しかしジムを移動させ、友軍の援護に向かった瞬間、コックピットの中に張り詰めた空気が広がった。
3人とも一様に何か不穏なものを感じ、顔を曇らせている。
「ねえ、なんだかやな感じがしない?」
アリアが少しだけ怯えるような声で言った。
「ニュータイプがいるんだわ、きっと」
ツンが呟いた。
その顔は3人の中で最も険しい表情を浮かべている。
「ニュータイプってことはアムロさんなのかな」
ツンの言葉にアリアが問いを返す。
「違うわね。あの人よりももっと歪な感じ。ねえ見て」
ツンがそういった瞬間、モニターに映る景色の奥の方に交戦している友軍のジムの姿が見えた。
「あの機体を援護しないと」
しかしツンがそう言った次の瞬間だった。
突如として彼らのモニター内に通常のMSとは比較にならないほどのスピードで動くMSが現れた。
全体的に丸いフォルムをしているMSで、両手にはカニを連想させるようなクローを備えている。
なにより機体の全身に施された真っ赤なカラーリングが出来杉達の目を引いた。
その機体は瞬く間にジムの胴体をクローで突き刺していた。
途端に突き刺されたジムが爆発する。
「な、今の敵の動きは――!?」
出来杉は絶句した。
今のMSはアッガイとは違う種類のMSだが、恐らくはアッガイと同じく水陸両用MSと見て間違いない。
にも関わらず、その動きの速さは陸戦用MS以上のスピードで動いていた。
その動きの裏には当然MS自体の性能があるだろう。
しかし、あのMSの動きが性能の問題だけではない事は明白だった。
驚異的に熟練した操縦技術を持つパイロット――。
何より機体全体に施された赤いカラーリングがそのパイロットがエースであることを証明している。
赤い機体を駆るジオンのエースパイロット。
そんなパイロットはそう居ない。
3人とてその名前を思い浮かばない筈がなかった。
「まさか、赤い彗星なのか?」
「嘘でしょ……」
出来杉の言葉にツンは硬直した
「よりによって赤い彗星だなんて」
ついてないわね、と舌打ちをするツン。
その表情には焦りと戦慄の混ざりあったものだ。
自信家であるツンがそのような表情を浮かべる事は本来は珍しい。
しかし今回は仕方の無い事だった。
赤い彗星に出会うと言うことは連邦兵にとって死神に出会うことと等しいのだから。
「あのMS、なんだか嫌……」
アリアが言った次の瞬間。
赤いMSは腕に内蔵されたメガ粒子砲を発射すると、それと同時に頭部からミサイルを放ちながら突撃してきた。
「来るっ!!」
出来杉はとっさにバーニャの推進と、機体運動によるフットワークで攻撃を避ける。
それに合わせてツンは右手にもたせているビームサーベルを捨てた。
と、同時に背部にラックされていたビームスプレーガンを腕に持たせる。
「上等だわ。赤い彗星なんて私が潰してあげる。――当たれっ!」
ビームスプレーガンを連射するツン。
しかし、赤いMSはその全てを紙一重で避けると再びメガ粒子砲を発射してきた。
「くっ!」
またも機体運動で敵の攻撃を避ける出来杉。
しかしその動きは相手に読まれていた。
出来杉たちのジムを翻弄する赤いズゴック。
そのコックピットの中では一人の男がほくそ笑んでいた。
敵の本拠地であるジャブローに乗り込んでおきながら、男はパイロットスーツでは無く赤い士官用の軍服を着用している。
それだけで十分に特異であるが、なにより顔の眼より上を仮面で隠しているのが眼を引いた。
仮面で顔を隠し、赤い軍服を身に纏うパイロット。
彼が誰であるかは聞くまでも無い。
赤い彗星、シャア=アズナブル。
言わずと知れたジオン軍最強のMSパイロットである。
シャアはモニターに映る”ガンダムもどき”を見ながら不敵に笑っていた。
「なかなかいい動きをするパイロットだな」
他のガンダムもどきが反撃する間もなくシャアに撃破されていったのに比べ、この相手の動きは目を見張るものがある。
何よりシャアは相手に対して何か特別なものを感じていた。
「ガンダムのパイロットが乗っているというわけではないだろうが、あるいはニュータイプやもしれんな」
確信ではないが直感的にシャアはそう思った。
が、相手が敵であることに代わりは無い。
むしろ相手が本当にニュータイプだとするのなら、ガンダムのパイロットのように巨大な壁となる前にその芽を摘むべきである。
シャアは自分の動きをここまで避けた相手を称えつつも、次の攻撃で勝負を決めるべく再びジムへの突撃を試みた。
「これは避けられまい」
相手のガンダムもどきはとっさにビームスプレーガンで迎撃の構えを見せた。
しかしその動きもシャアの想定内である。
