河沼郡牛沢組朝立村

陸奥国 河沼郡 牛沢組 朝立(あさたち)
大日本地誌大系第33巻 141コマ目

府城の西に当り行程5里6町。
家数25軒、東西1町30間・南北1町10間、柳津道に住す。
南は山に倚り三方田圃(たんぼ)なり。

東5町30間大沢村の界に至る。その村まで8町。
西1町30間八坂野村の界に至る。その村まで12町余。
南は数峯を隔て細越村の山に界ひ界域分明ならず。
北1町20間平井村の界に至る。その村まで4町10間。

山川

高寺山(たかてらやま)

村より未(南南西)の方15町計にあり。
高80丈計。
この辺の諸山よりやや高し。

水利

一は村南5町にあり。
周146間。明暦中(1655年~1658年)築く。
一は村の辰巳(南東)の方6町にあり。
周100間余。元禄中(1688年~1704年)に築く。

神社

若宮八幡宮

祭神 若宮八幡?
相殿 御稷神
鎮座 不明
村西にあり。
鳥居あり。塔寺村戸内信濃これを司る。

寺院

最勝寺

村東にあり。
真言宗金剛山と號す。
会津郡下荒井組蓮華寺の末山なり。
耶麻郡慶徳組松野村にあり。縁起を案ずるに、勝次郎(すぐれ-)という者この寺を草創す。天正11年(1583年)次郎松本太郎に与力しければ、近村の地頭とも押寄て村中に火を放ちければ寺もその災にかかる。その後さ都民勝が旧恩を慕い再興して冥福を祈りしとぞ。
元禄8年この地に移せり。
本尊不動客殿に安ず。


最終更新:2020年05月16日 12:59