ひとつ蘭

  • 分類:短編小説
  • 初出:「小説新潮」1997年11月号
  • 雑誌時挿絵:荒井冨美子
  • 収録短編集:単行本未収録

あらすじ

「わかりました。それではお待ちしてます」
 と受話器に声をかけた柚子は、相手が「ええ」と答えながらも語尾の余韻をいつまでも粘りつかせて、なかなか電話を切ろうとしないので、
「やはり誰かを迎えにいかせましょうか」
 と声をかけ直してみた。
 湯河原駅から突然「あのう、一人で旅に出てきた者ですけど、今夜お部屋空いてませんか」と電話をかけてきたのである。

湯河原の旅館「かしづ屋」に嫁いで七年になる柚子は、厳しい姑と、母親に依存する夫に耐えながら、小さな部屋ひとつを任される立場にあった。そんなある日、飛びこみでやって来た客は、かつて姑の喜世に奪われた夫を取り返しに来たと言う……。

登場人物

  • 樫津柚子
    • 湯河原の旅館「かしづ屋」の若女将。
  • 樫津浩之
    • 柚子の夫。
  • 樫津喜世
    • 姑。女将。
  • 樫津辰次
    • 舅。胃癌で入院中。
  • 増井千代
    • 島根からやって来た客。

解題

(スタブ)

収録アンソロジー

  • 日本文藝家協会編『現代の小説1998』(1998年、徳間書店)

関連作品

  • 《新・細うで繁盛記》

名前:
コメント:

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2017年10月17日 02:47