チュートリアル(ゲーム)

登録日:2017/12/06 Wed 22:13:43
更新日:2025/02/05 Wed 18:51:14
所要時間:約 15 分で読めます





おまえさん しんまいトレーナーか?
ずぼし じゃな!
よいよい
だれだって はじめてはある
わしが いろいろと おしえてやるから
しんぱいは いらん
さあ わしに ついてこい!

☆「チュートリアル」とは
1対1または1対少人数形式で物事を教える教育方法のこと。
日本では主にレベル別にクラスを振り分ける形式の学習塾やスポーツクラブでお目にかかる機会が多い。
教師側が学習状況を把握しやすくなり、また生徒側も「優秀な一部の生徒が授業を進行させすぎてしまい置いてけぼりをくらう」ことを未然に防げる。

徳井義実と福田充徳によるお笑いコンビ名でもあるが、これは2人が高校時代に通っていた河合塾のホームルーム時間が『チュートリアル』という名前だったから。


アニヲタ的にはそこから派生した「コンピューターゲームの操作説明モード」を指すことが多かろう。
本項目では、このゲームにおけるチュートリアルについて解説する。

目次



チュートリアルを設ける目的

先述の通り、主にゲームの操作説明を行うために存在する。
ゲーム序盤においてまだ右も左も分からぬプレイヤー、特にゲームそのものの経験が浅い人はゲームを起動したところから途方に暮れてしまう場合も少なくない。

「えーと…どうすればいいんだ?」

そんなプレイヤーを助け、ゲームを楽しむための準備を手伝うのが「チュートリアル」の存在する目的である。

「いや、ゲームには取扱説明書があるでしょ?」と思った人もいるだろう。だが世の中には説明書を読まない*1、あるいは読んでもうまく飲み込めない人たちもいるのである。ゲームソフト(≒電子機器)に不慣れな人ならなおさら。そうでなくても操作系やシステムの複雑なゲームは昔から存在し、ゲーム慣れした人にすら難解な場合もある。
システム解析と問題解決に楽しみを見出せるコアゲーマーならともかく、多くのプレイヤーからすればそうしたゲームは概ねとっつきづらく、ひいてはゲームそのものの評判に直結する。ゲームを楽しむ前の段階で挫折(マーケティング視点で言う顧客の「脱落」)してしまう人が出ないように、というメーカーと開発者の心配りと言えよう。

操作方法・ゲームシステムの説明以外にも、作品世界に円滑に入り込むための入り口としても活用されるが、逆にメタ発言のオンパレードになってムードが台無しという例もある。

かつてはそうした情報は添付の説明書から得るのが一般的だったが、PC用・家庭用問わずダウンロード販売が普及し、アプリとして配信されるスマホ用ゲームも大量に増えたことで、もはや 取扱説明書の存在が過去のもの となった今日では、全体な印象としてはチュートリアル要素のないゲームのほうが珍しいぐらいである*2

プレイヤーの想像力を全開で生かす作品の場合、メーカー側が用意したストーリーモードや課題、あるいは序盤ステージの展開が丸ごとチュートリアルのようなものという場合もあったり、もっと極端なものではエンディングを1回見るまでが丸ごとチュートリアルに例えられる作品もある。


チュートリアルのメリット・デメリット

紙の説明書と比べて優れている部分も多いが、もちろん欠点がないわけでもない。

〇メリット

  • 直感的に操作を覚えられる
  • 説明書に比べて情報量が多い
  • 具体的な例を見ながら、少しずつシステムや操作を試せる
  • 説明書に使う紙を減らせる(コスト削減)
  • 内容の不備があった場合にパッチで修正できる
  • ストーリーの流れに沿って説明されるためネタバレの危険性が少ない

×デメリット

  • プレーしながら行うため、時間がかかる
  • スキップできない場合、周回プレーする気を削がれる
  • プレー途中に素早く見ることが難しい
  • 世界観ブチ壊しのメタ発言だらけになりがち
  • 記憶媒体に余分な容量が必要
  • チュートリアル部分にバグが発生する可能性がある
  • チュートリアルをまとめて参照する機能がない場合、後から当該箇所をロードして見返すのが面倒
  • 主人公が戦闘のプロと言った設定である場合には、そんな人に戦闘の基本を教え込む奇妙な光景になることも