シャアの駆るズゴックは微妙な回避で相手の射撃線上から逸れる。
”ガンダムもどき”の射撃はズゴックの真横で機体を掠っただけだった。
このままクローで胴体を突き刺して終わる、とシャアは思った。
しかし次の瞬間、ガンダムもどきは上半身を捻ると左手のビームサーベルを振り上げた。
その動きにシャアは驚いた。
普通のパイロットならああも射撃と格闘武器を同時に使いこなせない。
このまま突撃すれば切られるのはシャアの方だった。
シャアは機体のバーニャ推力に微調整を加えた。
刹那、シャアのズゴックはガンダムもどきの右腕の下方に潜り込んだ。
ガンダムもどきのビームサーベルは空振りし、同時にズゴックのクローがガンダムもどきの右腕をもぎ取っていた。
が、間髪おかずもなくガンダムもどきは体勢を立て直す。
そしてもう一撃ズゴックへ切りかかった。
シャアは反射的にズゴックを前方に大きく跳躍させ、その攻撃をかわす。
着地し、間をとったままシャアは相手を見据えた。
「大した腕だ」
シャアは賞賛と苛立を込めてそう言った。
今の攻撃でシャアは確実にガンダムもどきをしとめる筈だったのだ。
しかしズゴックのクローは相手の右腕をもぎ取るに留まり、自らも逃げる形で距離をとらざるを得なかった。
屈辱である。
相手を仕留めそこなったところでシャアの有利に揺るぎは無い。
だとしても、己の調子を崩された事はシャアにとって屈辱である。
「ジャブローにああいうパイロットがいるとはな」
シャアは次こそ確実にしとめるべくズゴックをスタンバイさせる。
この攻撃は絶対に外してはならない。
相手が非凡な操縦技術をもつパイロットであっとしても、赤い彗星との間には越えられない壁があるのだ。
目の前のガンダムもどきを仕留めることは確信を超えた、いわば決められた未来と言ってよい。
そのような予定調和を乱すイレギュラーは”ガンダム”だけで十分なのである。
だからこそ、自らが赤い彗星たる為に、目の前のジムは次の刹那には倒されねばならない。
しかし、その自信を揺るがすイレギュラーであるからこそ、奴はやはり白い悪魔なのである。
突如レーダーに一機のMSが現れた。
そのMSは瞬く間に間合いを詰めてきたかと思うと、電光石火の速さでシャアのズゴックへとビーム射撃を行なってきた。
その攻撃は前回奴と戦ったときよりも”また一段と”素早くなっていた。
「くっ!」
咄嗟にその攻撃を避けるシャア。
「してやられたか」
怒りのあまりシャアは眉間に皺を作った。
赤い彗星ともあろうものが背後を取られる形で奇襲を受けたのだ。
並みのパイロットなら間違いなく被弾していただろう。
シャアがその攻撃を避けたとはいえ、相手の攻撃に対して後手に回った形である。
当然、シャアにとって面白いことではない。
第一、問題なのは増援として現れた連邦のMSである。
それは間違いなくあの”白い悪魔”ガンダムだった。
「また会ったな、ガンダム」
愛憎をこめてシャアはそう呟いた。
状況はシャアにとって芳しくない。
相手はガンダムであり、そしてニュータイプかもしれないパイロットの乗ったガンダムもどきである。
が逆に考えれば好機である、ともシャアは思った。
今度こそガンダムを仕留め、そしてこれから連邦のエースになるかも知れない芽を摘み取る事が出来るのだ。
互いに隙を伺うように、一瞬の沈黙が流れた。
そんな沈黙を突き破ったのは一機のファンファンだった。
「なんだ」
シャアが呟いた。
シャアは知る由もないが、それは婚約者をジオンに殺された連邦士官の決死の突撃だった。
だが当然、そんな勢いだけの攻撃が赤い彗星に通ずるはずもない。
「冗談ではないぞ」
そう言うとシャアは瞬時にクローを振り下ろし、ファンファンを叩き落していた。
「ウッディ大尉!」
そう叫んだのはガンダムのコックピットの中のアムロだった。
「シャア!!」
怒声と共にアムロはズゴックに切りかかった。
だが、その攻撃を予想していたとばかりにシャアのズゴックはそれを避ける。
しかし、その先に出来杉達のジムが先回りした。
「邪魔だ!」
シャアはクローでジムを一突きにしようと操縦桿を操作する。
が、そのクローの動きに合わせるように、ジムは左腕のビームサーベルを突き出した。
不味い、とシャアは思った。
ズゴックのクローにビームサーベルが突き刺さる。
「ちぃぃっ!」
呻くシャア。
だが怯むことなく咄嗟に体勢を整える。
「堕ちろっ!!」
シャアはそう吐き捨てると、さらにビームサーベルで突き刺されたクローを前へ突き出した。
力任せに自分のクローごとジムの左腕をもぎ取る。
