- 409 名前: VIP足軽p 投稿日: 2006/11/18(土) 00:23:29.60 ID:0C6+E90h0
コンピューターの画面を使い、ドムの情報や、今まででの機体との差異を事細かに教えると科学者は口を開いた。
「さて、これで僕からの説明は終わりかな。ドムについての情報は大体今ので分かってもらえたと思う」
科学者の言葉に頷く生徒たち。
説明が終わると、今度はダディが喋り始める。
「そんじゃあ先生、後は先生にお任せします。我々は全面的にバックアップしますんで」
ダディがそう言うと、教官は彼に一礼した。
そして生徒たちに振り返る。
「では、お前達にはこれよりドムに搭乗してもらう。質問はあるか?」
そう言うって生徒たちの反応を待つ教官。
「質問がなければ今すぐMS搭乗用のリフトに乗れ。番号は先ほど指示したとおりだ。以上!」
教官がそう言うと、全員一斉に返事をし、そしてMSのリフトに向かっていった。
そんな様子をダディと科学者はジッと見つめていた。
「まさかと思いましたけど。いましたね。ノビタ君」
ポツリとそう呟く科学者。
ダディはそれに「ああ」とだけ返す。
「僕らのせいなんですよね、ノビタ君が学校に編入されたのって。責任感じちゃうなぁ」
科学者は暗い声で言った。
「そうだ、全て俺たちの責任だ。だから俺たちに出来ることは全てやらなきゃならねぇ。ノビタ君達の為にも、そしてジオンの為にも」
そう言ってダディは歯を食いしばる。
そんな彼を、科学者は複雑な思いで見つめていた。
- 418 名前: VIP足軽p 投稿日: 2006/11/18(土) 00:47:41.81 ID:0C6+E90h0
リフトがコックピットの位置で止まると、生徒達は次々とドムへ乗り込んだ。
「ヘッ、MSに乗れるんだ。折角だから連邦の連中でも攻めてきてくれねぇかな」
ライはMSに乗り込むなり、嬉しそうにそう呟いた。
新型に乗る緊張なんてものは彼には全く無い。
むしろ自身の優秀さを見込まれてドムに乗れることに、彼は優越感しか感じなかった。
「ライ=バール、搭乗完了」
ライは無線のボタンを押すと、そう言った。
「凄い。パワーレベルはザクの倍以上だ」
モニタの情報を確かめながらそんなことを言うフレン。
実際、ザクやグフと大差ないだろうと考えていたフレンにとって、ドムの性能は彼の予想以上のものである。
これなら本当に連邦に勝利するのも時間の問題かもしれない。
そんなことを思いながら、フレンは搭乗を完了した事を無線で教官に知らせた。
「このコックピット、あの時のと同じだ」
のび太はコックピット内を見渡す。
それも当然である。
操縦系自体は試作型との差は無いのだ。
これなら意外と簡単かもしれない、とのび太は思う。
だけど、のび太はそんなことよりもこの基地で訓練を行う事に複雑な気持ちを抱いていた。
怒りや屈辱感、しずかやホライ達に会いたいと言う気持ち。
しかし今、のび太は確かにジオンのパイロット候補生だった。
「ノビタ=ノビ、モビルスーツニノリマシタ」
- 61 名前: VIP足軽s 投稿日: 2006/11/19(日) 02:07:08.62 ID:4EfexzKk0
生徒たちが全員乗り込んだのを確認すると、教官は全機に対する無線通信のスイッチを入れた。
「さて、全員準備は完了したな? 俺の指示に従って、一機づつ格納庫からMSを出せ。いいな? それでは1番機から順に発進させろ」
教官がそう言うと、『はっ!』という言葉と共に、1番機のドムが動き出す。
そのドムが格納庫から出ると、さらに2番機のドムが動き出した。
全部の機体が格納庫からでたのを確認すると、教官は更に無線を入れる。