実装形態と実例

一口にチュートリアルと言っても様々な形態が存在する。
演出や造りについても紙の説明書に劣らず凝ったものもあるため、ある意味開発チームの腕の見せ所でもある。

★特定の操作しかできないようにする

スマホゲーに割と多い。
よく使う操作を順番に伝え、また説明中はその操作しか受け付けないようにする。

例:ポケとる
最初のステージではガイド役のキャラクターの指示を受け、律儀に従ってパズルを解く。
あらかじめ専用のパズルそのものがプログラミングされており、解き方を自然に学べるようになっている。

例:三國志DS3(三國志3DS)
チュートリアルモードでは、テーマと無関係のコマンドは選べないようになっているのだが、
孫策を主人公とする本作のそれでは無視してカーソルを合わせると周瑜殿に怒られるので押せません」「張昭殿が同盟、同盟とつぶやいています」などと表示される。
これもある意味「メタ発言を招く」の実例だが、わざとコメディ色を強めることでうまくまとめてある。

★強制イベントに組み込む

RPGによくある。
無論これをやらないと先に進めないが、スマホゲーよりかはある程度寄り道できるパターンも。
必然的にメタ発言のオンパレードになるため、時折ネタにされるのはご愛嬌。

例:どうぶつの森シリーズ
家賃を払うためのアルバイトという名目で、基本となる要素を順番にこなしていく。
『e +』までは操作方法がほぼ同じなのもあり「いやアルバイトいらんから!」と思ったプレイヤーも多かろう。
たぬきちの二次創作での扱いを決定付けた罪深きイベントでもある

例:ポケットモンスターシリーズ
シリーズのお約束として序盤に野生ポケモンを捕まえる方法をレクチャーされるイベントが発生する。
余談だが、初代ではイベントを何度も発動可能なため、うっかりボックスも全部埋めてると所謂『詰み』に陥る。

例:ドラゴンクエスト
いきなり鍵のかかった玉座の間に閉じ込められる形でゲームが開始する。
冒険に出るまでに「宝箱の取り方」「鍵の開け方」「階段の移動の仕方」を実際に一通り行うこととなる。*3

例:ドラゴンクエストⅢ
お城で一定の操作を済ませないと、母親による鉄壁のガードにより街の中を自由に歩けないようになっている。
そのため、母親に言われるように王様と話していろいろと説明を受けないといけない。
SFC版では、強情に引き返そうとすると性格変化イベントが発生し、「がんこもの」または「ひねくれもの」に変化する。

例:ファイアーエムブレム 烈火の剣
リン編では普段SRPGをやらない層にはわかりづらい操作方法や武器の相性、クラスの特性などをわかりやすく教えてくれる。
前作にもチュートリアル自体はあったが割とあっさりな上に序盤から難易度が高めだったことを踏まえて導入されたのかもしれない。
しかし強制クラスチェンジという罠も。


★最初のステージ/エリアがチュートリアルを兼ねている

上記の亜種とも言える。
ゲームスタートして最初に来るエリア、或いはステージに基本的な仕掛けが用意されており、
ここをプレイすることにより自然とセオリーを叩き込まれるタイプ。
説明を仕込む余裕がない昔のゲームと、手探りで攻略に挑んでもらおうとする類のゲームを主に使われる。

例:スーパーマリオブラザーズ
最初のステージが有名な実践形式。
「敵の悪そうなキノコ=クリボーに触るとやられる」「だが上から踏めば倒せる」
「ハテナマークのブロックを叩くとアイテムが出て来る」「ボタンを押す長さでジャンプの高さを調節して土管を跳び越える」など、このゲームの基本が盛り込まれている。
他にも「最初のステージなのに敵以外はゲームのほぼすべての要素が出てくる」といった小ネタも有名。

例:ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド
最初のエリアである「始まりの台地」が実質的にチュートリアルを兼ねており、
ここで基本操作を身につけながら、それぞれのシーカーアイテムを使う祠を一通りクリアしなければ、台地の外に降り立つための重要アイテムが無く、外も底なし穴扱いになる。
だからといってアレトラウマを植え付けられるところまで含めなくてもいいんじゃないですかね…

例:逆転裁判シリーズ
第1話は法廷パートのみとなっており、主人公の新米弁護士に助手役の人物が操作法を伝授する。
作品ごとに主人公の立場が違っているので、主人公が記憶喪失になったり、久々の弁護という設定になったり、裁判の進め方を忘れた他の関係者に説明する等という形で操作方法を確認する場合もあり、「作中の設定でも*4国家資格のはずの弁護士が新作のたびに手順を忘れるのはおかしい」にも一定の説明をつけている。

