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  • 238 名前:以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします[] 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/04(佐賀県と談合) 23:01:27.77 ID:4DBGfk6N0
「それに仮にそうだとしてもただの難民だったら問題は無いだろう」
 ホライの父のその言葉にジョルジュは呆れたように言い返す。
「木馬に乗った人間がただの難民な訳が無いだろう? 軍に知られればかなり面倒なことになる」
 ジョルジュがそう言うと二人の間に緊張した空気が流れる。
「じゃあなんでお前は俺の頼みを聞いてくれたんだ。お前は軍属の企業で働いているんだろう?」
「だから相談してるだけだよ俺は。おりゃあこの子達が難民だろうと軍に売るようなことはしない」
「だったら、その話は後でだ。子供たちが見てる」
 ジョルジュが振り返ると、のび太としずかが緊張した顔で二人の様子を伺っていた。
 どうやらジョルジュ達が深刻な話をしていることに気が付いたのだろう。
 それを見ると、ジョルジュはのび太達に話しかけた。
「ごめんごめん、ちょっと関係ない話をしちゃってね。君たちは気にしないでくれ」
 とジョルジュが言っても二人の返事はぎこちない。
 ジョルジュは「う~ん」と必死で子供の緊張をほぐす方法を考えてみる。
 子供が好きなものといえばやっぱりゲームだろうか?
 ジョルジュはそう考えると、丁度いいものが家にあるのを思い出した。

  • 245 名前:以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします[] 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/04(佐賀県と談合) 23:09:26.63 ID:4DBGfk6N0

「TVゲームとか好きかな?」
 ジョルジュがそう尋ねるとのび太は「はい」と返事した。
「じゃあちょうどいいものがあるんだ。シューティングゲームだけどやってみる」
 ジョルジュの言葉にのび太は目を輝かせた。
「はい!」
 のび太は昔ドラえもんにシューティングゲームを出してもらった時、とても面白かったことを覚えていた。
 そうでなくても、いつまでたってもTVゲームを買ってもらえないのび太にとってはTVゲームというだけで魅力的だった。
「じゃあ、ちょっとついて来てくれるかな」
 そう言ってジョルジュはリビングを出て階段を下りていく。
 のび太としずかもそれについて歩き出した。

 階段は想像以上に長く続いていた。
 普通の建物なら地下2階くらいの深さであろうか、地下の部屋につくとジョルジュはドアを開いて二人を招きいれた。

  • 254 名前:以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします[] 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/04(佐賀県と談合) 23:17:23.83 ID:4DBGfk6N0

 部屋に入ると、中には軽自動車程度の大きさの機械が置いてあるのが目に入った。
「どうだい、ゲームセンターみたいだろ?」
 ジョルジュはその機械をバンバンと叩きながら笑った。
「これがTVゲーム……なんですか?」
 のび太は想像していたのと全く違うその形に驚いてそう言った。
 驚くのも当然である。
 大きさはしかり、形もゲームとはいえないようなゴツゴツした機械丸出しの形をしている。
「僕はゲーム会社で働いててね。こうやって開発中のゲーム機も持ってるんだよ。今日は特別だよ」
 のび太達はジョルジュの言葉を疑うこともなく喜んだ。
「じゃあまずはノビタ君からやってみるか。ほらここから入って」
 ジョルジュは機械のドアを開くと、その中にある座席にのび太を乗せた。
「よし、じゃあ簡単にゲームの説明をしようか」
 そういってジョルジュはのび太にその”ゲーム機”の説明を始めた。

  • 278 名前:以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします[] 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/04(佐賀県と談合) 23:27:12.66 ID:4DBGfk6N0

「そんな馬鹿な――」
 ジョルジュはゲーム機から離れたPCの画面を見ながら絶句していた。
「パーフェクトスコアだと? 故障したのか?」
 だが故障ではないことは明らかだった。
 PCの画面を通して確かにジョルジュはその目で確かめたのだ。
「あの黒い三連星ですらこのスコアは出せなかったと言うのに」
 それはありえないことだった。
 黒い三連星といえばジオン屈指のエースパイロットである。
 そんな彼らのスコアを越えるような一般人が居るはずが無い。
 それがこんな子供となればなおさらだった。
 ジョルジュは自分の緊張する心を出来るだけ隠しながら、ゲーム機、いや開発段階である”ドム”のコクピットの扉を開いた。
 しかし扉を開いたその腕は震えていた。
「どうだったノビタ君? 楽しかったかい」
「うん楽しかったよジョルジュさん! でもちょっと簡単だったかな」
「はは、そうか。それはごめんよ」
 そういうジョルジュの内心は凍り付いていた。

  • 315 名前:以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします[] 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/04(佐賀県と談合) 23:39:50.63 ID:4DBGfk6N0

 ツィマッド社でドムの開発を続け、何人ものテストパイロット達がこのシミュレーターを使用している。
 だがしかし、こんなスコアをだしたのは今までにたった1人だけしかいない。
 俺は夢を見ているのだろうか、という思いがジョルジュの頭を駆け巡る。
 もはや何が何だか彼には分からなかった。
 だが、一つだけ確実な事があった。
 それはこの、ノビタという少年が普通の人間ではないと言う事だ。

 そうやってゲームで遊ぶ、フリをしながらひとしきりシミュレーターでジョルジュはのび太のデータを取った。
 結果としては回避と格闘に関しては素人である。
 しかし射撃の能力だけが異様に高い。
 回避と格闘の能力を考慮に入れても、それはもはやエースパイロットの域に達していた。
 地下から1階に戻ると、リビングでホライの父親は呑気にTVを見ていた。
 とんでもないのを連れて来やがって、とホライの父の様子を見てジョルジュは複雑な思いだった。
最終更新:2006年11月07日 18:33