だが、その隙にズゴックの後ろからガンダムがビームライフルを発射した。
シャアは瞬時にそれを避けようとしたが、遅かった。
ガンダムによって放たれたビームの閃光が、ズゴックの残りのクローに命中する。
「ぐっ!」
シャアは歯を食いしばった。
彼の乗るズゴックは両腕をもがれた状態である。
「まさかこの私がクローを両方やられるとはな」
シャアは苛立ちの表情を浮かべた。
もはやこのまま戦っても勝ち目はない。
シャアはこの戦況に見切りをつけると、この場から撤退すべく推進力を最大にして大きくジャンプした。
すぐさまガンダムがそれを追い、出来杉達のジムもそれに続いた。
だが、ジャブローの地形は非常に複雑である。
その地形はMSの操縦技術に勝るシャアにとって有利に働いていた。
ズゴックとガンダムとの距離が開く。
その瞬間ズゴックの頭部に内蔵さえているミサイルが連射され、ジャブローの天井部に直撃した。
「しまった!」
アムロが叫んだ。
ズゴックのミサイルによって天井部から瓦礫が崩れ落ち、ガンダムとジムの行く手を阻んだのである。
「逃げられたか」
間に合わない、と判断したアムロは深追いする事をやめ、ジムに対して通信を行なった。
「大丈夫ですか」
アムロは通信を通してそう呼びかけた。
一体どのようなパイロットが乗っているのだろうか。
アムロがそう思ったとき、モニタに映ったジムのパイロットは彼にとって驚愕だった。
ガンダムのモニタに出来杉達の顔が映る。
3人ともバツの悪そうな顔をしていた。
「君達は!」
アムロは驚きのあまり一瞬言葉を詰まらせた。
「なぜ君達がMSに」
出来杉達の危険な行為を嗜めるように、アムロはモニター越しに厳しい視線を向けた。
そんな彼を察して、出来杉が口を開いた。
「ごめんなさい、アムロさん。約束を破ってしまって」
そう言って頭を下げる。
「でも僕達は後悔してません。僕達は逃げたくないんです」
そう言って出来杉はアムロを見据えた。
「デキスギくん」
アムロは一瞬言葉を失った。
しかし少し間をおくと笑顔を作った。
「シャアを撃退できたのは君達のおかげだ。ありがとう」
アムロがそう言うと、3人の表情が途端に明るくなった。
「こちらこそ助けていただいてありがとうございます」
出来杉が言う。
しかし、その直後出来杉の表情が再び曇った。
しばしの沈黙の後出来杉が口を開いた。
「アムロさん、僕達はルナツーに行きます。僕は皆を守る力を手にしたい」
その言葉を聴いてアムロは俯いた。
もはやアムロには戦士として3人を認めることしか出来なかった。
「頑張って」
アムロは優しい表情をした。
「幸運を祈ってるよ」
アムロは別れ際にそう言い残した。
「アムロさんも」
そんなアムロに、出来杉もそう返した。
「それで、これからどうするの?」
ガンダムがジムのレーダー圏外になった頃アリアが呟いた。
「どうするって……」
アリアの言葉を聞いて難しい顔をするツン。
その表情には不安が見て取れる。
それもその筈だった。
例え3人がNT適正者として特別待遇を受けているとはいえ、許可無くMSを操縦した罪は無い。
当然、何かしら罰せられるのは目に見えていた。
しかしツンはそれ以上その事を考えなかった。
フン、と一度鼻を鳴らすツン。
「どうするもこうするも無いじゃない。私は私のしたいようにするだけよ」
ツンは自分がジムに乗った事を全く後悔してはいなかった。
それだけじゃない。
ツンは出来杉とアリアが自分について来てくれた事が凄く嬉しかった。
「もう、ツンちゃんはほんとに考えなしなんだから」
アリアはやれやれというようにそう言った。
「でも私、ツンちゃんのそういうところが大好きだな」
満面の笑みを浮かべるアリア。
「そんな言い方されても素直に喜べないわよ」
そう言うツンの顔もまた笑顔だった。
出来杉もまたそんな2人をみて笑顔になった。
タイムマシーンの事故に遭ったあの日。
あの日以来、突然今までと違う世界に紛れ込んだ出来杉は、難民キャンプではその日を生きるだけで精一杯だった。
毎日不安と孤独に押しつぶされそうで、笑顔を見せる余裕なんてあるはずも無い。
そんな彼がこうして笑顔を取り戻せたのは紛れも無くアリアとツンのおかげなのだ。
出来杉は2人が傍に居てくれることが本当に嬉しかった。
「でも、確かに勝手に乗った事がばれたら面倒ね」
そう言うツンに出来杉は微笑んで返した。
「ジムに乗った事なら大丈夫さ。今回は事が事だからね。ジムのパイロットが死亡していた事を説明した上で、”ジャブローの防衛を最優先考慮した上で最良と思われる措置を講じました”、とでも言っておけば注意勧告くらいで済むと思うよ。もしもそれでも済まなかったらアムロさんを頼ってもいいし」