例:ときめきメモリアル2
メインヒロインである陽ノ下光は非常に攻略難易度が低く、適当にプレイしていても(匠とバッティングしない限りは)彼女と結ばれることができ、大まかなゲームの流れや攻略法を把握することができる。
ただし、この攻略しやすさは他のキャラの攻略中には凶悪なお邪魔キャラとして機能し、爆弾処理に付き合っていたら意中の彼女ではなく光が卒業式後に待っていた…というのもままある。

例:デモンズソウル
キャラ作成直後、1周目の開始時のみチュートリアルステージからスタートする。
雑魚敵やアイテムが配置され、各種操作方法や攻撃方法、敵への対処を順当に覚えていく場となっているが、最後に用意されているステージボスの「拡散の先兵」が、ある意味本作を象徴するボスとして名高い。
というのも、この時点での主人公と拡散の先兵は非常に戦力差が大きく、初見ではまず勝てず普通に死亡することになるからである。
つまりは実質的な負けイベントデモンズソウルとはどういうゲームかを開始十数分で教えてくれる親切(人によっては心折)設計

その後主人公は拠点エリアにあたる「楔の神殿」という場所で、生身の肉体を失ったソウル体という状態で復活し、本格的に攻略を進めていくことになる。
本作が「死に覚えゲー」であるというゲームデザインと、生身・ソウル体の仕組みを一度に教えてくれる割と合理的な設計でもある。

ちなみに、拡散の先兵との戦闘は初見では厳しいというだけなので、2キャラ目以降プレイヤーが上達した状態や、あるいはキャラ再作成という形でリトライを繰り返していれば十分倒すこともできる。
その場合一応次のステージに進むことができ、ご褒美として序盤が少し楽になるアイテムが入手できる。
が、その最奥で待ち構えているボス「竜の神」との戦闘は完全なイベントであり、今度こそ主人公は為す術もなく死亡し、楔の神殿で復活するという同じ流れを踏むことになる。

例:エースコンバットシリーズ
ストーリー色が強くなってきて以降、お約束的に「Mission01は重爆撃機+申し訳程度の護衛機を相手に基本的な飛ばし方、空対空戦闘の操作を先輩パイロットやAWACSの兵員が教えてくれる」「M02か03でゲーム内では初の空対地戦闘を行う」ようなストーリー構成になっており、これらが事実上のチュートリアルの役目を担っている。
特筆されるのは『7』。01で対空、02で対地…に加え今作からの新要素、UAVとの対空戦闘も初回の練習をさせられる。このUAV、過去作の無人戦闘機*5と異なり過去作どころかフラシミュ経験者でもかなり手ごわく(事情については強い雑魚(ゲーム)項で説明しているので確認されたし)、チュートリアルと言いながら初心者にとってはかなり高難度なステージでもある。


これらの例では、難易度がハード以上になるとチュートリアルステージでもクリアするのが難しくなる。
雑魚の攻撃を数回受けただけでミス、いきなり敵の数や罠が多い等、油断できない。

難しくなるチュートリアルの例:ワリオランドアドバンス
このゲームはふつう、むずかしい、げきむずの3段階の難易度があり、難易度が変化すると面構成が激変するのだが、それをうまく落とし込んでいる例。ふつうは1分間あり、カエルスイッチを押すことでの制限時間発生、そこからのルート変化、時間内でゲームをクリア・・・というチュートリアルなのだが、むずかしいでは10秒で普通と同じ動きをしなければならない。げきむずに至ってはカエルスイッチがステージの中間に配置されており、げきむずでたびたび要求される制限時間内の探索をそれぞれ要求してくる。

★説明画面を別途用意する

説明!

