ジェムズガン

登録日:2012/09/16 Sun 01:05:45
更新日:2021/09/22 Wed 19:06:00
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機動戦士Vガンダム』、『機動戦士クロスボーン・ガンダム』シリーズに登場するモビルスーツ(以下MS)。



ジェムズガン

 JAMESGUN

型式番号:RGM-119
所属:地球連邦軍
   リガ・ミリティア
開発:アナハイム・エレクトロニクス社
生産形態:量産機
頭頂高:14.7m
本体重量:7.1t
全備重量:16.3t
出力:3,860kW
推力:22,270kg×3
装甲材質:ガンダリウム合金スーパーセラミック複合材

武装:
バルカン砲×2
ビームサーベル×2
ビームライフル
メガ・ビーム・バズーカ
ビームシールド/ヘビーガンシールド
スコップ、爆雷

パイロット:
連邦一般兵
ハリソン・マディン
バーンズ・ガーンズバック
ミッチェル・ドレック・ナー

【機体解説】


アナハイム・エレクトロニクス(AE)社が造った地球連邦軍の量産型MS。
地上用の機体で、ヘビーガンの後継機にあたると共にジムを初めとするRGM系MSの末裔でもある。

連邦軍史上初、そしてRGM系史上初の小型MSであるヘビーガンの完成からしばらく後、その後継機を求めて連邦軍がAE社に開発・生産を依頼。
当初の軍の要求は何よりもメンテナンスの簡潔さを重視するもので、戦闘スペック自体はヘビーガンと同程度でよいとされていた。一応。

しかし、実際はサナリィが開発した高性能な「フォーミュラシリーズ」の登場により状況は一変していた。
そもそも常に予算不足にあえいでいた上に平和ボケしていたとされる連邦ですら、ヘビーガンに納得出来ていなかったわけで(なので主力量産機になれなかった)、
0111年の次期小型主力機のコンペで、AEのMSA-0120がサナリィのガンダムF90に完全敗北したことで*1、ヘビーガンに近い性能ではダメダメということは明らかだった。
こうして「アレ? さすがにちょっと俺らヤバくね?」と連邦軍内のシェアを奪われることに危機感を抱いた彼らは、
シルエットフォーミュラプロジェクトで得たデータを使って、どうにか当時の一線級らしい性能になるよう再設計。
さらに、一機種のみで機種を統一するのではなく、フレームを共有する「宇宙用高機動型」を別で開発しハイ・ローミックスのような二機種体制に変更。
その「宇宙用高機動型」であるジャベリンより一足先に完成した、弟に劣った兄貴分の「通常型」こそが本機である。


統一された普及型の汎用機として長い伝統を持つRGM系MSの特徴を反映し、機体の性能はヘビーガンからそこそこ向上させつつも、
簡易化されたフレーム構造と、ジェガン時代から脱した小型化時代らしい技術の採用によって、高い生産性と整備性、そして堅牢さを併せ持っている。
アポジモーター数はヘビーガンと比べて3分の1以下だが、重量も約3分の2程度まで改良化されたことで機動性はより高まった…らしい。
さらに後期型はジェネレーターを更新した事でビームシールドも使用できるようになった。それまではヘビーガンの盾を流用。

武装面に関してはジム系らしく汎用性を重視しており、ビームライフルやビームサーベルなど、どれもオーソドックスな物ばかり。
コスモ・バビロニア紛争で醜態を晒したヘビーガン&ジェガンや、地上軍に未だ残る更に古い旧式機をも更新する新型機として期待され、
宇宙世紀0119年、「RGM-119」の制式ナンバーを与えられて待望のデビューを飾ったのであった。


















……ちょっと待ってほしい。あのヘビーガンと同程度だって?対MS戦を重視しない暴動鎮圧用として造られた?
しかも稼働から30年経過しているジェガン系をダウンサイジングした(ぶっちゃけ「ジェガンを縮めただけ」)、生まれた瞬間から既に旧式機なあのヘビーガンと同程度?
設計こそジェガンの使い回しを若干脱しつつあるとはいえ、そんなスペックでこの先も通用すると思っていたのか?

