NieR Re[in]carnation ストーリー資料館

塗炭シリーズ

最終更新:

nier_rein

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塗炭の剣

戸惑いを無くしたのはいつからか。
迷いを無くしたのはいつからか。
砂と骨と瓦礫だらけのこの場所で、
私は過去に思いを馳せた。

「生きるために」そう言い聞かせ、
「取り戻すために」そう思い込み、
それでも私がやってきたことは、
間違いなく人殺しだった。

この分厚い装甲が守っていたものは、
本当は、私の心だったのかもしれない。
崩壊した街を眺めながら、
ここにかつてあった風景を想像した。

私の全てを奪っていったあの殺人者達と、今の私。
そこにどれくらいの違いがある?
いや、なにもない。それでも……。
私はこの剣に、全ての敵を殺すと誓った。

武器種 小型剣 レアリティ ★★★★ 
属性 シリーズ 塗炭
EN Wretched Blade
解放: フレンリーゼ(形而上の狩人)


塗炭の槍

俺はもう、いつ死ぬかもわからない戦場には行きたくなかった。しかし、弟の病は自然に治るものではない。普通の仕事では、金が集まるより前に弟の命は尽きてしまうだろう。

硝煙の煙が、人間の死肉をスモークしている。俺は弟の為だと自分に言い聞かせ、また戦場に戻ってきた。そして、叫び声を上げながら戦地を駆け抜ける。

死線をくぐり抜け、俺は戦場から生還することができた。そして、稼いだ金で弟に手術を受けさせてやることもできた。病院で弟が目を覚ますまで、俺も眠ることにしよう。

弟の声で目を覚ます。弟は泣いていた。俺は、お前が無事ならそれでいいんだと言う。しかし、弟の涙を拭ってやることはもうできない。戦場で負傷した俺は、首から下を動かすことができなかった。

武器種 レアリティ ★★★★ 
属性 風   シリーズ 塗炭
追加日 2021年11月20日
EN Wretched Spear


塗炭の大剣

照りつける太陽の下、もうすぐ、最後の水が尽きる。
ここに留まっても、やがてこうなる事は誰でもわかったはずだ。
そして何もできる事が無いという事実が人の心を腐らせていく。
私はそれを、身を持って実感していた。

ここは見捨てられた場所。
このキャンプに避難してきた人々は皆、疲れ切っている。
私は水筒に残った僅かな水を、目の前の子供に与えてやった。
死んだ魚のようだった子供の瞳が、少し潤んだように見えた。

戦争の末に死んでいく人々に、物語のような結末はない。
ただ惨めに、最後の望みすら手放し、死んでいくだけだ。
もし、この世界に神がいるとしたら、どんな神だろう。
どんな顔でこの状況を見ているのだろう。

私はここの視察に見切りをつけることにして、剣を手に取った。
抵抗することもなく、命を奪われていく人々にとって、
無慈悲に命を奪う私の姿は、死神のように映ったかもしれない。
私は無表情で、最後の一人に剣を突き立て、任務を終えた。

武器種 大剣  レアリティ ★★★★ 
属性 シリーズ 塗炭
EN Wretched Greatsword


塗炭の拳鍔

父さんは一生懸命働いている。こんな荒廃した環境になる前は、一端の技術屋だったんだ。そんな口癖を漏らしながら、今日も使えそうな廃品を探したりしている。僕はいつも腹が減っていて、腕は骨に皮がへばりついているみたいに細い。

今日は、父さんの機嫌が良い。すごく大きな仕事が舞い込んだ、と言っていた。「この仕事が上手くいけば、何だって手に入る」そう言った父さんの表情はいきいきしていて、それを見ていると何だか僕も希望が湧いてくるような気がした。

黒くてピカピカの見たこともない機械が、僕の目の前に並んでいる。父さんは自信に満ちた表情をしていた。これを偉い人達が回収にくるらしい。そうしたら、僕の欲しい物を何でも買ってやる、と父さんは言った。僕は夢みたいなことを想像してうきうきした。

目の前の血だまりが、僕の夢を黒々と塗りつぶしていった。やってきた偉い人達は、機械を回収すると、それを生み出した父さんを殺し、全てを壊していった。僕は、涙と血でひりひりと乾いた喉を潤した。そして、この乾きは一生消えることのないものだと知った。

武器種 格闘  レアリティ ★★★★ 
属性 シリーズ 塗炭
EN Wretched Knuckles


塗炭の杖

この土地を引き裂く鉄格子、それは差別の象徴。
壁の向こうに住む人々は人として認識されない。
やせ細った大地は、人の心すら痩せ衰えさせた。

男には娘がいた、でも会うことは出来なかった。
壁の向こうにいる娘は今も生きているだろうか。
全てはあの鉄格子の……いや、人の心のせいか。

男は嘆いた、なぜこのようなことになったのか。
誰もが自分の子を抱くとき幸せを願ったはずだ。
この命も長くない、せめて最後は娘に会いたい。

彼らは鉄格子を乗り越えた男を発見し捕らえる。
彼らにとって男は人でなく獣と同じ存在だった。
男は殺されて、娘の眠る共同墓地に埋められた。

武器種    レアリティ ★★★  
属性 シリーズ 塗炭
EN Wretched Staff


塗炭の銃

灼熱の太陽の下を彷徨うように歩き続ける。
こんな場所での任務は過酷を極める。
しかし、弱音を吐くなんてことはあり得ない。
そもそも俺一人の極秘任務だ、喋る相手すらいない。

俺に与えられた任務は、ある家族の抹殺。
機密事項を偶然知ってしまった、ある意味では被害者だ。
しかし、天の采配に善意も悪意もない。
振られた賽は変えられないのだ。

照りつける太陽の下を歩き続ける。
地表から沸き立つような蜃気楼を眺めていると、
ここが現実なのか、夢の中なのか、わからなくなりそうだ。
しかし目的地はもう目の前のはず、気を確かに地面を踏みしめる。

俺はついに目的地に辿り着いた。記憶よりも小さな家だ。
部屋の中には、風化した死体が転がっている。
それは俺が撃ち殺した死体。俺の、最愛の妻と子供の死体だ。
俺は現実から目を背けて踵を返し、またその扉を閉める。

武器種    レアリティ ★★★  
属性 シリーズ 塗炭
EN Wretched Gun
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