潔く画面いっぱいをまるごと使うパターン。
この場合、何かしらの手段で後から操作方法を閲覧できることが多い。
また、いわゆるミニゲーム集ではこの方式が多く、多種多様な操作方法をわかりやすく解説する。

例:マリオパーティシリーズ
ミニゲームの前に必ず操作説明用の画面が表示され、雰囲気を掴みやすくさせている。
そこで割り当てられたボタンを押すなどで練習モードに突入し、あらかじめ予習することも可能。


★デモ画面で説明する

上記の亜種。アーケードゲームや対戦ゲームに多い。
オープニングデモやゲーム開始前のムービーに簡単な操作方法やルールの解説が入っている。
意図的にバカゲーに作ったアーケードゲームを中心に、時折ネタに走ったシーンが入ることもある。

例:頭文字D THE ARCADE
ローディング画面でラインガイド(いわゆる最速ラインを示した線。走行中に任意で消すこともできる)の読み方や選択したコースごとの特徴が説明される。高速・テクニカル属性の説明のようにあんま気にしなくてもいい内容もある。*6
変わっているのは「公道最速列伝」モードのもの。このモードは原作キャラをひとり指名して*7そのキャラの指導を受けながら速くなる…という体裁のゲームモードなのだが、レース中に指導してくれるイベントを入れられなかった可能性が高く、代わりにこのデモ画面で「選んだキャラが事前に指導や助言をくれる」形式が取られており、チュートリアル用の画像の下に出てくるセリフがキャラごとにちゃんと変更されているのだ。
やっぱり岩城は面倒見のいいやつだった。



★背景に説明させる

図解などを配置することで、やってほしい操作のヒントを与える。

例:星のカービィシリーズ(星のカービィWii以降)
序盤のステージでアクションの図解とそれに必要なボタンを示したガイドかんばんが随時現れる。
以降のシリーズでも登場し、最早お約束とも言える存在に。
足を止められないので、シリーズファンはサクッと通過してしまえる。

例:ソウルシリーズ
これらの作品には「血文字」「手記」というシステムが存在し、これはプレイヤーがステージの地面にコメントを残すことができる機能である。
この血文字・手記という形式でゲーム開始直後に辿るルート上には操作方法の書かれた固定メッセージが用意されている。
初心者なら操作説明を読みながら進む事で操作方法を確認しながら最初の拠点まで進む事ができ、慣れたプレイヤーなら無視してさっさと先に進む事ができる。

ダークソウルに関しては、長らく幽閉されていた主人公がNPCに助け出される所から冒険が始まるため、
ご丁寧にも血文字の存在とともに主人公の通り道に都合良くチュートリアル的メッセージが書かれている事への説得力にもなっている。
また「血文字を確認しながら進む」というプレイヤーの習性心理を突いた、ちょっとした演出も存在する。

Bloodborneについても、手記はプレイヤーたる狩人が書いたメモを「使者」と呼ばれる可愛らしい生物(?)に託されたものという設定となっており、
使者が新たな狩人ととなった主人公を発見した所からゲームがスタートする事、使者は狩人を慕い協力してくれる存在であるらしい事を踏まえると、
新規に狩人となった主人公の為に、使者が自ら戦い方の基本を教えに来てくれたと考えれば可愛らしいこれも世界観を損ねない秀逸な演出と言える。


★初心者用の施設を設ける

RPGでよく使われる。特典アイテムを入手できたりすることも多い。
FFⅤより登場した「初心者の館」が有名。
変わったところではFFⅦの初心者の館が面白い。主人公がプロの戦士なので、主人公がNPCに講釈するという珍しいシチュエーションになっている。

例:SEKIRO:SHADOWS DIE TWICE
プレイヤーの拠点「荒れ寺」の一画に「死なず半兵衛」という男がおり、「弾き」「危険攻撃への対処」「見切り」などの修練をしてくれる。
そんな事をしていたら身が持たないと思うだろうが、彼は名前通り「死なず」の体質を持ち、いくら技を決めて殺しても蘇るので問題ない。
また半兵衛の攻撃はダメージが無く、こちらも死ぬ事が無いので初心者でも安心。プレイヤーは気の済むまで彼を実験台にして戦闘スキルを磨くことができる。
だがまぼろしお蝶葦名弦一郎といった序盤の壁を乗り越え、不死斬りを手にするようになると訓練相手としては物足りなくなるのも確か。
……なんてプレイヤーの心境を見計らってか、不死斬りを手に入れると半兵衛はそれを使って自分を殺してほしいと求めてくる。
殺すには忍びないと拒否するか、今まで自分を鍛えてくれた礼として彼を送り出してやるかは、プレイヤーの判断に委ねられる。