上記のジェムズガンは 「ヘビーガンを簡素にしただけ」と言うのは比喩でもなんでもなく文字通りの意味なのである
前述しているようにヘビーガン程度ではやばいと分かっていたはずで、技術盗用…というかぶっちゃけ強盗までしでかしているのに、
それでもAE社(の上層部)が『大したことのないMSを漫然と売り続けたい。』という当時の状況がここからも伝わってくる*2

…というかぶっちゃけた話、AE社はこれを小型MSではなく自動車でいえば軽自動車…云わば「軽MS」として作っていた。
技術の年代差で言えば『機動戦士ガンダムF91』の時代にザクⅠを持ってくるようなもんである。ロートル以前の問題だろう。
ダメダメ過ぎたコンペやシルエットフォーミュラプロジェクトも経ているのに、それで問題ないと判断した理由は不明だが。


……そして、真っ先に配備された月のグラナダでは当然のように不評となった。
決して地上専用などではなく、ジャベリンと共に宇宙にも配備する全領域機の予定だったのだが、宇宙では機動性を始めとした多くの面で期待外れ。
さらに機動性以上に深刻だったのが出力で、あまりに出力が出なかったことから運用する連邦軍の兵士から


「これで戦闘用モビルスーツ?モビルワーカーの間違いだろ?(笑)」

「次世代の最新量産機?ビームシールド使えるようになったヘビーガンだろ?」

と散々にこき下ろされるほどであったという。当時の連邦は平和ボケしたパイロットが多かったという設定なのに…。

ちなみにカタログスペック上のジェネレーター出力自体は3,860kWとそこまで低くない*3
機動性に関しても推力こそダウンしたものの、ヘビーガンよりも小型軽量化されたために推力重量比は約4.1と上昇している。

これだけの数値を持ちながらボロクソに言われているのは変な話だが、よくよく考えれば上記のスペックはVガンダム時代の物
そもそもこの時点でのカタログスペックはまともでも初期生産型も同じであるかは不明。ジェネレーターも据え置きだし。
この酷評っぷりから、あくまで机上の空論で初期生産型は実際に動かすと予定出力が出なかった可能性も非常に高い。
実際、ヘビーガンも初期型は不具合の嵐でなおかついきなりスケールダウンしたMSに現場は困惑。
パイロットからもメカニックからも「現行のジェガンの方がマシ」と言われていた。
いくら「基礎スペック凄いです」とか言われても、そのスペックが出せないのなら世間ではそれを「不良品」と呼ぶのである。

少なくともロールアウト当初はビームシールドすら装備されていない状態の上に、武装面でもジェガン以下。*4
ヘビーガンですら満足とはいかないのに、それから10年経過して小型化の技術も進化している中で、やっと来たのが結局代わり映えのしない廉価版。
下手をすればより貧相に見えるこんな廉価機体を「主力機として用いる」と言われれば、酷評の嵐は当然の結果ともいえる。


初期生産型は月に配備されたが、あまりに宇宙運用に適さないためにその後の生産機の大半が地上に送られ、実質的に地上専用機と化した。
要するに宇宙軍から地上軍への不用品の押し付けである。同じく不評だったヘビーガンですらそんな扱いされていないのに。
しかしながら、ジムⅢが現役で残っていたかもしれない*5当時の地上軍から見れば待望の新型だった。
整備性が高く、僅かな改修で地球上の全領域に対応可能ということもあり、地上用として大量生産されることになった。


最初から時代に置いて行かれているポンコツとして生まれたジェムズガンであったが、さらに過酷な運命が待っていた。
10年後に同じフレーム設計なのにめちゃくちゃ優秀な弟のジャベリンにお鉢を奪われ、完全に鞍替えされる。
そのうえコスモ・バビロニア紛争後の連邦軍の著しい軍縮の流れで、根本的な後継機の開発はさっぱり行われなかった。
結果「ビームシールド付けたヘビーガン」とすら言われた、決して傑作機とは呼べない本機が長年連邦地上軍の主力を担い続けることになってしまったのである。

