- 288 名前: 以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします 投稿日: 佐賀暦2006年,2006/11/05(佐賀県庁) 21:06:28.24 ID:kaBaLdHG0
ジョルジュが最初にのび太達をこの墓地に連れてきたのはそれと何か関係があったのかもしれない。
ジョルジュ自身自覚はしていない、でもこの墓地はこの戦争の原体験なのだ。
戦争にのび太達を誘おうとする自分を、無意識のうちに懺悔したいのかもしれない。
いや、逆に祝福してもらいたいのかもしれない。とにかくジョルジュの中で答えは出てしまった。
公園で2人が遊び終わるのを確認すると、ジョルジュは2人に声をかけた。
「さぁ、それじゃあそろそろ次の場所に行くか」
「うん! 次は何処に連れて行ってくれるの」
無邪気にはしゃぐのび太達。
「次は君達にモビルスーツを見せてあげよう」
ジョルジュは出来るだけ何でもないことのようにそう言った。
「もびるすーつ?」
とくびを捻るのび太。
「あぁ、君達はMSを知らないのか。MSは簡単に言えばロボットだよ。それも物凄くでっかいね」
それを聞くとのび太は素直に喜んだが、しずかが少し不安そうになった。
「あのTVで見たことがあるんですけど、MSって軍隊のロボットの事じゃないんですか?」
「まぁ、そうだね」
ジョルジュの言葉にしずかだけでなくのび太までも青ざめた。
それに気がつくとジョルジュは慌ててフォローを入れた。
「これから行くところはそんな怖いところじゃないから安心して大丈夫だよ。何より俺が付いてる。それにメチャクチャかっこいいんだぜ、MSって」
そう言うと2人はとりあえず落ち着いたようだったが、車の中にはどこか緊張した空気が流れていた。
- 315 名前: 以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします 投稿日: 佐賀暦2006年,2006/11/05(佐賀県庁) 21:26:02.95 ID:kaBaLdHG0
ジオン地球攻撃軍 ネバダ州第13基地
旧合衆国のネバダ州にあるこの基地は、巨大な基地と基地の間にある非常に小さな中継地点のような場所である。
しかし小さいながらもその基地の地理的な重要性は高く、基地間の物資移動の際には重宝されている。
ジョルジュは車から降りると基地の門の前に立っている兵隊に身分証明書を提示した。
「先日連絡を入れていおいたツィマッド社のジョルジュだ。テストパイロット候補生の為にここの施設を使わせて貰いたいんだが」
ジョルジュがそう言うと警備兵は「ハッ」と言い、無線で上官に連絡を取った。
「お待ちしておりましたジョルジュさん。お入りください」
そう言って道を開ける警備兵。ジョルジュはその警備兵に一言「ごくろうさん」と言って車に戻った。
警備兵はその様子を眺めているうちに己の目を疑った。
「なんだ、ガキじゃないか。あれがテストパイロットだって?」
そう呟きながら警備兵はそろそろジオンもヤバイのかもしれないな、と思った。
ジョルジュがのび太達を連れて基地の施設に入ると、兵隊が数人と白衣を着た科学者一人が出迎えた。
車を止めてのび太達を下ろすと、科学者の男がにこりと笑った。
「ようこそいらっしゃい」
まだ20代と思われるその科学者はとても優しい声でそう言った。
基地の兵隊達を見て少し怯えていたのび太達であったが、その科学者の言葉を聞くと少し緊張がほぐれた。
- 366 名前: 以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします 投稿日: 佐賀暦2006年,2006/11/05(佐賀県庁) 21:51:38.72 ID:kaBaLdHG0
「久しぶりだな」
と言いながらジョルジュは自分の後輩であるその科学者の手と握手を交わした。
「ジョルジュさんこそ。日本支社の出張はどうでした?」
「なかなか良かったぜ。日本食も結構気に入ったしな」
と挨拶を交わすと、ジョルジュは小さな声で科学者に耳打ちをした。
「いいか、今はあの子たちにテストパイロットの件は話すな。今はMSを見て慣れてもらうだけで言い。頃合いが来たら俺が話す」
「はいはい、分かってますって」
