「この『謎』はもう、我が輩の舌の上だ」
週刊少年ジャンプで連載されていた漫画『魔人探偵脳噛ネウロ』の主人公。「のうがみ-」。
アニメ版の声優は作者の師匠の漫画でも
主人公を演じていた
子安武人
氏。
以前から似ていると言われていた
エディっぽい声である。
人の悪意に住み着くエネルギー「謎」を唯一の食糧とする魔人で、元々住んでいた魔界で「謎」を食べ尽くしてしまったため人間界にやってきた。
なるべく地上で目立たないように最初に嗅ぎ付けた事件の関係者であった
桂木弥子を探偵に仕立て上げ、
自分は「助手」として猫を被って『謎』喰い(なぞとき)のために活動する。
素の一人称は「我が輩」。ただし助手としての皮を被る際には「僕」と称し、態度も極めて礼儀正しくなる。
嫌いなものは何故かカピバラ(魔界のカピバラは都庁並のサイズ)。
名前の由来は作中で触れられている通り「神経」を意味する「ニューロン(Neuron)」のもじりである。
推理材料を探したり犯人役を黙らせたりするために「魔界777ツ能力(まかいななつどうぐ)」という奇妙な能力を使ったり、
そうでなくても卓越した頭脳と、
頑丈な肉体、
ドS精神で向かう所敵無しに思えるが、
魔人にとっての酸素である「瘴気」が人間界では不足するため、
最強状態から徐々に弱体化しており、
劇中の大事件において幾度か死の寸前まで追い込まれている。
実際魔界でもかなり力のある魔人であり、設定や弱体化が進んでいなかった時の描写によると、
- 目に向かって発射された銃弾を瞬きしてまぶたで受け止めた(かすり傷一つ受けていなかった)
- 一億度の業火にも耐える(ただしプラス人肌程度で限界)
- 光速並のスピードで行動出来る(魔界のラジオ体操はプログラムが兆ぐらい多く、これらを5分で終わらせるため、自ずと手足を光速で動かせるようになる)
- 体が切れてもその場でくっつく
- 核爆弾の直撃でも殺せない
頭脳の方も「謎解きに必要とあらばどんな難解な学問でも即習得する」「複雑極まりないなセキュリティプログラムもものの数分で理解し破る」等、
文武両道で
チートというとんでもない完璧超人ぶり。
とまぁトンでもない化け物なのだが前述した通り弱体化が激しく、物語が進むにつれ普通の銃で負傷したり、
再生能力が魔力の低下でカバー出来なくなり
吐血したりと普通の人間にどんどん近付いていった(それでも人外の領域だが)。
ただ人間界に来るまでの経緯などは断片的にしか語られず、「かなり上位の魔人」との事らしいがその正体には謎が多い。
しかしそういった性格と能力を持つが故か、常に他人は目下であり、目線がそもそも違うため極端にデリカシーが無く、他人の気持ちが一切理解出来ない
(そもそも基本的には興味すら持てず、理解する気が無いわけではないがさっぱり分からない。感情的な会話が必要な場面でも基本的に暴力が出る)。
犯行を謎として食することさえ済ませられればその犯人が観念してその犯行に至った理由を自白しだしても、
完全に眼中から無くし次の謎を探しに向かってしまう。
そのため、合理性の入り込む余地の無い感情的な障壁の突破・看破や、他人との交流の確立、心情に訴えかける解決が出来ないという、
「感情」が多く絡む「(殺人含む)犯罪」においては唯一にして致命的とも言える最大の弱点が存在する。
上の画像の鳥のような「素顔」も基本的には隠しているが、「食事」の際は一瞬だけ元に戻る。
また連載初期には一度だけ旨そうな匂いに釣られてボーっとし、素顔を人前でポロリしてしまった事もあるなど、たまにお茶目な面も覗かせる。
ただし基本はドSなので他人からすれば洒落にならないような「お茶目」も多々存在する。
ラスボスであるシックス(
彼女とは無関係)との決着が付いた後は、
衰弱により魔界に帰るかどうかを迷っている所を桂木弥子にハッパをかけられ、一時帰省する。
その際に「奴隷」だの「ミジンコ」だの言っていた弥子の事を「相棒」と呼んだ。
そして三年後、飛行機に乗っている弥子の前に再び現れる。
ちなみに、魔界に帰る時には口に魔界と繋がる門を持つ魔人・青膿ゼラ(青髭が生えているが女性)の力を使ったのだが、
数日かけて門を広げてもまだサイズ的に足りなかったのか、もうお嫁にいけないとメソメソ泣くほど酷い目にあったようだ。
作者の松井優征氏自身が単行本で
「この作品は推理物の皮を被った単純娯楽漫画」と言っているように、
『ネウロ』は
推物の王道をガン無視した個性的な描写が多い。