その期間たるや『Vガンダム』の0153年に届きまさかの30年以上。コスモ・バビロニア紛争当時30年選手であったジェガンを超えるロートルである。*6
劇中(Vガンダム)の30年前の『F91』の時代でさえ型落ちの性能は完膚なきまでに時代遅れと化し、ただのカカシと成り果てた。
ザンスカールに協力したAE社員によるAEの技術や、かつてのライバル・サナリィの技術が応用されたザンスカールの最新鋭MSに一蹴されるばかり。
半ば戦力としてカウントされないようになり、後方の基地警備や哨戒のようなあまり重要でない任務に使われ、知らないうちに撃墜されていく。
さらには「巨大なスコップを持っての飛行場整備」というまさにモビルワーカーのような仕事をやらされる*7ほどの地位に落ちぶれた。
ザンスカール戦争の後期には連邦が少しは本気を出したのか、地上軍にも地上対応の改修を施したジャベリンが配備され、お役御免となっている。
ただし、後述するAAAA隊の様に改修されたジェムズガンを使いザンスカールのMSと渡り合った部隊も存在したため、一応完全な戦力外だった訳ではない。
乗ってる連中が化け物なだけじゃないの? とか言ってはいけない。

余談だが原型機であるジェガンのほうがむしろ、Vガンダムの時代にも戦闘を経験し、奮戦している説すらもある。
結果的にも本機は実質ジェガンの後継機なり損ねた機体と言える。ジャベリンの兄弟機というより、ヘビーガンの兄弟機と見た方がしっくりくる。

尤も、生産性とメンテナンス性が高い小型機というメリットは揺らぐ事は無く、これが後世に思わぬ形で生かされる事となった。
流石は軽自動車…いや軽MS。スーパーカブみたいな活躍の仕方である。

これがジェムズガンだ!

  • ジェムズバルカン(頭部バルカン砲)
地球連邦軍機の通常装備の二対の頭部機関砲。人間の歩兵相手なら無双できるんだ!
MS相手?牽制や威嚇ならともかく、ガンダムが撃ったって効かないのに効くわけないだろ、いい加減にしろ。
  • ジェムズサーベル(ビームサーベル)
腰のサイドアーマーに収納された二対のビームサーベルでメガ粒子の高い集束率を誇る。
リガ・ミリティアのMSと共通の規格なので信頼性は高いぞ!(活躍したとは言っていない)
  • ジェムズライフル(ビームライフル)
整備性や生産性を追求しサブグリップやオプション装備などは持たないという、潔く男らしい簡素なビームライフルだ。要するに費用をケチった安物
センサーサイトしか付いていないし出力が低すぎてリガ・ミリティアのスタッフに「役立たず」と一蹴されたぞ!ジェガン以下になっている…
そもそもヘビーガンのライフルでさえ、命中すれば一撃でエビル・Sを撃破するだけの火力を持ち*8、目的に応じてカスタマイズでき汎用性が高かった。
…要するにあれだけ酷評だったヘビーガンよりも役に立たないという武装である。
  • ジェムズシールド(ビームシールド)
左前腕のコネクタに接続されている防御兵装だ。初期型には未搭載でヘビーガンの実体シールドをそのまま使っている。
地球連邦軍の量産型MSとしては初めて搭載されたんだ!最大の魅力要素だが、遅くないか!?
こちらはケチっていたというよりは技術開発を怠っていたせい*9
アナハイム単独では製作できず、シルエットフォーミュラプロジェクトの賜物という可能性が高い。
ちなみにロールアウト時の実体シールドはヘビガンの時代でさえ火力についていけず気休め程度の代物である。
  • アンカーシールド
『鋼鉄の7人』に登場した兵装兼作業機器。
ワイヤーアンカーを組み合わせた実体盾で伸縮機構を持つ。ヘビガンのシールドと違って結構丈夫だぞ!
  • メガ・ビーム・バズーカ
元々はクラスターガンダムの装備で、宇宙世紀0150年代ではオプション装備になった。
…宇宙世紀0119年デビューで0150年代装備…?安心しろ、0169年まで使われるぞ!*10
ちなみにガンイージ/ガンブラスターにも「ビームバズーカ」として同型砲が標準装備されている。
  • ジェムズスコップ
巨大なスコップ。これで整地するぞ!主兵装と言っても過言ではない。
  • ジェムズボム(対地爆雷)
空中から爆撃する用の爆弾。バイク戦艦とかいう頭のおかしい相手に使ったんだ!
ウッソの母やゴズ・バールのゾリディアがアレになる回なので大体の視聴者に忘れられている。
ヘビーガンにあったグレネードは予算をケチってオミットされてるのでたぶん標準装備ではない。