そんな出来杉の言葉に、ツンも微笑んで返した。
「そうよね。むしろシャアを撃退した功績で勲章くらい貰えるかも」
「そうだよー。アッガイもやっつけたし!」
ツンの言葉にアリアが嬉々として付け足す。
そんなアリアにあきれたように、」ツンがため息をついた。
「本当にアッガイが好きなね」
「だってかわいいんだもん」
「そんなにかわいいかしら」
よく分からないわね、とツンが首を傾げる。
そうやって3人がやりとをしていた時、突如コックピットに無線の音が響いた。
『緊急報告! 緊急報告! 現在ジャブロー上空にジオン軍攻撃空母が複数接近中! 繰り返す、現在ジャブロー上空にジオン軍攻撃空母が複数接近中!』
その無線を聞くとツンは顔を引き締めた。
「私は戦うわ。もちろん2人とも着いてきてくれるわよね?」
「うん」
出来杉とアリアは2人とも頷いていた。
そして3人は地上でのジオン軍の迎撃にむけて機体を発進させた。
ふと、出来杉は思う。
僕は苦しむみんなを救う為に僕は軍に入った。
その決断が間違いだったとは思わない。
だけど、誰しも救う事なんて不可能な事くらい分かってる。
だからせめて、この2人だけは何があっても守り通す。
出来杉はそう決意していた。
UC0079 11月7日
ゴオオオオオオ
高速航行するガウ攻撃空母の中では風の音が鳴り響いていた。
そのガウに格納されているのは2機のグフと1機のドムである。
各機とも迫り来る出撃に備え、既にパイロットが乗り込み機体の最終調整を行なっている最中だった。
『君達053小隊には先陣を切ってもらう事になる。この戦いの命運は君達に懸かっていると思ってくれ』
ガウの艦長から直々の入電が入る。
「はっ、任せてください」
小隊の隊長であり、ドムのパイロットであるドムカッテ=ハ=ゲール中尉が小隊を代表してそれに答えた。
『期待しているよゲール中尉。北米で荒野の狼とまで呼ばれた君の実力、遺憾なく発揮してくれたまえ』
そう言うと艦長は通信回線を切った。
完全に通信回線がオフになったことを確認すると、ゲールは頭の後ろで腕を組みシートに背中を預けた。
「気楽な事を言ってくれる」
艦長の言葉が彼は気に入らなかった。
いや、艦長というよりは今回の作戦を立案した上層部の人間が気に入らなかった。
オデッサでの敗北以来、ジオン軍は地上での劣勢を強いられている。
その形勢を一挙に逆転すべく敵の大本営であるジャブローに大打撃を与える。
それが今回の作戦だった。
作戦の重要性から今作戦には、地上の主力部隊の大半が回されているという。
しかし、だ。
ジャブローは連邦の隠蔽工作によりその殆どが秘密のベールに包まれている。
よってジャブローがどれほどの防衛能力を備えているかは未知数である。
だが、どれほどジャブローの防衛力を過小評価したとても、ジャブローを落とすには戦力不足なのは明らかだった。
上層部とてそんなことは百も承知である。
よって実際に各部隊に出されている命令はジャブローの宇宙船ドッグの破壊だった。
「まったく、馬鹿らしいな」
要するにこの作戦の目的は連邦の宇宙侵攻の時間稼ぎという事だ。
ジャブロー攻略作戦と銘打たれた割りに、あまりに陳腐な内容である。
「第一、水陸両用機は別として。地上を歩く事しか出来ないMSをガウから投下させてその後はどうする? 相手はジャブローだというのに」
もとよりこの作戦にはMSの回収など考慮に入れられていない。
ゲールは前世紀の戦争における特攻隊という言葉を思い出していた。
そう考えるとゲールの怒りは収まらなかった。
「我が軍はこんな無意味な作戦の為に地上戦力の大部分を失おうというのか」
怒りを鎮める為に彼は瞳を閉じた。
グフに乗っている2人の部下の事を思う。
2人とも死ぬにはまだ若すぎる。
やるせなかった。
『もうすぐ降下ポイント上空に差し掛かります。各機降下準備に移ってください』
オペレーターからの通信が入る。
「1番機、既に準備は完了している」
ゲールがそう応答すると、続いて『2番機、準備完了です』『3番機も準備OKっす』と通信を返した。
その声を聞いてゲールは意を固めた。
少し間をおいて、ゲールはMS間の秘密回線を開いた。
「お前達、作戦のことよりも生き残る事だけを考えろよ」
それは彼の正直な気持ちだった。
部下達はその言葉を聞いて少しの間黙っていたが、やがて「はい」と答えた。
ちょうどその時ガウのカタパルトハッチが開いた。
