えられて疲労も大きく、日常の生活にも苦労している。
なお、リリスによるとイッセーの体からはオーフィス(リリスと同じ)とグレートレッドの匂いがするらしい。

二天龍の和解をきっかけに「白龍皇の妖精達(ディバイディング・ワイバーン・フェアリー)」を会得し、さらには獲得した「夢幻の因子」により限定的ではあるが「赤龍帝の籠手」の禁じられた力である「ロンギヌス・スマッシャー」を発動できるようになる。
ドライグの助けもあり封じられていた「透過」の能力も解放され、アグレアスにおけるリゼヴィム戦ではオーフィスの力を得て「龍神化」に至り、それまでは使うことのできなかった「龍神の無限の力」も発揮できるようになり、残る4つの悪魔の駒も「変異の駒」に変化する。

真1巻時点での実力は、生身のままでも名実共に上級悪魔クラス、「真紅の赫龍帝」(強化後)形態で魔王クラス、「疑似龍神化」で超越者クラスとなっている。
体力については生身でも数十キロメートルの走り込みが平気でこなせるほど。

悪魔の翼を使って飛ぶのが苦手で、「禁手化」して鎧から生えた翼を使いドライグに飛行をサポートしてもらわなければならなかったが、ドラゴンの肉体になった際に背中からドラゴンの翼を出せるようになり、そちらの方が性に合うらしくすぐに単独で飛行できるようになっている。
鎧のブースターを使った移動速度もかなりのもので、直線での最高速度なら木場やヴァーリをも上回っている。

乳関連でパワーアップを果たすたびに体の調子も変化しており、母乳および乳製品の摂取により回復する体質になっている。
「龍神化」の後遺症で多臓器不全となっていた時も、母乳を混ぜた「フェニックスの涙」に体を浸しただけで復活している。
なお、赤龍帝の「他者を引き寄せる才能」に関しては歴代でもトップクラスで、伝説の存在や強者を否応なしに呼び寄せてしまうため、一般に平和とされる悪魔社会の中では異例なほど戦闘の多い日常を送っている。
さらに、変人や変態までひきつけてしまい、依頼人はほぼ例外なくそういった類の人間である。

弱点

弱点としては、サポートも多少できるとはいえかなり純粋なパワータイプであるため、テクニックタイプのハメ技に非常に弱いということ。
また、クロウ・クルワッハのような自分よりはるかに格上の相手にはパワー不足を指摘されることもある。
加えて、今でこそ日々のトレーニングや肉体を新調したことで並の人間レベルを超越したものの、「禁手化」しない状態では格段に戦闘能力が下がる。
「倍加」をはじめとする赤龍帝の能力を大雑把にしか把握できておらず、スタミナ管理がどんぶり勘定でドライグにも負担を強いているため、孫悟空の指導で力のコントロールを行う特訓を受けている。
肉体の新調により2体の「龍神の力」をその身に宿すことになったものの、オーフィスは2つに分けられたまま共鳴できていないため、秘められているスペックを十全には発揮できない状態にある。

悪魔なので光や聖なる物品も当然弱点。
ただし、限定的な「禁手化」の代償でドラゴンのものとなった左腕だけは例外で、十字架を持ってもダメージを受けない。
また、「赤龍帝の籠手」の影響で「龍殺し」の力も弱点であり、グレートレッドの肉体により人型ドラゴンとして復活してからはその分のダメージも受けるようになってしまい二重の意味で天敵になってしまっている。
さらに自身の特異性が「悪魔の駒」に依存している関係上、駒が封じられるか体内にない場合はその真価を発揮できなくなる。
弱点というわけではないが、眷属内では朱乃に次いで駒価値が高いために「ダイス・フィギュア」では活躍しづらい。

善良な性格の持ち主ではあるが邪念(煩悩)が多すぎるのも欠点で、高潔な人格の持ち主であれば重さを感じないというミョルニルのレプリカは生身の状態では重すぎて持ち上げることができず、白音モードになった小猫に触れると浄化されてしまう。
加えて色仕掛けに簡単に転んでしまうのも問題で、ストリップショーや水着映像で攻撃を封じられてしまったこともある。
なお、婚約者がいても未だ童貞であり、そのことを逆手に取った装備を用意して来た敵もいた。

