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  • 82 名前:以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします[] 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/04(佐賀県と談合) 20:01:46.02 ID:4DBGfk6N0


 UC0079
 10月

 宇宙世紀と呼ばれる新暦となってから半世紀以上が過ぎていた。
 戦争の時代と呼ばれた20世紀から長い年月がたった未来だが、しかしこの世界は20世紀を遥かに越えた戦争の世界となっていた。

 サイド3という名のコロニー群はジオン公国を名乗り、地球を統括する地球連邦政府に対し戦線を布告した。
 モビルスーツという名の新兵器を使用したジオン軍は圧倒的な力をほこり、圧倒的な国力を有する筈の連邦軍をことごとく打ち破っていった。
 それまさに旧暦最大の戦争を彷彿とさせた。

 ジオン軍は怒涛の勢いを誇り、一気に地上の3分の2を占領した。
 しかしこのままジオン軍が連邦軍に勝利すると誰もが思った矢先、ジオン国王の息子であるガルマ=ザビが突如連邦軍との戦いにより死亡した。

  • 94 名前:以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします[] 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/04(佐賀県と談合) 20:17:11.81 ID:4DBGfk6N0

 そんな戦況下の北米のとある町の一角。
 そこに古ぼけた家が立ち並んいるが、閑散としていて中には半壊状態の建物も見受けられる。
 しかしそうした状況はこの地域においては珍しくなかった。
 ジオン地球攻撃軍の配下であるこの北米地域では、激しい戦闘が数ヶ月に渡り繰り広げられたのだ。
 だがここ2ヶ月ほどはジオンの統治力が強くなり、ひとまず大規模な戦闘が行われる事はなくなっていた。

 その住宅街の中の一軒で青年はTVを見ていた。
「まったく毎日毎日、ニュースばかりでつまんねぇ……」
 反吐が出るほど繰り返し放映されるギレン=ザビの演説をみながら青年はそう呟いた。
 TVでは3日ほど前からジオン軍のガルマ=ザビの死亡したニュースばかりであふれている。
 ただでさえ戦争で有線放送の設備が破壊され途切れてしまっている。
 その上電波放送の方は時折軍によって散布されるミノフスキー粒子のおかげで酷い映りだ。
 そもそも放送される番組自体、規制されてばかりでろくな番組が無い。

 そしてガルマ=ザビの死亡である。

  • 106 名前:以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします[] 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/04(佐賀県と談合) 20:31:31.31 ID:4DBGfk6N0

 青年は飽き飽きしたのかTVを消した。
「もう胴衣ったら、やること無いんだったら勉強でもしてなさい。来年ジオンの仕官学校を受けるんでしょ?」
「はいはい、そうっすね」
 青年、胴衣=ゾーンは母親の言葉に適当に返すとそのまま席を部屋を出た。
 リビングを出て玄関へと向かうと、胴衣はそのまま外へと出ていった。
「はぁ~あ、やる気起きないんだよね勉強なんか」
 外は日が落ちてとっくに夜だ。
 最近、夜になると自警団や軍がウロウロしていて厄介なのは分かっているが、しかし胴衣は家にいる気分にはなれなかった。
「ったく、士官学校の倍率何倍だと思ってんだよ。俺が受かるわけないだろ」
 そう言いながら道に転がっている石を蹴飛ばす。
「そもそも、ジオンが絶対に勝つと思ったから甘い汁吸えると思ってノリで受験決めたのによ。ガルマ=ザビが死ぬなんて」
 ガルマ=ザビは彼が住むこの北米の統治者である。
 そのガルマが死んだということは、この北米の安定が揺らぐ事であることくらい胴衣にも分かっていた。
 さらに町には胴衣にとって嫌な噂が立ち込めていた。

  • 125 名前:以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします[] 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/04(佐賀県と談合) 20:46:58.22 ID:4DBGfk6N0

 白いモビルスーツ。
 連邦軍の新型兵器のことらしいが、これが驚異的な強さでザクとは比較にならない性能だというのだ。
 噂によればそのモビルスーツは、ジオン軍を志願するものなら誰でも知っているあの”赤い彗星”を打ち破ったといわれている。
 それどころかガルマ=ザビもそのMSに倒されたというのだ。
 そんな噂を聞けば、だれだって士官学校を受ける気が無くなるという物だ。
「はーあ。これからどうするかねぇ」
 ホライ(胴衣はミス)は空を仰いだ。
 別にジオンにそれほどの思い入れは無い。何もジオンの士官学校なんか入らなくても、他に進む道はいくらでもある。
 ただ連邦関係の道には進みたくは無い、とホライは思う。
 かつてこの地域を統治していた連邦軍は、ジオンが攻めてくるなり市民をロクに救う事も出来ずに敗北した。
 青年のホライにはその姿はあまりに情けなく映ったのは言うまでも無い。
 ホライはそのまま行くあても無く歩いていると、道に一人の少年が倒れているのを見つけた。

  • 135 名前:以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします[] 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/04(佐賀県と談合) 20:59:36.56 ID:4DBGfk6N0

 ホライはその少年に慌てて近づいて状態を起こす。
「おい、大丈夫か!?」
 少年は気を失っているのか何の反応も無い。
 誰か近くに居ないか辺りを見渡すと、ホライは更に少女が倒れているの見つけた。
 その少女もまた気を失っている。
「なんなんだ一体」
 強盗にでも襲われたのだろうか? それにしては見た目に傷のようなものは無い。
「まさか捕虜か……? でもまさかこんな子供が捕虜なわけ無いよな」
 ホライはそのままどうしてよいか分からず、とりあえず人を呼ぼうとしたその時、少年が突然意識を取り戻した。
「おい、平気か君? どうしたんだ?」
 そうホライが問いかけると、少年は驚いた様子で何か訳の分からないことをしゃべりだした。
「何言ってんだかわかんねーよ! まさか外人か?」
 ホライは面倒なものを見つけてしまった、と後悔した。
最終更新:2006年11月07日 18:32