オペレーターから再び通信が入る。
『降下ポイントまであと10…08…06…04…02…各機、出撃してください!!』
「1番機、出るっ!」
ゲールがそう言った瞬間、カタパルトが勢い良く加速し彼の乗るドムは中空に放り出された。
澄み渡った青空と、熱帯雨林の緑がモニター一杯に映る。
とても美しい景色だった。
その美しさに彼は一瞬だけ目を奪われた。
もしも。
もしもこれが戦いの最中でなければ、どれほど美しい景色なのだろう。
そんな言葉が頭を掠めたが、すぐさま彼は気持ちを切り替えた。
彼に続いて2人の部下達も順調に降下を開始している。
今考えるべきは、どう生き残るか。
そして自らの部下をどのように生き残らせるか。
それだけだった。
それだけを考えて、ルウム戦役から今日まで彼は生き残ってきたのだ。
だがしかし、自分の力だけではどうする事も出来ないこともある。
それもまた、今日まで生き残ってきた彼の教訓だった。
それまで沈黙を守り通してきたジャブローの対空防衛網が突如として火を噴いた。
ゲール達の母艦であるガウは一瞬にしてその弾幕の餌食となった。
黒煙を上げたかと思うと急速に高度を落とし爆発したのだ。
ジャブローの対空砲火はガウだけでなくMSも襲っていた。
既に何十機もの友軍のMSがジャブローに降下を始めていた。
だが、その3割ほどがすでに降下途中で爆破しているのが見て取れる。
こればかりは神に祈るしかなかった。
「どうか、地上にだけは降ろしてくれよ、神様」
その祈りが叶ったのか彼のドムは無事ジャブローの地に降り立った。
すぐさま戦闘の構えを取り、計器に表示された各種の情報を確認する。
「問題は無いな」
そう呟いて、もうすぐ降下してくる筈の部下の姿を確認しようと空を見上げる。
そうして部下の乗る2番機と3番機の姿を確認した瞬間だった。
2番機がジャブローの対空砲火に被弾し、爆発した。
「!!」
ゲールは険しい表情のまま固まった。
そうして何も言わずその爆発を見つめていた。
パイロットが脱出した様子は無い。
あれほど急な出来事だ、脱出できるはずが無い。
そもそも、敵地に降下しようとする兵士が脱出の準備などしているはずも無かった。
ゲールはただ黙っていた。
彼は今まで何度も仲間を失ってきたが、仲間を失う辛さに慣れることは無かった。
胸が張り裂けそうな思いに苛まされる。
だがしかし、彼は小隊長である。
3号機が地上に降下する。
その機体に乗っている部下の命運は自分に懸かっているのだ。
その責任が彼を冷静にさせた。
しかしまだ若い3号機のパイロットはそうはいかなかった。
「ちくしょおおおお、よくもシーラを!!」
そう言って3号機のパイロットはコックピット内の壁を拳で力一杯殴った。
「落ち着けシンゴ!」
ゲールがそう言っても、彼の怒りは収まらなかった。
「落ち着いていられるわけ無いじゃないすか! シーラが殺されたんですよ!!」
「分かってる。だが、だからこそ今は冷静になるんだ。さもなくば次はお前が死ぬことになるぞ」
「っ!!」
3号機のパイロットは言葉に詰まった。
ゲールの言葉がどういうことか分かっているからだ。
「とにかく今は目的を遂行することだけに集中しろ」
ゲールがそう言うと3号機のパイロットは静かに頷いた。
「それでいい。俺達には迷っている暇は無いんだ。無心で突っ込むぞ!!」
そういうとゲールはドムをホバー走行させた。
彼の部下もまた「はいっ!」と返事をし、その後を追った。
ゲールがドムを走行させてから程なく、ドムのレーダーは敵機の存在を告げていた。
「この反応からするに……さてはMSか」
レーダーの反応を見ながらゲールはそう呟いた。
嫌な予想だった。
物量に勝る連邦に対してジオン軍が今まで戦ってこれたのはMSという兵器のおかげだ。
そのMSを連邦軍が量産し始めていたとすれば、ジオン軍にとって致命的な仇となるのは目に見えている。
敵の反応がMSでないことを祈りながらゲールと彼の部下はその反応へ向かって突撃を開始した。
「ちっ、やはりMSか」
ソナーより敵機の駆動音がMS特有のものであることを確認するとゲールは舌打ちした。
「まぁいい、相手が誰であろうと打ち倒すだけだ!」
そう言うと、ゲールは部下に通信を入れた。
「いいか、相手はMSだ。気を抜くなよ」
「はいっ!」
「我々ジオンの底力、連中にとくと思い知らせてやるぞ」
「ええ、連中を血祭りにあげてやりますよ!」
そう言うと、ゲールとシンゴという名の部下は機体のバーニャ推進を最大にした。
「死にやがれ連邦の糞野郎おおおおっ!!」