★基本操作で報酬が発生する

これもスマホゲーにだいぶ多くなってきた。
1つ1つやってみるたびにそれぞれ1度きりの報酬が貰えるので、報酬に釣られてひととおりの操作を体験することになる。


★専用ステージを用意する

最近のACTやSLGでよくある。SLGでは本編主人公とは異なるプレイヤーキャラを操作する本編とは独立したミニストーリーということも多い。
先述の「戦闘のプロがいちいち基礎的な話を教わるのはストーリーとして不自然」を解決するために、スネークまったく別個に登場する新人兵士に対して実演つきの訓練をつける形式を取る『METAL GEARシリーズ』一部作品など、そういったステージを設けたのそのものをストーリーに組み込んでしまっている作品まである。

例:ファイアーエムブレム 封印の剣
本編とは別のチュートリアル用マップが用意されている。なぜかおまけの「エクストラ」メニュー内に。

例:FINAL FANTASY TACTICS
タイトルやメニューからチュートリアルを選べば、主人公の所属していたアカデミーのダーラボン教官がこのゲームのシステムを詳細かつ丁寧に隅から隅まで教えてくれる。
…だが、そんなことより項目が異様に多いかつクソ長いことで有名。
全部読んでると時間単位は平気でかかる量であり、それだけシステムが奥深い証ではあるのだが、それにしても多すぎる。
特筆すべきはこのゲームには「ダーラボンのまね」という技があり、効果は睡眠
長くて退屈で眠くなるというのは公式なのである。
PS版ではソフトリセットすると嬉しいバグまで発生するのでみんな途中退室する。PSP版では途中退室厳禁に

例:スターフォックス64
メインメニューから「トレーニングモード」を選ぶことができる。
ナウスから「操作の基本を練習してみましょう」と言われる通り、ここで一通り…というかほぼすべての操作を習得することができる。
ちなみに本モードで操作の説明をしているのキャラクターは「ヤル・デ・ポン」。
アーウィンやグレートフォックスの製造元である「スペース・ダイナミクス社」の社長である。
ただ、公式サイトでのスリッピー曰く、「兵器類の横流しなどそしている疑いのある腹黒ダヌキ」らしいとか…。
強制スクロールの後にはオールレンジモードの戦闘訓練になる、という流れであるが、ここでしばらく敵機を撃墜していると何故か時折スターウルフの戦闘機「ウルフェン」が紛れ込んでくる。


余談1:お遊び要素

上記のように基本的にはチュートリアルは決まった手順を踏むように設定されていることが多い。
しかし、チュートリアル中にわざと負けてゲームオーバーになったり、ありえない行動をした場合、特別にアシストが入る・ヒントが例示される・ゲームへの適性がないと判断され設定難易度を下げることを提案される・真面目にやれと怒られるなど特殊な措置・演出がとられるゲームもある。探してみるのも一興だろう。

例:星のカービィ スーパーデラックス(SFC版)
「はるかぜとともに:初心者の部屋」というチュートリアルコーナーで実際に操作することになる。ジャンプの指示の際に空を飛んで食べ物をとると、ジャンプから飛ぶことを覚えたことを褒めてもらえる。
また、敵を吸い込むように指示される場面もあるのだが、その際にスライディングや空気弾などで倒すと「…いじわる。」と言われてしまう。
これにかかわらず、今作の初心者の部屋はテキストが全体的にフランク。桜井節の先駆け。

例:ファイアーエムブレム 封印の剣
専用マップがあるのは上記の通りだが、実はそこでキャラがやられたときにも専用のセリフがある。
どのキャラも「これは訓練だからいいけど、実戦で死んだら居なくなるからね」と言った内容。
ちなみにロイがやられた場合、説明するのはセシリア。

例:ウルトラマン Fighting Evolution 0
チュートリアルの項目を選ぶと、ウルトラマンメビウスと教官のウルトラマンタロウの訓練という形でチュートリアルが始まる。
しかし、「今は実戦の訓練ではないぞ!」などのお叱りが飛んでもなお指示を無視していると怒ったタロウがストリウム光線を撃ち込んできて、チュートリアルそのものがいったん終了になってしまう
この隠しイベントもそうだが、チュートリアルの形式自体、もともと本作自体が『メビウス』やその映画作品『&ウルトラ兄弟』と強くリンクした作品でもあるため、これらの作中で語られる「メビウスの担当教官はタロウ」を明示するというニュアンスも存在したのだろう。

