NieR Re[in]carnation ストーリー資料館

塗炭の拳鍔

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nier_rein

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父さんは一生懸命働いている。こんな荒廃した環境になる前は、一端の技術屋だったんだ。そんな口癖を漏らしながら、今日も使えそうな廃品を探したりしている。僕はいつも腹が減っていて、腕は骨に皮がへばりついているみたいに細い。

今日は、父さんの機嫌が良い。すごく大きな仕事が舞い込んだ、と言っていた。「この仕事が上手くいけば、何だって手に入る」そう言った父さんの表情はいきいきしていて、それを見ていると何だか僕も希望が湧いてくるような気がした。

黒くてピカピカの見たこともない機械が、僕の目の前に並んでいる。父さんは自信に満ちた表情をしていた。これを偉い人達が回収にくるらしい。そうしたら、僕の欲しい物を何でも買ってやる、と父さんは言った。僕は夢みたいなことを想像してうきうきした。

目の前の血だまりが、僕の夢を黒々と塗りつぶしていった。やってきた偉い人達は、機械を回収すると、それを生み出した父さんを殺し、全てを壊していった。僕は、涙と血でひりひりと乾いた喉を潤した。そして、この乾きは一生消えることのないものだと知った。

武器種 格闘  レアリティ ★★★★ 
属性 シリーズ 塗炭
EN Wretched Knuckles
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