先行したシンゴのグフが左手に内蔵されたフィンガーランチャーを乱射しつつ右手にヒートサーベルを持たせる。
白熱化したサーベルが煙を纏いながらぼんやりとした光を放った。
シンゴのグフのモニターに連邦軍の量産型MS『ジム』の姿が映ったのはその時だった。
即座にフィンガーランチャーの標準をジムに合わせる。
5連のランチャーの射撃は見事にジムに命中した。
だが、フィンガーランチャーの威力だけではジムを大破させるには至らなかった。
咄嗟にシールドを構えるジム。
大型のシールドを装備するジムは、いったん防御体勢をとると前面に隙が無くなる。
そしてまた、グフのフィンガーランチャーでそのシールドを打ち貫くのは困難だった。
「チッ! 防御しか能が無ぇのかよ!!」
モニター越しにジムを睨み付けるシンゴ。
「だったらこいつでぶった切ってやるぜええええええ!!」
そう叫ぶとシンゴは、ジムに対して突撃したままヒートサーベルを振り上げた。
シンゴの動きに対して、ジムも咄嗟にシールドを捨てビームサーベルを抜こうとする。
だが、遅かった。
ジムがランドセルからビームサーベルを抜く前に、シンゴのグフがジムの頭部にヒートサーベルを振り下ろしていた。
「これがジオンの力だ!!」
シンゴは怒涛と歓喜の入り混じった表情で声を張り上げた。
しかしゲールは彼が勝利の余韻に浸ることを許さなかった。
「たかが一機潰したくらいではしゃぐな、シンゴ。次の敵が来ているぞ」
「はいっ!」
シンゴはそう返事を返すと、レーダーで敵影を確認する。
レーダー上の反応では戦車の部隊が近づいてきているようだった。
「戦車、か」
小さくそう呟きながらシンゴはグフを戦車部隊の方向へ走らせる。
戦車部隊との距離はかなり近い。
みるみる内にその距離が縮まってゆく。
「蹴散らしてやるよ!」
そう言ってフィンガーランチャーを連射する。
被弾した戦車たちが次々と大破していった。
瞬く間に4台の61式戦車がその餌食となっていた。
「ハハハハハハハハハハッ! ざまあみろっ!!」
フィンガーランチャーの連射する音。
61式戦車の砲撃音。
そして大破し爆破する音。
それ以外にもジャブロー一帯から激戦を示す絶え間なく鳴り響く。
それらの音に半ば洗脳されるかのように、シンゴは恍惚の表情を浮かべていた。
「シーラの恨み! いや、これはスペースノイドを虐げてきた貴様ら地球連邦への正義の鉄槌だ。死んで償えっ!」
そう言いながらシンゴの顔は怪しい笑みを作る。
「アハッ! アハハハハハハハハ!!」
61式戦車が大破するたびにシンゴが笑い声を上げた。
しかし、それが隙を生んだのだろう。
彼は突如現れたジムに気がつくのに一歩遅れた。
ジムのビームスプレーガンがグフのコックピットを狙う。
だがしかし、ジムがビームスプレーガンのトリガーにマニュピレーターをかけた瞬間、大破したのはジム自信だった。
シンゴには何が起こったのか一瞬分からなかったが、レーダー上で自機の後方にいるゲールのドムを確認したことで、それがドムのジャイアントバズによる射撃の結果である事を知った。
「周囲への注意を怠るな」
「……はい、すみません」
ゲールからの無線に浮かない表情で答えるシンゴ。
自身の気の緩みで招いた危機。
その危機を自分の力でなく、他者の力により免れた事。
シンゴの表情にはその事に対する苛立ちが見て取れた。
彼には、自身の未熟さを認められ無かったのだろう。
そんなシンゴを若いな、とゲールは思う。
恐らくは劣等感の裏返しから来る怒り。
自信を向上させるモチベーションにはなるが、実戦に置いては激情を呼び起こし冷静な判断を失わせる感情でもある。
「いいか、相手に勝利する事は確かに重要な事だが、最も大切な事は自分自身が負けない事だ。それを忘れるな」
ゲールはシンゴをなだめるべくそう言った。
シンゴは時間を置いてから小さく「はい」とだけ返した。
明らかにゲールに対して不服を持っている返事だった。
出来杉達は無断で搭乗していたジムから降ろされ、グン少佐の下へ召集されていた。
「無断でのMSの搭乗、そしてその機体を中破され、なおも新しい機体に乗り換えて出撃しようとしていたそうだな」
グンは出来杉達3人に厳しい目を向ける。
「そのような事は本来許される事ではない、それは君達も分かっているな?」
強い口調でそう問いかけるグンに、出来杉は小さく「はい」と返した。
「しかし今回は緊急事態だ。十分な操縦技術をもったパイロットが不足している我が軍において、十分な訓練を積んでいる君達は子どもとはいえ重要な戦力足りえる。私とて無意味な軍規を振りかざすつもりは無い」