以上。
…武装を見てもらえば分かるが、配備当時にまともに使える装備はなんとビームサーベルしかない
シールドなんか旧作機のお古である。ライフルに至ってはゴミ同然。出力が上がってるならヘビガンのライフルを持たせてやりゃいいのに…。
…やっぱりカタログスペックはデタラメだったのでは…盾さえ飾りのこいつで切り合える距離まで近づこうという方が正気の沙汰ではない。

【劇中の活躍】


後述の通り、宇宙世紀0123年のコスモ・バビロニア紛争の時点で既に初期生産型が完成しており、紛争に参戦している。
……という設定が存在するものの、『機動戦士ガンダムF91』本編には一切登場しない。
画面に映らない所で大活躍していたのかもしれないが、もしかすると当時からデナン系相手にやられ役だったのかもしれない。*11

0133年の無印『機動戦士クロスボーン・ガンダム』では既に配備されていて、木星戦役時には死の旋風隊によって宇宙港の防衛隊の所属機が全滅している。

そして外伝である『猿の衛星』でも登場。
ハリソン・マディンの部下がジャベリンと共に衛星探索に同伴するもジャベリン共々一年戦争時代のMSであるバルブスに翻弄された挙句、撃破される醜態まで晒している。
もっともこれは猿の練度が高かったせいで、ハリソンのF91ですら苦戦を強いられているため部下とジェムズガンに非はないが。*12
そもそも優秀な弟君でさえ勝てない上に宇宙戦を強いられていたんだからむしろ善戦した方だろう。
この時代でガチのエースパイロットをやっているハリソンの部下を務めているくらいなので相応の操縦技術を持っていたとしても全くおかしくないし。

0136年を舞台とする『鋼鉄の7人』ではハリソンの部隊で運用されている。またかよ
グレートバレーでの「イカロス」を巡る戦いではバーンズがハリソン隊から借りた機体で戦った。
木星軍相手には苦戦を強いられたものの、これはジェムズガンの性能よりも彼が連邦系MSの操縦に不慣れだったことが大きかった模様。
他にもドレックも乗り込んで木星軍のエルコプテを撃破しイカロスを守り、更にハリソン隊が地球に侵入していた木星軍部隊を全滅させる*13など、貴重な活躍シーンが与えられている。

『Vガンダム』の0153年にはもはや旧式もいいところ。
そのへっぽこ過ぎる性能ではザンスカール帝国の高性能機になど対抗できるはずもなく、やられ役に徹するのみであった。
しかしまあ、ゾロアットやゾロやトムリアット、ゲドラフなら百歩譲ってしょうがない。機体性能が違うんだし。
だがいくらなんでも戦闘車両同然のバイク型モビルアーマー・ガリクソン相手に全滅するのはどういうことなの……? MSの優位性とは一体……?飛べよ
ちなみに『ゴースト』にもジャベリンに紛れて少数がリガ・ミリティア所属機として登場し、宇宙戦闘を行っている。
宇宙だと性能は低いはずなのだが、改良されているのだろうか?単純に戦力&予算不足で使わざるを得なかっただけと言う可能性も高いが…

0169年の『DUST』では打って変わって連邦軍の特殊部隊キュクロープスで「ジェムズガン改」が多数投入される。
宇宙戦国時代の起こした衰退によって既に連邦や諸勢力は新型を作る余力が無くなり、技術レベルはビーム兵器が重宝された一年戦争時代まで後退。
この作品世界においては周囲のMSは18m級のレストアMSやミキシングビルドMSが多いという時代なのが功を奏した。
オリジナルから劣化しているとはいえまがりなりにも0100年代以降の小型MS故、このような時代なのでそれなりの有用性があると判断されたのだろう。
ただ、時代が変わってもやはりジェムズガンと言うべきか、流石にミキシングビルドやワンオフ機には歯が立たず、ルナツーの戦闘ではバロックによって複数機が一気に薙ぎ払われている。
また、本編から12年前の回想内ではキュクロープスではなく連邦軍機として改修機の「ショートショルダー」が登場する。
連邦軍人であるエバンスとその同僚が乗る3機が確認でき、エバンス機のみの仕様かは不明だが、至近距離ならリモコンによってコックピット外からでも簡単な動作が可能な模様。
そしてこの回想内で、ジェムズガン史に名を残す印象的な姿を見せてくれる…………嘘は言っていないぞ!