戦歴が1年に満たないため、実戦経験こそ比較的多いものの圧倒的に経験が浅いことから、地力で上回っていても思わぬ苦戦を強いられることがある。
特に指揮官としては素人で、「王」として初めて臨んだ「アザゼル杯」では初戦から周囲の期待に沿った戦果を挙げられずにいた。
一切指揮ができないというわけではないが、レイヴェルが仲間に入ってからは彼女に頼りきりになりがちで、帝釈天からもレイヴェルの不在でチームが機能しなくなる危険性について指摘されている。

悪魔稼業において

当初はハーレムを作るために上級悪魔になる事が第一目標だったが、悪魔稼業の中で意識が変化し、最強の「兵士」になること、いずれはリアスから独立し「王」としてレーティングゲームで活躍すること、そしてヴァーリと戦い勝利することが大きな夢として加わる。
対「禍の団」戦や対ロキ戦などの戦闘や対サイラオーグ戦での活躍が評価され、サーゼクスの推薦で上級悪魔昇格の話が持ち上がるも、段階を踏む必要性から中級悪魔試験を受け合格。
昇級後に「灰色の魔術師」から魔法使いの契約相手の候補を提示されたことや、吸血鬼の貴族であるエルメンヒルデから「ただの下僕悪魔」と無下に対応されたことから、自身の進路に関して真剣に考え始める。
なお、魔法使いの契約申し込み数はリアス、ロスヴァイセ、アーシアに次いで4番目*15で、後にヴァーリチームが「D×D」暫定メンバーになって恩赦を受けたことでルフェイと5年契約を結ぶ。

「邪龍戦役」後は功績を評価され悪魔になってからわずか1年足らずという異例のスピードでついに念願の上級悪魔へ昇格し、「王」となって独立を果たす。
リアスやフェニックス夫人、ソーナとトレードを行い、真4巻時点での「兵藤一誠眷属」は「女王」にイングヴィルド、「戦車」にロスヴァイセ、「騎士」にゼノヴィアとベンニーア、「僧侶」にアーシアとレイヴェルの計6名を採用している。
まだ自分だけの領地は得ていないが、独立後はリアス・グレモリー眷属から駒王町の3分の1を任され、「兵藤一誠眷属事務所」で悪魔の仕事にも励んでいる。

ヴァーリからは眷属という枠にとらわれない自分だけのチームを作って勝負することを提案されており、「アザゼル杯」では眷属でない面々も加えた「燚誠の赤龍帝」チームを結成して参加する。
また、シヴァからは対帝釈天の戦力として自陣への勧誘を受けている。
アジュカたちからは2〜3年後を目処に設立を予定している諜報機関「EXE(エグゼ)」の中心になってほしいと打診されている。

その後も「神クラス」を複数撃破したことで、最上級悪魔への昇格が話題に上るようになる。
そして「地獄事変」を解決した功績から、特例で2階級特進して新たな位である「特級悪魔」になり、同時に新たな「超越者」に認定される。

活躍に伴う影響

シトリー戦で「おっぱい」を連呼したことが冥界の子供たちに大受けし、イッセーを主人公とした特撮番組「乳龍帝おっぱいドラゴン」が放送され*16、高視聴率と関連グッズの売り上げでグレモリー家は貴重な収入源を得ている。
その影響で冥界の子供たちからは絶大な人気を誇っており、番組のタイトルから「乳龍帝」あるいは「おっぱいドラゴン」と呼ばれることも多い。

この番組は「覇龍」の暴走を止め、サイラオーグ戦での「真紅の赫龍帝」への覚醒、さらには「次元の狭間」からの脱出などイッセーの成長に重要な役割を果たすものの、二天龍のプライドを破壊しカウンセラーと薬剤投与が必要になるほどの心の病をドライグとアルビオンに与えた。
イッセー本人の「おっぱい」に対する渇望は対ロキ戦で未知なる異世界の神「乳神」を呼ぶまでに至るが、「おっぱいドラゴンの歌」2番のサビである「ずむずむいやーん」を言われることは余り好まず、「おっぱい」というワードが自身の存在認識にされることに悩みを持っている(例外はグレイフィアのみ)。

著作権料はイッセーのもとにも入っており、その資産は両親に地球一周旅行をプレゼントできるほどに潤沢な物となっている。
「高校生で未成熟な悪魔に大金は早い」という理由でグレイフィアが管理していた(このことはイッセー本人も了承している)が、独立後は事務所の備品を揃えるなどの必要から適宜口座から引き落とされるようになり、将来の嫁たちのために使っていい「ハーレム用クレジットカード」を作ってもらっている。