例えば、エキセントリックな構図、
読者に推理をさせる気があるのか疑いたくなるようなトリック、
犯人が理解不能な動機で人間離れ…というか
人間をやめたような豹変をしたり、
所々出てくるパロディ(ある時は
パンチハメだったり、また高所恐怖症の説明の時には
先生だったり)はもちろん、
下手したら
漫画家生命を絶たれそうなブラックジョークを交えるのは
よくある事である。
作品自体のメインテーマは
「人間の進化の可能性」であり、最初は人間を見下していたネウロがとある事件から人間の可能性に興味を持ち、
最終的には「『究極の謎』を生み出す可能性のある種族」として高く評価するようになる。
その過程で遭遇した
誰にでも化けられる怪(物強)盗との因縁、電脳空間の
プログラム人格や、
「悪意を進化させた新人類」を名乗る集団との戦いなど(特に物語後半)は戦略戦寄りのバトル漫画としての側面を持っていた。
そういう意味では「
ジャンプの異端にして王道」とはよく言ったものである。
基本的には「主人公の成長する姿」の描かれる事の多いジャンプでは異例とも言える
進行に伴い弱体化していく主人公だが、
ネウロの弱体化した分は「もう一人の主人公」である弥子の成長がカバーするという形式になっており、その意味でも王道は外していない。
またネウロ本人も謎を解いていく中で、その内面は徐々に変化しており、単純に弱体化しているだけではない。
物語の主人公であるネウロと弥子の二人は共通して食への拘りがあり、「食事」「グルメ」といったテーマが陰に据えられている。
特にネウロはまさに命よりも食欲を優先して行動しており、とんでもなく高い知性を持ちながらそれは食事をするための道具に過ぎず、
究極的には本能に従って生きている。
高い知性を持った蛮人とでも言うべき、理性や叡智を冒涜したある種不気味な人格を形成している。
作者自身も絵がそれほど上手くない事を自覚しており、わざと特徴的な画風にする事で抽象表現に挑戦している箇所も見受けられる。
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魔界777ツ能力 |
ネウロの持つ基本的な能力の総称。能力と書いて「どうぐ」と読む。
捜査に使ったり、犯人のお仕置きに使ったりと多岐にわたり、それ道具自体が意志を持っているモノもある。
使用するためには魔力が必要。
特に出番が多いのは目玉の形をした虫である「魔界の凝視虫(イビルフライデー)」、
自身をデータ化しハッキングする「異次元の侵略者(イビルスクリプト)」だろうか。
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魔帝7ツ兵器 |
ネウロの切り札とも言える能力。ネウロ曰く魔界でもネウロを含めた数人しか使えない。
規模も威力も777ツ道具より遥かに強大だが、比例して魔力の消費も激しい。
深海の蒸発(イビルアクア):
魔界の帝王の大砲型護身兵器。数十メートル程の巨大な主砲と数メートル程の複数の副砲からなる。
地上では瘴気不足のためか威力が落ちている。
見た目は魚の形をしている。
朽ちる世界樹(イビルツリー):
巨大な樹木を生やし、周囲を破壊する。
破壊以外にもビルの瓦礫を支えたり、 自身のダミーを作るなど攻撃以外の用途にも使える。
国を喰う土地(イビルマッド):
全長149mの巨大な ゴーレムを呼び出す。
劇中では拒食の工作兵(イビルカーペンター)によって解体し、決壊した川を塞き止めるために使われる。
作中使われた7ツ兵器の中ではやや不遇な扱われ方かもしれない。
飛んで虫に入る火(イビルファイヤー):
スズメバチなど色々な虫を合成したような姿で、ネウロを乗せて空中へ飛ぶ事が出来る。
亜音速で飛ぶステルス爆撃機に追いつくほどの速度を持つ。
これでもネウロ曰く「出力不足」なのだとか。
二次元の刃(イビルメタル):
ネウロの持つ能力の中で最強の兵器である剣。指先に乗る程度の大きさで、ロウソクの炎や水滴のような流線型のフォルム。
この剣は 「斬る」という過程がなく「斬った」という結果のみを造り出すため、ネウロ曰く「絶対無敵」。
一度発動すれば魔界王ですら防げず、魔界・人間界に存在する全ての物を切り裂く。
欠点として召喚に時間がかかり、更に使用したのが終盤で弱体化が最も進んでいた時期なため更に時間がかかった。
また、召喚していられる時間が最も短く、その上莫大な(ネウロ曰く「干からびる程の」)魔力を必要とする。
