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  • 242 名前: ex17落とさないでね 投稿日: 2006/11/13(月) 01:24:46.26 ID:OhDAvG4Z0

 のび太にとってはこのままここで待てばいいのだ。
 敵のMSの移動音を察知するパッシブソナーも同時起動させるのび太。
 そんなのび太を、フレンは既に発見していた。
 パッシブソナーの有効範囲を最大まで拡張し、敵を確認した方向を画面拡大で確認する。
 フレン機の画面で拡大された映像には、確かにのび太のグフが映しだされていた。
「待ちぶせか。しかし、こちらにはまだ気付いていない」
 と、自分の機体とは違う方向を向いているのび太の機体を見ながら呟くフレン。
 市街戦と言う戦場がフレンに好機を与えていた。
 行ける。フレンはそう確信した。
 相手のパッシブソナーに掴まらないように、出来る限りゆっくりと機体を操作する。
 そして相手のセンサーの有効範囲のギリギリまで進めると、フレンは射撃の構えをした。
「背後からの攻撃に備えたのが逆効果なんだよっ、のび太君!」
 フレンはのび太が背にしている巨大なビルの上部にザクマシンガンを連射した。

「しまった!」
 その瞬間のび太はそう叫んでいた。
 ビルから落ちてくる瓦礫がメインモニタの視界を邪魔し、フレンの攻撃に対する反撃が出来ない。
 だが何とかしてパッシブソナーの反応を頼りに、相手の機体を正面に捕らえる。
 しかし、そこにあったのはのび太が盾にしようと思っていたビルだけだった。

  • 254 名前: ex17落とさないでね 投稿日: 2006/11/13(月) 01:42:56.35 ID:OhDAvG4Z0

「ビルを盾に?」
 今ので仕掛けてくるんじゃないのか、と疑問に思うのび太。
 例えビルに隠れたとしても、そんなものは一時しのぎに過ぎない。
 ビルから出てきた瞬間に射撃して終わりだ、とのび太が思った瞬間に目の前のビルが倒壊した。
 それは予想外だった。
 なぜならザクマシンガンの威力では、こんな短時間でビルを倒壊させることなど出来ないからだ。
 しかし砂煙を上げながら倒壊したビルから現れたグフが手に持っていたのはヒートソードだった。
「格闘戦っ? この距離でっ?」
 のび太機とフレン機との距離はおよそ100m。
 この距離なら、相手が格闘可能な距離まで間合いを詰めてくる間に急所を狙う事が出来る。
 突進してくるフレン機は、シールドで頭部を含む上半身を防御していた。
 つまり、一撃で相手をしとめるのに狙うべきは脚部の関節部分。
 そう思ってすぐさま脚部に射撃の照準を合わせた瞬間、のび太は目を疑った。
 モビルスーツの脚部は倒壊したビルの煙で視認が困難なのだ。

「どうだのび太君、いくら君だってこの土煙の中で絶えず動いている脚関節を狙うのは無理だろう!」
 シールドの覗き穴からのび太機の様子を見てそういうフレン。
 のび太はすぐさま狙いを間接から、グフの腰の辺りに照準を変え射撃をしてきた。
 フレンのシミュレーターが激しく揺れる。
 だが、急所で無い部位にザクマシンガンが数発あたった程度ではグフは倒れない。
「もらった!」
 そう言ってフレン機がヒートソードを振り上げた瞬間、フレン機のモニター画面は真っ暗になった。

  • 277 名前: ex17落とさないでね 投稿日: 2006/11/13(月) 01:55:28.00 ID:OhDAvG4Z0

「何!」
 驚きの余り、頭が真っ白になるフレン。
 しかし直ぐに気を取り直して自身の機体情報を確認する。
「頭部損傷? そんな馬鹿な」
 頭部は確かにシールドで防御していたはずだ、と信じられない気持ちでモニターを見つめる。
「まさか」
 考えられない予想がフレンの頭をよぎった。
 それは普通の人間にはまずあり得ない。
 しかし、のび太になら可能かも知れなかった。

 シミュレーターから出るとアレンはのび太と握手をした。
「さすがのび太君だよ。まさかシールドの覗き穴へ銃弾を打ち込むとは」
 そう言って苦笑するアレン。
 のび太はやはり言葉は分からないがそれに一礼して返した。
 だが、流石に今回ばかりは困ったものである。
 あんな小さな穴に銃弾を打ち込むことなんて、狙撃仕様のMSですら不可能であろう。
 こんなパイロットには敵わないな、と思うフレン。
「あと少しだったんだけどなぁ」
 と残念そうに言いながら、彼は戦場でこんな敵に出会わないことだけを願っていた。

  • 439 名前: VIP足軽になりたい 投稿日: 2006/11/13(月) 20:19:14.71 ID:OhDAvG4Z0
 連邦軍カラカス基地に暫定的に設立されたNT研究所。
 その施設の一室で出来杉は絶句していた。
「アリア――」
 研究所の責任者である士官が、連れてきた新たなるNT適性者の少女を見てそう言う出来杉。
 出来杉は自分の目を疑ったが、しかし連れてこられた少女は確かにアリアだった。
「エイサイ!」
 アリアもまたこんな場所で出来杉とであった事に驚きを隠せないようだった。
 しかしアリアの顔は出来杉とは違い、戸惑いではなく喜びの表情である。
「なんだ。お前たちは知り合いだったのか」
 そんな2人の様子を見てそういう士官。
 しかし、2人が同じ難民収容所に居た事は知っていたので士官はそのことを特には気に止めなかった。
「まぁいい」
 と士官は話を区切ると、部屋の中に並べられている椅子を指差した。
「2人とも適当に椅子に座りなさい」
 士官がそう言うと、すぐに出来杉は近くの席に座る。
 アリアも出来杉の隣の席に座った。

  • 455 名前: VIP足軽になりたい 投稿日: 2006/11/13(月) 20:44:02.39 ID:OhDAvG4Z0

「これから君たちには他の適性者との顔合わせをしてもらう予定だが、若干遅れてしまっているようだ。それまで少し待っていてくれ」
 士官がそう言うと2人は「分かりました」と返事をする。
 そして返事が済むと、アリアは出来杉に振り向いて話しかけた。 
「よかった、またエイサイに会えて」
 そう言って満面の笑みを作るアリア。
「エイサイが収容所に戻って来なかった時は、もう会えないと思った」
 アリアは本当に嬉しそうな顔だ。
 そんなアリアに言葉を返す出来杉。
「僕もまた会えて嬉しいよ、アリア。だけど――」
 しかし出来杉は素直にアリアにあえた事を喜べなかった。
 君はここが軍の施設で、自分が軍人になった事を分かっていないのか? そんな言葉が喉まででかかる。
 だが、部屋の入り口に立っている士官の姿に、出来杉はその言葉を飲み込んだ。
 士官の手前下手なことは言えない。
 しかし出来杉は、アリアに軍人になんてなって欲しくはなかった。
 難民や孤児になってしまった人達を守りたいと。
 守らなくてはと思い、自らの心情を偽ってまで出来杉は軍人になった。
 しかし、軍はそんな出来杉が守ろうとした人間までも軍に引き入れたのだ。
最終更新:2006年11月18日 11:50