龍帝丸(りゅうていまる)

イッセーの使い魔。
「魔獣騒動」後にスルト・セカンドから譲られた、「スキーズブラズニル」と呼ばれる北欧に伝わる空飛ぶ魔法の帆船。
イーヴァルディ一族が作成した貴重な一艘で、「生きた飛行船」とされるように主人のオーラを糧に成長して様々な姿に進化する性質を持つ。
見た目以上にパワフルで、貰いたてでほんの小さな模型クラスの段階でもイッセーをぶら下げて運べるだけの馬力がある。
17巻現在でボートほどの大きさだったが、主の「龍神化」などの影響を受けたせいかわずか4か月ほどの間に急成長しドラゴンの意匠を持った巨大な飛行船となる。

「邪龍戦役」直前の未来からの「UL」襲撃後の記憶修正から漏れていたため、未来に訪れる脅威を認識しており、彼らへの備えとしてグレートレッドの力を自らに顕現させることを決め、「アザゼル杯」本戦1回戦直後に突如として繭のような膜に包まれて変異を始めたため、冥界にある「神の子を見張る者」のドッグへ搬入される。
そして、以前の飛行船形態からは縮小したものの、側面には魔力を噴出して加速するための複数のスラスター、強大なオーラを放つための砲身といった武装をいくつも実装した、攻撃的なフォルムの「巨大飛行ユニット」への変化を遂げ、単独でも拠点防衛が可能となる。
さらにはイッセーと合体することにより、星をも滅ぼす強力な新形態「A×A(アポカリュプス・アンサーアームズ)」に進化する。

なお、飛行船時代は帆にイッセーの直筆で名前が書かれていた(黒歌にはダサいと言われた)が、飛行ユニット化した際に帆がなくなり消滅している。

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最終更新:2025年03月08日 09:52

*1 「ドラゴンショット」の元ネタになっているのもこの技である

*2 いずれも未遂に終わっている

*3 14巻179ページによれば、「自分が松田と元浜と違う生物になった」ことや、悪魔は長生きで外見も自分次第であることから、「2人が歳をとれば自分も2人に歳相応の姿に合わせなければ付き合いが厳しくなりそうだ」と漏らしている。

*4 そのため、増築に伴ってキングサイズとなったベッドでも手狭で、「魔獣騒動」以降は寝ている間に自分の寝床から蹴り落とされ、床で目を覚ますことも珍しくなくなっている。

*5 その他にも、「先輩」付けで呼んでいた初対面前後を除き、リアスをなかなか名前で呼べず「部長」の呼称で通し続け、さらにオカ研女子部員全員を無意識に怯えるような視線を向けてしまっている。また、リアスから向けられる好意に関しては情が深いだけだと思い込んでいた。

*6 ゼノヴィアとイリナからは逆プロポーズされている。

*7 誠(まこと)の燚(ほのお)を胸に秘める悪魔にしてドラゴンという意味。

*8 「悪魔文字」「悪魔社会関連」「グレモリー家のしきたり」「社交ダンス」「上流階級での振舞い」など

*9 ただし、バアル戦ではサイラオーグがギャスパーの神器「停止世界の邪眼」も含めて許容しているため、使用していた。

*10 アザゼルによれば、タンニーンが手加減していたとはいえ普通なら死んでいるレベルだったとのこと。アザゼルとしてはまさか着の身着のままで攫われてから山中で生活し続けるとは思っておらず、途中で音を上げると考えていた。

*11 例として、「白龍皇の鎧」の過剰な力を排出する機構を阻害してダメージを与える(4巻)、猛毒のサマエルの血を詰めた弾丸を「譲渡」で強化したスイッチ姫の玩具で発射する(12巻)など。

*12 ただし、通常の聖剣使いのように因子を持っているわけではなく、アスカロンの方を調整することで使用可能になっているという特殊な事例である。

*13 駒の1つ1つが「龍牙の僧侶」「龍星の騎士」「龍剛の戦車」「真紅の赫龍帝」に相当する。

*14 リリスが兵藤邸に居候し始めてから、より送られてくる力が強まっているとのこと。

*15 冥界での絶大な人気に比べて契約数が伸び悩んだのは、使うのがエロ技ばかりで魔法使いからのウケがあまりよくなかったからだとされている。

*16 イッセー本人には芝居気などないため、本人も含めてオカルト研メンバーは代役の顔をCG合成している。