ちなみにそれぞれの名前や、7つある事からモチーフは曜日と言われる。
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MUGENでネウロが連れてくる
ストライカー(下僕)達の紹介。
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桂木弥子 |
表向きの探偵役にして 犠牲者もう一人の主人公。
詳細は 当該項目を参照。
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あかねちゃん |
あかねちゃんは萌えキャラで髪の毛である。
ネウロが 893から奪った事務所に埋まっていた死体がネウロの瘴気で中途半端に息を吹き返し、髪の毛だけが動くようになった。
髪の毛が意思を持って動いているのか、髪の毛の持ち主の意思を受けて動いているのかは結局謎。
しゃべれなくても筆談で意思疎通し、事務所へのメール処理等PCを使う仕事をそつなくこなす有能 秘書である。
髪の毛の部分はネウロによって何かしらの物質にくっついてエネルギーを貰い活動出来るように改造され、主に弥子の携帯ストラップとして外出する。
髪飾りにした魔力を込めた電池によって弥子の髪の毛と合体し “弥かねちゃん”状態になれる。
なお、その髪質と美しさは髪フェチの犯罪者が思わず「神の髪」と下手な駄洒落を口走ってしまうほど極上。
キャラ紹介でも「美少女」である事がやたら強調されており、今までの説明を全て合わせると、
「かなり相当にものすごくハンパなく凄まじく極め付きで空前絶後天下無敵で絢爛たる楚々として慎ましく健気で凛としたすごいはんなり清純派美少女」
らしい。 なんなんだアンタ。
彼女にも「謎」はあったようだが、劇中で詳細はおろか何故あんな場所で死んでいたのか、生前はどんな人物だったのかすら明かされていない。
作者のインタビューと、最終話の「残された謎」というセリフのコマであかねちゃんが登場している事から、
初めから劇中で謎を解かせるつもりは無かったと考えられる。
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至郎田正影 |
「数えきれない食材・薬物を精密なバランスで配合し、特殊な味付けを施して煮込む事七日七晩」
「血液や尿からは決して検出されず、なおかつすべての薬物の効果も数倍…」
「血管から注入る事でさらに数倍っ!!」
「これが…
長年にわたる研究の結果たどりついた…
俺の究極の料理!!」
『ネウロ』の犯人役の一人で、 作品継続の大貢献者。
アニメ版のCVは 大塚明夫氏。ドラマCDでは 伊藤健太郎氏が演じた。
どこかおかしいネウロの 犯人役の中でも、
知名度・インパクトではトップクラスにある人物。
というのも上記の「 至高にして究極の料理(至郎田談)」、
ドーピングコンソメスープで一大ムーブメントを作ったのである。
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ドーピングコンソメスープ |
概要は上記のセリフ通りだが、推理漫画であるにも拘らず、
犯人が自ら作り上げた料理で肉体を強化させて逃亡を図るという意味不明さ。
強化された至郎田の 上半身だけ筋肉隆々になったインパクトありまくりの外見。
作者のくせ字が原因の 個性的な擬音
(上のコマのクシャッが クシカッ、ゴシャァンが ゴシカァンなど)や、
巻末コメントなどと合わせてその無茶苦茶さのせいで、
ネット上で絶大な人気を得る。
「そもそも ドーピングだけで筋肉隆々にならないだろ」
という突っ込みはこの際無しで。
そういう抽象表現を取り入れた漫画なのである。
ちなみに第1回人気投票の総計投票数
(通常キャラ部門と犯人部門の2つがある)では 1位を獲得した
(尤も非犯人キャラは一部門しかエントリーされない訳で、
総計投票数にどれだけ意味があるのかは微妙な所だが)。
実は 「電球の××」「人の××を××したもの」「カマキリの××」なんてものまで、
材料として使用しており、怪しさがさらに爆発している。
しかし、 おいしくつくろうという情熱なんてものもあるあたり、
腐っても料理人という事か。
弥子にはタネを見抜かれて「食べるということに対して失礼」と言われ、 ネウロには「生ゴミと比較することすら失礼」とか言われたけどな!