例:おすそわける メイド イン ワリオ
非常に多くのキャラと個性的な操作方法が存在する本作はキャラ追加ごとにチュートリアルがあるのだが、ワリオカップモードでチュートリアルのタイムアタックが登場。時間を詰めるのが意外と難しく結構熱い要素である。


余談2:チュートリアルトラップ

上述の様に、チュートリアルは時間こそかかるものの、ゲームの基礎を知るために受けておくべきものである。・・・のだが、中にはチュートリアルに実害のある罠が仕込まれていることもある。

例:Elona
ロミアス「…本当に食べてしまったのか?」
彼がチュートリアルしてくれるのは操作方法ではなく、このゲームがいかにフリーダムなのか、である。

例:サモンナイトX~TearsCrown~
ソティナさんにチュートリアルの中で、手持ちの赤色のマナストーンを使って召喚獣ユニコンを育成するよう指示される。
しかし、この赤色のマナストーンは序盤ではかなり貴重かつ重要なアイテムであり、それを成長率が大して高くもないユニコンに使わされるため難易度が上がる。
チュートリアルは断れるので、ソティナのメガネおっぱいに惑わされずキッパリ断ろう。


余談3:チュートリアルでの操作キャラが主人公以外

チュートリアルで操作出来るのが主人公以外のキャラなのだが、それが世界観設定に大きな意味を持っているタイプ

例: 深夜廻
なんと、チュートリアルの操作に従っていたら、操作していた女の子が首を吊って死んでしまう
チュートリアル終了後、視点は別のキャラクターへと切り替わるのたが…

例:師父-SIFU-
ゲーム開始のチュートリアルでラスボスを操作
体力の概念がなく雑に操作しても強いのは、単純にラスボスが実力者であるからである。
主人公はこの時に父親を殺され、自身も不死身の身体を手に入れて復讐の道を歩むことになる。
なお、ラスボスは主人公の父親の弟子、主人公にとっては兄弟子のため、戦闘スタイルも操作感も全く同じである。
故に、ラスボス戦は同じ戦闘スタイル同士の対決となる

余談4:やたら難しいチュートリアルorあとから激ムズになるチュートリアル

チュートリアルで難しくしている(容赦なくゲームオーバーになる)作品もたまにあるが、これらは意図された設計である。
バイオハザード2…スタート直後に背後は火の海で前方にはゾンビの群れという窮地。独特の視点カメラとラジコン操作もあって慣れないプレイヤーはすぐにやられてしまう。
風来のシレン6…序盤から敵の攻撃力が高く、HP管理を怠るとあっさりやられてしまう。
どちらもゲームオーバー時の徒労感や喪失感を軽減させる為にあえて序盤を難しくして、かつ失う時間やアイテムが少ないうちにリトライさせて操作方法を学ばせるという方式であり、色々と正解を探るうちに基本動作が身につくのでこれはこれでチュートリアルとしては機能している。

それと似た形としてARMORED CORE VIの惑星封鎖機構武装ヘリも初仕様『スタッガー』*8のイロハを文字通り叩き込む為に難易度が高くなっている。
結果的に旧作経験ありという意味での熟練のAC乗りたちも「スタッガー面を考慮した組み方をしないといけなくなった」を理解できるようになっており*9、『Ⅵ』のゲームデザインにスムーズに移行できるような構成となっている。

また、『スーパーロボット大戦α』のようにチュートリアルを飛ばすと難易度が自動的に上がるように設定されているものも。

また、チュートリアルだったものがあとから猛烈に高難易度化することもたびたびある。
この手法はファンサービスみたいな側面もあるので終盤面やクリア後の隠し面に採用されたりする。

例:Splatoon2
オクトエキスパンションのD-10データバン区が該当
チュートリアルのステージを逆走するものではあるのだが、タコゾネスに占拠されており
緩急の激しいスニーキングアクションを楽しめる。

例:Muse Dash
チュートリアルでは作中で使われる楽曲「Heart-Pounding Flight」のチュートリアル専用譜面が用意されている。
オートプレイによるお手本の後にプレイヤーが同じ箇所を演奏する、テンプレ通りのチュートリアルが展開される。
しかしエイプリルフール限定でチュートリアル譜面が超凶悪化する。体感に個人差はあるだろうが、難易度12段階中の☆9程度はあると思われる。
ちなみにこのエイプリルフール限定チュートリアルをプレイする事で解禁される実績がある。必ず最後まで完走させてもらえるので初心者も挑んでみるといいだろう。手荒い洗礼だが