このように『クロスボーン・ガンダム』シリーズでは皆勤賞で、単なるモブに留まらず印象的な出番を与えられることも。
作者の推しMSなのでは?……と思う人もいるかもしれないが、アシスタントの同人誌*14によると
「この時代の連邦MSはあんまり種類がないから、というだけで別にジェムズガンをえこひいきしているわけではない」
とのこと。つまりは消去法である。ジェムズガンらしい扱いと言える。


【派生機】


◆ジェムズガン初期生産型
最初に生産されたタイプ。
まだ左腕にはビームシールドが無く、ヘビーガンと同じカラーリングになっている。
生産の遅れで7機しか造られず、全機が月のグラナダに配備された。
コスモ・バビロニア紛争で実戦デビューしているらしいが、グラナダ近くまでCVがやってきたのかが怪しく活躍の程は不明。
なお、資料によっては宇宙世紀125年までに配備されたのは全てこれであるとされ、これを根拠とすると125年までに配備されたジェムズガンは7機しかないことになる。


◆ジェムズガン宇宙艦隊所属機
ジムカラーに塗られた機体。艦隊の儀礼用らしい。ジャベリン配備までの繋ぎとして運用されていた。
一説にはスラスターやアポジモーターを宇宙用のそれに換装しているともされるが、真偽は不明。


◆ジェムズガン(ヨーロッパ地区配備機)
ヨーロッパ地区に配備されたグレー塗装の機体。
ザンスカール戦争時にはヨーロッパ地区に留まらず多くの地域でこのカラーリングに統一されていた。


◆ジェムズガン(インド地区配備機)
チベットのラサの辺りに配備された機体。ジムスナイパーカスタムのような緑と白のカラーリング。
本来はアジア地域の防衛部隊のカラーリングだったんだとか。


◆ジェムズガン(アマゾン地区守備隊)
「密林仕様」とも呼ばれる。ダークグリーンとブラウンの塗り分け。
ジャブロー周辺の警備隊に配備されていて、核燃料や資材の盗難防止が主な仕事。


◆ジェムズガン(コロニー守備隊所属機)
各コロニーの守備隊に配備された機体。
かつてのジム・コマンドみたいなカラーリングで塗装されている。
地球専用でなく同じ重力下であるコロニー内にも配備されたようだ。


◆砂漠用ジェムズガン
型式番号:RGM-119D
現地改修されたジェムズガン。
カラーリングがデザートカラーに変更されたこと以外は同じ外見をしている。


◆砂漠用ジェムズガン(AAAA隊仕様)
型式番号:RGM-119D
アフリカ地区に駐留していた連邦軍の精鋭部隊「AAAA(フォーアベンジャー)隊」で運用されたタイプ。
頭部にセンサー、バックパックにアンテナ、肩にインテークらしき物が増設され、胸のインテークやフロントスカートの形が変わっている。
リガ・ミリティアのブルーバード隊の陸戦用ガンイージと協力してザンスカール帝国のアフリカ制圧部隊の侵攻を押し止めていた。

ちなみにAAAA隊には後にリーンホースjrの艦長を務めるロベルト・ゴメス大尉も所属していたという。


◆ジェムズガン改
型式番号:CRGM-119

キュクロープスに配備されている機体。
連邦内のデータを元に再設計された機体で、時勢が時勢だけに性能はやや落ちており、ハンブラ-Bとの連携運用が基本。
ビーム兵器の信頼性が低下していた為、武装は実弾系のマシンガンやスナイパーライフル。
ネイビーブルー基調で塗装されている他、カメラアイはキュクロープス独自の目玉のようなものに換装され、かなり不気味な面構えとなっている。


◆ジェムズガン ショートショルダー

激化した宇宙戦国時代において運用されている改修機。
手の甲に左右2門ずつのバルカン砲と、ショットガン、通常のシールド(やや小さめ)を装備しており、
コロニー市街地での活動を考慮して肩アーマーのでっぱりが無くなったスッキリした姿となっている。
全体的に対モビルスーツ戦闘よりも対人戦闘に重きを置いており、この時代における連邦の姿勢が透けて見える。
なお、本機への改修には本来コロニー難民の福祉に使われるはずだった資金が流用されているらしい。
ジェムズガン改をショートショルダー仕様に改修した機体も見られるため、この時代においてはポピュラーな姿のようだ。