軍は少しの間、沈黙のまま出来杉達を見据えた。
「そういう訳だ。改めて君達に出撃命令を出そう。各人、ジムに搭乗しジャブローに侵攻してきた敵機を撃退せよ」
『はい!』
3人が息をそろえて返事をした。
そしてすぐに踵を返すと、それぞれが支給されたMSへ向かって駆け出した。
出来杉がジムに乗り込みシステムを起動すると、すぐさまアリアから無線が流れてきた。
「凄いね。私たち1人1人にMSなんて」
「うん」
出来杉は微笑みながらそれに返す。
するとツンが無線に割り込んできた。
「ま、当然のことよね。NT適正者である私たちは常に最新鋭のMS操縦訓練を受けてきてるんですもの。並みのパイロットとは訳が違うのよ」
そういうツンはとても得意げだった。
そんなツンのことがアリアは大好きだった。
弱気な性格なアリアあなだけに、ツンの強気な性格に惹かれるのだろう。
「うん。そうだよねツンちゃん。私たちNTの種だもんね」
そう言ってアリアは笑顔を作った。
「ええ」
ツンはそう相槌を打った。
そう、まだ私たちは種に過ぎないのだ、と彼女は思う。
だからこそ彼女はMSに乗ってより多く戦わなければならなかった。
MSでの戦いこそがNTの能力を強化する要素である、というのが彼女達の教わった事だったからだ。
一機でも多く敵と戦わねば。
それはもはや脅迫に近い彼女の義務感だった。
”わたしをメチャクチャにして”、”私を利用した奴らをやっつける”為の力を手に入れること。
それこそがツンを支える原動力だった。
「私はアムロさんだって超えてみせるわ」
ツンは誰にも聞こえないようにそう呟いた。
そうしている内に3人のコックピット内にグンからの無線が入った。
『それではこれより各機、B-126-Dブロックへ向かい敵機を迎撃せよ』
『了解!』
3人は同時にそう答えると目的地へ向かって移動を開始した。
最初の敵であるザクⅡを発見したのはツンだった。
ザクよりも早く相手を察知し、すぐさま射撃し、危うげなく撃破したのだ。
そんな彼女を筆頭に出来杉とアリアも次々に敵を発見し撃墜してゆく。
間違いなく、出来杉達の操縦技術は並みのパイロット以上のものだった。
そして本人達はあまり意識してはいなかったが、3人は互いに上手く連携を取り合い、互いが互いをカバーしていた。
ツンが3機の戦闘を行き、そしてそれぞれが互いの死角を補い合いながら着実に敵機を捕捉し撃破する。
彼らが1人1人であればあるいは彼らの能力は並以上で終わっていたかもしれない。
しかし、例えばジオンの黒い3連星がそうであるように、彼らは3人であるからこそ発揮できる能力を持っていた。
そして3人で能力を発揮すれば、その力はエースパイロットと呼ぶにふさわしいものだった。
敵機の迎撃を開始してからそれほど経たない内にすでに出来杉達は合わせて10機のMSを撃破していた。
明らかに他のジム達とは動きが違う。
必然的に出来杉達は敵機の多いエリアへと食い込んでいた。
「私たちが先陣を切れば後続の友軍も動きやすくなる。だからどんどん切り込んでいくわよ!」
そう言うツンに出来杉とアリアがすぐさま無線で返す。
「OK!」
「サポートは私にまかせて!」
そうしてまた敵機を撃墜してゆく。
ツンはもちろんの事、訓練では敵機を撃墜することを躊躇していたアリアまでもが躊躇うことなく戦っていた。
ふと、出来杉の心の中で何かが引っかかった。
これでいいんだ。
これでいいはずだ。
だから何も考えるな。
自分にそう言い聞かせる出来杉。
しかし彼は心に浮かぶ思いをぬぐい切れなかった。
『僕は、僕達はただの兵器に成り下がっているのではないか?』
ただ、無性に胸が苦しかった。
もはや選んでしまった道。
引き返せないのだとしたら、後は貫き通すしかない。
「うおおおおお!」
出来杉はビームスプレーガンで一機のグフを撃墜したかと思うと刹那にバーニャを最大出力でジャンプし、今度は別のザクをビームサーベルで真っ二つに両断していた。
爆発し、炎上するグフとザク。
連続で2機のMSを撃墜しておきながら、出来杉には何の感慨も無かった。
ただ、このままずっとジオンを倒し続ければ少しでも戦争の終結に近づくのかもしれないと思うと、少しだけ救われた気がした。。
だが、それ以上のことを考える時間は出来杉には無かった。
間髪置かずに出来杉達の下へ2機のMSが突進してくる。
すぐさまレーダーとソナーの情報を解析する出来杉。
「この反応、先行してるのがグフで、後方がドムか」
格闘戦主体のグフを先陣に後方から長距離射程を誇るジャイアントバズで砲撃する。