そう言うと科学者はジョルジュに笑顔を見せた。
「さて、それじゃあこれからMS格納庫に案内するから僕についてきてくれるかな」
と科学者がいうと、のび太達は「はい」と返事を返した。
「それにしても君達は本当に運がいいよ。MSなんて中々一般人じゃ見れないんだよ? しかも今日は新型が来てるんだ」
と基地内の廊下を歩きながら科学者はのび太達に言った。
ジョルジュはその通訳をしている。
「新型?」
「そう。まだ試作型だけどね」
そう言うと科学者は鉄製の頑丈そうなドアの前で立ち止まった。
「さぁここがMS格納庫だ」
カードキーでドアロックを解除しドアを開く科学者。
そこには4体の巨大なロボットたちがそびえ立っていた。
- 380 名前: 以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします 投稿日: 佐賀暦2006年,2006/11/05(佐賀県庁) 22:03:28.61 ID:kaBaLdHG0
「うわああああああああ」
その壮大さに思わず声を漏らすのび太達。
ドームのように巨大な空間の比較的中央に緑のMS2機と青い機体が1機。
そこから少し離れた場所にそれらの機体よりも2回りほど大きい白い機体がある。
そうしてのび太達がMSに見とれていると、格納庫の奥の方から太った男が歩いてきた。
「やぁ、いらっしゃい。私がここのMS整備班の責任者のダディといいます」
ダディと名乗った整備兵はジョルジュと科学者の順に握手し、続いてのび太達に笑顔を向けた。
「それにしても、小隊にグフを導入したんですねぇ」
科学者は残念そうな口調でそう言った。
「うちのドムを使ってくださいよぉ、大尉。性能はウチのドムの方が絶対に良いですから」
「ははは、そう言うことはもっとお偉いさんに言ってくれ。残念だが俺にはどうしようも無い」
そう言いながらダディは苦笑した。
「いくらロールアウトしたのが早いって行っても、あんなのJ型と性能的に大差ないのになぁ」
と拗ねたようにいう科学者に、ダディは更に苦笑いした。
そんな雑談にふける科学者をジョルジュが小突く。
「おいおい、話はいいけどこの子達の案内も頼むぜ」
「あ、はいそうですね」
科学者はそう言うと、のび太達を軍用のMSシミュレーターのところまで案内した。
- 424 名前: 以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします 投稿日: 佐賀暦2006年,2006/11/05(佐賀県庁) 22:22:45.35 ID:kaBaLdHG0
「どうだ、凄いだろ?」
ジョルジュはシミュレーターの様子が映し出されているPCに見入っている科学者に自慢げに言った。
科学者はのび太の神がかり的な射撃能力に言葉を失っている。
「もしもこの子がドムに乗りゃあ連邦の新型だって超えられるかもしませんね」
そう言いながら科学者は背後にそびえ立つ白い試作機を振り返った。
「熱核ジェットでMSをホバーさせるってアイディアは画期的なんだがな。もうちょっと小型化できなかったのか?」
ジョルジュもまたその試作型のドムを眺めながら言った。
「本社でも、どうしてもホバーユニットを小型化できないって頭抱えてますよ。完成品はもっと小さくなる予定なんですけどね」
「ったく。そんな事だからいつもジオニックの連中に先を越されるんだ」
ジョルジュは今度は視線をグフに移しそう憤った。
「ジョルジュさんも責任の一翼は担っているでしょう」
「俺の担当は操縦系だぜ? 関係ないね」
「……」
科学者はそんなジョルジュを渋い顔で見つめた。
「しかし女の子はともかく、何者なんだあの子供。うちの小隊の連中でこんなスコア見たこと無いぞ」
じっとのび太のシミュレートの様子を見ていたダディが信じられないという様子でそう言った。
「あったり前でしょ大尉。なんたってあの子はニュータイプなんですから。ね、ジョルジュさん?」
と嬉しそうにジョルジュに振り返る科学者だが、ジョルジュはあえて反応しない。
「ニュータイプ? なんだそれ」
「あれ知らないんですか大尉? おっくれてるぅ~。NTってのはMSの操縦の天才のことですよ。連邦の白い奴のパイロットもNTらしいですよ?」
最終更新:2006年11月07日 18:37