例:SOUND VOLTEX
こちらもエイプリルフール恒例。
「グレイスちゃんの超~絶!!グラビティ講座w」「マキシマ先生の満開!!ヘヴンリー講座♥」「エクシード仮面ちゃんのちょっと一線をえくしーどしたEXCEED講座 」が該当。曲そのものはチュートリアルの曲なのだが、あまりにも自由すぎる譜面にプレイヤーを毎年困惑のどん底に叩き込んでいる。なお、「グレイスちゃんの超~絶!!グラビティ講座w」は本来はバグだったのをがんばって再現させたという斜め上の努力から生まれた謎の産物である。

例: 真・女神転生Ⅲ-NOCTURNE-
完全版のマニアクスでは、難易度をノーマルではなくハードで開始した場合、チュートリアルで2回目の戦闘である幽鬼ガキが最難関の戦いとなる。
幽鬼ガキの攻撃でクリティカルが発生か否かで勝敗が決まると言っていい戦闘であり、プレイヤーに出来ることは祈ることくらいである。
ある動画配信者が100回挑戦する検証企画を行ったところ、勝率は67パーセント、つまり3割の確率で負けるという結果になった。
なおこれは完全版でハードモードを追加したことで発生したある種の調整ミスであり、ノーマルモードでは普通のチュートリアルとなる。

余談5:チュートリアルの役目を持つ敵キャラ

「説明するのも面倒だ。どういうゲームや操作かをこれで理解しろ」と言わんばかりに専用の敵キャラを出して体で覚えさせてくるタイプ。
攻撃力がカスみたいな割にはどれだけ強烈な技を何回叩き込んでも倒れなかったりする、或いは逆に「こいつからは逃げろ!」と言うために他の個体よりも意図的に強化している、単純に倒しても倒しても無限湧きするなど、いろいろな点で明らかに「普通とは違う」存在となるのがほぼお約束。

例:バイオハザード
初代バイオハザードで最初に遭遇するゾンビ。
初遭遇時のシーンから『見返りゾンビ』という俗称で呼ばれることがある。
この見返りゾンビ、後に本格的に敵キャラとして登場するゾンビよりも意図的にタフに設定されており(=初期装備ではまともに戦ってもまず勝てない)、「ゾンビと戦うゲームではない。化け物屋敷から脱出するゲームである」ということを叩き込むためのキャラとしての役割を与えられている。





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最終更新:2025年02月05日 18:51

*1 読む習慣がない、もしくは展開のネタバレを防ぐため敢えて目を通さない等、事情は様々。

*2 紙の説明書も電子データとして添付できなくはないが、同じ画面で確認する必要があるためあまり向いていない

*3 当時まだRPGの概念が薄かった頃、操作の仕方を教えないとゲーム進行が不可能になることを危惧して、この方式が取り入れられた。一説にはプロトタイプ版を利用した試遊会の時に「そもそもRPGをどう遊べばよいのかすらわからない」来場者が非常に多かったため急遽玉座の間をチュートリアルマップとして実装したとも(千田(今作では統括P)、中村(ディレクター)、堀井(言い出しっぺ&シナリオ考案など多数)各氏などの主要スタッフは当時すでに洋ゲーでRPGをやりこんでいたため気づけなかったようだ)。その配慮を怠ったRPGが『星をみるひと』である

*4 ゲームシステムとのすり合わせが困難な部分については明確に「実際の裁判の手順に関する法律とはまったく別の立法がされている」と設定されている。

*5 こっちの意味でのUAVとも後で交戦するが

*6 コースごとに指定された「最速車種」が存在するため、実は属性の一致よりもそっちのほうの影響が大きい。そのため好みでクルマを選んでも結果的にそこまで影響しない

*7 ver2.8現在選択できるのは拓海、池谷先輩、第一部に登場した相手ドライバーすべて(ただしインパクトブルーは真子単独のみ選択可能で、沙雪や「コンビで」は指名できない)、延彦、恭子、文太、なつき。うちそもそもドライバーではないなつきの他、文太、涼介、須藤は事実上隠し要素

*8 簡単に言えば怯み・よろけ値みたいなもの

*9 ただしそういった層からも「さすがに未経験者にこのヘリとやらせるのは難しい気がする」という意見も出てはいる