当初は「ジェムズガン ソードオフ」という名前が考えられていたが、「ソードオフだと強い機体に思えてしまう」という理由で現在の名前に変更された。
強い機体名すら付けてもらえないジェムズガンたん…。


【関連機】

後継機。前述した通り本機をベースにしつつも大幅なスペックアップを果たしている。
兄と違って非常に良く出来た機体として運用された。
詳しくは当該項目を参照。

  • ジェイブス
    • 型式番号:RGM-147
小説版『Vガンダム』に登場。ジャベリン同様濃い空色のシンプルなデザインの装甲が特徴的。
連邦軍の次期主力機として開発されている機体で、ジェムズガンを一回り程大型化したような見た目らしい。
……それジェガンじゃね?全高16mなのでジェガンとジェムズガンの丁度中間のサイズ。
性能においては雲泥の差であり、ジャベリンの後継機でなんとヴェスパーを運用する事ができる高性能機。
ただし予算の都合で少ししか作れなかった。毎度の事だが大体連邦のせい。

現在確認されている中では最後のRGMシリーズであり、ジェムズガンの子孫と言われている。
ただし先祖返りしており、ジェムズガンやジャベリンなどと比べて機体がかなり大型化(17m/80t)している。
汎用性や整備性などは高いがスペック面では完全に旧式化しており、劇中では整備不良と未熟なパイロットのせいもあってただの的と化していた。
新鋭機との性能差には如何ともしがたいものがあり、ジェムズガンと同じような立ち位置だったが、性能とは別の強みを持った名機として扱われている。
また、ラジオドラマ版では物量差でGセイバーを追い詰める活躍も見せた。
カラーリングはモスグリーンを基調に胴体を赤で塗られた無骨そのものなデザイン。汚いガンブラスター色のジム

【ガンプラ】

通常のジェムズガンが1/144で発売。ビームバズーカが付属している(クラスターガンダムやガンイージのものと同型)。
Vガンダムの1/144シリーズは「Vフレーム」と呼ばれる関節の影響で組み換えのしやすさと引き換えに造形や色分け、可動がアレと評されがちだが、
幸いジェムズガンはそれに当てはまらず、シンプルなデザイン故かVフレームの割りをあまり食わされずに済み、当時としてはそこそこ良い仕上がり。
成型色が真っ白なのでカラバリ機の再現が簡単なのもポイント。

追記・修正はジェムズガンでゾロアットを倒してからお願いします。













ちょっと待って欲しい…
果たして上記の内容が全てだと言い切れるのだろうか?


【小型化掲示時のアナハイムとサナリィの状況】

宇宙世紀102年にサナリィがMSの小型化を提示し、アナハイムに小型MS開発を指示したのが連邦の小型MS生産の始まりとされる。
だが、サナリィ側は96年時期には既に小型MSの実践運用という実績があった
その一方でアナハイムは連邦軍の量産MSの製造やミノフスキークラフトを搭載した30m級の新型MSの開発に追われ、小型MS開発に向ける余力が無かった可能性もなくもない。

ただし、アナハイムは長年MS関連技術を蓄積し続けており、
さらに超巨大企業でMS関連部門も複数ある上にMS事業を事実上独占している真っ最中で資金も施設もデータも潤沢であり、他の開発をする余力が無かったなんてことはまずない。
一方のサナリィは急速に態勢を整えてはいるがMS関連技術の蓄積などなく、110年代にわざわざデータ蓄積用に大型のF89を開発して試験とデータ収集を繰り返し続ける必要があった。

しかも小型MSについてはアナハイムがごり押しで色々通したにせよ、連邦からの正式な依頼なので確実な需要がある上に主力量産機として大規模な需要も見込まれる。
この様にアナハイム上層部としても小型化は最高のリターンとは言えないものの、連邦に気に入られる機体にするべく力を入れるべき理由はばっちりあった筈である。
そのため、確かなのは『アナハイム上層部がなるべく楽に儲けようとしていた』ということのみである。