『謎』を食べられた後はネウロによってガリガリに痩せ細った姿にされた (警察からは「ドラッグの副作用」とみなされたようである)。
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ただでさえ 推理漫画の長期連載が難しいとされていたジャンプにおいて、
魔人が悪魔道具で一方的に事件を解決するという、
「変な絵の 意味不明な推理漫画」として注目度の低かった『ネウロ』。
第6話に掲載されたコイツの存在がなかったら、
早々に打ち切られていただろう事は想像に難くない。
良くも悪くもこの作品が「推理物の皮を被った単純娯楽漫画」である事を、
読者に理解させる事に貢献したキャラクターと言える。
その他作者の漫画家としての師匠である澤井啓夫氏の連載していた漫画、
『真説 ボボボーボ・ボーボボ』にもゲスト出演している。
「DCS(ドーピングコンソメスープ)真拳」という良く分からない拳法の使い手で、
敵味方問わず自分のスープを飲ませようと暴れたがあっさり倒された。
DSのゲームでは、上記の人気をパロディ化したネタが出てくる。
具体的には、至郎田やドーピングコンソメスープを神と崇め、
警察から流出したレシピを基に様々な亜種を作る人達が集うサイトが登場する。
…シナリオ担当ノリノリすぎだろ。
そして、上記に対して監獄の至郎田本人は「世間の評価は関係ない。私は私の料理を作るだけ」と全く意に介していなかった。
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ネウロ/弥子というセットで知属性キャラとして参戦。4コマには力属性バージョンもある。
ゲームの開発時期の都合上かなり初期の状態での参戦なので、
5コマまでしかなくサポートキャラも無し、魔帝7ツ兵器を始め強力な能力も使えないと、やや扱いは小さめ。
弥子をぶん回すというとんでもない強攻撃(
原作再現であるが)など動きはユニーク。その分当てづらい攻撃も多い。
また、ガード不能攻撃を使うと、弥子が原作では危うく使わずに済んだ能力の餌食になる。
見た目に反してパワー・体力共にかなりのものだが、やはり原作再現で
場にいるだけで必殺魂が減ってしまう。
動きも基本的にのっそりしており、長身痩躯の外見からは想像も出来ないが、かなりのパワーキャラとして設定されている。
4コマの必殺技は「犯人はお前だ!!」と「食(えじき)」。
「犯人は~」は弥子が前方を指さしてレーザーのようなものを放つ技。射程は短いが当たるとダメージと同時に必殺魂を奪える。
「食(えじき)」は前述の至郎田正影が飛び出し、前方を叩き潰すという大技。
何気にネウロの必殺技で最強の威力…というか
4コマの必殺技全般で見ても最強クラスだったりする。ただ軌道が独特なので当てにくい。
味方でもなんでもないのに何故協力するのかはな謎だが…。
5コマの必殺技は「犯人はお前だ!!」と「一(ひとりきり)」。
4コマの「犯人は~」より射程・威力共に強化され、当てやすくなっている。
「一(ひとりきり)」は原作における重要な犯人の一人、「アヤ・エイジア」が出てきて特殊な歌でサポートしてくれる。
ダメージは無いが、当たると必殺魂減少と混乱を巻き起こす。やや発生は遅いのでカウンター気味に使うと良い。
MUGENにおける脳噛ネウロ
『JUMP ULTIMATE STARS』の
ドットを基にしたキャラが製作されている。
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Viewtiful9氏製作 |
チェーンコンボや ゲージ吸収技などと搭載した面白い性能になっているが、ジャンプ攻撃が無い。
知名度も低く、動画では滅多に見かけない。
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樹(ju)氏製作 |
現在は2016年のフリーティケットシアター終了によるサイト消滅で入手不可。
こちらはジャンプ攻撃も搭載。蓬莱氏による AIもデフォルトで搭載されており、中々強い。
また、原作での 死にかけカラーも選択可能。……分かってらっしゃると 言わざるを得ない。
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「『週刊少年ジャンプ』…か。貴様にこの雑誌が使いこなせるか?
せいぜい読んで楽しむ程度のものだろう」
「だが我が輩には…ジャンプで人を殺す事まで可能なのだ」
出場大会
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余談 |
全くの余談であるがこの漫画、キャラ人気投票がやたらカオスな事に定評がある。
まずエントリーしているキャラからしてツッコミ所満載であり、
たった1コマ登場しただけの通行人や、挙句の果てには無機物の 生ゴミや 鉄球、
1円玉まで漏れなくエントリーしているという 悪ノリ徹底ぶり。
しかし投票側も投票側でそういったイロモノにも投票するばかりか、
作者や 弥子の 髪飾り・リボン、 作者が単行本に描いた落書きにまで投票している。
もちろん未エントリーである。 お前らそれでいいのか?
投票結果も色々とおかしな事になっていて、
- 回想にしか出てこないキャラが5位にランクイン(第1回)
- 作者が10位にランクイン(第2回)
- 大体のレギュラーキャラが10位以内に選ばれる中、1人の刑事がレギュラーなのに43位。
ちなみに下は3票差でカキフライ、上は1票差でサブレ(第2回)
- その後散々人気が無い事をネタにされ続けた結果、次の人気投票で上の刑事が大量の組織票により2位までランクアップ。どこの組織だ(第3回)
- 1コマしか登場していないネウロ女体化キャラ「ネウ子」が9位にランクイン。お前らそんなに女体化が好きか(第3回)
- レモン石鹸が至郎田に勝つ(第3回)
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最終更新:2025年04月17日 18:03