「それではこれより実地訓練を始める。まずは基本の小隊編成を組め。α小隊はドリー、バール、ノビ。β小隊はウィキカンリオツ、ナシー、ウンコクだ。小隊長はそれぞれドリーとウィキカンリオツが務めろ」
その教官の言葉に『はい』と答える生徒達であったが、ただ一人ライだけはそえれに舌打ちで返した。
『隊長、なんで小隊長が俺じゃなくてドリーなんですか?』
不満そうに言うライ。
しかし教官はそんな彼を一喝した。
「文句を垂れるなバール! 貴様等は俺の言葉に従えばいいんだ」
だが、ライはそれに全く納得できなかった。
確かにフレンは優秀な生徒だ。
自分と並べるレベルにいる生徒はこの中でもフレンしか居ない、とライは思っている。
しかし、それでもライには自分の方がフレンよりも勝っている自信があった。
「糞。納得がいかねぇ」
頭に血を上らせて呟く。
しかしライは、この気性こそが指揮者向きでないと判断されている理由だと知らなかった。
戦況に応じて正しい判断を取ることの出来る冷静さ。
フレンに有って、ライに無いものがそれだった。
- 72 名前: VIP足軽s 投稿日: 2006/11/19(日) 02:35:09.44 ID:4EfexzKk0
小隊編成を組むと、教官は次の指示を出した。
「それでは全機マップのデータをモニタに表示させろ。マップには進行ルートが2つ表示されている筈だ」
生徒達はすぐさまモニタ画面を操作する。
表示された13基地周辺のマップには、確かに2つの進行ルートを示すラインが表示されていた。
「東側のルートをα小隊が、西側のルートをβ小隊が進め。途中トラップや射撃用の的があるが、小隊の隊形を崩さずにそれらをクリアしろ。いいな!」
『α小隊、了解』
『β小隊、了解』
「よし、それでは両小隊発進しろ」
そう教官が言うと、それぞれの小隊はルートに沿ってMSを走らせた。
「ライ、機体を余り先行させないでくれ。隊形を乱しちゃダメだ」
隊形の右翼を担うライ機は中央のフレンきよりも前を進んでいる。
小隊の基本隊形は中央の隊長機が一番前を走り、その後を左翼と右翼の機体が追うというものだ。
教官からの命令は、この基本隊形で訓練を行えというものである。
それを無視するライを諭したフレンだが、ライはそれを無視した。
「ケッ。要はターゲットを早く潰せばいいんだろ? 隊形なんて関係ねぇよ」
そう言うとライはドムの走行速度を更に上げる。
- 94 名前: VIP足軽t 投稿日: 2006/11/19(日) 03:11:56.29 ID:4EfexzKk0
「待つんだライ!」
そう言うフレンにライは「ケッ」とだけ返す。
「ひゅ~。それにしてもホバー走行ってのは乗り心地が最高だぜ。こんだけスピード出しても殆ど振動がねぇ」
そんなことを呟いている内に、ライ機のセンサーにターゲットの反応が映る。
「さぁ~て、まずは1匹めと!」
ライは敵戦車を想定した標的をロックオンすると、すぐさまそれをジャイアントバズで打ち抜いた。
爆発と共に大破するターゲット。
「最高だぜ、実弾の感触はよ」
そう言ってライは笑った。
連邦軍の北米侵攻が開始されたのはしの少し前だった。
スカルチノフもまた、カラカス基地の全空軍戦力をフロリダ海峡に面するジオン軍基地に対し発進をさせていた。
「全ては連邦軍勝利のために。諸君、健闘を祈る」
無線を通じて兵士達にそう言うと、スカルチノフは司令室の窓から発進していく戦闘機を見つめる。
今回の連邦軍戦力は、連邦が北米から完全撤退した後では最大級のものだ。
そう、既に連邦の第反抗作戦は事実上始まったのである。
最終更新:2006年11月19日 08:28