【小型MSへの適応と予算の問題そしてロールアウト時の性能】

小型MSの登場によって既存のMSは過去の物となり、お払い箱になる…と思われていたが、少なくとも宇宙世紀120年前半まではジェガンが主力機として使われているのである。
この時には既にヘビーガンが配備されてから10年以上経過しており、ジェムズガンも宇宙軍で運用されだした頃である。
最初は不信感が割とあった様で、小型MS初のガンダムタイプでアナハイムとのトライアルも勝ち抜いたF90でさえシャアの反乱を潜り抜けたパイロットから当初は不満を持たれていた。
この時、既にヘビーガンがロールアウトされているにも関わらずこの反応である。
ただし、かといって大型MSの方が優秀(=積極的に開発続行)なんて話は今のところないため、割と小さな問題だったと思われる。


それ以上に深刻な問題が予算。
当時連邦は長年に渡る深刻な戦災とその復興や更にジオンの残党や反連邦組織や野盗の対応に追われて、連年大赤字を続けていた。そもそも小型MSを採用したのだって、性能上昇を見込んでとかでは無く、単に連邦の予算がなかったからだ。
いくら「性能もそこそこ良くて更にお安く作れます」といわれても、地球全土で装備のすべてを一斉に更新するほどの潤沢な予算など、もはや連邦にはなかったのである。

このことは小型MS開発前後に始まったことではない。
古くはグリプス戦役ではアレキサンドリアに宇宙用に改修したザクキャノンが居たり、連邦軍本拠地ジャブローでジム・キャノンやジム・スナイパーカスタムなどの型落ち、ガンキャノン重装型やガンタンクIIなどの半試作機、グフ飛行試験型、ザクタンクといった鹵獲品などが居たことやラプラス戦争で(戦略的価値の低い基地とはいえ)、トリントン基地が型落ちMSと兵器のデパートと化していたからも確かだろう。
こうした描写はそこからザンスガール戦争時まで、至る年代で見受けられる。
そのため、生産開始当時は(不評ではあるが)通用する性能だったとしても、十分に配備される頃には型落ちと化してしまった可能性は十分高い。

一方で最小限の改修で砂漠や寒冷地等何処でも利用できる汎用性で比較的安く作れる事は当時でも重宝されていただろうし、純粋に大きなメリットとして評価できるだろう。
数十年後に開発されたゾロアットやVガンダムには性能面では及ばないものの、少なくとも稼働率や整備性の高さや(無いよりはマシ程度とはいえ)ビームシールドが使える、パーツ調達の容易さというメリットがあるためジェガンやヘビーガンといった他の旧式よりはよっぽど戦力になったはずだろう。
そういう意味では現実の乗用車と軽自動車の関係性に近いともいえる。費用対効果の高さは戦局ではかなり優先度が高い。

【ジェムズガン自体の運用方法と連邦の体制変化】

上記に記載されている通り元々ジェムズガンはハイ・ローミックスのロー、つまり廉価版として質より量を最優先にして作られた「初めから数合わせ」としての役割を与えられたMSなのである。

上記のAAAA隊の様に腕の立つパイロットが乗れば話は違うのだが、そんなパイロットは余程の事情が無い限り後日量産化されたF91やジャベリンをあてがわれる筈だろう。
ジェムズガンを割り当てられているパイロットもローに位置する者が担当していたと思われる。
ロー×ロー、しかもそもそも小型MSが配備され始めの頃で慣れもない状態で活躍できる方がおかしい。

当時の連邦軍は「各地のMSをコレに更新して*15戦力を低下させないまま(可能ならば向上させつつ)軍事費を削減しつつ重要な戦闘を担うパイロットにはジャベリンをあてがうという方針」で乗り切ろうとしたのだと思われる。
これは頻発する戦乱やそれに対する復興で毎年赤字続きの連邦政府並びに連邦軍の苦肉の策だったのである*16

それでも、更に旧型であるヘビーガンやジェガンが運用されている状況下を考えれば十分主力級である筈…なのだが、長らく平和が続いた事*17で状況が悪化。
この時代の連邦軍全体が「何事も無く給料貰えればそれでいい」と言う体制になってしまっており、そんなパイロットが「いざ実戦!」で戦えるはずもない。
しかもMSもパイロットも敵が練度、士気などありとあらゆる面で、数段上なので怯え、竦み、本来の性能を生かせないままにアッサリやられるのは必然であったともいえる。