定石にして厄介な戦法だ。
ジャイアントバズの砲撃のせいで突撃してくるグフに狙いを定める事が出来なかった。
だが、これ以上グフを接近させるわけにもいかない。
「ツン! アリア! 一先ずスプレーガンで先陣のグフを倒そう!」
出来杉がそう言うと2人から『了解』と無線が返ってくる。
3人が一斉にグフに集中砲火を浴びせた
しかし、このグフのパイロットは手強かった。
グフはその攻撃を何とか避け、突撃を続けてくる。
グフの固定武装であるフィンガーランチャーを装備した左腕を破損し、シールドも吹き飛ばされた。
だというのにグフは全く臆することなく、右腕に持ったヒートサーベルで切りかかれる距離まで間合いを詰めてくる。
気がつけばグフはツンのジムに切りかかっていた。
「私に喧嘩売る気? 上等じゃないっ!」
すかさずビームサーベルをバックパックから引き抜き応戦するツン。
ツンのジムとグフは剣道の鍔迫り合いの様に、互いの剣を交えたまま拮抗している。
「やるわね……、でもMSの出力はこっちの方が上なのよっ!」
そう言った瞬間、ツンは機体とビームサーベルの出力を瞬発的に最大値まで引き上げた。
グフのヒートサーベルがビームサーベルの磁力に弾かれる。
ツンはその隙を逃すまいと間髪置かずにグフに切りかかった。
しかしグフのパイロットも非凡な操縦技術を持っているのだろう。
本来ならば直撃するはずのツンの一閃を、ギリギリのタイミングでヒートサーベルで受け止める。
「くっ!!」
敵を仕留め損なった怒りで顔をゆがめるツン。
しかし、相手のグフは今の攻撃を防いだ事で再び大きくよろめいていた。
今度こそいける。
そう確信した。
だが、ビームサーベルで切りかかろうとしたその時、ツンの目にグフのバーニャに火が灯るのが映った。
ツンの次の動きをグフのパイロットも読んでいたのだ。
グフはバックステップでツンの攻撃をを避けようとしていた。
私のビームサーベルじゃ間に合わない、ツンはそう悟った瞬間に叫んでいた。
「出来杉っっ!!」
「わかってる!」
ツンの言葉に応じて、出来杉はビームスプレーガンの照準をグフにセットする。
「当たれええええ!」
出来杉がそう言ってトリガーを引こうとした矢先だった。
「ダメッ!! 避けて、エイサイ!!」
アリアの声が聞こえた瞬間、出来杉はその言葉を理解するより先にジムにサイドステップを取らせていた。
次の瞬間、出来杉のジムのコックピット内に爆音が響いた。
その音の激しさに直撃を覚悟した出来杉だったが、機体の揺れからして被弾していないのは確かだった。
モニターを見れば、先ほどまで出来杉のジムが立っていた場所にもくもくと黒煙が立ち込めていた。
出来杉は咄嗟にそれがドムの砲撃によるものである事を理解すると、ドムを索敵しセンターに見据えた。
ドムはジャイアントバズの一撃目から二撃目へ移行する間の僅かな隙を見せているところだった。
その隙を逃すわけにはいかない。
ビームスプレーガンでドムを射撃する。
が、その攻撃を予知していたようにドムはそれを避けた。
「大丈夫エイサイ!?」
アリアが出来杉を心配して通信を入れた。
「うん、大丈夫だよ。だけどあのドム、シャア程じゃないにしても相当な力量だ」
そう出来杉は返した。
だが、そうして2人がドムに気を取られた隙にグフは体勢を立て直し再びツンのジムへ切りかかってきていた。
「しつこいわねっ!!」
グフの一撃を避けるツンのジム。
と、同時にビームサーベルで反撃を試みた彼女だったが、まるで流れるような動きを見せるグフはそれを避け、切りかかってきた。
「なっ」
グフの見せた動きは見事としか言いようのない物である。
ツンとて驚嘆の声を漏らさずに入られなかった。
だが、それ以上に敵が憎い。
ツンはバーニャの推力を使い何とかその斬撃を交わそうとした。
だが、ほんの一瞬間に合わなかった。
ビームサーベルを手にしていない方の左腕がグフの餌食になる。
モニターに損傷率が映し出される。
損傷率は軽微。
こんなのは屁でもない、と彼女は思う。
そもそも、例えそれが致命傷だったとしても、このまま引き下がるツンではなかった。
ツンはカウンターとばかりにもう一撃グフに斬撃を見遣った。
並みのパイロットでは繰り出せない、気合の一撃。
その攻撃は確かにグフに届いた。
ツンの一閃はグフの右肩に直撃していた。
しかし、その攻撃も甘かった。
幸運だったのは、それはヒートサーベルを手にしている右の肩であることだ。
それによりグフは、ヒートサーベルを使用する事が出来なくなっていた。
最終更新:2009年09月09日 00:17