- 360 名前:以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします[] 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/05(佐賀県庁) 00:06:04.23 ID:kaBaLdHG0
「だから嘘なんかついてねぇってば! 本当に俺たちは日本人なんだよ!!!」
そうやって警察官に食って掛かるジャイアンだが、警察はただ困った顔をするだけだった。
「だけどね君、日本大使館に連絡して調べてもらったが君たちの実家は存在してないんだよ」
「ジャイアン、もしかしたら僕達のうちもう無いのかも……」
不安そうな声で言うスネ夫。
「だってここどう見ても未来だもの。ママァ~~~!!」
果たして今日何度目の涙だろうか。
スネ夫は自分たちの状況を考え、不安のあまり泣き出した。
そんなスネ夫の姿を見て、ジャイアンは椅子から立ち上がった。
「おい、スネ夫もう行くぞ」
そう言いながらスネ夫の腕をつかみ歩こうとするジャイアン。
その姿を見て警察官は慌てて声をかけた。
「待ちたまえ。行くって何処へ行くつもりだ?」
「もういいです。分からないならもう俺たち自分で家探します」
「自分で探すだって? 君たちは中国語を話せないんだろう?」
「だからいいですってば!!」
「無茶だ!!」
だがそう言う警察官の制止を振り切ってジャイアンはスネオを引っ張ったまま走り出した。
- 396 名前: ◆LFo7ovRW0Q [] 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/05(佐賀県庁) 00:21:57.54 ID:kaBaLdHG0
だが、結局そうやって飛び出しても行くあてななどあるはずもなかった。
見たことも無い町をもう2時間は歩いただろうか、しかし一向にドラえもん達の姿は見えなかった。
「ねぇジャイアン。やっぱりあのまま警察署に居た方が良かったんじゃないの」
スネ夫が泣きそうな顔でジャイアンに問いかける。
「うるせぇ! じっとしてちゃ見つかるものも見つかんねぇだろうが!!」
そう行って強引にスネ夫を連れまわすジャイアンだが、ジャイアンとて不安なのは変わらない。
しかしガキ大将として、こんな所で自分の弱さを見せるわけには行かなかった。
「とにかく日が暮れるまで探すぞ! ドラえもんだったら絶対に見つけてくれる筈だ!」
「でもドラえもん、いざと言う時に役に立たないからなぁ……」
「グダグダ言ってる暇があったらもっと手掛かりを探せ!」
「わかったよ」
そう言いながら渋々スネ夫は辺りを見渡しす。
ったく、手掛かりってあるわけ無いだろ、と思うスネ夫。
辺りにあるのは漢字のポスターばかりで、スネ夫にはいまいちよく分からなかった。
- 412 名前:以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします[] 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/05(佐賀県庁) 00:32:00.55 ID:kaBaLdHG0
そして結局何の収穫も無いまま、気がつけば辺りは夜になっていた。
「ねぇジャイアンもう夜だよ? どうするのこれから」
「どうするもこうするもない!」
「そんな無茶な! やっぱりあのまま警察署に居ればよかったんだよ。今からでもいいからやっぱり警察署に戻ろうよ!」
泣き喚くスネ夫を見ながらジャイアンは頭を抱えた。
確かにこのまま当て所なくドラえもん達を探しても仕方が無い。だが警察署に行けば身動きが取れなくなってしまうかもしれない。
それは困る、とジャイアンは思う。
これからどうすべきか、小学生である2人には答えが出るはずも無い。
そんなことを考えているとジャイアンの腹がからグ~という大きな音が聞こえた。
2人とも警察署で軽く食事を貰ってから、今に至るまで何も食べていない。
当然腹も減ってくる。
「あああああ、もうわからん! とりあえずメシ食ってから考えるぞ!」
そう言いながら近くに見える小さな定食屋のような店に向かって歩き出すジャイアン。
「え、でもお金は!?」
「食い逃げする!!」
「そんなあああああああああ!!」
- 466 名前:以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします[] 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/05(佐賀県庁) 00:44:06.74 ID:kaBaLdHG0
テーブルの上にはラーメン、餃子、マーボ豆腐など様々な料理の食べ終わった皿が山積みにされていた。
「はあああ! 腹いっぱいだぜ!」
と満足そうに腹をさするジャイアン。
「食べちゃった……こんなに」
そんなジャイアンの横で俯きながら頭を抱えるスネ夫。
「さて、腹もいっぱいになったし」
そう言いながらスネ夫の腕を掴むジャイアン。
「走って逃げるぞ!!!!」
そして声を発すると同時に席を立ち上がり、スネ夫を引っ張って走り出した。小学生としては巨漢であるその体で、信じられないスピードで駆ける。
これなら逃げ切れる!! ジャイアンはそう確信した瞬間だった。
背後からおぞましい気配を感じたと思うと、ジャイアンは何者かに方を掴まれていた。
「キミタチ、オカネ、ハラッテナイアルヨ?」
そんな怪しい発音の日本語に振り向くと、背後には筋肉質な男がジャイアンの肩を掴んでいた。
「あれ、お金払ってませんでしたっけ。忘れちゃったなぁ、ハハハ」
笑うジャイアン。
「フフフ、ワスレテルアルヨ」
笑う男。しかしその男の肩を掴む力は明らかに激怒していた。
- 512 名前:以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします[] 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/05(佐賀県庁) 00:56:12.24 ID:kaBaLdHG0
「オカネ、モッテナイ?」
筋肉質な男は、そう聞き返した。その顔は化け物と呼べる領域までに歪んでいる。
「すみませんでした!!!」
必死に謝るジャイアンとスネ夫。
「ダメアル」
と、言いながら腕を組む男。男は思案ししていた。
この子供たちは明らかに日本人である。それはこの子供たちが入店した次点で分かっていた。
いったい何故子供たちだけで日本人がこんな所に居るのか、と怪しく思って目をつけていたら案の定食い逃げだ。
明らかに事情のある子供たちだろう。
と、なれば警察に突き出しても金が戻ってくるとは考えにくい。
「ウン!」
男は一人納得したように手を叩いた。
「キミタチ、タダバラキスルアル!」
「ただ働き? それで許してくれるんですか?」
「ソウアル」
「それでどれくらい」
「イッカゲツ」
「ひえええええええええええええええええええええ」
ジャイアンとスネ夫は一斉に泣き始めた。
最終更新:2006年11月07日 18:34