ジェムズガンを見放さない方は追記・修正をお願いします。

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最終更新:2021年09月22日 19:06

*1 MSA-0120は一部目を見張る要素はあったものの、パッと見では低コスト化したい連邦の要求とは全然違う方向性の機体であり、更に性能もF90にボコボコにされた挙句数分後に撃墜と、ボロボロとあっては完全敗北としか言い表せない。

*2 但し、様々な背景と思惑が絡んでいるため(特に連邦の予算不足)、これらの判断の全部が悪いとまでは言えない。大体悪いけど。

*3 前任であるヘビーガンは2,870kWなので大きく向上している。兄弟機ジャベリンが3,980kWで、クロスボーン・バンガードの主力機兄弟であるデナン・ゾンとデナン・ゲーはそれぞれ3,880kWと4,020kW。

*4 ちなみに腰部のハンド・グレネードに至っては完全撤去、主兵装のはずのビームライフルに至っては簡略化する為に取り回しと速射性に優れるジェガンより劣る。コンペ落ちしたヘビーガンでさえライフルは実戦で戦果を挙げたが、本機のライフルはマジでただの飾り。

*5 『機動戦士ガンダムUC』等の設定では、ジェガンの配備は宇宙中心で、地上にはほとんど配備されなかったとされている。地上軍のRGM系MSの更新はジェガンがスキップされたジムⅡ→ジムⅢ(あるいはネモ)→ヘビーガン→ジェムズガンという順で行われ、ジェムズガン配備時点でヘビーガンへの機種更新が出来ていなかった部隊の大半では、ジェガンより旧式の機体が主力のままであったと思われる。尤も後年の作品であるUCやNTでは、シャイアン基地で先行配備されてたグスタフ・カール、可変機のZプラスやアンクシャ(バンデシネ)に加え、スプリッター迷彩に塗装&ハイザックやマラサイのビームライフルを装備したジェガンが配備されてたり、多少の改修を施したジェガンが同じ基地で運用されてたグスタフ・カールやアンクシャと共にマーサの護衛に使われているので一部の部隊には配備されてたらしいが。

*6 ただジェガンは現役から退いただけで実際はその後も訓練機や警備機等に使われたという説があるためそれも考慮すれば互角だが。

*7 ジェムズガンの名誉のために一応言っておくと「MWの代わりくらいしか務まらないから整地をさせていた」というわけではなく、飛行場の警備をさせつつも、重機やMWが無かったし、や る 事 も な か っ た のでついでに整地もさせていただけである。

*8 もっともエビル・Sは小型の強襲偵察用MSで、武装は強力だが装甲は微妙な機体ではある。

*9 ジェネレータ等の他部品の影響もあって

*10 50年も前の機体を現役で稼働させるのもすごいが、レストアするにもよく部品があったものである。ちなみにクラスターガンダムは本体出力+でヴェスバー並みの威力に増強できるが、当然ながらジェムズガンにはそんな機構は備わっていない。

*11 補足しておくと元々F91はTVシリーズでの展開も予定されていたためそこで使う事を見越した設定だと思われる。

*12 実際、その騒動の前に捕獲した時も5機が大破した模様。ちなみにジェムズガンのパイロットは生還してる。ハリソンが苦戦する相手を5機がかりでは大破したとはいえ捕獲に成功して自分の命も守り切ったのなら十分善戦したと言えるだろう

*13 もっとも、この部隊は倒されることで「木星軍の脅威は去った」と連邦を安心させ、神の雷作戦を悟られないようにするための囮だったのだが

*14 CROSS BORN TO LOSE 旅情編

*15 別規格のMSを寄せ集めるよりも多少単調かつ貧弱でも同一規格にした方が教育や部品調達等のコスト面で優位なのは確実な為

*16 上記の通りジェムズガンは宇宙軍には受け入れ拒否されてもっぱら地上軍専用と化し、完全に型落ちのジェガンやヘビーガンや改修型のボールやジャベリン、量産型のF91も配備されるなどかなり混沌としているが、当時の連邦がそれ程ひっ迫した状況であったのだ。

*17 尤もクロスボーンガンダム等の後発作品による設定後付けにより本当に平和だったかどうか怪しくなりつつあるが…