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  • 189 名前: VIP村人f 投稿日: 2006/11/16(木) 23:16:13.55 ID:Mxi4m76h0

 30分以上かかってのび太が腕立て伏せをしたのを確認すると、教官はやっと点呼を取った。
「サイゾー=ウンコク、ナー=ナシー、ノビタ=ノビ、フレン=ドリー、マグ=ウィキカンリオツ、ライ=バール」
 全員の名前を呼び上げると、教官は全員の顔を見渡す。
「お前達は優秀な生徒が集められたAクラスの中でも、特に優秀な生徒6人だ。断言しよう。お前たちはシミュレート結果だけで見れば、既に十分実戦に通用するレベルにある」
 そう言うと、教官は少し間を置き、そして話を続けた。
「我が校は優秀な生徒には、それに見合う訓練を与えるのがモットーだ。お前たちには他の生徒よりも一足先に、本物のMSに乗って訓練を行ってもらう」
 教官の言葉に、生徒達は一斉に顔を引き締めた。
「MSの実地訓練を行うのは、ネバダ州の第13基地だ。そこでお前達には最新型のMS、ドムに乗ってもらう。優秀な生徒には早くから新型に慣れてもらわなければならないからな。説明は以上だ。何か質問はあるか?」
 そう言って生徒達の顔を見る教官。
「質問がなければこれより第13基地に移動する。校門に車両を待たせてあるから、それに乗り込め」
 教官がそう言うと、生徒達は「はい!」と答える。
 そしてそのまま校門に向かって歩き出した。

  • 201 名前: VIP村人f 投稿日: 2006/11/16(木) 23:30:06.13 ID:Mxi4m76h0

 軍用車の中では、全員無口だった。
 ライは得意げに笑っていたが、それ以外の生徒達は非常に緊張した面持ちである。
 何せ本物のMSに乗り込むのは全員これが初めてだった。
 そしてそれが早くも実地訓練である。
 それで緊張しないわけが無い。
「緊張してウンコ漏れそうだぜ」
 とそんな事を小さく溢すサイゾー。
「大丈夫さ、シミュレーター通りにやれば問題ないよ」
 そんなサイゾー、いや他の生徒全員を勇気付けるためにフレンは言った。
 しかし、フレン自身不安でいっぱいだった。
 なにせ、ドムの操縦などシミュレーターでも殆どやったことが無いのだ。
 資料で他のMSとの操縦系の違い、特にホバー移動についての知識は入れてはあるフレンだが、それでも実際に触ってみないことには分からない。
 更に、彼らは実際の軍事基地へは授業の見学でしか行った事がなかった。
 のび太を除いて、ではあるが。

  • 349 名前: VIP村人f 投稿日: 2006/11/17(金) 22:37:50.22 ID:AuWHjSpy0

 軍用車両が第13基地に到着すると、生徒達は車両から下ろされた。
 そしてのび太は目を疑った。
「ここは……」
 この基地に、のび太は確かに見覚えがあった。
 ここは、僅か2週間ほど前にのび太が訪れた場所だった。
 そしてMSの操縦をし、軍に引きずり込まれた忌まわしき場所でもある。
 忘れるはずが無い。
 そうして戸惑っているのび太達を出迎えた人間は、のび太にとって最悪な人物だった。
「司令自ら出迎えていただけるとは。感激であります」
 そう言って13基地の司令に敬礼をする教官。
「そう畏まらなくてもいい。それで、この子達か。貴校屈指の優秀な生徒達と言うのは」
 そう言いながら生徒達の顔を眺める司令。
 のび太はそんな司令と目を合わせたくなくて顔を伏せたが、司令の方はのび太を見つけると嬉しそうに声を上げた。
「おぉ、やはり君も来ていたかノビタ君! 君、知っているかい? この子の推薦状を書いたのはこの私なのだよ」
 そう言って教官に笑いかける司令。
「そうでありましたか。ノビタ=ノビはMS操縦に関して非常に優秀な成績を収めております。さすが司令、人を見る目がおありになる」
「ふふふ、そうだろう? のび太君が戦場に出てエースになれば、この私の株も上がると言うものだ」
 司令は大笑いしながらそう言う。
 そして司令は俯いたままののび太の肩に手を置いた。

  • 369 名前: VIP村人g 投稿日: 2006/11/17(金) 23:10:45.28 ID:AuWHjSpy0

「どうだいノビタ君。学校を卒業したら私の基地へ来ないか? ん?」
 司令がそう言っても、のび太は何も答えない。
 そんなのび太の様子に司令は少し不機嫌になったが、直ぐに思い出したよう口を開いた。
「そういえばノビタ君は日本人だったね。それに緊張してるんだ、俯いてしまうのも仕方が無い」
 と、勝手にのび太の心情を解釈する司令。
「司令、ノビは基礎訓練が終了次第グラナダへ送るよう通達されているのです」
 そんな司令に注釈を入れるべく、教官が口を挟む。
「月へだって? なんと、それは残念だ」
 司令は拗ねたようにそう言う。
 教官はそれに適当に頷いておいた。
「それで、早速ですが生徒の実地訓練を始めさせていただきたいのですが」
 教官には、司令にいつまでも付き合っている暇はなかった。
 何せ、パイロット養成期間は少ない。
 その中で更に、彼らに特殊訓練を課すには本当に時間が惜しかった。
 のび太にいたっては基礎訓練の期間しか与えられていないのだ。
「あぁ、もちろんだとも。それではダディ君、彼らをMS格納庫へ案内してくれ」
 司令がそう言うと、彼の後ろに控えていたダディは「はっ!」と返事をしてのび太た達を格納庫へと案内する。
 その最中のび太と目が合うと、ダディはニコリと一度だけ笑顔を作った。

  • 375 名前: VIP村人g 投稿日: 2006/11/17(金) 23:41:54.16 ID:AuWHjSpy0

「凄い」
 MS格納庫に生徒達が到着すると、生徒達は格納庫内の光景に驚いてそう漏らした。
 格納庫内に立ち並ぶMSは全部で6機。
 そしてその全てがドムであった。
「最新型のドムが6機も」
 誰ともなくそう呟く。
 そんな生徒たちを見ると、ダディは自慢げに口を開いた。
「ウチの司令がドムの開発元と個人的なコネがあってね。優先的にウチの基地に配備されんだ」
 ダディがそう言って生徒たちに説明すると、生徒達のもとに一人の白衣を着た男が歩いてきた。
 それはまたものび太の知る男だった。
 あのツィマッド社の若い科学者である。
「ようこそ、キャリフォルニア養成学校のみなさん。ま、ようこそと言っても僕はこの基地の人間では無いけどね」
 そう言って笑顔で生徒達を出迎える。
「どうだいみんな、ドムを見た感想は? ピカピカで格好良いだろう? なんせできたてホヤホヤの最新鋭、それも今朝到着したばかりの機体だからね」
 そう言いながら科学者は満面の笑みを浮かべた。
「ドムはザクから革新的に性能が上昇していると聞きます」
 フレンがそう言うと、科学者は笑顔で「その通りさ」と答える。
「君達みたいな優秀なパイロットがドムを使いこなしてくれれば、ジオンはまず負ける事は無いよ」
「当然です。連邦なんて、自分があっと言う間に滅ぼして見せます」
 そんな科学者の言葉に、今度はライがそう答える。
「頼もしい限りだ。君達の武勇に期待をしているよ。さて、それじゃあそろそろ機体の説明をはじめるかな。ダディ大尉、先生も一緒に来てください」
 科学者はそう言うとMSの管理を行っているコンピューターの前まで彼らを案内した。
最終更新:2006年11月18日 09:44